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株式会社マツオカコーポレーション3611

東証スタンダード

繊維製品

※当記事は速報版です。スライド情報は割愛している他、数値などに誤りが含まれる可能性がございます。正確な情報は決算短信・決算説明資料などの正式な開示資料、または追って公開予定の確定版記事にてご確認ください。

2026年3月期決算説明

松岡典之氏(以下、松岡典):皆さま、こんにちは。株式会社マツオカコーポレーション、代表取締役の松岡典之でございます。皆さまには、平素より格別のご高配を賜り、心より感謝申し上げます。

本日は、当社グループの2026年3月期決算と、今期よりスタートした中期経営計画「BEYOND 2028 〜Stitch the Future〜」の内容についてご説明させていただきます。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

金子浩幸氏(以下、金子):皆さま、こんにちは。株式会社マツオカコーポレーション、取締役の金子浩幸でございます。本日は、ご参加、ご視聴いただき、誠にありがとうございます。

まずは私から、当社概要のご紹介、2026年3月期の決算概要、2027年3月期の業績見通しについて、ご説明させていただきます。

会社概要

まずは、マツオカコーポレーションの概要です。当社は広島県福山市に本社を置くアパレルOEMメーカーです。1956年の設立以来、縫製事業を中核としてまいりました。現在の生産拠点は、中国、ミャンマー、バングラデシュ、ベトナム、インドネシアの5カ国で、連結従業員数2万人を超える規模で事業を行っております。主力の縫製事業に加え、ラミネーションフィルム事業の2つのセグメントで事業を展開しております。

沿革

次に沿革です。縫製業で事業を拡大し、1980年代、1990年代からは競合他社に先駆けて海外へ進出したことが、当社の現在の強みである強靭なサプライチェーンに繋がりました。1990年に中国、2004年にミャンマー、2007年にバングラデシュ、2015年にベトナム、2018年にインドネシアと、事業環境に合わせて東南アジアや南アジアに進出しております。そして2017年には、国内の縫製メーカーとしては初めて東証1部に上場し、現在はスタンダード市場へ市場変更しております。

事業概要

事業概要についてご説明いたします。当社の強みは、海外生産拠点の自社工場で、直接マネジメントを行うことで品質と信頼性を確保している点にあります。縫製事業では、国内外のアパレルメーカー向けに海外自社工場を活かした高品質・低コスト・正確な納期を実現しております。ラミネーションフィルム事業では、自社で開発、生産した機能性フィルムを生地に貼り合わせ、透湿防水機能に優れた加工生地を製造・販売しています。

両セグメント合わせた工場数はアジア5カ国に全14工場で、バングラデシュが最大の生産拠点で従業員約9,900人、次いでベトナムが約6,000人の体制です。特に縫製事業においては人の力が事業の根幹を支えており、従業員数の増加が事業規模の増加と密接に結びついています。

業績ハイライト

続きまして、2026年3月期の決算概要です。売上高は742億5100万円で前期比5.2%増、営業利益は21億7400万円、前期比401.3%増、当社本業の実力値を示すと考える独自指標、為替差損益調整後営業利益は48億1300万円で前期比13.7%増、経常利益は53億9100万円で前期比28.4%増、親会社株主に帰属する当期純利益は31億1700万円で前期比19.9%増となりました。

縫製事業において堅調な受注と安定した生産稼働を背景に増収となりました。利益面では、縫製事業が増益寄与しました。

2026年3月期 連結損益概要

続いて連結損益概要です。各指標の前期比較はご覧の通りです。1株当たり当期純利益は298.12円、ROEは7.3%から8.0%へ0.7ポイントプラスとなりました。なお、1株当たり配当金は前期と同額の90円に加え、設立70年を記念した記念配当10円を含めた100円を予定しております。

決算に使用した米ドル為替レートにつきましては、期中平均が前期の152.6円に対し150.7円と若干円高で推移いたしました。期末は159.9円となりました。

縫製事業

縫製事業のセグメント別業績です。縫製事業の売上高は660億円で前期比12.5%増、セグメント利益は59億円で前期比67.6%増と、大幅な増収増益を達成いたしました。特に、ワーキングウェアとインナーウェア・カットソーの受注が増加し、それらを生産するバングラデシュ工場の生産キャパシティ拡大が進んだことが要因です。販売枚数は6,350万枚で前期比22.1%増でした。

