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クラシル株式会社299A

東証グロース

サービス業

エグゼクティブ・サマリー

堀江裕介氏(以下、堀江):代表取締役社長の堀江です。本日はお忙しいところ、決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。本日は2027年3月期第1四半期の決算についてご説明します。

当四半期のポイントについてお話しします。

主力の3事業がいずれも好調に推移しました。デジタル事業において広告宣伝費および販促費への積極的な投資を行いながらも、売上高は前年同期比25.2パーセント増加し、Non-GAAP営業利益は前年同期比18.5パーセント増となりました。

通期業績予想に対する進捗率は、売上高で22.3パーセント、Non-GAAP営業利益で25.3パーセントと順調に推移しています。

購買事業は第1四半期も高い成長率を維持し、全体の成長を牽引しています。ユーザー獲得およびリテールパートナーでの契約やトライアルの獲得が順調に進んでいます。

通期でも引き続き購買事業が全体の成長を牽引すると見込んでいます。「レシチャレ」事業におけるリテールパートナーの拡大やユーザー獲得への積極的な投資を通じて、さらなる成長加速を目指していきます。

また、メーカーや卸を対象としたKurashiru AI OS事業の拡大にも注力し、営業を強化していく方針です。

エグゼクティブ・サマリー:2027年3月期第1四半期業績ハイライト

第1四半期の業績ハイライトです。全社ベースでは、前年同期比で売上高は25.2パーセント増の47億6,700万円、売上総利益は26.8パーセント増の23億1,000万円、Non-GAAP営業利益は18.5パーセント増の9億4,000万円となりました。

事業別に申し上げると、メディア事業の売上高は前年同期比17.5パーセント増の22億1,800万円です。「レシチャレ」関連サービスのユーザー数増加や内部回遊施策により、PV数が堅調に推移した結果、大幅な増加となりました。

購買事業の売上高は前年同期比32.9パーセント増の16億9,300万円となりました。ユーザー数およびオフラインサービスは順調に拡大しましたが、オンラインサービスでは金融案件の出稿主が方針を見直したことで一時的な影響を受けました。

その他事業の売上高は前年同期比32.4パーセント増の8億5,500万円と大幅に拡大しました。前期に実施したVTuber事業の買収効果に加え、バーチャルライバーサービスの拡大が寄与しました。

目次

本日のご説明の流れについてです。まず、2027年3月期第1四半期の業績詳細についてCFOの戸田からご説明します。その後、重要トピックスとして、「レシチャレ」およびAI事業に関する取り組みについて私からご説明した上で、質疑応答の時間を設けます。

それでは、第1四半期の詳細業績について、CFOの戸田より説明します。

2027年3月期 第1四半期連結業績サマリー

戸田翔太氏(以下、戸田):こんにちは。取締役CFOの戸田です。それでは、当四半期の連結業績についてご説明します。売上高は、先ほど堀江が申し上げたとおり、前年同期比25.2パーセント増の47億6,700万円となりました。

事業別にご説明します。前年同期比で、メディア事業は17.5パーセント増の22億1,800万円、購買事業は32.9パーセント増の16億9,300万円、その他事業は32.4パーセント増の8億5,500万円と、3事業いずれも堅調に推移しています。

売上総利益は前年同期比26.8パーセント増の23億1,000万円、売上総利益率は48.5パーセントで、前年同期比0.6ポイントの改善となっています。

Non-GAAP営業利益は前年同期比18.5パーセント増の9億4,000万円となりました。「レシチャレ」アプリを中心に、広告宣伝費や販促費への積極的な投資を行ってきた一方で、Non-GAAP営業利益率は19.7パーセントで、前年同期比1.1ポイントの低下にとどまりました。

この結果は、メディア事業が順調に推移し、想定以上の成果を上げたことによるものです。

通期業績の進捗率は、売上高が22.3パーセント、Non-GAAP営業利益が25.3パーセント、当期純利益が24.5パーセントです。当社は下期に業績が偏重する傾向があり、順調に推移していると考えています。

2027年3月期 第1四半期業績実績

前四半期との比較についてご説明します。第1四半期の売上高は前四半期比5.3パーセントの増収、売上総利益は5.0パーセントの増加となりました。また、売上総利益率はほぼ前四半期と同水準を維持しています。

