銘柄発掘|利益率34%の「街履きスニーカー」、売上83%増のスポーツ用品メーカー
オニツカタイガー好調、スポーツスタイル売上83%増、通期業績予想上方修正のスポーツ用品大手
国内の注目銘柄を紹介する連載「ログミーFinanceの#銘柄発掘」。ビジネスモデルやファンダメンタルズの分析を通じて、中長期で保有できる優良銘柄の見極め方が身につく実践的シリーズです。今回は、アシックスを取り上げます。
シューズを主力のスポーツ用品大手、「オニツカタイガー」も展開
アシックス(7936)は、シューズを主力とするスポーツ用品メーカーです。2025年12月期の売上構成比は、ランニングシューズ中心の「パフォーマンスランニング」が44.8パーセント、競技用シューズの技術やデザインを街履き用スニーカーに生かす「スポーツスタイル」が17.4パーセント、ラグジュアリーライフスタイルブランドの「オニツカタイガー」が16.8パーセント、テニスなどの「コアパフォーマンススポーツ」が10.6パーセント、スポーツウエアやバッグなどの「アパレル・エクィップメント」が5.2パーセント、その他が3.1パーセント、ウォーキングが2.0パーセントとなっています。
事業構造で重要なのは、売上の基盤がパフォーマンスランニング、増益の主役がスポーツスタイルという点です。2025年12月期のカテゴリー利益率は、スポーツスタイルが29.3パーセントと、パフォーマンスランニングの23.7パーセントを上回りました。2026年12月期は、スポーツスタイルのカテゴリー利益を前期の413億円から760億円へ伸ばす予想で、増加額の347億円は全カテゴリーで最大です。
スポーツスタイルは、ランニングで培った技術や過去モデルのデザインを街履き用スニーカーに展開する事業です。代表商品には、衝撃を和らげるGELテクノロジーを搭載した「GEL-KAYANO 14」や「GEL-NYC」があります。1足100ドル以上の商品を中心に据え、コラボレーションや女性向け商品も拡充しています。ランニングで築いた技術やブランド資産を日常用途へ広げ、新たな顧客層の獲得につなげる戦略です。
スポーツスタイル売上83.0%増、カテゴリー利益103.0%増
2026年12月期中間期のスポーツスタイル売上高は、前年同期比83.0パーセント増の1,231億円で、為替影響を除いても65.6パーセント増でした。カテゴリー利益は同103.0パーセント増の419億円、カテゴリー利益率は3.3ポイント上昇の34.0パーセントです。増収効果に加え、販売価格の適正化の影響もあり、粗利益率が0.9ポイント改善したことも、利益が売上以上に伸びた要因です。
棚卸資産回転期間は81日から76日へ、粗利益率も0.9ポイント改善
流行に左右される同事業では、在庫が成長の質を確かめる材料になります。洋上在庫を除く棚卸資産は前年同期の160億円から249億円へ増えましたが、売上高の伸びが在庫の増加率を上回り、棚卸資産回転期間は81日から76日へ短縮しました。現時点では、在庫効率を改善しながら売上を伸ばしていると評価できます。
ただし、成長率を見る際は、2026年から一部商品をパフォーマンスランニングからスポーツスタイルへ移した点に注意が必要です。従来はパフォーマンスランニングに計上されていた商品の売上高が加わったため、前年同期比83.0パーセント増は単純に比較できません。今回の決算説明資料では移管額が示されていないため、為替影響を除く65.6パーセント増についても、販売そのものの成長と区分変更の寄与を切り分けることは困難です。区分変更の影響が一巡した後の成長率が、事業の持続性を判断する材料になります。
通期業績予想を上方修正、売上高予想を10.5%、営業利益予想も14.0%引き上げ
8月14日には、2026年12月期の通期売上高予想を9,500億円から1兆500億円へ10.5パーセント、営業利益予想を1,710億円から1,950億円へ14.0パーセント上方修正しました。中間期の好調な実績に加え、下期もスポーツスタイルとオニツカタイガーの好調が続くと見込んだほか、計画為替レートを足元の環境に応じて見直したためです。今後は、区分変更の影響が一巡した後もスポーツスタイルが成長を続け、30パーセントを超えるカテゴリー利益率と在庫効率を維持できるかがポイントになりそうです。
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今回のモデレーターは増井麻里子氏
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アシックスが登壇する8月29日(土)開催セミナー
タイムテーブル
・11:00〜11:05
オープニング
・11:05〜11:55
①ミトラグループ(6093)
・12:00〜12:50
②AI CROSS(4476)
・12:55〜13:45
③マクセル(6810)
・13:55〜14:45
④アシックス(7936)
・14:55〜15:45
⑤タカミヤ(2445)
・15:50〜16:40
⑥MIC(300A)
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※当日は投資家向けに注目テーマの解説や質疑応答などを予定しています。
執筆者プロフィール
執筆:西田哲郎ライター・コンテンツディレクター。投資歴15年。大きな損失を出したことをきっかけにイナゴを卒業、ビジネスモデルとファンダメンタルズ重視の手法に切り替える。業界紙やスタートアップを経てフリーで投資情報メディアやM&A情報サイトの立ち上げに関わり、現在は主に週刊誌で投資や経済関連の記事を執筆。
※記事内容、企業情報は2026年8月14日時点の情報です。
※当記事内容に関連して投資等に関する決定を行う場合は、ご自身の判断で行うものとし、当該判断について当社は一切の責任を負わないものとします。なお、文中に特定の銘柄の投資を推奨するように読み取れる内容がある可能性がございますが、当社および執筆者が投資を推奨するものではありません。
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