logmi Finance
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2026年6月期 決算ハイライト

市川聡氏(以下、市川):代表取締役社長執行役員の市川です。2026年6月期の決算についてご説明します。

まずは2026年6月期決算のご報告です。売上高は255億4,600万円で前期比5.7パーセントの増収、営業利益は30億5,300万円で前年同期比1.3パーセントの増益、営業利益率は12.0パーセントで前期から0.5ポイント低下しています。

もともと、いわゆるトランプ関税や、完成車メーカーによるEVへの過剰投資の見直しなどにより、エンベデッドソリューション事業の先行きには不透明感が残る状況でした。ただ、その他のビジネスソリューション事業などにおいて、底堅く推移した企業のIT需要をうまく取り込むことができたと考えています。

売上高と営業利益は緩やかではありますが過去最高を更新し、16期連続で増収増益を達成することができました。

2026年6月期 業績概要

業績の概要です。売上高、営業利益、経常利益はいずれも前期実績を上回りました。一方で、期初計画に沿ったAIおよび戦略商品の開発に向けた成長投資の拡大により、営業利益率は0.5ポイント低下しました。

売上高は計画比でわずかに未達となりましたが、戦略投資に伴う販管費の増加を吸収し、営業利益は計画どおりに着地しています。

純利益については、戦略的投資の一環として、車載事業での業務拡大を目指した資本業務提携先であるミックウェア社の株式について、投資有価証券評価損7,700万円を特別損失として計上したことを主因に、計画を下回る結果となりました。

売上高&利益 3期推移

売上高と利益の3期の推移については、純利益は低下しているものの、それ以外は順調に伸び、過去最高を更新しています。

四半期会計期間別 売上高&営業利益推移

四半期会計別の売上高と営業利益についてです。第2四半期および第3四半期で売上高と営業利益が若干落ち込む場面があり、通期の計画達成についてご心配をおかけしました。しかし、通期では計画を達成することができました。

売上総利益率・販管費率・営業利益率の推移

売上総利益率・販管費率・営業利益率についてご説明します。

売上総利益率においては、もともと完成車メーカーの比率が高かったエンベデッドソリューション事業の高収益案件縮小や、Tier1などの部品メーカーへのシフトが、粗利率低下の要因となりました。

また、プロダクトソリューション事業のコスト増加も影響しました。

この2つの要因により売上総利益率は0.2ポイント低下しています。

一方で、AIや戦略商品の開発など、将来を見据えた積極的な投資を進めており、その影響で販管費率が0.2ポイント上昇しました。

これらの結果を踏まえ、営業利益率は0.5ポイント低下しましたが、引き続き高水準を維持しています。

売上高、営業利益の増減要因(前期比)

売上高および営業利益率の増減要因についてご説明します。売上高に関しては、プロダクトソリューション事業を除く3事業で堅調に推移しています。一方、プロダクトソリューション事業は年賀状ソフトの販売撤退の影響などにより若干減収となっています。

営業利益については、研究開発や本社フロア増床といった戦略投資を吸収し、増益を確保することができました。

セグメント別業績サマリ

セグメント別のサマリーです。

ソフトウェア開発事業の内、ビジネスソリューション事業、エンベデッドソリューション事業は増収となりましたが、プロダクトソリューション事業の減収が影響しました。

売上高は計画に対して2.1パーセント減、セグメント利益は前期並みでの着地となっています。

システム販売事業では、北陸の拠点が昨年下期から業績に加わり、通期にわたり寄与したことで計画を達成し、増収増益を実現することができました。

事業セグメントと売上高構成比

事業セグメントごとの売上高構成比です。

これまでと大きな変化はありませんが、ビジネスソリューション事業は旺盛な需要を着実に取り込み、構成比が0.7ポイントほど伸びました。エンベデッドソリューション事業は概ね前期並みに推移しています。

プロダクトソリューション事業は、年賀状ソフト販売からの撤退の影響により、構成比が前期比で1.1ポイント低下しています。

事業別売上高の推移

サブセグメントも含めた事業別売上高の推移です。安定収益基盤を担うビジネスソリューション事業とエンベデッドソリューション事業は着実に成長しています。

システム販売事業も伸長しており、プロダクトソリューション事業を除く各事業で過去最高の売上高を更新しました。

セグメント別売上高:ビジネスソリューション事業

セグメント別の売上高についてご説明します。まず、ビジネスソリューション事業についてです。

売上高は141億1,700万円で、前期比7パーセントの増収となりました。旺盛な需要を着実に取り込むことができた結果、売上高が7.0パーセント増加し、売上総利益は前年同期比10.9パーセント増と、売上高を上回る伸びを実現しました。

