2026年12月期第2四半期決算説明
Synspective、防衛省衛星コンステ事業が寄与し受注残高は前期末比+967.5億円の大幅増 通期業績見通しは変更なし
事業のハイライト:第2四半期~足元まで

新井元行氏(以下、新井):みなさま、こんにちは。Synspective代表取締役CEOの新井です。2026年12月期第2四半期の事業ハイライトについてご説明します。
まず、ビジネス面では、第2四半期末の受注残高が1,217億1,000万円に達しています。この大部分は、防衛省の衛星コンステレーションの整備・運営等事業が占めており、契約額は5年間で960億円を超えます。また、4月からサービスの納入をすでに開始しています。
また、内閣府の実証や民間企業向けのソリューションサービスを中心に契約の獲得が進んでいます。加えて、「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」を新たに採択しています。
ヨーロッパではミュンヘンでの子会社設立手続きが完了し、稼働を開始しました。これらがビジネス面での大きな進捗となります。
衛星の開発・製造・打上げに関しては、2026年5月に9号機を、そして6月には10号機の2つの衛星の打上げに成功しました。
また、国内外の需要拡大に対応するため、当社の量産工場であるヤマトテクノロジーセンターの拡張を決定しています。
さらに、4号機については耐用年数の短縮を決定しており、こちらについては後ほど詳細をご説明します。
2026年12月期第2四半期実績および通期業績見通しのハイライト

第2四半期の累計実績として、補助金収入と売上の合算値である総収入は39億1,800万円となり、前年同期比で186.5パーセント増加しています。
また、先ほどお話しした4号機の耐用年数短縮により減価償却の前倒し計上が発生し、コストが増加しました。しかし、人件費や投資などの後ろ倒しで相殺されたため、総額ではほぼ想定どおりに推移しています。
通期の業績は例年どおり下期偏重の見通しであり、現在の売上高の進捗率は26.6パーセント、総収入の進捗率は24.4パーセントとなっています。
下期に大きく伸びる見込みのため、通期見通しは前回の予測から据え置きとしています。以上が全体のハイライトです。
国内官公庁との主な契約/案件と計上時期 パイプライン

それぞれの事業進捗についてご説明します。まず、ビジネス面に関してです。スライドは、国内官公庁との主な契約についてのパイプラインの積み上げ状況を示しています。
最も大きな案件は、スライド表の7番に記載の、今年4月からサービス納入を開始した防衛省の衛星コンステレーションです。補助金では宇宙戦略基金が大きく、第一期については順調に進行中、第二期は採択が決定され、交付決定を待つ段階です。
「ソブリン需要」の拡大が事業機会を構造的に押し上げる

海外事業については、前回もご報告しましたが、今年の初めから「ソブリン需要」が拡大しています。地政学的リスクが依然として収束せず、むしろ高まっている背景もあり、各国が防衛関係費をGDP比で5パーセント近くまで増やすことを決定しています。
各国では大規模なプロジェクトが進行中です。これに伴い、なるべく自国でアセットを所有し、それを構築するためのサプライチェーンも国内で内製化することで、自国内での安全保障や海洋監視などの自由度を高め、主権を維持しようとする需要が世界的に増大しています。
これは今年の初め、もしくは昨年の後半頃から見え始めていた傾向ですが、その傾向がさらに顕著になってきました。それに伴い、当社でも供給能力を拡大することを決定しました。
具体的には、ヤマトテクノロジーセンターにおいて、最大で年間30機を製造できるスペースの確保を決定しました。
地域別の競合環境と当社の戦略

各地域の概況についてです。アジア、北中南米、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)地域における動きに関しては、大きな変化は見られません。
現在の当社の事業進捗としては、最初にシンガポールのオフィスを立ち上げたこともあり、アジアが最も順調に推移しています。また、各国政府との交渉も進んでいるため、アジアが最初に契約に結びつく見通しです。
続いて、ヨーロッパではいくつかの動きがあり、立ち上げが進んでいます。また、アメリカについては、今後どのような契約が可能か、さまざまな調整を行っているところです。
立ち上がりの順番としては、アジア、EMEA、北中南米という見通しであり、第2四半期にはある程度具体的な進展が見えてきました。
海外展開の進捗

