2027年3月期第1四半期決算説明
カバー、ライセンス/タイアップ売上高8.2%増、海外取引拡大が牽引 スマホゲーム200万DL突破、想定収益は期初計画を大幅上振れ
2027年3月期 第1四半期|経営評価とサマリー

谷郷元昭氏(以下、谷郷):代表取締役社長CEOの谷郷です。それでは、2027年3月期第1四半期の経営評価およびサマリーについてご説明します。まず業績概況です。当第1四半期の売上高は88億2,500万円で、前年同期比マイナス8.3パーセントとなり、営業利益は6億5,100万円で、前年同期比マイナス33.0パーセントとなりました。
配信およびマーチャンダイジング収益については、タレント構成の変化、トレーディングカードゲームの販売スケジュールの差異、さらにEC商品の製造や販売オペレーション移行に伴う一時的な品揃えの不足などが影響し、前年を下回りました。
一方で、ライブ/イベント分野は前年同期比プラス109.6パーセントと大きく伸長しました。また、ライセンス/タイアップ分野も堅調に推移し、業績を確実に下支えしています。
次に事業進展についてです。中長期的な成長に向け、次世代タレント育成プロジェクト「mekPark」を始動し、新規タレントの創出基盤を強化しました。また、原宿店舗の営業開始やスマートフォンゲーム『hololive Dreams』の全世界リリースなど、多面的な展開が進んでいます。
特に本件は、第1四半期中に事前登録者数100万人を達成し、新たなファン接点の創出に成功しました。
最後に、成長基盤強化と構造改革についてです。4月からの新体制により、意思決定の迅速化を進めるとともに、戦略適合性や経済合理性に基づくプロジェクト評価を実施しています。これに伴い、「ホロアース」のサービス終了を決定しましたが、培った技術や知見は既存事業へ統合し、重点領域へ経営資源を集中させることで、持続的な成長を実現していきます。
決算ハイライト|2027年3月期 第1四半期のサマリー

金子陽亮氏(以下、金子):取締役CFOの金子です。予実進捗について、当期の売上高は88億2,500万円となり、上期業績予想に対して39.6パーセントの進捗となっています。配信/コンテンツ分野およびマーチャンダイジング分野が一時的に調整局面に入りましたが、既存タレントのトラフィックは復調基調にあります。また、マーチャンダイジング分野については、過年度の在庫調整や生産管理強化の反動で商品が品薄となり、機会損失が発生しています。今後、下半期に向けて改善を進めていきます。
配信/コンテンツ分野およびマーチャンダイジング分野の減収を補ったのは、前年同期比プラス109.6パーセントと大幅に伸長したライブ/イベント分野、およびプラス8.2パーセントと堅調なライセンス/タイアップ分野です。ライセンス/タイアップ分野の貢献により、限界利益率は前年同期の43.1パーセントから44.8パーセントへと向上しており、多面的な事業展開によって全体の利益構造を下支えしました。
続いて、第2四半期に向けた展開についてです。配信/コンテンツ分野では、各種夏季施策に加え、次世代タレントプロジェクトである「mekPark」から「UNIT B(Pre-Debut)」および「ACHRORA」の本格始動を進めています。
また、大型スマートフォンゲーム『hololive Dreams』のリリースに伴い、関連施策を展開し、ゲームを通じて他の当社コンテンツへのユーザー還流を図っていきます。さらに、メディアミックス・コンテンツを活用した大規模な接点創出を通じ、一時的に離脱した休眠層の再アクティブ化や新たなファン層の積極的開拓を推進していきます。
次に、ライブ/イベント分野ですが、海外大型ライブとして「hololive English」の「hololive English 4th Concert -Serendipity-」を開催しました。また、国内では桃鈴ねね 1st Live「花咲く*ねねねねねねねね超開花!」を開催しています。
これらに加え、海外でも複数のイベントを開催し、グローバルにおけるブランド露出のさらなる拡大を図っていきます。
続いて、マーチャンダイジング分野についてです。夏季施策と連動した各種グッズの販売や、トレーディングカードゲームの海外販売を強力に推進します。あわせて、公式店舗での集客および体験価値の強化を図ることで、購買機会の拡大と収益の伸長を目指していきます。
最後に、ライセンスおよびタイアップ分野についてです。
大型スマートフォンゲーム『hololive Dreams』の展開に伴い関連収益の拡大を図るとともに、アジアおよび北米を中心とした海外市場におけるライセンス/タイアップ収益の成長を確実なものとしていきます。このように、全事業領域において積極的な施策を展開し、業績の拡大を目指していきます。
売上・売上総利益の推移