その中の業務システム開発について、前年は公共系の高単価案件がありましたが、それがなくなったことによる反動減がありました。しかし、通信関連の案件の拡大やERP・医療系の回復により、増収増益で着地しました。

また、顧客ニーズに応じた生成AIの活用を進めることで、ノウハウの蓄積や活用基盤の整備が推進されています。

運用サポートについては、主要なお客さまのシェア拡大に加え、「Microsoft Power Platform」などの活用といった付加価値サービスが高収益につながり、売上総利益率も大幅に改善しています。

セグメント別売上高:エンベデッドソリューション事業

エンベデッドソリューション事業についてです。売上高は83億2,400万円で、前期比6.5パーセントの増収となりました。

事業全体としては、第3四半期以降に主力である車関連が一段と弱含んだものの、非車載分野の案件を着実に積み上げたことで、増収増益を確保することができました。一方、案件構成の変化により、完成車メーカーの売上割合が減少したことで、売上総利益率は前期比で1.7ポイント低下しました。

組込み開発に関する状況です。車載・半導体関連の主要顧客のIT投資抑制の影響を受けたものの、その中で案件のある分野へと柔軟にシフトすることで対応しました。具体的には、車以外の家電や産業など他分野で案件を拡大し、増収増益を確保することができました。

組込みシステム検証についてです。車載向けの大型検証案件が、昨年の第1四半期まで続いていましたが、それが終了したことに加え、米国では第3四半期以降、日本のOEMによるEV投資が大きく見直された影響を受けました。その結果、一部の車載機器の開発検証が停止となりました。

これを受け、売上高は前期並みを維持しましたが、売上総利益は減少しました。ただし、業務系の非組込み検証においてAIを活用したテスト自動化がサービスとして構築され、現在、地道に営業展開を進めています。

セグメント別売上高:プロダクトソリューション事業

プロダクトソリューション事業についてご説明します。売上高は21億2,600万円で、前期比6.6パーセントの減収となりました。

年賀状ソフトの販売終了や、業務効率化を支援する「xoBlos(ゾブロス)」については1期前に売り切りライセンスが多く販売できた反動減により、売上高が前期比で減少しました。

また、電子契約関連でSI開発の追加対応なども影響し、前期比で売上総利益は約10.2パーセントの減益となり、売上総利益率は1.5ポイント低下しています。

セキュリティ商品・サービスについてです。「WebARGUS(ウェブアルゴス)」のライセンス販売や、その前段階の脆弱性診断サービス等は順調に伸びています。

また、IoT版セキュリティ対策の「RezOT(レジオット)」の開発が完了し、現在はさまざまな企業に導入する準備段階にあります。パートナー企業との協業により、実機搭載に向けた開発準備を進めています。

業務効率化商品「xoBlos」については、売り切りライセンスの反動減が影響したものの、新規顧客の開拓は着実に進みました。4月にはデータ構造化ツール「xFormly(フォームリー)」が登場しました。こちらは、AIにさまざまなデータを読み込ませるためにデータの整形が必要という背景のもと開発されました。現在は販売が開始されています。

その他商品では、電子契約のSI追加対応として2案件がありました。そのうち1案件はすでに収束し、もう1案件はお客さまとの合意のもと継続中です。引当金も一部計上し、翌期への影響を抑制する対応を完了しています。ジャングル社については、法人向け商材が大きく伸び、収益性が大幅に改善しています。

セグメント別売上高:システム販売事業

システム販売事業についてです。売上高は9億7,800万円で、前期比12.9パーセントの増収となりました。

前期下期に承継した北陸営業所の販売体制定着に加え、Windows11移行に伴うPC需要の取り込みや、「楽一」保守料金の改定が寄与しています。

売上高は12.9パーセント増となり、売上総利益は20.4パーセント増加しました。売上総利益率も2.1パーセント改善しています。保守等を取り込んだ点が大きく寄与しています。

