マネックス証券「お客様感謝Day2026」【第5部】日本株鼎談 #4
【テスタ氏×桐谷氏】投資で勝つ近道はリターンより「リスク管理」 優待株は長い目で見ればきっとプラスになっていく
2026年3月7日に開催されたマネックス証券「お客様感謝Day2026」。第5部「日本株鼎談」では、個人投資家として著名なテスタ氏と桐谷広人氏を迎え、日本株をテーマに鼎談が行われました。和やかな雰囲気の中で、それぞれの投資スタイルから私生活まで、多岐にわたる話題が繰り広げられました。【全4回】(※2026年3月31日公開のマネックス証券YouTube動画に基づく内容です)
▼各記事はこちら▼
【#1】 「株主優待」だけに飛びつくのは要注意 桐谷さんが語る銘柄選定のポイント
【#2】 投資スタイルの正解は1つではない 値上がりを追う「猛獣狩り」と安値をじっくり育てる「農業」
【#3】 日経平均の急落局面をどう見る?高値に惑わされない視点と一喜一憂しない投資術
【#4】 投資で勝つ近道はリターンより「リスク管理」 優待株は長い目で見ればきっとプラスになっていく
マネックス証券「お客様感謝Day2026」【第5部】日本株鼎談(テスタ氏、桐谷広人氏)#4

ーー本日は米国株のパートや投資信託の運用会社の方がイチ推しのファンドを紹介するパートもありました。会場にいらっしゃるみなさまの中にも、ファンドなどをお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。
投資信託を買った後に「ステップアップして日本株もやってみよう」と思っている方もたくさんいらっしゃいます。日本株はこれから買っても大丈夫なのかというところを、お二人にうかがえればと思います。
テスタ氏(以下、テスタ):これは別に日本株、アメリカ株に限りませんが、経済活動が正常に行われていて、上場しているような会社は大丈夫だと思います。例えば日経225は日本を代表するようないい会社225社です。基本的にはほとんどの会社が毎年黒字を出します。
例えばトヨタ自動車が赤字だったのは、おそらくこの20年間でリーマンショックの年の1年くらいだと思います。ほぼ毎年利益を出しており、そのうちの30パーセントほどを配当に回したとしても、70パーセントは内部留保に回るとなれば、会社の貯金が増えていくため、会社の価値が上がり株価も上がります。
そのような会社が何百社も集まっている平均を買っていれば、長い目で見ると伸びていきます。指数的には未来永劫上がっていく可能性が高いわけですから、そう考えればどこで買ってもいいと思います。
ただ、株価がすごく上がっている時は利回りは低くなり、逆にすごく株価が下がっている時は利回りは高くなります。もし僕のように、ずっと気にして毎日見ていられるのであれば「高いから減らしておこう」「今は安いから増やそう」などと、機動的なこともできます。
さらに踏み込んでいけば、全体の平均に関係なく、「この個別銘柄は今このような商品が売れ行きがすごいから」「新しくこのような新商品が出るから」などと、全体の地合いに関係なく売買ができるようになると思います。
どこまで時間の余裕があるか、株式投資をやりたいかどうか、楽しいと思うかどうかも含めて、いろいろなパターンがあります。それを踏まえると、別にどのような状況でも儲けるチャンスはありますし、僕は実際にそうやってきたと思います。
悪い材料が出て暴落した時が、買いのチャンス
ーーたくさんの優待銘柄をお持ちですが、桐谷さんはいかがですか?
桐谷広人氏(以下、桐谷):世界中がそうですが、長い目で見れば上がったり下がったりしながらも、平均株価のようなものは上がっていきます。私の経験で言えば、1990年にバブルが弾けた時やリーマンショックの時など、株価が大きく下がった時は逆に買いだと思います。
例えば、一昨年の8月5日に800銘柄がストップ安になるという暴落が起きました。私は二十数銘柄しか買いませんでしたが、買ったものはほとんどプラスになりました。去年の4月にトランプ氏が関税をかけると言った時も暴落しましたが、その時も買いました。2020年にコロナショックが起きた時も、やはり下がった時に買いました。
とにかく、私は何か悪い材料が出て暴落した時や安くなった時が買いのチャンスだと思っています。数日前も少し下がった時に少し買いました。自分の42年間の経験から言って、上がっている時は逆によくないと思っており、悪い材料が出た時に買います。
加えて、今は150円台という円安ですので、例えばアメリカ株に投資して50パーセントの儲けが出ても、円が100円台になれば儲けがチャラになります。円安の今は外国株ではなく日本株に投資するほうがいいと思います。
また、優待は日本独自の制度であり、配当金をもらった上に優待品ももらえるという非常にいい制度です。値上がりを狙って何回も失敗した私としては、とにかく配当があって優待のある銘柄の分散投資が一番いいと思いますね。
急落して一気に値を下げたなら、安定企業の株は買いのチャンス

ーーもう少しお時間がありますので、ずばり、お二人が今注目している業種や銘柄などがあればうかがいたいのですが、テスタさんは何かありますか?