Non-GAAP営業利益については、積極投資が影響しましたが、前四半期比で2.5パーセントの減益にとどまっています。

事業別売上高の推移(四半期別)

事業別の売上高についてご説明します。メディア事業では、「レシチャレ」ユーザーを積極的に増やしたことや、内部回遊施策によりPVが堅調に推移した結果、前年同期比17.5パーセント増加し、前四半期比でも7.5パーセントの増収となっています。

購買事業については、オフライン購買を中心に好調に推移し、前年同期比で32.9パーセント増、前四半期比で3.3パーセントの増収となっています。

事業別売上高構成比の推移(四半期別)

事業別売上高構成比の推移についてご説明します。購買事業では、オフライン購買が順調に推移しました。一方で、金融案件でのオンラインサービスには一時的な出稿量の影響があり、前四半期比で全社に占める売上高比率は若干減少しましたが、全体では35.5パーセントを占めています。

各事業の粗利率については、メディア事業、購買事業、その他事業のいずれも前四半期とほぼ同水準で推移しています。

売上総利益及び売上総利益率の推移(四半期別)

売上総利益および売上総利益率の推移についてです。売上総利益は増収効果により前年同期比で26.8パーセントの増益となり、前四半期比でも5パーセントの増加を記録しました。売上総利益率については、前四半期とほぼ同等水準で安定的に推移しています。

Non-GAAP営業利益の推移(四半期別)

Non-GAAP営業利益の推移についてです。当四半期については、「レシチャレ」アプリへの積極的な投資があったものの、増収効果により前年同期比で18.5パーセント増加しました。また、前四半期比でもほぼ同等水準となっています。

販管費の推移(四半期別)

販管費の推移です。「レシチャレ」の広告宣伝費や販促費への積極的な投資があったため、販管費対売上高比率は前年同期比で1.5ポイント増加し、29.5パーセントとなっています。

人件費は前年同期比では低下していますが、前四半期比では0.5パーセント上昇しています。これは新卒社員の入社や、4月の昇給タイミングが影響しています。全体としては、投資を適切に実行しつつ、販管費率は適切にコントロールされていると考えています。

Non-GAAP営業利益の増減要因(前年同期対比)

Non-GAAP営業利益の前年同期比増減要因についてご説明します。売上総利益は3事業いずれも順調に推移し、約4億9,000万円増加しています。

一方、Non-GAAP販管費については、スライドのグラフに示しているとおり、広告宣伝費や販促費の増加が主な要因です。結果として、前年同期比で1億4,600万円の増益となりました。

Non-GAAP営業利益の増減要因(前四半期対比)

前四半期比の増減要因についてです。売上総利益は、メディアを中心に1億1,100万円の増益となりました。一方で、Non-GAAPの販管費については、「レシチャレ」アプリに関する投資が寄与しています。

Non-GAAP営業利益については、ほぼ前四半期と同水準ではありますが、2,400万円の減益となりました。

(再掲)各領域における成⻑イメージ

15ページから19ページまでは、本決算時に示した内容を再掲しています。お時間のある時にご確認いただければと思います。

ここからは、重要トピックスとして、「レシチャレ」およびAI事業について、再び代表の堀江よりお話しします。

レシチャレ事業について:(再掲)今後のロードマップ

堀江:あらためまして、堀江です。よろしくお願いします。まず、「レシチャレ」事業の今後のロードマップについて、本決算説明会からの再掲となりますが、ご説明します。

前期においては、ドラッグストアを中心とした小売業者のリテールパートナー化や「クラシルリテールネットワーク」の推進により、「レシチャレ」事業における確固たるビジネスモデルを確立しました。

今期は、成長加速に向けて特にスーパーマーケットなどのリテールパートナーの拡大を加速させるフェーズとなります。小売業者との連携を加速させ、メーカーからの出稿案件の増加とユーザーエンゲージメントの強化に注力します。

来期は、今期までに獲得したリテールパートナー経由の出稿案件増加により、収益の拡大を図る計画です。

レシチャレ事業について:(再掲)リテールパートナーの仕組みと役割

リテールパートナーの仕組みについては、再掲となりますが、小売のリテールパートナー企業を増やし協力を仰ぐことで、「レシチャレ」を利用するメーカー数やブランド数の大幅な拡大が見込まれます。