貸借対照表

貸借対照表です。自己資本比率は73.7パーセントで、高い財務健全性を維持しています。

キャッシュフロー

キャッシュフローは順調に積み上がっています。ROEはもともと25パーセント前後を想定していましたが、特別損失による純利益の減少を受け、若干下がっています。ただし、引き続き高い水準を維持しています。

2027年6月期 通期業績予想

2027年6月期の業績予想です。売上高は267億円、営業利益は32億円を見込んでいます。いずれも4パーセント強の成長を予想しています。攻守両面でDX需要が引き続き底堅く、17期連続の増収増益を目指していきます。

また、成長レバレッジである「AI共生モデル」を実装フェーズへ移行させるとともに、生成AIの活用や戦略商品の開発に、前期並みの投資を継続し、中長期的な成長基盤を強化していく1年間とする考えです。

2027年6月期 第2四半期業績予想

上半期の業績予想です。上半期は国内完成車メーカーによる次期車種の開発方針見直しに伴い、車載関連ソフト投資の予算調整を考慮し、売上高を前年同期比1.9パーセント増、営業利益は生成AI活用や戦略商品開発への継続投資を織り込み、同6.1パーセント減と予想しています。

収益機会を着実に取り込み、コスト管理を徹底することで、予想される減益幅を少しでも縮小できるよう進めます。

セグメント別 業績予想

セグメント別の業績予想です。全事業で増収を見込む中、エンベデッドソリューション事業では、車載関連の縮減影響を慎重に織り込んで前期比0.9パーセント増と、比較的低成長を見込んでいます。

前期減収となったプロダクトソリューション事業については、自社商品およびAI・DX関連案件の拡大による回復を図り、前期計画と同水準の23億円を目標設定としています。

セグメント別売上高:ビジネスソリューション事業

セグメント別に詳細をご説明します。ビジネスソリューション事業は売上高150億円、前期比6.2パーセントの増収を見込んでいます。

事業全体としては、モダナイゼーションを中心とする旺盛なIT需要を確実に取り込み、売上高を着実に伸ばしていくことを目指します。また、生成AIやローコード・ノーコードを活用した提案を積極的に行うほか、生産性の向上を推進していきたいと考えています。

業務システム開発についてです。まずはエンドユーザーをしっかり増やしていくことが、当社が生き残るための重要な道筋と考えています。お客さまに寄り添い、伴走していきます。その中で、当社の強みだけでなく、他社との協業も含めてお客さまに価値を提供します。

また、AI駆動開発の実績やノウハウを蓄積し、生産性向上を推進していきます。

運用サポート事業についてです。主要なお客さまである通信系は収益力が高く、成長性も非常に期待できる分野です。そこでシェアを拡大し、収益基盤を強化していきます。

合わせて、「Microsoft Power Platform」をはじめとしたソリューションを活用し、自動化の取り組みを拡充し、収益力のさらなる向上を目指していきます。

セグメント別重点施策:ビジネスソリューション事業

ビジネスソリューション事業の重点施策についてです。

開発フェーズというよりも、その前段階である上流工程やコンサル領域において、お客さまの業務を深く理解し対応することにリソースをシフトさせていく方針です。

これまで開発中心であった業務については、AIをうまく活用し、労働集約型から価値創出型へシフトさせていきます。

金融事業は直近それほど伸びていませんが、投資規模が最も大きいセクターであることから、この領域で強みを磨きつつ、再び開拓を進めていきたいと考えています。

運用サポートでは、クラウド内で「Microsoft Power Platform」とAIを効果的に活用するなど、DX伴走型支援をエンドユーザーに展開していくことを主軸に対応したいと考えています。

グループ子会社として現在2社がビジネスソリューション事業に携わっているため、協力体制を築きながら、売上と利益の最大化に努めていきます。

また、愛媛や函館に高度ニアショアの地方拠点がありますので、これらを活用して事業を拡大していきます。自治体との協力関係を築きながら、AIをはじめとしたさまざまな技術の研究開発を、今期1年間進めていく計画です。

セグメント別売上高:エンベデッドソリューション事業

エンベデッドソリューション事業についてです。売上高は84億円で、前期比0.9パーセントの増加を計画しています。

車載半導体分野の投資動向には若干不透明感が残るものの、主要なお客さまとの取引をさらに深めていきます。加えて、非車載領域の開拓を進め、厳しい状況ではありますが増収の達成を目指していきます。