また、グループ全体で各国の生産拠点の特性を踏まえた生産アイテムの変更・集約や、従業員の習熟度向上により生産性が高まり、利益拡大につながりました。

2027年3月期は、引き続き受注拡大と生産キャパシティ拡大を図り、インナーウェア・カットソーや寝装寝具の伸長により更なる増収増益を見込んでおります。

ラミネーションフィルム事業

続きまして、ラミネーションフィルム事業の売上高は前期比マイナス30.9%の82億円で、セグメント利益は前期比マイナス67.9%の5億円と、減収減益の結果となりました。販売ヤード数は25.2%減少となりました。

減収の主因は、顧客のヒット商品の剥落であり、前々期までの通常水準に収束した形でございます。加えて、中国市況の低迷により買い替え需要が鈍化いたしました。現在は、中国国内の新規顧客企業やマーケット開拓を進め、営業強化のため人員採用の拡充、上海とホーチミンに営業事務所を開設することなどを進めております。

2027年3月期は、原油価格高騰による原材料費の影響に注視しつつ、維持または増収を目指してまいります。

売上高(品目別)

続いて品目別の売上高構成です。縫製事業の4品目は、カジュアルウェアが394億円、ワーキングウェアが68億円、インナーウェア・カットソーが155億円、その他が41億円となりました。猛暑対策のファン付きウェアの需要拡大を受けてワーキングウェアが前期比48.9%増と大幅に売上を伸ばしました。

一方、カジュアルウェアが前期比2.7%の微減となりましたが、一部中国工場における生産アイテム構成の変更があったことによるもので、同工場で新たに生産したアイテムは「その他」カテゴリに分類されております。

売上高(生産地域別)

続いて生産地域別の売上高です。地域別に見てまいりますと、特に伸長が顕著だったのがバングラデシュとインドネシアです。ワーキングウェアやインナーウェア・カットソーを生産するバングラデシュは、堅調な受注状況から前期比24.8%増の231億円と大幅増収となりました。

インドネシアでは、前期より取り組んでいた生産アイテムの変更を経て生産性が向上し、前期比27.3%増の37億円の大幅増収です。

一方、中国は前期比マイナス6.1%の241億円となりましたが、これはラミネーションフィルム事業の減収が要因です。

ベトナムは前年比で微増の202億円。ミャンマーは前期比マイナス8.7%の29億円となっております。ASEAN諸国等の売上高比率は前期比で3.9ポイントプラスの67.5%となりました。

為替の影響及び「為替差損益調整後営業利益」について①

ここで昨年より開示しております、為替差損益調整後営業利益についてご説明いたします。当社グループの収支構造は、売上収入の約7割が米ドル、残りの約3割が日本円などドル以外の通貨です。

工場運営経費の支出は、収入で得た米ドルを必要な分だけ、ベトナムドン、バングラデシュタカなどの工場所在国の通貨に両替して支払うため、結果として、当社グループに残る現預金残高についても、約5割が米ドルになっています。

為替の影響及び「為替差損益調整後営業利益」について②

現在の会計基準では、日常的な営業取引の決済から発生する為替差損益も、営業外に集計されております。当社はこれら営業取引から発生する為替差損益は営業利益と一体のものであるという考えの下、その金額を営業利益に加えた「為替差損益調整後営業利益」を当社本業の実力値の参考として、継続開示しております。

当社グループにおける事業の実力のご参考として、この「為替差損益調整後営業利益」をご参照いただきたいと考えております。スライドに示した過去5期の推移では、為替差損益調整後営業利益は4期連続増益であり、2026年3月期は48億円となりました。決算短信でも開示をしておりますのでご覧ください。

連結貸借対照表

連結貸借対照表の前期比較です。総資産は前期比3.8%増の751億円。棚卸資産の増加などから、流動資産が24億円増加しております。

負債合計は前期比3億円減の316億円。有利子負債残高が162億円から149億円へ13億円減少したことが主な要因となります。

純資産合計は435億円、前期比30億円の増加。自己資本比率は53.1%でプラス1.3%、D/Eレシオも0.56倍から0.48倍となりました。

キャッシュ・フローにつきましては、営業CFが60億円の収入と前期の27億円から大幅に増加しました。投資CFは工場設備等への投資により43億円の支出、財務CFは借入金返済及び配当金支払い等により19億円の支出となっております。