これにより、ユーザーには、よりお得なオフライン購買の提供機会が増えると考えています。

レシチャレ事業について:リテールパートナーのパイプライン

リテールパートナーのパイプラインの進捗についてご説明します。本導入が順調に増加しており、契約済みのパートナー数は前回の開示時の7社から9社へと拡大しました。トライアルを実施済みであった企業のうち、2社が新たに契約を締結しています。

また、トライアルを実施済みおよび検討中のパイプラインも厚く積み上がっており、次なる契約増加に向けた土台が整いつつあります。

なお、前期まではドラッグストアを中心に開拓を進めてきましたが、ユーザー接点をより強化する観点から、今期はスーパーマーケットに注力して取り組んでいます。

レシチャレ事業について:レシチャレオフライン購買売上高

四半期別の「レシチャレ」オフライン購買売上高についてご説明します。オフライン購買におけるサービスフォーカスにより、当第1四半期の売上高は前年同期比66.4パーセントとなり、高成長トレンドを継続しています。

引き続き、オフライン購買への投資を強化し、さらなる成長の加速と購買事業内でのシェア拡大を目指します。

レシチャレ事業について:レシチャレ関連 MAUの推移

「レシチャレ」サービス関連のMAUについてご報告します。プロダクトアップデート後に「レシチャレ」ユーザーを意識的に増やし、第1四半期末時点で347万MAUに到達しました。引き続き、ユーザー数の拡大に取り組んでいきます。

レシチャレ事業について:レシチャレオフライン購買UUの推移

「レシチャレ」におけるオフライン購買UUの推移についてご説明します。当社が現在最も注力しているオフライン購買事業の成長速度をより正確に理解していただくため、今回からこの指標を主要KPIとして新たに開示することとしました。

開示に際しては、四半期単体の数字ではなく、過去12ヶ月累計の数字を四半期ごとに更新してお見せします。これは、四半期ごとの季節的な要因を排除し、事業本来の基礎力の成長を反映するためです。

足元の手応えとしては、参加ブランド数、リテールパートナー数、取り扱い商材数がいずれも順調に拡大しています。これらが相互に作用し、利用ユーザー数は確実に右肩上がりの成長軌道を描いています。

AI事業:食品バリューチェーンに関する政府重点領域

AI事業についてご説明します。まず、政策動向についてです。政府が発表した「バーティカルAI戦略」では、20の重点投資領域が設定されており、2030年のバーティカルAI国内市場は約3兆円と予測されています。

このうち、当社事業と特に関連が深いのは、製造・加工領域および物流・交通領域です。製造・加工領域では、サプライチェーン全体をAIで最適化し、データ駆動型の産業構造へ転換すること、物流・交通領域では、データ連携とAI活用により次世代サプライチェーンを実現することが掲げられています。

また、食品産業におけるサプライチェーンをAIで最適化する領域は、当社の重点領域と密接に関連しています。

当社は製造・加工、流通・卸、小売、そして消費者に至る食品サプライチェーンの各段階において、販売・生産管理エージェントサービス、営業事務の効率化サービス、チラシや購買データを活用した販促・需要予測エージェントなど、バリューチェーンを一気通貫でカバーするサービスを展開していきます。

AI事業:Kurashiru AI OSについて

スライドは「Kurashiru AI OS」の全体像を表しています。「Kurashiru AI OS」を中核とし、セールス&販促、サプライチェーン、受発注、経営管理を担う多様なAIエージェントを、食品・飲料メーカー、食品卸、小売チェーンといった食品流通バリューチェーンの各プレイヤーに提供していきます。

AI事業:Kurashiru AI OSの勝ち筋

「Kurashiru AI OS」の勝ち筋についてです。クラシルAIエージェントは、基盤モデルの進化に加え、バーティカルAIエージェントとして「独自のデータ」と「クラシル」および「レシチャレ」の運用により培った「業界コンテキスト」を有することが勝ち筋となります。

具体的には、購買データ、レシピデータ、ユーザーの移動データといった独自のデータに加え、小売・卸売・メーカーにおける商習慣や業界特有のワークフローに精通していることが、当社の強みです。