組込みシステム開発については、IoTや産業機器向け案件の拡大に加え、防衛、航空・宇宙のような国が予算を投じる分野もしっかり開拓していきます。

また、欧州CRAやJC-STARなど、インターネットに接続するIoT機器のセキュリティについては、当社が非常に得意とする分野です。このような提案を継続しつつ、着実に増収を図っていく考えです。

組込みシステム検証は、車載検証に加え、ビジネスソリューション事業の分野である業務システム領域への展開を進めていきます。

また、AIを活用した自動化テストサービス「Qualicia」をすでにリリースしており、本格展開を進める中で、品質サービス事業への進化を目指してシステム検証を推進したいと考えています。

セグメント別重点施策:エンベデッドソリューション事業

エンベデッドソリューション事業の重点施策についてご説明します。

開発と検証を一気通貫で進めることで、しっかりとお客さまに価値を提供していきます。

主軸である車載系の深耕に加え、防衛、航空・宇宙といった新しいビジネス領域を開拓し、その中で経験と実績を積み上げていきたいと考えています。

法令改正に伴う需要への対応として、セキュリティ領域を取り込むことでさらに強みを増やしていきたいと考えています。

業務系の検証実績を積み重ね、検証事業を当社の柱としてさらに成長させていきます。

AIを活用したサービス「Qualicia」や「Q-Compass」を本格化させ、お客さまに展開していきます。

また、子会社がある北米地区においては、車関連の展開が広がっています。車に偏り過ぎているため、車以外の領域を開拓することも重点施策に掲げています。

セグメント別売上高:プロダクトソリューション事業

プロダクトソリューション事業についてです。売上高は23億円、前期比で8.2パーセントの成長を目指しています。

ストック収益を着実に積み上げ、人に依存しないビジネスモデルの構築を推進します。この領域の拡大を図りながら再び成長曲線に戻したいと考えています。

セキュリティ商品・サービスについては、「WebARGUS」「Sentinel ARGUS(センチネルアルゴス)」を軸に、拡大する市場を確実に取り込みながら、販売を強化して進めていきたいと考えています。

また、組込み製品版のセキュリティ「RezOT」については、パートナー企業との協議を通じ、早期の市場投入と事業モデルの確立を目指しています。現在かなり進展しており、もうじきプレスリリースを出せる状況になると考えています。

業務効率化商品「xoBlos」についてです。「xoBlos」「xFormly」の販売に加え、これらを起点としたデータマネジメント基盤の構築に向け、お客さまへの伴走支援サービスやAIの活用を推進していきたいと考えています。

その他商品についてです。電子契約サービスは直販をさらに拡大していきます。現在進行中の案件を早期にリリースしながら、次の案件の獲得を目指します。その中で周辺SIも取り込んでいきます。また、自治体関連の引き合い案件も増えていますので着実にクロージングを進めていきます。

ジャングル社については、「Data Migration Box」など法人向け製品が昨年度にしっかりと成長しました。ニーズはありますので、今期もさらに伸ばしていきたいと考えています。

セグメント別重点施策:プロダクトソリューション事業 1/2

プロダクトソリューション事業の重点施策についてご説明します。

セキュリティ商品・サービスに関しては、ランサムウェア対策製品「Sentinel ARGUS」の販売促進をさらに強化していきます。

また、IPAの「情報セキュリティサービス基準適合サービスリスト」に登録されたことを契機に、プラットフォーム診断や脆弱性診断などの引き合いが増加しています。これを踏まえ、「ARGUS」などを販売する前段階となる診断サービスを展開しながら、お客さまの売上増加を図り、最終的には「Sentinel ARGUS」の販売につなげたいと考えています。

「RezOT」については現在進行中の取り組みを前進させ、導入を実現していきます。収益につながるのは来期以降になる可能性はありますが、収益拡大へとつなげていきたいと考えています。

業務効率化製品に関して、「xoBlos」については、初期導入コストを抑えた小規模案件の確実な獲得や、導入済みのお客さまへの教育支援を行いながらアップセルを地道に継続して対応していきます。

「xFormly」に関しては、AI活用の前段階であるデータ整備の拡販に努め、収益につなげていきたいと考えています。

セグメント別重点施策:プロダクトソリューション事業 2/2

DD-CONNECT・DX事業・ジャングル社についてです。まずは、追加対応が発生したSI案件において、お客さまと合意したリスケジュールを順守します。また、二次開発、三次開発を取り入れることで、収益をしっかりとリカバリーしていくことが1点目です。