2027年3月期 連結業績見通し

続きまして、2027年3月期の連結業績見通しです。2027年3月期の通期業績予想は、売上高800億円、営業利益34億円、経常利益49億円、当期純利益34億円です。2026年春夏ものの受注状況は堅調で、生産ラインの稼働計画に十分な見通しがたっております。

経常利益につきまして、期末に向けてゆるやかな円安を想定し、若干の減益としました。為替差損益調整後営業利益の通期予想は、前期比10.1%増の53億円を見込んでいます。なお、これらは現時点で入手可能な情報に基づき見通しを策定しています。

設備投資額・減価償却費の推移

設備投資額と減価償却費の推移をご覧ください。2026年3月期は約30億円の設備投資を実施いたしました。内訳としては、バングラデシュ及びインドネシア工場の生産量拡大に向けた工場拡大投資を中心に、工場設備投資や買換え投資等で約20億円、本社新社屋建設に約9億円でございます。

2027年3月期は約80億円の設備投資を計画しております。これは中期経営計画「BEYOND 2028」の初年度における初期投資を含むものでございます。具体的には、インドネシアでの新工場建設に約30億円、バングラデシュ工場の拡大投資に約5億円、新設工場を含めた工場設備投資や買換え投資等に約40億円、MES導入にかかるソフトウェア投資約2億円を実施予定です。

減価償却費は前期と同水準の約20億円の見通しとしております。

前中期経営計画「ビジョン2025」結果と振り返り

松岡哲博氏(以下、松岡哲):ここからは、わたくし松岡から、「中期経営計画 BEYOND 2028 〜Stitch the Future〜」についてご説明させていただきます。まずは、2021年度から2025年度の5年間の前中期経営計画「ビジョン2025」の結果と振り返りをご報告いたします。

計画発表当初においては、コロナ禍での在庫調整局面という先行き不透明な環境下でスタートし、定量目標として売上高700億円・経常利益35億円を計画として定めておりました。その後想定よりも早く在庫調整が進んだことに加え、計画前半に建設した新工場の稼働の本格化、生産性向上が着実に効果を発揮し、当初計画を上回る水準で達成することができました。

一方で、「生産基盤の拡大」や「データに基づく経営管理の高度化」といった点については、引き続き取り組むべき課題と認識しております。新中期経営計画においては、それらを重点テーマとして位置づけ、前中計で築いた生産基盤を土台に、より持続的で統制の取れた成長を目指して取り組んでいく所存です。詳細は後程ご説明いたします。

ASEAN諸国等売上高比率の推移

ASEAN諸国等の生産比率の推移についてご報告いたします。前中期経営計画では、中国からASEAN諸国等への生産地シフトを重点施策とし、継続開示してきました。全社売上高ベースでは、ASEAN諸国等比率は2022年3月期の50.6%から2026年3月期には67.5%まで上昇いたしました。

さらに、中国とベトナムにおけるラミネーションフィルム事業を除いた縫製事業のみで算出すると、ASEAN諸国等比率は72%を超えており、前中期経営計画で掲げた目標71%は達成したものと考えており、グローバルな供給体制の基盤整備について、一定の成果を挙げることができました。新中期経営計画では、この基盤の上にさらなる生産規模の拡大を進めてまいります。

前中計で新設した工場の生産キャパ状況

続いて、前中期経営計画で建設した工場の生産キャパシティの状況をご覧ください。まず、ベトナムのアンナム工場でございます。2026年3月期の実績は472万枚となっております。前年の454万枚から増加しておりますが、顧客ニーズに合わせて付加価値の高い高難易度の生産品目が増えたため、生産キャパシティの拡大は緩やかな進捗にとどまっております。高難易度品目は1枚あたりの工数が多くなりますので、枚数ベースでは伸びが穏やかに見えますが、付加価値という観点では着実に成長しております。