売上および売上総利益の推移についてです。過年度比で卒業タレント分の収益が減少したことや、一部商品の品薄の影響により、配信およびECの売上は短期的な調整局面を迎えています。
減収となる一方、第4四半期に実施した一過性在庫整理の反動や事業効率の維持により、売上総利益率は前年同期と同程度の水準で推移しています。
売上原価・販管費の推移

売上原価および販管費の推移についてです。原価内訳では、第4四半期に過去の商品在庫整理を行った反動で、製造原価水準が改善しています。一方で、販管費項目では、人員増や物価上昇に伴う人件費およびオフィス設備費が増加しました。ただし、マーチャンダイジング減収に伴う倉庫販管費などの変動費減少や社内リソースの再配置により、販管費総額は前年同期比・前四半期比ともに減少している状況です。
限界利益・営業利益の推移

限界利益および営業利益の推移についてご説明します。収益性の高いライセンス分野の伸長により、限界利益率は前年同期比で1.7ポイント増加し、44.8パーセントへと向上しました。一方、営業利益率は成長基盤強化を目的とした固定費投資やEC収益の調整の影響で低下しましたが、強固な限界利益構造やゲーム分野の貢献による収益構造の変化を背景に、第2四半期以降は売上拡大を利益成長に結びつけていきます。
事業分野別の進展|配信/コンテンツ

谷郷:それでは、ここからはサービス分野別の事業展開についてご説明します。
事業分野別の進展ですが、まず配信/コンテンツ分野についてお話しします。タレント構成やコミュニティ環境の変化を背景に、ショート動画を中心とした配信関連指標に軟化が見られる一方、所属タレントの多様な配信活動の進展や新興タレントの台頭が底堅い実績推移を支えています。
さらに、次世代タレント育成プロジェクト「mekPark」が始動し、「UNIT B(Pre-Debut)」および「ACHRORA」の2ユニットが活動を開始しました。「UNIT B(Pre-Debut)」に関しては、すでに「YouTubeチャンネル」登録者数が10万人を超え、新しいタレントが着実にファン層から受け入れられていることが確認されています。
事業分野別の進展|ライブ/イベント

ライブ/イベント分野についてです。第1四半期は例年、第4四半期の大型イベント制作の反動でイベント実施件数が少なくなりますが、本年度はタレントの個性を活かした複数の大型オフライン施策の実施により、前年同期比で実績が拡大しました。
また、過去に実施したライブコンサートに関わる映像商品の販売など、アセット型収益も売上に寄与しています。プロ選手も参加する大型eスポーツイベント「獅白杯」は、第4回にして初のオフライン開催となり、音楽ライブやコンサート以外の分野でも大型オフラインイベントを通じてファンと熱狂を共有した事例となりました。
事業分野別の進展|マーチャンダイジング

マーチャンダイジング分野についてです。公式店舗である原宿店の営業を開始し、オムニチャネルによる流通取引総額(GMV)の最大化を推進しています。
一方、トレーディングカードゲームの新商品の販売スケジュールおよび商品構成の差異に加え、卒業タレント関連商品の売上減少により、前年同期比ではマーチャンダイジング売上が調整しています。また、製造・販売オペレーションの移行過程で、一部商品の欠品や品揃え不足による機会損失が発生している状況を認識しており、今後の改善に努めます。
事業分野別の進展|ライセンス/タイアップ