2点目は電子契約サービス「DD-CONNECT」の直販の拡大と、自治体などを含めた新規顧客の開拓、および周辺のSI案件の獲得です。

3点目と4点目は自治体との連携についてです。具体的には、下水道管の老朽化に対応するためIoT機器にカメラを搭載し、画像を撮影する取り組みを行っています。この画像をAIで診断することで、どの部分が老朽化しているかを特定します。このような取り組みを北斗市と連携して実施した実績があります。

下水道管の老朽化は各自治体が抱える課題です。道路を掘り返さなければ状況を把握できないのではなく、定期的に内部の診断を実施し、必要なところから順に修繕していく仕組みをルーティン化する展開を目指しています。

また、ドローンとITを融合させた取り組みを、自治体や学校と連携しながら、函館市および北斗市で進めています。

ジャングル社についてはさまざまな法人向け製品の拡販を、着実に進めます。

セグメント別売上高:システム販売事業

システム販売事業についてです。売上高は10億円で、前期比2.2パーセントの増収を計画しています。安定したリピート顧客基盤を背景に増収を見込んでいます。

小規模事業者数の減少が続く市場環境を踏まえ、さらなる収益基盤の強化を目指します。そのために、フロー中心の収益構造からストック中心の収益構造への転換を推進していく考えです。

その中で、サポート体制を「カスタマーサクセス」へ進化させ、お客さまと伴走しながら、さまざまな商材の販売をより強化していきます。

「楽一」については、需要の高い受発注システムやCMS、ECを連携した新バージョンが登場する見通しです。こちらを拡販することで、新規のお客さまの拡大を図ります。

セグメント別重点施策:システム販売事業

システム販売事業の重点施策については、先ほどご説明しましたので割愛します。

主要KPI(売上高、営業利益/利益率)

主要なKPIについてです。需要旺盛なビジネスソリューション事業およびプロダクトソリューション事業が成長を牽引し、売上高は前期比4.5パーセント増を計画しています。

また、生産性向上を進める一方で、成長に向けた投資を継続し、営業利益は前期比4.8パーセント増、利益率は前期並みの12.0パーセントを見込んでいます。

株主還元

株主さまへの還元についてです。2026年1月1日付で1株を2株とする株式分割を実施しました。2026年6月期の年間配当は、分割後ベースで37.5円を予定しています。

2027年6月期では、普通配当を2円増配し39.5円、創立45周年記念配当として2.5円を加え、合計で4.5円増配の年間42円とする予定です。配当性向は57.4パーセントを見込んでいます。

引き続き、安定的かつ継続的な利益配当の実施など、積極的な株主さまへの還元を推進していきます。

2026年度取り組み方針

「AI共生モデルを実装フェーズへ」、2026年度の取り組み方針についてご説明します。当社はAIを前提に事業を再構築し、伴走型AI/DXインテグレーターとして収益化を加速していくことを考えています。

FDEによるお客様とのデータ実証から生まれた新サービス

具体的な事例です。「FDE(Forward Deployed Engineer)」と呼ばれる取り組みが最近注目されています。これは、お客さま先に常駐し、社内に蓄積された重要なノウハウをお客さまにしっかりと提供する仕組みであり、特にアメリカの企業で活発に行われ始めています。

当社はもともと多くの主要なお客さま先に常駐し、お客さまにとってなくてはならない存在として活動してきました。その中で、当社のスタッフが価値を提供するだけでなく、AIの活用などを通して社内のノウハウを共有しながら、お客さまの価値をさらに高めていくことを目指しています。

このFDEに関連した成果の一例として、AIを活用することでお客さまが抱える課題を解決した事例があります。例えば、重要なデータがインターネットを介して外部に流出することを防ぐため、データが外に出る際にマスキング処理を施します。これにより、データの中身が外で判別できないようにしながら、データが戻ってきたら復元して安全に活用できるようになります。