次に、同じくベトナムのタンチュオン工場です。2026年3月期の実績は87万枚で、前年の64万枚から大きく伸びております。こちらは概ね計画通りに進捗しており、従業員の習熟度向上によって生産性が着実に高まっている状況でございます。

最後に、バングラデシュのIMBD第2期工場でございます。2026年3月期の実績は289万枚と、前年の142万枚から倍増に近い大幅な増加となりました。これは、猛暑の影響によるファン付きウェアの需要が急増し、ワーキングウェアの受注が大きく伸びたことで生産ラインの拡大を実施した結果でございます。

3工場とも、オーダー状況に合わせて段階的に生産能力を引き上げていく方針であり、新中期経営計画の期間中も引き続き稼働率の向上を図ってまいります。

以上が前中期経営計画の成果報告でした。

アパレル業界を取り巻く環境への認識

続きまして、アパレル業界を取り巻く環境への認識についてご説明いたします。世界のアパレル市場は2024年の1.7兆ドルから2032年には2.3兆ドルへ、年平均成長率3.5%で拡大する見通しでございます。消費者サイドでは、価値価格バランスを一層重視する傾向が強まり、ブランドやサステナビリティへの関心もさらに高まっています。

サプライチェーンでは、地政学リスクや人件費上昇が進み、業界では、品質・コスト納期に加えて、「透明性・信頼性」がこれまで以上に重視されています。この基盤を活かすには、グローバル市場で競争できる土俵に立つことが前提条件であり、業界構造の変化に対応し、提供価値を磨くことが「選ばれる工場」として不可欠であると考えております。

中期経営計画の位置づけ

それらを踏まえた中期経営計画の位置づけをご説明します。当社は「あらゆる服づくりの舞台裏に私たちがいる」というビジョンのもと、「選ばれる工場」になることを事業の目指す姿として掲げております。中期経営計画では、目指す姿の実現に向け、持続的成長が可能な事業基盤を確立する3年と位置づけております。

中期経営計画の基本方針

中期経営計画の基本方針はスライド下部の4つです。「工場稼働の最大化・生産の拡大」、これは拡大している工場の生産能力を最大限に活用することです。そしてその「拡大を支える基盤への重点投資」、具体的には、システムへの投資、製造管理、顧客対応力向上へ向けた投資です。そして財務面では「資本コストや株価を意識した経営への転換」です。組織・人財への投資方針としては「グローバル・ガバナンス強化」です。

以上の4つを基本方針のもと、中期経営計画では2029年3月期に売上高900億円・経常利益60億円・ROE9.0%を目指します。そしてその先では、「選ばれる工場」へのさらなる進化とROE10%を見据えております。

経営目標(財務・非財務)

経営目標です。財務目標として、2029年3月期に売上高900億円・経常利益60億円・純利益は40億円を目指します。ROEは9.0%以上、自己資本比率は45%から55%の範囲を維持してまいります。また、非財務目標として、連結従業員数は24,000人へ拡大、縫製事業の販売枚数を7,800万枚へ、ラミネーションフィルム事業の販売枚数は1,500万ヤードを目標といたします。

中期経営計画の基本戦略と重点施策

続いて、スライドの左側に記載しております、4つの基本戦略をご説明します。第一に、事業戦略として生産規模を追求し、利益を最大化します。生産キャパシティを最大限に活用し、アイテムや拠点の最適配置を進めることで、稼働率と利益性の両立を図ります。

第二に、「選ばれる工場」に向けて提供価値を磨きます。競争力の根幹である「品質・コスト・納期」高度化への継続的な取り組みに加え、新たなニーズにも先手で取り組んでまいります。

第三に、財務戦略として資本効率を高める経営への転換を図ります。経営資源を活かし、利益と効率を両立する経営スタイルへ進化させます。

第四に、人材戦略として人的資本への重点的な取り組みです。競争力の源泉である「人と組織」に継続的に向き合い、アカウンタビリティを果たし、グローバルで挑戦し続ける組織に進化させます。

これら4つの基本戦略を達成するために、スライドの右側に記載しております重点施策について、次ページ以降で詳しくご説明いたします。

事業戦略① 重点施策:生産地拡大による、サプライチェーンの強化・拡充

事業戦略の1つ目の重点施策が「生産拡大によるサプライチェーンの強化・拡充」です。縫製事業における2026年3月期のASEAN諸国等の生産地比率は72%と、前中計の目標水準に到達しました。今後は生産規模の拡大が中心となります。ASEAN諸国等を中心に生産量を拡大し、縫製事業の売上高は+24%となる817億円と、過去最大の売上規模を目指します。