ライセンス/タイアップ分野についてです。国内大手クライアントとのコラボレーション案件を通じて全国での露出拡大が進展し、ブランドとしての影響力拡大に寄与しました。また、営業および事業開発体制の拡充により、北米や東アジア地域を中心とした海外クライアントとの取引規模が拡大し、マーケティング面での寄与も大きくなっています。
成長基盤強化および構造改革に係る重点施策の進捗状況

成長基盤強化および構造改革の進捗についてご説明します。当社では、現在を中長期的な成長基盤強化に向けた重要な投資期と捉え、規律ある投資と構造改革を着実に推進しています。
重点施策領域の1つ目は、タレント価値の創出です。次世代タレント育成プロジェクト「mekPark」が始動し、「UNIT B(Pre-Debut)」および「ACHRORA」が練習生としてユニット活動を開始しました。
また、タレントの創作環境整備を専門とする部署をタレントマネジメント部門内に新設したほか、今年度中の新規タレントデビューや、下半期におけるプロダクション全体でのアニバーサリー記念イベントの準備を順調に進めています。
2つ目は、ファン体験の向上です。「ホロアース」の終了により得られた技術や知見を既存事業へ統合するとともに、自宅配信システムや新スタジオ技術の下半期リリースに向け、開発を進めています。あわせて、健全なファンコミュニティの維持に向けた法務・カスタマーサポート活動の強化も推進しています。
3つ目は、事業多面化によるブランド接点の拡大です。7月23日にスマートフォンゲーム『hololive Dreams』を全世界同時リリースしたほか、トレーディングカードゲームの新商品投入や海外展開の拡大を図っています。
また、北米や東アジア地域を中心とした海外クライアントとの取引拡大、公式店舗原宿店の営業開始によるリアルなファン接点の拡大と流通取引総額の最大化、さらには自社ECにおける納期短縮といったユーザーエクスペリエンス(UX)の改善を推進しています。
最後に、成長を支える経営基盤の整備についてです。意思決定レイヤーの簡素化や、関連事業軸での組織統廃合を進め、新組織が4月より運用を開始しています。また、各種プロジェクトの定期的な棚卸しプロセスを通じて、規律ある資源配分を継続するとともに、自己株式取得を活用した資本効率のコントロールも実施しています。このように、中長期での持続的な成長と企業価値向上を目指し、各領域での投資と改革を力強く進めていきます。
新たな練習生プロジェクトの始動

前述の「mekPark」の詳細についてです。
本プロジェクトでは、ユニット単位での育成・評価を通じて、持続可能なタレントポートフォリオの構築を目指しています。7月末時点での「YouTube」登録者数は、「UNIT B(Pre-Debut)」が10万3,000人、「ACHRORA」が5万3,600人となりました。また、6月から7月にかけて第2回オーディションを実施するなど、タレント輩出パイプラインの強化を着実に進めています。
トレーディングカードゲームの事業展開

トレーディングカードゲームの事業展開についてです。この事業では、トレーディングカードゲームをリアルにおける重要なファン接点かつ事業の大きな柱の1つとして育成しています。さらに、タレントとの共創企画や他企業とのライセンス契約・タイアップ、楽曲連動といった多様なメディアミックスを展開しています。
あわせて、今年度の注力事項としては、国内だけでなく北米をはじめとする海外市場での展開を強化し、中長期の成長ドライバーとして育成を進めていきます。
スマートフォンゲーム「hololive Dreams」の正式サービス開始

スマートフォンゲーム『hololive Dreams』の正式サービス開始についてです。JR東海とのコラボレーションや、日本、アメリカ、インドネシアの3カ国10都市でのアドトラック走行など、大型マーケティング施策を通じて大規模な露出を図り、既存の休眠ファンの再活性化や新規ファンの獲得につなげています。
事前登録者数が160万人を突破し、7月23日に全世界同時リリースを果たした本作は、非常に好調なスタートを切っています。また、ローンチ初日に「App Store」「Google Play」のアプリダウンロードランキング1位を獲得し、「Steam」を含めた各種プラットフォームでセールスランキング上位を継続しています。
さらに、本件はゲームというメディアを通じて、動画配信以外の側面からもタレントの魅力を継続的に発信する機会と認識しています。初日には100万ダウンロードを達成し、現在では200万ダウンロードを超えるなど、関連実績はすでに期初想定を上回っており、持続性の高い事業の柱としてゲーム分野が順調に立ち上がっていることを確認しています。
以上でご説明を終わります。
質疑応答:マーチャンダイジングの売上について