AI事業:プロダクト化・収益化における構造的な優位性

プロダクト化および収益化における構造的な優位性についてご説明します。一般的なホリゾンタル型のAIコンサルティングサービスでは、案件ごとの要件定義や受託開発といった労働集約型の対応にとどまります。

一方、「Kurashiru AI OS」は、業界共通の課題をプロダクト化して標準化することで、月額課金によるリカーリング型収益を実現しています。食品・飲料ナショナルブランドのカバー率は約93パーセントで、小売提携店舗数は約3万5,000店舗にのぼります。

このような広範な顧客基盤に対し、1つのプロダクトを横展開することで、人件費を代替しつつ収益率が逓増するモデルとなっています。

これらは顧客にとっても共通の型化されたパッケージが提供されることで、他の受託サービスよりもコストが安く、品質の高いサービスを受けられる点が特徴といえます。

AI事業:バーティカルAIエージェントとして顧客の深いペインへアプローチ

クラシルAIエージェントは、自社独自のデータおよび業界コンテキストを活用し、食品・飲料メーカーや日用品メーカーが抱える現場の課題に対応するサービスを提供します。

セールス&販促の領域では、提案書作成など営業事務の属人化といった課題に対し、提案を自動化するAIセールス支援ツールを提供します。

受発注の領域では、従来のアナログ業務や煩雑な販促費精算に対し、受発注から入金消込までの定型業務を自動化します。

サプライチェーンの領域では、過剰在庫の発生や分断された在庫・物流管理に対し、需要予測による在庫発注の最適化を実現します。

経営管理の領域では、これらの過去のサプライチェーンや受発注、セールス販促などのデータを基に、予実管理への工数集中やデータの分散に対する課題解決として、予実管理・意思決定の強化を支援します。

AI事業:ユーザー行動データを活かしたサービス展開

具体的な取り組みの1つ目として、当社は、レシート購買データ、チラシ閲覧データ、レシピ検索データなどの独自データを活用したAIアバターサービスを提供しています。

実在するユーザーデータをもとに開発したAIアバター、いわゆるデジタルツインを提供することで、食品・飲料メーカーや日用品メーカーに対し、マーケティング分析、販促・広告の最適化、商品開発の支援といった価値を提供します。

従来、他の競合サービスでは、1回ごとに座談会を開き、ユーザーと直接ヒアリングを行うことや、それに伴うコンサルティングサービスの利用が一般的でした。これらは主に人月型で行われ、プロジェクト1回当たり数百万円かけて特定の質問を行うことが一般的でした。

しかし、デジタルツインのアバターを活用することで、何度でも質問を繰り返し行うことが可能です。そのため、メーカーにとっては、1つの質問当たりのコストが大幅に削減されるだけでなく、納品スピードが非常に速くなるという大きな特長があります。

AI事業:顧客・独自データ×業務知見を活かしたサービス展開

2つ目に、顧客の非構造化データおよび当社の販促データを構造化し、顧客の業務知見を活用したAIエージェントサービスを提供しています。

商談内容、「Microsoft Excel」やFAXといった顧客のアナログ販促データを含め、クラシル独自の販促データを集約し構造化することで、広告費用や販促費用の効率化や営業の生産性向上といった価値を提供していきます。

AI事業:大手クライアントへのサービス導入

こうした取り組みの成果として、大手食品メーカーのミツカンさまおよびもう1社の大手食品メーカーさまに対し、「Kurashiru AI OS」サービスの有償利用を開始いただく予定です。

セールス&販促、受発注、サプライチェーン、経営管理といった他の領域においても、引き続き大手クライアントさまへのサービス導入を進めていきます。

2030年に向けた中期ビジョン

2030年に向けた中期ビジョンについてです。購買事業は順調に拡大しており、「レシチャレ」の投資実行とKurashiru AI OS事業の成長により、さらに事業を拡大していく方針です。

また、「レシチャレ」への注力による成長の加速に加え、Kurashiru AI OS事業の成長、そしてM&Aの活用によって、持続的な成長を実現していきます。

M&Aによる成⻑戦略について

M&Aによる成長戦略についてご説明します。当社はこれまで、過去5件の買収を完遂し、いずれも買収後の事業成長を実現しました。買収後の業務遂行や管理の型化を通じて事業成長を実現することが当社の強みです。