また、このようなデータマスキングの技術やAI活用においては、当社の研究開発部門(R&D部)がハブとなり、FDEと連携し新しいサービスを創出しています。

お客さまと密接な関係性を持ちながら、研究開発を進め、これらをさまざまな場面で展開していくことを、AIを軸に進めていきたいと考えています。

3つの重点戦略

AIを活用した3つの重点戦略です。1点目はAIを前提とした開発を進めることです。2点目は検証業務のところでAIを活用し自動化を推進します。

3点目は新しい事業の創出です。具体的には、プロダクトソリューション事業の既存プロダクトにAIを実装します。さらに、システム販売事業では中小零細企業向けに「楽一」を中心に販売していますが、AIを活用することで、短納期・低価格でエンドユーザーのニーズに応える商品が提供できる可能性があると考えています。新規領域の開拓を推進すべく、そのような取り組みも始めています。

道南地域を実証のハブとした「地方創生×AI/DXソリューション」の横展開

事例を2つご紹介します。スライド左側に示されているのは、道南地区を中心に行っている下水道管の老朽化をAI画像診断で行うサービスです。

右側に記載したのは、実証実験段階ですが、ドローンとITを融合した次世代農業支援サービスを道南地区や北斗市などで実施しています。

AI攻撃に対する守りの要― 組込み機器向けセキュリティ対策「RezOT(レジオット)」

「RezOT」を2025年9月にリリースしました。これは、いわゆるIoT機器の中に「WebARGUS」のIoT版である「RezOT」を組み込むことで、ハッキングなどの攻撃を受けた際に迅速に元の状態への復旧を可能にする商材です。

海外のOSメーカーや国内の統合・管理サービスを担う企業が自社サービスを強化するために、当社の商材とアライアンスを組む動きがあります。このような3者が融合しさまざまなIoT機器のセキュリティを強固にしていく、この仕組みがデファクトスタンダードになることを目指しているのが「RezOT」です。

中長期成長モデル

中期経営計画の進捗と2030年ビジョンについてお話しします。

中長期の成長モデルとしては、事業基盤となる収益モデルを着実に成長させるとともに、成長要素である自社商品を中心にさらに伸ばしていくことで、効率的に収益力を高めていく方針に変更はありません。

中期経営計画目標値

中期経営計画の目標値についてです。もともと3年間で設定していた売上高267億円、営業利益32億円という目標に変更はありません。引き続きこの目標に向けて進めていきます。

戦略1 事業基盤

中期経営計画で掲げた内容は、そのまま継続して対応していきます。

戦略2 成長要素

重点テーマに対する各施策キーワードをまとめました。

戦略3 経営基盤

委員会の取り組みもかなり進み、現在は通常の組織で対応できるかたちに移行しつつあります。

キャッシュアロケーション

キャッシュアロケーションについては、さまざまな進捗があります。これまでのM&Aは、主に人的リソースの不足を解消することを目的として進めてきました。

しかし直近では生成AIの登場などを背景に、人材というよりも、むしろ会社やグループ全体の付加価値を高めるために、重要なエンジンを持つ企業や、サービスを持つ企業をM&Aする方向へと方針を転換しています。

M&Aがあまり進んでいないと感じると思われますが、現在候補を選定しながら進めている案件もいくつかあります。しっかりと成果を出していきたいと考えています。

M&A戦略

M&Aの方針も、先ほどお話ししたとおりです。

3つの50(フィフティ)

2030年ビジョンについてです。売上高500億円、営業利益50億円、配当性向50パーセントという目標設定に、現在のところ変更はありません。

ただし、営業利益目標を達成するための売上高については、これまでのような規模の拡大はそれほど必要ではない可能性もあると考えています。したがって、今後のAIの活用を含めた社会の変化によっては、売上高は若干修正する可能性がありますが、営業利益に関しては確実に目標を守っていく方針です。

私からの説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:「WebARGUS」の将来売上計画と、日本の官公庁・海外企業からの引き合いについて

司会者:「『WebARGUS』に期待しています。2年後や3年後にどの程度の売上を計画しているのでしょうか? また、日本の官公庁や海外の大手企業からの引き合いはありますか?」というご質問です。

市川:2年後、3年後の具体的な数字は控えますが、年間20パーセント程度の成長を目指しています。サブスクリプション型モデルであるため、大幅に急増するよりも、ダムに水が徐々に溜まるような増え方で成長していくと思います。その中で、10パーセント以上、20パーセント程度の年間成長を目指すことが基本となると考えています。

官公庁などからの引き合いが現在増加しています。これまで官公庁と結びついているSIerが運用を変えることに難色を示し導入を拒んできましたが、官公庁自身がこのような商材を導入する必要性を強く認識するようになり、SIerを押し切ってでも導入したいという声が少しずつ聞かれるようになってきています。