質問者:マーチャンダイジング売上についてです。今回の売上については、昨年の第1四半期や直近の第4四半期と比較し、減少が続いているように見受けられます。
理由としては、販売オペレーションの移行などにより商品の欠品や品揃えの不足が発生したとのことですが、確か昨年上半期にも、ECと小売の間での商品販路間の需要代替により売上の剥落が起こっていたように記憶しています。今回も同様の事態が発生しているのでしょうか?
あるいは別の要因なのか、ここについての詳細と今後の改善タイミングについて教えてください。
金子:複合的な要因ですが、ECの売上回復が遅れている理由として、まずチャネル別の観点から、生産量のコントロールが在庫調整の影響もあって強化されており、全体的に抑制的な基調で生産を行っている状況があります。
一方で、小売向けやEC向け、その他のチャネル向けに生産している商品間で、在庫のやり取りのオペレーションがまだ効率化されていない状況です。また、タレント別の生産量の最適化、特にトップタレント商品については、EC上での供給が追いついていません。
結果的に、特定タレントの商品が品薄となり、ファンが本来購入予定だったグッズが買えず、別のグッズを購買しているという動態が確認されています。そのため、顧客目線やチャネル別の商品生産販売におけるサプライチェーンマネジメントの最適化を進めるべく、現在部門間の調整が行われています。
谷郷:また、昨年度はタレントがデビューしていない一方で、卒業したタレントがいました。卒業したタレント分の売上減少を埋めるような、新規タレント分が発生していない状況です。今期はタレントデビューまで少し我慢が必要な時期だと思っています。
金子:それらの要因も含めて、計画上は減収は想定していたものであり、上述の施策も含めて徐々に最適化されていく見込みです。
質疑応答:商品の供給量の改善時期について

質問者:商品の供給面は在庫調整の影響で少し抑制的とのことですが、第2四半期からは通常水準に戻ると考えてよろしいでしょうか?
金子:生産オペレーションの改善を急速に進めていますが、商品の企画・生産から実際にお店やお客さまの手元に届くまでには数ヶ月のラグがあります。そのため、オペレーション改革の効果が年央から下半期にかけて徐々に顕在化する見込みです。
谷郷:ただし、タレントの生誕受注販売グッズとは異なり、会社主導のグッズについては、スライドにあるさくらみこのポップアップショップを「TSUTAYA」で展開している事例のように、一定の販売が見込めるタレントのグッズをライセンスアウトしている部分もあります。
当社の商品販売はマーチャンダイジング分野だけでなくライセンス/タイアップ分野に及ぶ部分があるため、この全体的な商品供給体制の最適化および改善は時間をかけて戦略を立てていく必要があると思っています。
質疑応答:『hololive Dreams』による他事業への波及効果について