テスタ:昨年末にはスポーツ関連株などと言っていました。今年は冬季オリンピックがあり、ワールド・ベースボール・クラシックやFIFAワールドカップもあります。僕はけっこう半年後のことを考えて投資をしたりもします。
「個別銘柄でこれを買う」などはありますが、あまりセクターといった考え方はしません。直近で注目していることと言えば、株価がどれだけ急落するかですね。
急落と下げは別の話です。例えば日経平均が5万円になった時に、3日で到達するのか、2ヶ月で到達するのかによって違うのです。時間が長ければ長くなるほど、株価はファンダメンタルズを反映するため、2ヶ月でじりじりと下がったということは、ファンダメンタルズ的にも悪化してるから下がった可能性があります。
しかし、3日ほどで下がった場合は違います。ファンダメンタルズは置いておいて、とにかくパニックになって下がったという確率が上がります。したがって、同じ日経平均の株価でも、どのような到達の仕方をしたかによって意味は変わってくるのです。
すごく急落をして一気に5万円を割った場合は、配当などが安定している企業の株は、買いのチャンスになってくると思います。しかし、株価が緩やかに落ちたり、そこまで落ちきらなかった場合は違います。今注目しているのは、そのような動きですね。
正直、僕は日経平均が4万円ぐらいまでになることは想定しています。「今年の初めは5万円だった」と思っていますので、本当に下がるとなれば4万円までです。しかし、そうなっても自分の資産がそこまで大変なことにならないように、ポジションを常にコントロールしておくことが大事です。
実際にそうなるかどうかは置いておいて、それぐらいのリスク管理をしています。
長期保有で優待品を増やしてくれる銘柄を選ぶといい

ーー桐谷さんはいかがですか?
桐谷:今、平均株価は非常に高いですが、3,800銘柄以上ありますので割安なものもあります。そのうち1,700社近くが優待をやっており、中には単なる割引券であまり意味のないものもありますが、いい優待もけっこうあります。
また、配当金は何年保有していても、初年度の人も50年持っている人も同じですが、株主優待は長く持っていると増えるものもあります。例えば、最初は500円のQUOカードだったものが、1年以上持ってると1,000円になったり、2,000円、3,000円と増えていったりするような銘柄も700銘柄ぐらいあります。
そのような長期に持っていると優待品を増やしてくれる銘柄を選ぶといいと思います。私は値上がりを狙った投資で何回も失敗していますので、今は配当と優待のインカムゲイン狙いで投資しています。
では、どのように銘柄を選ぶかというと、『日経マネー』や『ダイヤモンドZAi』などの雑誌は、毎月株主優待の特集をやっていますので、その中から選ぶといいと思います。
自分自身は長く優待を続けている会社がいいのではないかと思います。例えば、映画会社などはずっと優待を続けていますし、レストランの会社も優待をやっているところが多いです。おいしいと思っているレストランが上場していれば、株主になってもいいですね。
私が20年以上持っているコロワイドは、ずっと優待を続けているのでいいと思います。あるいはクリエイト・レストランツ・ホールディングスという会社は、13年ぐらい前に優待を新設したのですが、優待を使えるお店が全国に1,000店舗ぐらいあります。初めて行くお店も多いのですが、しゃぶしゃぶや日本料理、ラーメンなどいろいろなおいしいものが食べられます。
このように、単に値上がりで儲けようとしないということです。そのように思ってうまくいってる人もいますが、失敗している人はもっと多いです。そうではなく、やはり応援したい会社の株主になり、優待品をもらうというような投資が堅実で、長い目で見ればみんなが成功していく道ではないかと思っています。
テスタ:桐谷さんは50パーセントオフなどの優待は使わないのですか?
