バークシャー・ハサウェイの株主総会に行ってきました!
益嶋裕氏(以下、益嶋):みなさま、こんばんは。平素よりマネックス証券の商品・サービスをご利用いただきまして、誠にありがとうございます。
私はマネックス証券フィナンシャル・インテリジェンス部の益嶋裕と申します。本日はどうぞよろしくお願いします。
西尾貴仁(以下、西尾):私はマネックス証券トレーダー・サービス部の西尾貴仁と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
益嶋:というわけで、本日オンラインセミナーを開催させていただいているんですけれども、今日はウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイの株主総会に2人で参加してまいりましたので、その模樣をみなさまにお伝えしたいと。
このセミナーでは、もちろんバフェットが投資家に向けて話してくれたメッセージの一部をご紹介したりですとか、そういったところで投資にお役立ていただけるんではないかなという点ももちろんあるんですけれども。
それよりもぜひ「こんな会社がアメリカにはあるんだ」「こんな株主総会、日本では考えられないな」といったところを楽しんでご参加いただきたいと思います。
では、本日お伝えする内容をこちらにまとめております。
まず1つ目。今、ご参加いただいているお客さまであれば、ほとんど名前は聞いたことがあるという方が多いと思うんですけれども、ウォーレン・バフェットはどういう人なのか、そして彼が経営するバークシャー・ハサウェイという会社について簡単にご紹介いたします。
2つ目として、先ほども申し上げましたが、株主総会に参加してきたんですけれども、もう日本の株主総会とはまったく別の次元のイベントになっていました。本当にお祭りのような楽しいイベントでしたので、その楽しい模樣をご紹介してまいります。
そして3つ目。バフェット、そして共同経営者であるチャーリー・マンガーという方がいるんですけれども、その2人が約60問、投資家からの質問に答えて、投資家のみなさまに示唆に富んだ質疑応答が行われておりましたので、その一部をご紹介したいと思います。
ウォーレン・バフェットが“投資の神様”と呼ばれる理由
では、まず1つ目。「ウォーレン・バフェットってどんな人?」。そしてバークシャー・ハサウェイってどんな会社なのか、というところをご紹介してまいります。
こちらは写真付きでご説明しておりますけれども、この方がウォーレン・バフェットさん。1930年8月生まれということで、御年、今84歳でございましょうか。もうかなりご高齢なんですけれども、大変元気にバークシャー・ハサウェイを経営していらっしゃいます。
米国のちょうど真ん中あたりにある州、ネブラスカ州のオマハの出身でございまして、今回の株主総会もそちらで開催されました。
そして経営する会社が投資会社バークシャー・ハサウェイということで、そちらの会長兼CEOを務めていらっしゃいます。
“投資の世界の神様”として非常に有名です。このオマハ出身であり、大変質素に生活をされていて、示唆に飛んだ投資家向けのメッセージをよく発せられることから「オマハの賢人」といった呼び名もございます。
なぜ世界一なのかというところが端的にわかるのが、この表でございます。
こちらは1965年から昨年2014年までの50年間の平均の投資のリターンを米国の代表的な株価指数、S&P500と比較したものなんですけれども。
まず下のS&P500から見ていただきますと、こちらは年平均9.9パーセントということで、実はこれはとんでもないパフォーマンスでございます。
今日詳しくはご紹介いたしませんが、実はバフェットは「個人投資家はこのS&P500に連動するETFを買うのがベストアンサーではないか」という発言を行ったりもしているぐらい、そもそもこのアメリカ株のパフォーマンスというのはすごいんですけれども。
このバフェットのバークシャーはその約2倍の19.4パーセントという平均リターンを稼ぎ出していると。
これは複利で積み重ねていきますと、大きな差になっていきまして。S&P500でも1万1,000パーセントということでとんでもないんですけれども、なんとバークシャー、75万パーセントという、なにがなんだかよくわからない数字にまでリターンが積み重なっているということで、これがまず端的に世界一の投資家と言われる理由ではないかと思います。
世界最大の投資会社 バークシャー・ハサウェイの歴史
そして、これがS&P500とバークシャーの戦いといいますか、リターンの勝負を棒グラフにしたものなんです。青いほうがバークシャー、赤いほうがS&P500です。
とくに前半の2000年ぐらいまでというのは、ほとんど青いほうが勝っている。つまり、バークシャー・ハサウェイのリターンが上回っているというのがご覧いただけるかと思います。
今S&P500に対して、50年間で39勝11敗ということで、大きく勝ち越していると。さらに絶対リターンで年間収益がマイナスだったのはたった2回しかないということで、バフェットとバークシャーがすごいということがよくわかるかなと思います。
そして「バークシャー・ハサウェイとは?」ということなんですけれども。
先ほども出てきましたけれども、ネブラスカ州オマハに本社を置く、ウォーレン・バフェットとチャーリー・マンガーが経営する世界最大の投資会社でございます。
今は投資会社なんですけれども、もともとは毛織物ということで、布関連の事業を行っていたと。
バフェットが同社を1965年に買収して、それを機に保険業や投資業に拡大をして、1985年にはもともとやっていた事業をやめて投資・保険に専念したということで、バークシャー・ハサウェイ、少し変わった歴史をもっている会社でございます。
バークシャー・ハサウェイの株主総会はまるでお祭り?