質問者:『hololive Dreams』が他の事業に与える波及効果についてお聞かせください。『hololive Dreams』は、タレントや楽曲への理解が深まり、ファンの熱量が高まる非常に良いゲームだと思っています。ファンの増加やグッズ販売への好影響はどのようにお考えでしょうか?
また、直近では3日前に「hololive English -Advent-」の3周年ライブが開催されました。視聴数も非常に多く、このようなライブ分野の拡大が実際に始動しており、手応えを感じているのか、業績面も含めて教えてください。
谷郷:配信・動画コンテンツにおけるユーザーの視聴体験についてですが、この半年間、プラットフォームのアルゴリズムの影響もあり、新規顧客にショート動画を見せづらい側面がある状況でした。しかし現状、『hololive Dreams』をきっかけに、特にミュージックビデオなどの埋もれていたコンテンツが掘り起こされ、再生数が伸びていることを確認しています。
このような効果は今後も継続的に発生する可能性があると思います。また、単推し、つまり1人のタレントを応援しているお客さまが複数のタレントを応援する、複数推しや箱推しになる可能性も考えられます。この点については、引き続きデータを確認し、傾向を分析していく必要があります。
金子:谷郷が申し上げたとおり、サードパーティのセールスランキングなどをご覧になっている方もいらっしゃるかと思いますが、業績への影響が前向きに切り替わっていると思います。それ以上に、ミュージックビデオの再生数が伸びており、リリース前には見えにくかった顧客の実需が本線のコンテンツに明らかに還流してきている様子が見え始めています。
そのため、第1四半期の決算発表時点では予測にとどまるものの、前向きな影響を見込んでいけるのではないかと考えています。
質疑応答:VTuber市場の成長と次の施策について
質問者:少し気が早いのですが、『hololive Dreams』の次の施策についてです。今回のヒット自体は非常に安心感があると思いますが、株式市場的には次の成長ポテンシャルがどのようなところにあるかという点に関心が高いと思っています。
新規デビューや新スタジオの技術、成長投資など、資料上ではいろいろと記載されていますが、谷郷社長が今後特に期待が高いと思う領域があればお教えいただけますでしょうか?
谷郷:どれか1つに絞るのは難しいですが、1つ挙げるとすれば、VTuberの市場です。これまで、当社や同業他社においては、いわゆる配信者型のVTuberを展開してきましたが、現在、VLAST社が展開するK-POP系のアーティスト型VTuber「PLAVE」が非常に成長していると考えています。
アーティスト型のVTuberは、国境を越えてグローバルに広がりやすい特徴があると考えています。このように、VTuber市場そのものが従来の延長線上にはないかたちで拡大しつつあり、大きな事業機会になると見込んでいます。
また、ゲームやメディアミックスに関しては、当社が非常に得意とする分野であると理解しています。このゲームタイトルに関しては、3年半から4年前に社内でプロデューサーを立てて進行してきたプロジェクトです。通常、この種のゲームは外部パートナーのみでプロデューサーを配置する体制が一般的ですが、このプロジェクトでは、当社内でも経験豊富なプロデューサーを立て、ゲーム側のQualiArts社のプロデューサーと密接にコミュニケーションを取りながら進めてきました。
VTuberは「生もの」と言われ、IP化が難しいとされてきました。また、他社でアニメ関連プロジェクトが頓挫する事例も見受けられますが、当社は丁寧なコミュニケーションを重ね、一つひとつ着実に実現してきたことを証明しています。この分野には、引き続き可能性があると感じています。
さらに、北米や東アジアエリアには、依然として伸びしろがあると考えています。HYBE社も北米でVTuber事業の展開を模索する動きを見せています。一方、当社においては、これらの地域でのマーチャンダイジングやライセンスビジネスにおいて、まだ開拓の余地が残されています。これらの領域には、今後大きな拡大の可能性があると期待しています。
質疑応答:マーチャンダイジングの欠品影響について

質問者:マーチャンダイジングの欠品影響について、あらためて定量的な影響額を教えていただければと思います。
金子:数学的な推定は難しいのですが、ファンの動態を見ると、トップタレントのグッズに対して潜在需要が集まっているにもかかわらず、購入できる商品がないという事態が、現実として発生しています。
一方で、卒業したタレントの影響が、他のタレントの需要にまで波及しているかというと、過年度比の影響分析上では、卒業タレントの影響は当該タレントの商品そのものの需要剥落にとどまっていると考えています。
そのため、これらの機会損失を補えるよう、卒業タレントの影響を適切に相殺することができていれば、過年度並みのマーチャンダイジング売上のボリュームを確保することは十分に可能だったと思います。
質疑応答:『hololive Dreams』の売上寄与について