具体的なM&A対象領域として、1つ目に販促領域があります。リテールおよびメーカー向け販促支援における商材ラインナップの拡張を通じて、既存顧客基盤への即時クロスセルが可能な企業を対象としています。

2つ目にAIエージェント領域があります。コンサルティングや開発人材を獲得することで、導入サービスを加速させることを目的としています。

買収時の判断基準としては、「明確な事業シナジー」と「投資規律」の両立を重視し、シナジーを含めて投資回収が見通せる水準に限定して実行しています。

以上が、第1四半期の決算説明です。

質疑応答:Non-GAAP営業利益について

質問者:Non-GAAP営業利益について、期初のガイダンス段階では、上期は「レシチャレ」に関連する投資を含め、積極的に投資を行う方針であり、上期ベースでは減益の見込みという認識でした。一方、第1四半期は増益で着地しました。

この背景として、投資が思ったよりも増えなかったのか、想定以上に獲得効率がよく、投資の必要がなかったのでしょうか? 第2四半期以降の投資計画についてもあわせて教えていただけると幸いです。

戸田:広告宣伝費と販促費をどれだけ投資できたのかという点について、第1四半期においては、一定の投資を行った結果、増益につながったと考えています。

スライド右側のグラフに示しているとおり、今期の広告宣伝費・販促費の比率は11.7パーセントで、前期の8.5パーセントを約3ポイント上回っています。これについては、期初から計画的に投資を実施した結果です。

一方で「レシチャレ」に関連し、いわゆるリテールパートナー化した案件に対して、当社がPoCの費用を負担する部分については、第2四半期へずれ込んだ分があります。

追加のユーザー獲得投資のPoCトライアルの部分が後ろ倒しになりましたが、特に問題があったわけではなく、PoC契約のタイミングが少し後ろへずれたものであり、これが第2四半期に計上される予定です。

では、なぜここまでNon-GAAP営業利益が上振れているのかというと、メディア事業がかなり好調に推移しているという点が挙げられます。

また、「レシチャレ」のユーザーや「レシチャレ」関連のMAUも順調に伸びており、それらも一定の獲得コストを抑えながら成長しています。これらがしっかりと売上に反映されていることも要因の1つです。

質問者:第2四半期に一部コストを後ろ倒ししたというお話がありました。それを含めると、上期では計画どおり、Non-GAAP営業利益で見ると減益になるという理解でよろしいでしょうか?

戸田:現在の見解としては、フラット以上の水準には達する可能性が十分あると考えています。一部では増益の可能性も見込んでいます。

ただし、下期に向けて「レシチャレ」のユーザーをしっかり獲得し、第3四半期のいわゆる年末商戦にしっかり対応したいと考えています。そのため、バランスを見ながら進めていきたいと思っています。

質疑応答:「レシチャレ」関連MAUの進捗について

質問者:「レシチャレ」について、広告宣伝費を積極的に投資された結果、MAUの伸びが加速していると認識しています。「レシチャレ」を利用するユーザーの獲得において、第1四半期の計画比での結果と、今後の見通しについても教えていただけますか?

堀江:「レシチャレ」関連MAUについては、投資の効果もあり順調に推移しています。一方で、前回の決算でもお伝えしたとおり、これは本質的に社内で重視しているKPIではありません。

当初は注視していましたが、直近ではオフライン購買領域、特に「レシチャレ」機能の成長に注力するべきだと考えています。「レシチャレ」機能は前年比60パーセントを上回る成長を遂げており、上場後、この方針をより強く信じています。

今後についても、「レシチャレ」関連のMAUは順調に推移する見込みですが、我々としては「レシチャレ」オフライン購買UU、すなわちレシート機能を使用して売上に寄与したUUがどれだけ増加するかが、より重要な指標と考えています。

この取り組みは独自のビジネスモデルであり、マーケットシェアも圧倒的に獲得できていると思われます。そのため、これからいかに市場を拡大していけるかが鍵となります。

toBの営業においては、すでにドラッグストアをほぼカバーできたため、今後はスーパーマーケットへの浸透がどれだけ進むか、そしてユーザー数が増加するかが重要です。これらが順調に進めば、「レシチャレ」オフライン購買UUという新設したKPIはさらに成長していくと考えています。

