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株式会社GENDA9166

東証グロース

サービス業

タイトル:売上高45%増も利益成長鈍化、M&A後の収益力向上がカギのエンタメ株

【基本情報】株価:602円(2026年7月31日終値)/配当利回り:1.33%

国内の注目銘柄を紹介する連載「ログミーFinanceの#銘柄発掘」。ビジネスモデルやファンダメンタルズの分析を通じて、中長期で保有できる優良銘柄の見極め方が身につく実践的シリーズです。今回は、GENDAを取り上げます。

ゲームセンター「GiGO」や「カラオケBanBan」を運営、M&Aで広げるエンタメ経済圏

GENDA(9166)は、ゲームセンター「GiGO」や「カラオケBanBan」などのリアルなエンタメ拠点をM&A(企業の合併・買収)で集約し、店舗運営の売上に加え、景品の企画・販売、カラオケ機器の流通、映画などのコンテンツ事業でも収益を得る企業です。

2026年1月期の売上高は1,707.9億円で、外部顧客への販売実績ベースでは、GiGOやカラオケBanBan、外貨両替機などを運営するエンタメ・プラットフォーム事業が91.6パーセント、景品・キャラクター商品や映画などを手掛けるエンタメ・コンテンツ事業が8.4パーセントを占めました。

同社のM&Aの狙いは、分散するエンタメ企業を取り込み、広げた店舗網へ景品、IP(知的財産)、DXを横展開することです。経営陣には、ゲームセンターを手掛けるイオンファンタジーの元社長である片岡尚氏と、投資銀行などでM&Aや資金調達を担った人材がそろいます。

また、創業時からGENDAを支援するミダスキャピタルは、経営人材のネットワークなどを通じて成長を支援するプライベート・エクイティ・ファンドです。事業運営の知見、M&A・財務の専門性、長期株主の支援を組み合わせ、買収後の経営改善やグループ連携まで進めやすい体制を築いていると言えます。

約1,100店舗・約1万3,000カ所の拠点網、限定景品200種類超を展開

買収を重ねた結果、GENDAはGiGOなどのアミューズメント施設、カラオケBanBan、フォトスタジオなどを約1,100店舗運営するほか、主に30台以下のゲーム機を設置するゲームコーナー「ミニロケ」を約1万3,000カ所展開しています。

拠点が増えるほど、IPホルダーにとっては限定景品を多くの店舗で展開できる魅力が高まり、GENDAも独自商品の企画・展開を進めやすくなります。実際、2026年1月期には「GiGO限定景品」を200種類以上展開しています。

限定景品によって来店動機や既存店売上を押し上げることで、買収済み資産からの追加利益を期待できます。

売上高45.0%増も調整後四半期純利益46.5%減、利益成長に課題

一方、規模が大きくなるほど、買収した事業を着実に利益へ変える力が問われます。

GENDAが重視する調整後EBITDA(営業利益に減価償却費やのれん償却費、一過性のM&A関連費用を足し戻した指標)は、買収に伴う一時的な費用の影響を除くため、取得済み事業を含む本業の収益力を見やすい一方、M&A関連費用や償却費を足し戻した指標であるため、営業利益や当期純利益などの会計上の利益と併せて確認する必要があります。

2027年1月期第1四半期は、売上高が前年同期比45.0パーセント増えた一方、調整後EBITDAは8.0パーセント増にとどまり、調整後四半期純利益は46.5パーセント減でした。

買収によって売上規模は大きく拡大したものの、前年同期比では利益の伸びが売上高の伸びを下回りました。一方、調整後EBITDAと調整後四半期純利益はいずれも第1四半期の会社計画を上回っています。

北米の調整後EBITDAは0.1億円、巡回回数が約40%減

主な要因の一つが北米事業です。買収した5社の統合過程で、システム統合後に現金回収の負担が増え、拠点の巡回回数は約40パーセント減少しました。

その結果、北米事業の調整後EBITDAは、計画の8.7億円に対して0.1億円にとどまりました。

M&Aで取得した事業を円滑に統合し、売上を利益へ変える力が、今後の課題として表れています。

既存事業FCF50億円・初配当8円、資本効率の改善が焦点

今後はM&A件数だけでなく、取得済み事業をFCF(同社資料では、EBITDAから税金、設備の維持更新投資、成長投資などを差し引いて算出する資金)、調整後ROIC(投下資本からどれだけ利益を生んだかを示す会社独自算定の指標)、調整後EPS(M&Aに伴う償却費や一過性費用などを調整した1株当たり利益)へ変えられるかが重要です。

会社は2027年1月期に、既存事業でFCF50億円の創出を目指します。一方、調整後ROICは2024年1月期の24.3パーセントから、2026年1月期には7.9パーセントへ低下しました。

2027年1月期第1四半期末のNet Debt/EBITDA(純有利子負債が利益創出力の何倍かを示す財務指標)は2.8倍です。2027年1月期は年間8円の初配当を予定しています。

北米の利益率と調整後EPS、IFRS移行後も実力値を注視

国内アミューズメント施設の既存店成長や、北米における巡回回数の回復は前向きな材料です。ただし、北米の利益回復が遅れ、FCFや調整後ROICが改善しなければ、負債負担や資本効率への懸念は残ります。

なお、2027年1月期第4四半期からIFRS(国際会計基準)へ移行し、のれん償却費が計上されなくなるため、EPSは会計基準変更の影響を分けて見る必要があります。

北米事業の利益率、全社FCF、調整後ROIC、負債倍率、そして発行株式数の増加を上回って調整後EPSを伸ばせるかに注目です。

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執筆者プロフィール

執筆:西田哲郎
ライター・コンテンツディレクター。投資歴15年。大きな損失を出したことをきっかけにイナゴを卒業、ビジネスモデルとファンダメンタルズ重視の手法に切り替える。業界紙やスタートアップを経てフリーで投資情報メディアやM&A情報サイトの立ち上げに関わり、現在は主に週刊誌で投資や経済関連の記事を執筆。


※記事内容、企業情報は2026年7月15日時点の情報です。
※当記事内容に関連して投資等に関する決定を行う場合は、ご自身の判断で行うものとし、当該判断について当社は一切の責任を負わないものとします。なお、文中に特定の銘柄の投資を推奨するように読み取れる内容がある可能性がございますが、当社および執筆者が投資を推奨するものではありません。

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