質問者:『hololive Dreams』に関して、想定以上の大きなヒットとなっているのかと思います。可能であれば、定量的に売上寄与がどれくらいになるのか、計画に対する上振れがどの程度あるのか、また国内と海外で分けた場合にそれぞれどのような状況なのかを、可能な範囲で定量的に教えていただければと思います。
金子:共同開発会社を立ててのプロジェクトであり、当社の一存でどの程度上振れているかを申し上げるのは難しいのですが、当社の期初に保守的な計画をしていたゲームの想定収益に対しては大幅に上振れています。
国内外の状況ですが、これは速報ベースではありますので、通期の正確な状況を申し上げることは難しいです。ただし、現時点では約3割が海外からゲーム側への需要として集まっていると認識しています。初動としては悪くない数字かと思います。
質疑応答:練習生プロジェクト「mekPark」の初動評価について

質問者:練習生プロジェクト「mekPark」を始動されたとのことですが、初動に対する御社の評価についてお聞かせください。また、今後いろいろな施策を実施されると思いますが、時間軸を含めてどのような展開を想定されているのか、可能な範囲でお聞かせいただけますでしょうか?
谷郷:初動についてのご説明は非常に難しいところです。というのも、「mekPark」については、初動が良いからといって本デビューがどのような結果になるかは別の話である、という点が大前提となります。
一般的なオーディションについては、当社にとっては新卒採用に近いイメージを抱いています。一方で、通常の採用、いわゆる中途採用的な形式でのタレント獲得も行ってきました。今後もこの中途採用に近い形態での採用を継続する方針です。
当社としては、やはりユニットを運用する際には、タレントだけでなく、ユニットを確実に運用できるディレクターを育成する必要があります。なぜなら、外部で経験者を見つけることは困難であり、内部で十分に人材を育てていく必要があるからです。
これがVTuberという事業体を産業として持続可能にするために必要な取り組みだと考え、このようなプロジェクトを進めています。
そのような中で、「UNIT B(Pre-Debut)」「ACHRORA」のプロジェクトでは、それぞれディレクターを立て、プロジェクトを進行しています。ディレクターとタレントが良い関係性を築きながら活動を進めており、チャンネル登録者数に大きな期待をしていたわけではありませんが、予想以上の成果を得られているのではないかと感じています。
ユニットの中から本デビューにふさわしいタレントユニットを見極めていくために、お客さまの反応を見つつ、本デビュー後を見据えて活動を進めていきたいと考えています。
加えて、『hololive Dreams』のリリースがある程度成功したことにより、新しいタレントやユニットをデビューさせるための発射台としても機能する可能性があると考えています。
現状、『hololive Dreams』にはまだFLOW GLOWなどが入っていない状況です。このような、まだ登場していないタレントを迎え入れることで既存のファンに見つけていただきやすくなり、タレントを人気にするための手段が増えたのではないかと思っています。
質疑応答:第1四半期の販管費進捗について
質問者:販管費の進捗について確認させてください。第1四半期は計画どおりでしょうか、それとも計画以上に抑制できているという認識でしょうか? また、第2四半期以降の販管費抑制の持続性については、どのようにお考えでしょうか?
金子:販管費については、計画よりも抑制的に推移していると見ています。特別に積極的な投資を絞り込んでいるわけではありませんが、社内では人員の得意分野に応じた流動化を積極的に図っています。適材適所を実現することで、新規採用を抑制していることが効果を上げていると考えています。
販管費は原価側の話になりますが、期初時点や予算策定時点では、商品の調達コストがグローバルの物価や為替の影響で上がっていってしまうリスクがあると申し上げました。調達プロセスの改善が奏功した結果、マクロで上昇するような地合いにあったとしても、原価率は横ばい程度に抑えられている状況かと思います。
質疑応答:『hololive Dreams』の持続性と成長見通しについて
質問者:『hololive Dreams』が大変好調であると認識していますが、その持続性についてうかがいたいです。スマートフォンゲームはどうしても初動が高く、その後は徐々に落ちていく傾向があると思います。
御社の想定として、『hololive Dreams』はゆっくりと落ちていくタイプのゲームと考えているのか、それともキャラクター数の制約などにより、ユーザーが積極的に遊ぶことでコンテンツの消費速度が速くなるタイプであると認識しているのか、御社の見解をぜひ教えてください。
谷郷:前者であると認識しています。まだデビューしていないタレントもいますし、今後タレントが楽曲を制作するたびに、その楽曲を収録できるようになると考えています。
また、当社として昨年度はタレントをデビューさせていませんが、今後タレントがデビューすることで、タレントやそのタレントが制作する楽曲をコンテンツとして増やしていけるという点が挙げられます。
さらに、初動が非常に良好である理由の1つは、当社所属のタレントが配信を行っていることであり、これはカードゲームにおいても同様のことが起きていたと思います。この2点が重要であり、比較的コンスタントに遊ばれるゲームになっていくと考えています。
質問者:兎田ぺこら氏などの配信も拝見しましたが、コンテンツを追加することも考えれば、ゆっくりと着実に拡大することが見込まれるという理解でよろしいですか?
谷郷:おっしゃるとおりです。最初に出すタイトルとして、継続的に弊社のある意味で看板となるようなものを目指し、長期的な運用を視野に入れたタイトルとなっています。
質疑応答:組織改革の手応えと変化について