生産枚数は主に、バングラデシュでの生産設備を拡張し1000万枚の増産、インドネシアでは、新たな縫製工場を建設し300万枚の増産、ベトナムはアンナム工場で60万枚の増産を計画しています。中国においては、生産設備を導入し、より自動化・機械化が可能な寝具などの衣類以外の生活用品の生産へ転換を進めます。

事業戦略① 重点施策:ラミネーションフィルム事業の“稼働最適化”と”開発力強化”

同じく事業戦略の2つ目の重点施策が「ラミネーションフィルム事業の稼働最適化と開発力強化」です。ラミネーションフィルム事業においては外部環境の変化が激しく、柔軟な対応が求められています。これらを踏まえ、2つの重点施策を推進いたします。

1つ目は、2拠点両立の稼働最適化です。米国向け顧客を中心にベトナムへの生産移管を進めるとともに、中国工場では空いた稼働枠を中国国内顧客の開拓で埋めてまいります。

2つ目は、機会に備える開発力強化です。環境対応と機能性を兼ね備えた次世代フィルム製品の開発に注力し、機械設備・人財への投資を進めてまいります。

現在、ラミネーションフィルム事業は外部環境の影響反動減を受け、一時的に低調な推移となっておりますが、施策を通じて着実に事業基盤の強化を図っております。本事業は、中長期的な成長ポテンシャルを有しており、将来的な回復と拡大を見込んでいます。

事業戦略②

次に、事業戦略の2つ目、「選ばれる工場に向けて提供価値を磨く」について説明いたします。計画生産の徹底と技術の承継と最適化により、QCD、つまり、品質、コスト、納期を磨き続けること、そして、サプライチェーンの統制と透明性の確保により、新たなニーズに対応する事、これらは、我々の事業の競争力の根幹であり、強化すべき2つの柱と考えています。

MESの導入により「実態の可視化」が進むことで、現場の解決力強化と、経営の対応力強化へ向けた体制が確立できると考えており、次のページで重点施策についてご説明いたします。

事業戦略② 重点施策:工場毎の技術・品質の成長とアイテム対応力の強化

重点施策の1つ目は、「工場ごとの技術・品質の成長とアイテム対応力の強化」です。シャツ、インナー、ボトムスなど、同一生産アイテムのオーダーを1つの工場に固めることで、従業員の習熟度と品質を同時に向上させるための計画精度を追求します。

工場のステージに合わせて、育成工場、中堅工場、旗艦工場に分け、それぞれの役割を持たせています。現在も旗艦工場から、育成工場へ技術者を派遣しており、技術・ノウハウの底上げを図っております。マツオカグループとしての人財育成・生産効率を最大化させる計画です。

事業戦略② 重点施策:スマートファクトリー化による製造管理の高度化

2つ目の重点施策は、「スマートファクトリー化による製造管理の高度化」です。MESとERPの導入により、生産・在庫・収益を見える化し、納期の短縮、安定供給力の向上、コストの削減、品質の強化を同時に実現させます。システムを導入することにより情報を一元化し、可視化・分析を即時化することで生産現場の改善や判断を支えることができます。

例えば、生産現場において、工程別の異常値を発見し、悪化要因を事前に潰したり、日報・帳票類の電子化によるミスの抑制、更には、原材料・仕掛・製品在庫のリアルタイム把握が可能となります。これらにより、現場の判断と行動を支え、顧客対応力の向上と生産性の向上につなげてまいります。

スマートファクトリー化の導入スケジュールについてご説明いたします。すでにバングラデシュのIMBD工場、ベトナムのタンチュオン工場をパイロット工場として、スマートファクトリー化のシステム導入に向けた準備を進めています。導入後、検証稼働させながら、中期経営計画期間において、段階的に対象工場を拡大し、グループ全体への展開を目指します。