桐谷:使わないですね。やはり半分現金を払わなければいけないので。
(一同笑)
桐谷:100パーセント優待券だけで商品がもらえたり、食べられたりするものに投資していますね。
テスタ:電車や飛行機はどうするのですか?
桐谷:電車はJR東海以外はだいたい株主となっていますが、優待は割引券ですので、あまり使わないです。
ーー桐谷さんは自転車のイメージがとても強いですよね。
テスタ:そうか、自転車だからですね。自転車は優待で買ったのですか? 最初の自転車は普通に買ったのでしょうか?
桐谷:最初の自転車は、JCBやVISAのギフトカードを使って、ホームセンターで安い自転車を買っていました。それがよくパンクするんですよね。
テスタ:よく走るから(笑)。
桐谷:今は優待をやめましたが、ひらがなの「あさひ」という自転車の会社があり、10年ぐらい前に株主になりました。そちらの優待券で自転車を買ったらパンクしないのです。あさひの自転車は高いですが、優待券プラスVISAやJCBのギフトカードで買うようになりました。
テスタ:ギフトカードは優待でもらえますからね。今まで何台ぐらい自転車を乗り換えたのですか?
桐谷:盗まれてしまうこともあるので、平均すると2台ずつ自転車を持つようにしています。
テスタ:盗られた時用にですか?
桐谷:そうですね。また、駐輪場がない繁華街に停める場合は古い自転車に乗っていき、ちゃんとした駐輪場があることがわかっている場合は、いい自転車に乗っていきます。
テスタ:海外旅行にブランド物を持っていかない人みたいですね。
桐谷:でも、3年に1台ぐらいずつ買い換えてますね。
テスタ:やはり、あれだけ使ってたらそうですよね。
何より一番大事なのは、自分なりのリスク管理

ーー名残惜しいのですが、そろそろお時間になってしまいました。最後に、ぜひご来場のみなさまにお二人からメッセージをお願いできればと思います。テスタさんからは先ほど高値についてのお話もうかがいましたが、ほかに何か伝えたいことはありますか?
テスタ:僕は「高値をすごい買って、短期の上下で勝っている」と思われがちですが、結局根本で考えているのはリスク管理なのです。「安いところでしか買わない」「分散する」など、桐谷さんもそうでしたが、やはり何より一番大事なのはリスク管理だと思います。
株ですごく長く生き残っている人は、どこかでリスク管理がちゃんとできています。みなさま自分なりのやり方がありますが、やはりリターンばっかり見てしまうのです。
リターンを見て投資をすることは当たり前なのですが、その方向ばかり見るのではなく、自分が今やっていること、今のポジションにどれだけのリスクがあるかを常に把握しておくことです。「急がば回れ」ではないですが、実は意外とそれが最終的に勝つ近道だったりすると思います。
そこを少し意識してがんばってもらえたらと思います。
余っているお金で優待株を買い、人生を豊かに
ーーありがとうございます。桐谷さんは株主優待を中心にお話をいただきましたが、話を聞いてさっそく優待を探そうという方もたくさんいらっしゃると思います。その方たちに向けて何かメッセージをお願いします。
桐谷:新NISAが始まっても、まだ日本人の4人に1人しか株式投資をやっていないので、これはもったいないと思うのです。借金をしてやってはいけないですが、余っているお金があれば今は少額でも株主になり優待が受けられます。数万円ぐらいから始められる優待株がいっぱいありますので、まずは1つ買ってみるということが大事ですね。
とにかく余っているお金がありましたら、優待と配当のある株を買っておくと、長い目で見ればきっとプラスになっていくと思います。また、その株を買うことが日本経済のためにもなります。自分のためにもなり、自分が投資する会社のためにもなり、ひいては日本経済のためにもなるのです。
優待のある株の株主になって優待制度を楽しんでいただけたら、人生も豊かになりますし、優待を使おうと外出する機会も増えるため、いいことずくめではないかと思います。ぜひみなさま、余っているお金がある人は優待株を買ってみていただきたいと思います。
ーーお時間になりましたので、第5部の「日本株鼎談」を終了としたいと思います。テスタさん、桐谷さん、どうもありがとうございました。