質問者:前回もうかがったように記憶していますが、現在進められている組織対応に関して、この夏までの組織改革によってどのような手応えを得られているのでしょうか?
前回は、御社に対する掲示板上の非難などが問題となっているとおっしゃっていたと思いますが、組織的な対応によってどのような変化があったのかについて教えていただけますでしょうか?
金子:多岐にわたりますが、まず危機管理やレピュテーション対応の観点では、初動強化を明確に進めており、広報体制も強化しています。その結果として、会社の体制やタレントの活動を揶揄する声は、収まりつつあると考えています。
スライドの冒頭に「タレントの創作環境整備を専門とする部署をタレントマネジメント部門配下に新設」と記載しています。オペレーション整備については、ビジネスの文脈で効率化を図るだけでなく、タレント目線で見た際に本当に働きやすく、創作しやすい環境になっているかを部門横断で検討する組織を設けています。その組織が数多くのタレントから挙げられる未解決事項を棚卸しし、1つずつ解決しています。
これにより、社内でも会社が着実に改善していく様子が見られ、この先の展望が明るくなるだろうという期待感が芽生えてきているように感じられます。
質疑応答:トレーディングカード事業の第1四半期状況について

質問者:トレーディングカードの状況についてです。この第1四半期は、四半期別では過去で最も売上が小さくなったかと思います。この販売スケジュールおよび商品構成の差異について、もう少し詳しく教えていただけますか?
また、販売したブースターパックなどの売れ行きについては引き続き堅調で、第2四半期ではスケジュールを見て回復していくと考えてよいのでしょうか?
金子:まず、第1四半期の前年同期比(YoY)の推移についてですが、昨年度の第1四半期は実績として20億円弱のカード売上があり、非常に高い水準で推移しました。この要因としては、前年度には発売済みだった過去のカードパックの再販スケジュールがこの四半期に集中し、売上が大きく増加したため、今年度の第1四半期では前年同期比で反動が見られたと考えています。
また、新規のブースターパックの売上も底堅い推移を見せていたものの、この四半期に限ってみると、爆発的な売上には至らなかったかもしれません。この点に関しては、海外での人気が高いタレントをフィーチャーした商品パックということが挙げられます。しかし、海外市場についてはまだ開発途上であったため、需給の影響も少し見られた状況と考えています。
今年度のカード分野におけるカタリストとして、プレイヤー需要を活性化できるカード大会の実施に注力しており、特に海外の参加者が盛り上がるような施策を増やしています。
また、スライドに記載されている他の事業ラインとも連携したカードのマーケティング施策を拡大しています。市場に混乱を招かないよう慎重なスピードで、じわじわと実需を全方位的に拡大する施策を進めています。
質疑応答:『hololive Dreams』によるカニバリゼーションの可能性について
質問者:モバイルゲーム『hololive Dreams』のリリースに伴い、先ほどのミュージックビデオなどへのポジティブな還流のお話がありました。このユーザーのウォレットシェアを商品やサービス間、具体的にはミュージックビデオや配信などの間で奪い合うというカニバリゼーションの可能性について、リリースから3週間ほど経過した現状、どのように見ているか教えていただけますか?
金子:少なくとも現時点では、そのようなカニバリゼーションによるネガティブな影響は顕在化していない状況だと考えています。事業部の見解では、消費動態において、ゲームやデジタルコンテンツの消費と、例えばぬいぐるみを購入するような消費はあまりカニバリゼーションに繋がらないのではないか、という見方があります。
ただし、これはあくまで試算の域を出ないため、当社としても確実に状況を注視しながら、需要のカニバリゼーションを防ぐよう努めていきます。また、ゲームを通じて新規ユーザーや既存ユーザーの需要を喚起しつつ、露出を拡大しながら、市場をさらに伸ばしていけるよう、部門を横断したシナジーをむしろ積極的に作り出していきたいと考えています。
質疑応答:上期業績予想の手応えと確度について