このような潮目の変化は当社にとって大きなチャンスと捉えています。この機会をしっかりと取り込むことで、10パーセントから20パーセントの成長を超える成果を実現できる可能性があると考えています。

また、「RezOT」については現在、海外のOSメーカーと協業を進めており、まもなくプレスリリースを発表できる状況になると考えています。

そうなると、日本国内での展開はもちろん、このOSメーカーが海外で営業活動を展開することで関連した案件が発生し、当社の「RezOT」が売れるだけでなく、エンベデッドソリューション事業に関連するリソースを活用しながらビジネスが広がると見込んでいます。

「RezOT」が順調に売れていけば、ライセンス収益に加え、周辺のSI開発も含めて、かなり収益に寄与するのではないかと考えています。具体的な収益規模については、現時点では申し上げにくいものの、そのような見通しとなっています。

質疑応答:2030年の「50・50・50」計画の売上成長目標について

司会者:「2年連続、ほぼゼロ成長の予想となっていますが、2030年の「50・50・50」のご計画には、売上年間で毎年プラス25パーセントの成長が必要となり、非現実的だと思うのですが、現在どのように捉えていらっしゃるでしょうか?」というご質問です。

市川:先ほども触れましたが、売上高はご指摘のとおり達成は難しい状況かと思います。ただし、目標設定はこの50億円の売上に紐づいており、この50億円という数値は死守していきたいと考えています。AI活用による収益力の強化や、自社商品を核とした周辺のSIを含め、利益面ではまだ大きく伸ばせる余地があると考えています。

また、当社は戦略投資を進めつつ、現在の収益を得ている状況です。戦略投資が一段落する時期に差し掛かると、さらに成長率が高まると見込んでおり、利益の50億円達成は十分可能と捉えています。

質疑応答:防衛・航空・宇宙分野の開拓について

司会者:「防衛、航空・宇宙分野を開拓するとのことですが、足がかりはあるのでしょうか? どのように開拓されるのでしょうか?」というご質問です。

市川:我々がもともと組み込み領域で有する技術領域がありますので、これをいかにお客さまに知っていただくかが重要になります。足がかりとしては、いわゆるその分野に入り込んでいる企業とのアライアンスを含めて対応していくかたちになると思います。

防衛予算は2倍、4倍になるとも言われ、現在のプレイヤーだけではさばききれない仕事量になっています。我々と協業しているさまざまな企業からも、防衛や宇宙関連の引き合いが少しずつ増えてきています。

そこにキーマンを配置し、「この会社はできる会社だ」という認識を得て、徐々に人脈や知見を広げていきます。過去にもさまざまな業種や業態の企業に対応してきた経験を踏まえ、同じような取り組みを進めることで、どこかの時点でしっかりと大きな1つのパイになると考えています。このような取り組みを地道に続けていきたいと考えています。

質疑応答:投資家に向けたビジョンやアピールポイントについて

司会者:「御社の株主になって5年になりますが、成長が鈍化しているように見え、魅力が落ちているように思います。投資家にとって、御社の良いところ、アピールポイント、見えているビジョンについて教えてください」というご質問です。

市川:成長がこの5年間鈍化しており、申し訳なく思っています。ただ、私たちの強みとして、ビジネスソリューション事業、エンベデッドソリューション事業、プロダクトソリューション事業が挙げられます。

ビジネスソリューション事業は安定基盤としての役割を果たしており、着実に成長を遂げています。エンベデッドソリューション事業についても、これまで車関連分野で確実に成長してきました。しかし、OEM企業の方針転換や業績状況の影響を受け、一部で成長が鈍化しています。

当社は車関連において約70パーセントの比率まで舵を切ってきましたが、その舵を修正することで再び成長曲線を描けると考えています。お客さま市場の変化に対応してバランスを取るべく取り組んでいますので、どうぞご安心いただければと思います。

プロダクトソリューション事業は、さまざまな投資を行いながら取り組んでいます。ただし、収益形態がサブスクリプション型であるため、一気に収益が大幅に上がるような状況をお見せできないことは非常に残念に感じています。

しかしながら、市場動向としてはセキュリティ分野のニーズが非常に高まっており、これを組み込み領域やまだ未開拓の領域で当社が開発することができれば、他社にはない強みになります。