投資家のみなさまに伝えたいメッセージとして、「レシチャレ」関連MAUも重要ではあるものの、やはり独自のビジネスモデルであり、今後はより伸びが期待される「レシチャレ」オフライン購買UUに注力していくことが重要です。

我々としても、今後はこちらを中心に開示を進めていくことが大切なポイントであると考えています。この分野は、現在進めている取り組みが他社では真似できないビジネスの堀として確立されています。

加えて、我々次第でどこまで拡大できるかという領域になっていきますので、しっかりと投資を進め、将来的にはこの事業を大きく育て上げていきたいと考えています。

質問者:「レシチャレ」オフライン購買UUの第1四半期の着地について、御社の評価はいかがでしょうか?

戸田:Annual Baseのことでしょうか?

質問者:おっしゃるとおりです。

堀江:順調に推移していると考えています。どちらも順調に推移しており、広告宣伝費に対する効率面でも悪くない水準でしっかりと着地できたと思います。

今後の見通しについても、大きく変わることはないと見ています。31万UU増加しており、過去に比べて増加ペースは高いと感じます。ボラティリティは20万UUから30万UUの間で多少ありますが、四半期ベースでの積み上がりが今後も続くと考えています。

質疑応答:リテールパートナーの進捗状況と展開ペースについて

質問者:リテールパートナーの進捗状況について確認させてください。今期は2社と契約しており、今後は四半期ごとに2社のペースで展開する見通しと理解していますが、この認識で合っていますか?

堀江:たまたま、今回2社と契約できた状況ですが、これが定期的に積み上がるかどうかは、私たちとしてもまだ確信を持てないというのが正直なところです。

一方で、現在進行中のPoCを実施している会社がしっかりと契約を締結し、リテールパートナーとなる可能性については、自信を持っています。

ただし、各社がどの程度のペースで契約を進められるのかについては、まだ完全には把握できておらず、今のところ確実な見通しは立っていない状況です。

戸田:補足すると、もともと本決算時点で7社という状況で、この3年間で7社が進捗してきました。今期はこれを十数社にするという目標について、本決算でお話ししたかと思います。

そのような観点から考えると、2社という結果は幸先が悪くないと考えています。また、第2四半期では少なくとも3社程度が見えている状況です。そのため、現時点でのリテールパートナー化の推進は順調に進んでいると考えています。

堀江:個社ごとに意思決定のスピードが異なるため、2社来る場合もあれば、3社来る場合もあるといった状況です。ただ、そうした中で1.5倍の変化が見られるケースもあります。

また、当社としてもこれが常に定期的に進むかどうかについては、現在リスト化した大手企業を一社一社訪問しています。

この進捗がどのタイミングで具体化するのかについては、継続的に2社ずつ増加するかたちとなるのか、四半期によっては4社増加し、その次は1社だけといった変動があるのかは、現時点では明確にわからない状況です。

質問者:現在、9社ほどがすでにPoCを実施済み、または実施予定の段階ですが、これらはおおむね1年から2年以内に消化できる社数と理解してよろしいでしょうか?

戸田:おっしゃるとおりです。おおむね、それくらいのスパンで進むと考えています。

質疑応答:金融の広告出稿量とその影響について

質問者:社長がお話しされていた金融の出稿への一時的な影響について、今後回復する可能性はあると見込んでいるのでしょうか? それとも、現時点では先が見えず、様子がわからないために一時的というニュアンスでおっしゃったのでしょうか?

堀江:実際に、一部のクライアントは戻ってきています。ただし、これが何に依存しているかというと、例えば証券口座や銀行口座の開設などがあります。特に、証券口座の開設者は単価が高い商品です。

また、日経平均や、例えばキオクシアのように投資ブームが起きると、オーガニックでユーザーが増えるため、各社が広告宣伝費を出さなくてもよい動きになります。

一方で、日経平均が下がるなど、全体の投資環境が悪化するトレンドになると、新規ユーザーの獲得が難しくなり、その場合は広告を打つといった動きが見られます。このように、マクロ環境との相反が価格として反映される状況です。したがって、広告出稿量が外的要因によって左右されているのが現実です。