まず、アジアについてです。日本とタイの政府間で「低軌道衛星コンステレーション協力に関する覚書」が締結されました。これに基づく共同調査が進められており、Synspectiveもこれに参加しています。
タイの大きなニーズとして、安全保障も挙げられますが、特に災害対応が非常に喫緊の課題となっています。10年以上前のことですが、バンコクで洪水が発生した際、日本の自動車関連産業が集積しているエリアが浸水し、大きな被害を受けたことがありました。
製造業が主体のタイにおいて、この出来事以降、災害対応が非常に重要な課題となっています。これに対し、コンステレーションを構築する取り組みとあわせて、災害対応にも貢献するという文脈で、日本とタイの提携が現在進められています。
ここにSAR衛星も一部組み込まれることとなり、衛星コンステレーションの提供と災害対策において、当社も日本国内を中心にさまざまな取り組みを進めています。これらのノウハウを提供し、協力を推進していくことが具体的な案件の1つとなっています。
ヨーロッパでは、パートナーシップをもとに各国政府との連携を深めています。具体的には、イタリアのe-GEOS社と戦略的パートナーシップを締結しています。
もともとe-GEOS社が持つ「COSMO-SkyMed」というSAR衛星は、当社のデータ解析にも使用していた経緯があります。このたび、当社の衛星「StriX」とのデータを統合的に利用し、解析アルゴリズムの進化やその他の付加価値サービスの共同開発を目指すため、戦略的パートナーシップを締結しました。
次に、ノルウェーのKongsberg Satellite Services社(以下、KSAT社)についてです。KSAT社は、衛星データのダウンリンクや衛星への指示送信といった分野で使用されるアンテナ運用で知られる企業です。今回はこれにとどまらず、メガコンステレーション向けに設計された先方のサービス「KSATlite」の活用や、その他のソリューションサービスを共同で提供することを視野に入れ、戦略的提携の拡大を目指しました。その結果、今期、MOU(基本合意書)を締結するに至っています。
活動実績:20件の災害緊急観測と解析データ提供を実施

ソリューション関係における目立った実績についてです。今年、日本では非常に多くの災害が発生しており、現在も現場で対応している方々が多くいらっしゃいます。
当社では、衛星の数が増加し、オペレーションの自動化も進んできたことで、現在千葉県で発生している洪水や熊本県の震災に対して、データ提供や被害状況の解析結果の提供を積極的に進めています。
具体的には、今回の熊本地震の場合、発災は7月28日午後4時半頃でしたが、当日中にデータ取得の登録と撮像計画を確定し、翌朝までに撮像を完了しました。
その後、当社の解析チームがフル稼働で解析を進め、段階的に政府に判読結果を提供しています。オペレーションの自動化や政府とのやり取りが標準化されてきており、以前よりも早く効果的に情報提供ができるようになりました。これは当社のミッションに謳うレジリエントな未来に直結する重要な分野です。今後も引き続きしっかりと対応していきたいと考えています。
衛星の製造および打上げ計画

衛星の製造および打上げ計画についてですが、今期の成果として、2機の打上げに成功しています。すでに両方とも8月に初画像を取得しています。
今後については、年産30機以上のキャパシティを持つ計画です。先ほどヤマトテクノロジーセンターのスペースを確保したとお話ししましたが、今後は製造能力やプロセスの拡張を進めることで、キャパシティの強化に努めていきたいと考えています。
9・10号機の打上げに成功、現在軌道上で7機運用中

2機の衛星打上げ成功により、現在軌道上で稼働している衛星は7機となります。スライドに示されている4号機から10号機が該当し、これらからのデータ提供を進めています。
4号機の耐用年数短縮について

4号機について、耐用年数の短縮を決定しました。具体的に何が起きているのかについては、スライドに記載されていますが、もともと経年劣化を想定していたものの、4号機の発電性能の低下傾向を再評価した結果、当初の想定よりも早く劣化が進行していることが確認されました。
現在調査中ですが、解析の進捗として、発電機能に関連する特定の部品や部材の性能低下が原因として最も可能性が高いことが判明しています。その結果、使用している部材による効率的な発電ができていない状況であると、現時点での解析結果で明らかになっています。
この影響により、運用に必要な電力を確保できる期間が短くなる見込みがあり、スライドの3つ目に記載されているように、現在2つの対策を実施中です。
1つ目は、特定の部材を変更できない現在運用中の衛星への対応です。この部材の性能低下は避けられないため、効率的な発電を維持するためにソフトウェアのチューニングを実施し、運用期間の延伸を図っています。
2つ目は、今後打上げる衛星への対応です。年内に打上げ予定の一部の衛星以降、原因となっている部材を交換し、新しい部材に換装するといった恒久的な対応を講じています。
実際には、まだ原因特定を進めている段階ではありますが、可能性が高い要因への対処を行うことで、同様の課題は収束していくだろうと考えています。
財務的な影響については、償却終了見込みを2027年1月までに短縮することを決定しており、これに伴い減価償却の前倒し計上が発生しています。
業績予想への影響額は、2026年12月期で8億2,000万円、2027年では1億円弱を予定しています。しかしながら、冒頭で申し上げたとおり、コスト面での影響は最終的に他の部分と相殺されるかたちとなり、全体としての影響は限定的に抑えられています。
以上が業績面での報告です。
連結業績ハイライト

