株主総会でのバフェット氏の様子
益嶋裕氏(以下、益嶋):ここからはみなさまからのご質問に回答させていただきたいと思います。
まず1つ目、「バフェットの健康状態はどんな印象でしたか?」。西尾さん、歩いてるバフェットを見てどんな印象でした?
西尾貴仁(以下、西尾):かなり元気でしたね。とても84歳とは思えない元気でした。バフェットが前から歩いてきたときに、いろんな株主の方が「Hello, Buffett.」と声をかけていたんですけれど、それに対してバフェットはもうすごい大声で「Hi! How are you doing?」と声あげるほど元気に……歩くスピードも早いんですよね(笑)。
益嶋:すごかったですね、歩くスピードは早かったですね(笑)。なかなか追いつけなかったですからね。
西尾:写真をもっと撮りたかったんですけど、追いつけずに負けてしまいした(笑)。それぐらい元気な健康状態に見えましたね。
益嶋:では続いて、「マネックスはなんのためにバークシャーの株を持っているのですか? 純投資目的ですか? それともこのようなセミナーをするためですか?」。
こちら、実はマネックス証券の米国株のお取引というのは、みなさまからご投資いただくと、これはマネックスの名義になるということですね。
西尾:そうですね、はい。
益嶋:それを使って株主総会に参加したわけではないんですけれど、我々がバークシャーに投資しているといったことはございませんで、みなさまからご投資いただくと名義が1つになるというのが、そのご回答になるかなと思います。
アメリカの株主総会は誰でも入れる?
続いて、「アメリカ企業の株主総会に出席するためにはどうすればいいですか?」。
バークシャーの場合は少し特殊でございまして、実はバークシャー・ハサウェイは、首からぶら下げられる入場券のようなものがあるんですけれども、それを見せるだけで会場に入ることができると。日本の会社だとかなり厳密にチェックすると思うんですけれど、そういうことはないと。
バークシャーは自身の株主に対して、「株主1人に対して3人まで招待していいよ」と決めております。
そのようなかたちなので、米国のオークションサイト等でも流通していることもありますので、そういったところで購入いただければ、今年までのルールが変わらなければ、来年も参加いただけるのかなと思います。
続いて、「バークシャー・ハサウェイの行っている保険事業はどのようなものですか?」
保険事業、なかなかひと言でご説明するのが難しいんですけれど、もともとバークシャーが買った保険会社というのは、公務員向けの保険に目をつけた会社を買収したと記憶しているんですけれど、その会社が今も継続してビジネスを行っていると思います。
西尾:損害保険や自動車保険と、保険の会社をかなりたくさん持っていると思います。
益嶋:ミックスして持っていると。
西尾:はい。
株主総会中のホテル事情
益嶋:続いて、「バフェットの質疑応答のやりとりは一部しか紹介しないのですか?」
今日ご紹介できたのは一部なんですけれど、実は今週から来週にかけてより多くのやりとり、投資家のみなさまにお役立ちいただけるのではないかという内容を訳しまして、Webサイトでご紹介する予定となっておりますので、そちらをお楽しみにしていただきたいと思います。
「マネックスで米国株を購入しても、我々は非居住者ということで、総会はおろか議決権も行使できませんが、なぜ出席できたのですか?」と。
こちらは先ほど申し上げたような仕組みがあったり、今回当社の松本(大)がバークシャー・ハサウェイにお知り合いの方がいて、その方に許可を取って参加させていただきました。
「マネックス以外の日本人は参加していましたか?」。
私が見たのはお一人、「日本の方ではないかな?」という方をお見かけしたんですけれども、お話はできず、本当に日本の方だったかどうかわからないんですが、それ以外はお見かけしなかったので、参加されていたとしてもごくごく少数なのかなと思います。
続いて、「近くに大きなホテルはたくさんあるんですか? マネックスの2人はどこに泊まりましたか?」
ホテルについてのご質問なんですけれども。なんのホテルがありましたっけ? 会場のすぐそばに大きいやつ。ハイアットですとか、大きなホテルがあります。
ただ実は、昔バフェットも苦言を呈したことがあるんですけれど、人口40万人の町に4万人が集まるということで、そのあたりのホテルがその時期だけ一斉に値上げをすると。
それでも人がパンパンに埋まるということで……私どもが泊まったのは、車で20分ほどある、州はまたぐんですよね?
西尾:そうですね。川をまたいで。
益嶋:川をまたいでネブラスカ州じゃない州のホテルしか空きが見つかりませんで、そちらに泊まりました。それでも1泊2万円ぐらいはしましたね。
続いて、「本当に帰っているの?」。これはバフェットが自宅に帰っているのかというご質問ではないかと思うんですけれども。
確認の術はないんですけれど、一般的にはそこに帰って毎日そこで生活をしていると言われております。
「バークシャーの株を持っていなくても参加できるのですか?」。
先ほど申し上げましたとおり、この入場券を持っていれば参加できると。株主の紹介ですとか、ネット上でそれを購入したり、そういったことで参加ができると。
バフェットは、とにかくたくさんの人に少しでも多くの人に総会を楽しんでほしいと。本当にエンターテインメントのようなかたちで総会を作り上げているのが伝わってきましたので、より多くの人に参加してもらいたいと思っているようでございます。
「Sell in May」は信用できる?
続いて、「バフェットはダウから外されたAT&Tは保有していましたか?」
私の記憶ですとAT&Tは保有しておりません。去年一度、ベライゾンという同業の巨大通信企業を買ったんですけれども。
失念してしまいましたが、ベライゾンを一度は保有していたのは確かですが、AT&Tは少なくともここ数年間、最近というのは保有していないと思います。
「マネックスのセミナーのわりにおもしろい。この調子でガンバレ!」ということで、ありがとうございます。
「アメリカの相場は踊り場に差しかかっていると言われていますが、Sell in Mayと理解していいのでしょうか?」
これは、米国経済がこの冬場冴えなかったと。企業の収益も前年同期比で減益になるのではないかと言われておりました。なんとか増益を確保しそうな見込みのようですけれども。
さらにはこのあと利上げも控えているということで、なかなか米国株が資金が集まりにくい状況が続いてきたのが、米国株があまり冴えない理由ではないかなと思います。
「Sell in Mayと理解していいのでしょうか?」。Sell in Mayが起きるかどうかは正直申し上げて誰にもわからないんですけれども、現状のところ、毎年そうだと思われるかもしれませんが、そんな極端な不安材料は出ていないと。
ギリシャの問題がくすぶったりとかありますけれども、日本の企業業績は堅調に推移と。米国も悪いなりにプラスを維持しそうだということでありますので、大きくSell in Mayと言われる状況が近づいているという感じはいたしません。
「混蔵寄託の株主でもバークシャーの総会に参加できるでしょうか?」
これは、先ほど申し上げましたけれども、それだけでは本来は総会には参加できないと。ただ、バークシャーはいろいろな仕組みを用意しているので、それを活用できれば、来年以降も同じ仕組みであれば、参加いただける可能性があると。
「総会、招待状のチェックはどうでしたか? 日本からの株保有でも出席できますか?」
同じようなご質問ですけれども、入り口の総会、招待状のチェックというのはございませんで、先ほどのこちらですね、これを見せれば。
みんなも首からぶら下げているんですけれども。私は実は日本からぶら下げていて、ちょっと空港で笑われたりしたんですけれども(笑)。そんな感じで、見せるだけで入れたと。