というわけで、ウォーレン・バフェットがものすごい方である、そしてバークシャー・ハサウェイがあげてきたリターンがものすごいものである、ということがおわかりいただけたのではないかなと思いますけれども、ここからは「まるでお祭り! 株主総会の模様について」ということでお伝えしてまいります。
実はバークシャー・ハサウェイの株主総会は、大きく3日間に分かれて開催されておりまして、1日目が株主向けのショッピングイベント、そのあとにカクテルパーティ。2日目が株主総会本番、そのあとに屋外で軽食イベント。3日目にチャリティーマラソンということです。
実は私と西尾は、2日目まで参加してきたのですけれども、このチャリティーマラソンは残念ながら参加ができなかったので、1日目と2日目の内容についてお伝えしていきたいと思います。
ネブラスカ州オマハへの道のり
ということで、まず、先ほどから何回か出てきてきました、米国のネブラスカ州オマハというところのご紹介なんですけれども。
ちょうどご覧のとおり、米国の真ん中あたりにある州がネブラスカ州ということで、ワシントンがこちら、ニューヨークがこちらということで、どちらからも遠く離れている。
端的に言いますと、かなり田舎ということで、実は日本からの直通便がございませんので、行きは成田空港からヒューストン空港で経由してオマハ空港へ。帰りはサンフランシスコから成田空港へということで、直通便がないぐらい田舎にあると。田舎町、そこにバフェットはいまだに住んでいるということになっています。
ちなみに西尾さん、このオマハですけれども、人口はどれぐらいでございますか?
西尾:人口が約40万人となっております。日本で言うと、関東ですと藤沢ですとか、あと柏ですとか。東京ですと町田市ぐらいの大きさの都市だというふうになっておりますね。
益嶋:日本で言うと、そこまで大きくはないけれども、それなりの人口をもってるというところがございますね。
西尾:そうですね。アメリカですからね。
益嶋:ということで、オマハの街並みでございます。
いろいろな写真を置いているんですけれども、ご覧いただければわかるとおり、とくにそんなに目立つものはないということで、静かな田舎町でございました。人口も40万人しかいないということなので、閑静な住宅街が続くといった印象でございました。
ウォーレン・バフェットの自宅を公開
そして、初っ端からご紹介したいんですけれども、ウォーレン・バフェットの自宅がございます。
こちらは観光地化してるということで、タクシーの運転手さんに我々が「ウォーレン・バフェットの家とか行けたりするの?」みたいな感じで少し冗談めいて聞いてみたら、「ああ、もちろん行けるよ。連れてってやろうか?」みたいな感じで、多くの方が訪れるぐらい有名な場所になっていると。
ここに書きましたけれども、ぜんぜん大富豪の家だという感じはまったくしませんで、近辺にある住宅のなかで、やや大きめかなというぐらいの印象でしたよね。
西尾:そうですね。変わらないぐらいですね。
益嶋:かつ、とくに警備員なんかもいらっしゃいませんで。一応ここに車が置かれているように、「さすがにこれ以上は入って来ないでね」という意思表示かなとは思うんですけれども。
そんなにとくに大きな門があるわけでもなしということで、いかにバフェットが質素な静かな生活をされているかというのが伝わってくるお家でございました。
先ほども申し上げましたけれども、観光地化しているということで、少し今これ見切れてるんですけれども、私たち以外にも観光客の方、中国系の方ですとかヨーロッパ系の方ですとか訪れていました。
お互いに「写真撮ってあげようか?」とか「写真撮って」ということをして、興奮を分かち合っていたというのが……。
西尾:(笑)。
益嶋:これは1日目のショッピングイベントの前に行ったんですけれども、なかなか印象的だったなというところでございます。
西尾:けっこう朝早い時間帯でしたけれども、僕らが行った時点でもう3〜4組いて。
益嶋:いましたね。
西尾:ジロジロ見ている間にまた違う方が出てくるというような(笑)。
益嶋:また違う方が出てくるということで、次から次にバフェットの自宅をひと目見てみたいという方が来たと。
そして、バフェットはそういった方たちを邪険にするのではなくて、そのまま「好きにしていいよ」というようなスタンスでいらっしゃるようでございます。