我々としても、為替や金利、株価の動きが見えないため断言はできませんが、これらはサイクルで回っているため、一部のクライアントが戻ってきていること、また良い時期もあれば悪い時期もあることを踏まえると、株価が振るわない時期には広告宣伝費が再び戻ってくると捉えています。

戸田:ボラティリティの激しい金融商材、例えば証券口座などですが、ユーザーへの還元率がかなり高いため、当社としては粗利率の高い商品とはいえません。売上が想定より低く見える部分があるかもしれませんが、利益への影響は相対的にそれほど大きくないと考えています。

質疑応答:事業の優先度合いや比重について

質問者:社長の考え方をおうかがいしたいです。現在、オフラインと「Kurashiru AI OS」の両方の領域を研究されており、優先度はおそらく「レシチャレ」のほうを重視されているかと思います。

量的な観点で、試験や取り組みの重みを2つの枠に分けるとしたら、事業にかける比重は、だいたいどのくらいの比率だと理解すればよいでしょうか?

堀江:これは明確に分けられるものではなく、説明がやや難しいところです。結局のところ、クライアントが共通しています。

一度の訪問で、例えば私自身がトップ営業に行くケースが多いですが、その際に同時に2つの商品、例えば「レシチャレ」を扱っているお客さまには、販売条件管理、つまりリベートの管理や費用対効果が非常に重要になります。

そのため、「『レシチャレ』を普段から使っていただいていてありがとうございます。もっとこういう使い方もあります。強いて言うと、このAIサービスを使うと、あなたの会社の販促費用の費用対効果の可視化ができます」といったように、接続してご説明しています。

どちらかを100パーセントといったものではなく、それぞれに対してほぼ同等の比重で取り組んでいると言えるかもしれません。「レシチャレ」を進めた分だけ、AI事業としてのリードも得られますし、両方に良い効果、相互に対する効果が期待できるため、実質的には1対1程度の比率だと思っています。

質問者:現在「Kurashiru AI OS」を導入しているのは、食品メーカー側のお客さまが2社だと思いますが、「レシチャレ」を導入する際は、小売と商談するケースが多いのではないでしょうか? 少し状況が異なっているように感じました。

堀江:小売からの売上も増えていますが、我々はほとんど直接のパイプラインも持っています。AIのご説明も含め、私からあらためて「レシチャレ」の詳細をエグゼクティブとしてご説明することがあります。

また直近では、経営者の方々は、AIをどのようにメーカーに導入しているのかを非常に重視されています。そのため、業界説明会や役員向け説明会を実施しています。

さらに、食品メーカーや飲料メーカーだけでなく、日用品や化粧品メーカーに対しても「Kurashiru AI OS」を提供しています。今日のプレゼンでは特に食品と飲料の分野を強調してご説明しましたが、「レシチャレ」の半分以上が、日用品や化粧品などの領域にも広がっています。

同様に、「Kurashiru AI OS」についても食品・飲料に限定せず、PoC前の段階ですが、すでに他のパイプラインもかなり進んでいます。有形商材全般をカバーすることを想定して取り組んでいます。

質疑応答:AI事業およびリテールパートナー獲得戦略について

司会者:「今期はもともと先行投資によって微増益の計画だったと思いますが、先ほどのご説明だと、上期時点でそれなりに上振れそうな印象を持ちました。

今期はあくまで投資の年ということで、下期には貯金を追加のコストとして投下して、計画並みの着地をイメージしているのか、あるいは利益が結果的に上振れて着地することも許容されるのか、考え方をご教示いただけますか?」というご質問です。

戸田:基本的に期初の計画利益を意識しながら、上振れた分は上振れた分で、来期にしっかりジャンプアップするために活用したいと考えています。第1四半期に関しては、非常に良いタイミングだったと思います。

重要な点として、「レシチャレ」においてリテールパートナーの獲得を通じて、お客さまに案件の評価を促し、ユーザーを獲得することが挙げられます。

また、AI分野ではリードを多く取れているため、デリバリーをしっかり行うための人材確保が重要です。これはエンジニアやフロントで業務を担当するコンサルタント、営業スタッフなどを指し、これらの確保を進めていきたいと考えています。