志藤篤氏(以下、志藤):Synspective取締役CFOの志藤です。まず、連結業績のハイライトについてご説明します。スライドグラフは、2024年第2四半期から2026年第2四半期までの推移を示しています。
総収入は39億1,800万円となり、前年同期の13億6,700万円から大幅な増収となりました。これは、防衛省の衛星コンステ事業による売上への寄与と、宇宙戦略基金からの補助金収入が寄与したものです。
コスト面では、衛星運用機数の増加に伴い、売上原価および販管費が増加したため、営業損失は拡大しています。一方、補助金収入の寄与により、経常損失は13億7,200万円となり、前年同期から損失が縮小しています。
主要な経営指標

主要な経営指標についてです。総収入や受注残高は前述のとおりです。EBITDAは当期で8億6,700万円となり、前年同期比で18億3,000万円改善しました。この数値は経常利益を基に計算されたものです。補助金収入の寄与により経常損失が縮小し、あわせてEBITDAも改善しています。
現預金は162億900万円で、前期末比マイナス83億3,200万円となりました。これは衛星の製造・打上げが進捗していることが要因です。四半期末の衛星運用機数は6機で、前期末からプラス2機という状況です。
連結損益計算書

連結決算書の詳細です。売上高は16億9,100万円で、主にデータ販売の増加によるものです。その要因としては、防衛省の衛星コンステ事業の開始が挙げられます。補助金は、宇宙戦略基金によるものです。
売上原価は24億600万円で、前年同期比で9億7,000万円増加しました。この増加は、衛星機数の増加と、先ほど触れた4号機の償却期間短縮が主な要因です。
販管費は26億3,400万円で、前年同期比で6億3,400万円増加しました。これは、人件費や研究開発費、その他の費用が増加した結果です。
結果的に、営業損失は33億5,000万円となりましたが、補助金収入により経常損失は13億7,200万円となりました。また、繰延税金資産等の調整を経て、中間純損失は14億1,700万円となりました。
連結貸借対照表

連結貸借対照表です。衛星の製造および設備投資への支出は計画どおり推移しており、それに伴い現預金が減少し、固定資産に計上している衛星資産が増加しています。
負債は120億5,500万円で、前期末比で微増しています。これは新規の借入金の実行によるものです。全体として、衛星の製造・打上げに関するキャッシュアウトは当社の計画どおり進んでおり、着実に進捗しているとご理解いただければと思います。
連結キャッシュ・フロー計算書

キャッシュフローについてです。営業活動によるキャッシュフローは、補助金収入の寄与などによりプラスとなっています。一方で、投資活動によるキャッシュフローは衛星の製造・打上げへの投資があるため、大きな支出となっています。
2026年12月期通期 連結業績予想

業績の見通しについてです。結論としては、年初の2月に公表した業績予想を据え置いています。進捗率は第2四半期の実績ベースで、売上高が26.6パーセント、総収入が24.4パーセントとなっています。これらは年度末に向けて偏重して計上される見込みであり、現状は想定どおりです。
2026年12月期 連結業績予想の前提

業績予想の前提です。契約の獲得については第1四半期と比較して進捗しており、国内外の政府向け契約においては96パーセント程度がすでに契約済みとなっています。
補助金収入については、当初見込んでいなかった2つの補助金を獲得できています。
売上原価については、4号機の耐用年数短縮により想定よりも増加する見通しです。
販管費については、4号機の耐用年数短縮の影響を考慮した下期の販管費精査や、一部投資プロジェクトの効率化によって吸収可能と見込んでいます。このため、通期の業績予想の変更は不要と判断しています。
当期の重点投資領域

重点投資領域は第1四半期から大きな変化はありません。ただし、コストの一部増額の影響があるため、柔軟に投資を進めていきたいと考えています。
質疑応答:海外案件の受注拡大の見通しについて
司会者:「中期的な
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