質問者:上期の業績予想への現時点での手応えをあらためて教えてください。営業利益の進捗率は上期予想で34パーセントであると思いますが、もともと『hololive Dreams』のリリースがある第2四半期のほうが大きくなる見通しであり、先ほどもご説明いただいたように『hololive Dreams』の初動は御社の計画を超えている状況だと理解しています。
上期の業績予想に特に変更はありませんが、その確度や、上回る可能性がある場合にどの程度期待を持てるかについて、コメントいただけるとありがたいです。
金子:例年、第1四半期よりも第2四半期のほうが業績が大きくなりやすいという季節性があり、サマーバケーションなどでお客さまの需要を取り込みやすい傾向があります。今年度も同様で、『hololive Dreams』の実績がかなり上振れていることから、利益予想が下振れるリスクはそれほど見込んでいません。
ただし、第2四半期の進捗期間中であるため、どの程度大幅に上振れるかは現時点ではまだわからない状況です。
質疑応答:谷郷社長のタレントマネジメントでの手応えについて
質問者:谷郷社長のタレントマネジメントにおける手応えについてです。谷郷社長は現在、タレントマネジメントの直轄の部門にいらっしゃるとのことですが、これによりタレントの方々とのコミュニケーションが円滑になり、卒業というケースが今後減少することや、過去に卒業された方が戻ってくる可能性は考えられるでしょうか?
谷郷:私はタレントマネジメント部門だけでなく、配信コンテンツ分野も含めて管掌しており、あくまで管掌役員であって現場の責任者ではないことを、前提としてご理解ください。
昨年もタレントとの面談は行っていましたが、タレント一人ひとりとのコミュニケーションにとどまっており、個々のニーズはくみ取れても、他のタレントも含めた合意形成が難しいところがありました。
今期に入ってからは、タレントマネジメント部門の責任者と共に、ユニット単位でタレントとコミュニケーションを取りながら、それを他のユニットに展開することで、タレントとの目線をかなり合わせやすくなってきていると感じています。
これにより、誤解を避けることができたり、我々がそのような下地を作ることで、さまざまな部門がそれぞれのタレントと仕事を進めやすくなったりすると考えています。
ただし、これによってタレントの減少や卒業タレントの復帰が実現するかについては、正直なところなんとも言えません。
また、タレントによっては長く活動するうちに、ライフステージの変化がキャリア選択に影響を与えるケースもあり得ると思います。当社としては、そのような変化に柔軟に応えていきたいと考えていますが、それがタレントの減少や復帰につながるかどうかは断定することはできないという認識です。
質疑応答:『hololive Dreams』の海外における期初想定について
質問者:『hololive Dreams』に関するフォローアップです。先ほど、期初想定を大幅に上振れているとのことで、3割ぐらいが海外の動きとおっしゃっていましたが、海外についても期初想定より良い動きがあったという理解でよろしいでしょうか? 海外の期初想定に関する実績や足元の動きを教えてください。
金子:全体のボリュームが期初想定を上回っているという前提で、海外比率が3割という水準も、他の日系ゲームとの比較や当社タレントの配信における海外視聴者の比率を踏まえると、特に違和感のない水準です。全体のボリュームに比例するかたちで、海外も上振れていると見て差し支えないかと思います。
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