堀江:加えてお伝えすると、基本的にAI事業、特にバーティカルのAI事業は、メーカー、卸、小売業者に対して啓蒙活動から始まり、徐々に成長していくと思います。その過程で非常に大きな市場が広がっていると考えています。

現在、SaaS市場は約2兆7,000億円規模ですが、SCM領域の我々のAI事業についていえば、その市場規模は5倍以上になると考えています。現在進行中の取り組みとしては、人件費をしっかり投入し、各メーカーの上流工程で我々がこのAIプロジェクトを主導できる立場を取ることが非常に重要だと考えています。

そうした中でブランドを構築し、先行して採用を進めることで、現在、いわば面取りゲームのような取り合いが始まっていると考えています。

短期的には、現在のメディアや「レシチャレ」と比較して立ち上がりに時間がかかると思われますが、圧倒的に大きなマーケットであることは明らかです。

そのため、コストや利益に余裕があるのであれば、本来であればAI事業にさらに投資を行い、先行して面取りゲームを確実に制するべきだと考えています。

質疑応答:第2四半期の業績見通しと中東情勢のリスクについて

司会者:「スライド23ページの『レシチャレ』オフライン購買売上⾼について、2027年3月期第2四半期から第4四半期まで、どのように見てらっしゃいますか?」というご質問です。

戸田:第2四半期に関しては、基本的には昨年と同じような上がり方になると考えています。第2四半期についても、第1四半期に比べて若干上がると見込んでおり、第3四半期に山が来ると予想しています。

昨年は第3四半期から第4四半期にかけて若干下がりましたが、今年はそこまでの大きな差分や差率は出ないと考えています。今リテールパートナー化を進めている状況であり、そのモメンタムを第3四半期から第4四半期にかけて維持できると見込んでいるためです。

一方で、リスクに関してお伝えすると、いわゆる中東情勢の影響により、メーカーで生産に少し影響が出ており、その結果、販促費にも影響が出ている状況です。「案件を少しディレイさせてほしい」というような話も一部出始めている状況です。

そのような想定外のリスクについても考慮しながら事業運営を行っています。

質疑応答:「レシチャレ」オフライン購買UUの増加要因について

司会者:「スライド25ページの『レシチャレ』オフライン購買UUの四半期での増加数を見ると、2026年3月期第1四半期からは約3万UU、約8万UU、約5万UU、約8万UUという増え方をしていますが、増加の要因は変わってきているでしょうか?

取扱商材数によるものか、参加ブランド数によるものなのか、2026年3月期第4四半期に対する増加要因を教えてください」というご質問です。

堀江:複数の要因があると思います。我々が大きなキャンペーンを実施した際に伸びることがあります。また、メーカー数の増加による在庫の増加といった要因が主に2つ挙げられると思います。今回に関しては、これら両方の要因が含まれていると考えています。

SKU(在庫管理単位)が増えるほど、ユーザーにとって良い商品や割引商品が増えるため、必然的にレシートのUUが増加します。一方で、SKUが増えない場合はUUが減少することとなります。

基本的に、当社は下半期のほうがこのような案件をいただけるケースが多くなるため、下半期のほうが増加しやすく、上半期は増加しにくい構造にあると考えています。

質疑応答:クラシル事業における生成AIと競合の影響について

司会者:「料理レシピ動画サービス事業に関して、競争環境に変化はありますか?」というご質問です。

堀江:あまり感じていません。生成AIの影響について、おそらく一部の方は「卵の茹で方ってどうなんだっけ?」という疑問に対して、AIを使用されることもあると思います。

一方で「クラシル」は、ビジュアルでしっかり確認し、人間が作っておいしいかどうかを確かめた料理が作れる点で差別化が図られています。また、今後のAI機能として、料理に関するちょっとした質問にも回答できるような、Tips的なサポートを提供することを目指しています。

例えば「ニンニクがない時の対応はどうしたらいいですか?」のような、ちょっとした味変や代用案をAIに尋ねるといった利用をされる方が多いと考えています。そうしたニーズにも対応できるよう進めていきたいと考えています。

生成AIの影響については、現状では特に大きな影響は受けておらず、今後も影響を受けないようにしっかり対応していく方針です。また、その他の競合についてもあまり意識しておらず、影響を受けているという実感はありません。

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