これを実現することにより、これまでの安定成長に加え、みなさまが期待されているプラスアルファの成果をお見せできると確信しています。ぜひ、もう少し長い時間軸で見守っていただければ幸いです。

質疑応答:ユーザー企業のAI内製が本格化した場合の総需要規模の変化について

司会者:「スライドで示されたように、ユーザー企業のAIの内製が本格化した場合、総需要の規模は現状と比較してどのように変化する想定でしょうか?」というご質問です。

市川:エンドユーザー企業が極めて短いサイクルで、自社のみでAIを使いこなし、多様なことを実現するのは、最終的には難しいと考えています。そのため、伴走する存在であり続け、なくてはならない存在になることが、当社が継続して立ち位置を築いていくために重要だと思っています。

お客さまが次に何をやりたいのかを把握し、それに応じた当社のノウハウを提供していきます。お客さまは、自分たちだけで進めるというよりも、スピード感を持って進めたい、コストを抑えたいと考えているのではないかと思います。

その両方のニーズをしっかりと実現できるパートナーであることで、当社の仕事がなくなることはないのではないかと考えています。今後もそのような対応を継続していきたいと思います。

質疑応答:社内におけるAIの利用状況について

司会者:「AIは社員の何割ぐらいが使用していますか?」というご質問です。

市川:AIの使用状況については非常に幅広いパターンがあり、深く活用している社員から、少し触れてみた程度の社員まで含めると、80パーセント以上の社員がなんらかのかたちでAIを使用しています。

その中で、20パーセントほどの社員がAIを本当の意味で使いこなしており、特にベテラン層がこれまでの経験をもとにAIを活用することで、生産性が飛躍的に向上しています。したがって、この経験を若手にどのようにトランスファーしていくのかが重要です。

従来、1つの案件を4人で担当する場合は、リーダー1人と3人のメンバーが役割分担して人力で行ってきました。現在はベテランの横で全員が同じモニターを見ながら学ぶ環境を提供しています。例えば、AIへの指示方法、返ってきた生成コードの評価、間違い箇所の指摘、間違いに対する新たな指示の出し方など、AIを活用した開発のノウハウを若手に伝授しています。

活用内容に濃淡があるものの社内のAI活用率80パーセントというところから、さらに進めてAIを私たちの強みにしていくことを目指しています。その中でプロジェクトを通じて若手を巻き込みながら、会社全体でAI活用を推進する取り組みを継続する考えです。

質疑応答:今期の業績予想と完成車メーカーの影響について

司会者:「今期の業績予想についておうかがいします。基本的なイメージとしては、完成車メーカーへの影響は上期頃まで続き、下期以降は徐々に回復するという想定でしょうか? 完成車メーカーのトレンドをどの程度織り込んでいらっしゃいますか?」というご質問です。

市川:メーカーごとに異なる状況がありますが、完成車メーカーについては、2年から3年以内に本当の意味での回復は難しいと言われています。ただし、そのような中でも、全体の発注量は一定程度維持されています。

従来、私たちは自身の担う領域をどのように拡大していくかを考えてきましたが、それに加え、全体の市場規模の中で他社の領域をどのように取り込むかという施策も考慮しながら、この車関連領域で努力を重ねていきます。

若干弱含みの車載セクターを考慮して、今期は0.9パーセントという低成長計画を立てています。車載が低調であっても、他分野をうまく取り込むことで、達成可能な数字だと捉えています。

質疑応答:配当性向の上限目安と対応方針について

司会者:「配当性向は右肩上がりですが、上限の目安は設定されていますか?」というご質問です。

市川:配当性向については、基本的には50パーセントを少し超えたところが基準となるかと思います。なお、今回は配当性向が上昇しているように見えますが、これは記念配当2.5円がある影響です。

ただ、収益面は引き続き成長していくと考えています。したがって、来期に記念配当分がなくなったとしても、それによって減配になることはないと思います。収益を高めながら、減配にならないように進めていく考えです。

株価が下落傾向の際には、M&Aや社員への持ち株制度、自社株買いを含めた総還元性向を意識して対応していきたいと考えています。

市川氏からのご挨拶

この数年間は低成長という状況により、株主のみなさまにご心配をおかけしているかと思います。市場の過渡期や先行投資の状況も踏まえ、長期的には継続してより成長できる企業を目指していきますので、引き続きご支援ご鞭撻のほどよろしくお願いします。本日はありがとうございました。

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