財務戦略③ 重点施策:資本政策・キャッシュマネジメントの高度化

金子:財務戦略についてご説明いたします。PBR1倍以上の達成に向けて、資本効率と企業価値を高める経営を進めてまいります。中期的方針として投下資本利益率が資本コストを超過することを出発点とし、持続的に株主期待を上回る成長と価値創造を目指します。

重点施策としてROE10%以上を長期目標に、資本効率の向上を図ります。なお、新中期経営計画期間内ではROE9%以上を定量目標として設定しました。厳格な投資判断と評価、キャッシュマネジメント高度化を実行し、資本効率向上につなげていきます。

また、成長戦略の発信を中心に、これまで以上に株主様との対話と情報開示を強化してまいります。

財務戦略③ 重点施策:キャッシュ創出力強化による成長投資と株主還元の両立

事業成長により獲得した資金を効率的に配分するため、キャピタルアロケーションの方針を設定しました。営業キャッシュ・フローを中心とした配分可能資金150億円から200億円のうち、55から65%を、将来の更なる成長への再投資と事業基盤投資に配分します。3年間で105億円を見込んでおります。

また、獲得したキャッシュの一部を株主の皆様に還元します。新中期経営計画内では配当性向35%を目安とし、業績等に応じて株主還元強化を検討してまいります。加えて、M&A案件等の成長を加速させるための資金や、パンデミックや天災等、不測の事態に備えるリスク対応資金も確保します。

3年間の設備投資金額概算です。3ヵ年の投資額見込み105億円のうち、MES・ERPなど工場現場効率化のためのシステム投資に6億80百万円、生産能力拡大のための工場新設、生産設備拡張投資に71億50百万円、工場の安定稼働と製品の安定供給のための工場維持投資に26億70百万円を配分予定です。

工場の拡大投資とシステム投資は、当社事業成長の基盤となる投資です。これら成長投資比率は75%で、生産キャパシティ拡大に積極的に投資いたします。

株主還元方針

株主還元方針です。中期経営計画初年度の2027年3月期より、配当性向の目安を5%引き上げ、35%といたします。2026年3月期の配当は、普通配当90円に設立70周年記念配当10円を加えた100円で、配当性向は33.5%を予定しており、2027年3月期の配当予想は、配当性向35%を目安に15円増配した115円を予定しております。

中期経営計画では、配当に加え、財政状態や株価の状況に合わせて機動的に還元実施を検討してまいります。

人財戦略④ 重点施策:ASEAN諸国等での事業拡大に対応したグループ人財戦略

松岡哲:最後に、人材戦略、人的資本への重点取り組みです。当社グループでは、「すべてのグループ人財がいきいき働く」をマテリアリティとして、多様なバックグラウンドや知識、経験を持つ人財をワンチームにまとめ、共に挑戦し学び合う職場環境を整備してきました。

新中期経営計画では、さらにグローバル成長を支える組織基盤の強化を図るため、「ASEAN諸国等での事業拡大に対応したグループ人材戦略」を重点施策としました。各国の技能人材が国境や工場の垣根を越えて、現場指導・改善活動が行える横断型スキームの構築を目指します。

サステナビリティのための取り組み

最後にサステナビリティのための取り組みです。当社グループは、「服を着る人も、作る人も、幸せになる社会を作る」をサステナビリティ指針として掲げております。

私たちの事業は、創業以来グループ全従業員20,000人の生活基盤を支えると同時に、従業員によって我々のものづくりは支えられてきました。グループ工場の安定稼働と収益確保は働いてくださる人々の尊厳を守るための不可欠な土台であり、私たちにとって重要なサステナビリティ活動の根幹です。

我々の工場は、お客様の要望に応じ国際監査を継続的に受けています。これは国際基準を上回るという生産現場の信頼性の証明であり、国際基準に耐えうる強い工場である私たちの品質倫理観のゆるぎない土台となっています。それにより、事業上の取引の継続、信頼につながり、事業全体の持続可能性に結びついていると考えております。

サステナビリティの具体的な取り組みとしましては、これまで職場環境の整備、福利厚生の提供などに加え、太陽光パネルの設置などで再生エネルギーの活用をしてきました。この中期経営計画では、女性雇用の継続拡大と女性管理職者の積極的雇用、業務の見える化と標準化を実施し、マニュアル化を促進します。

またCO2排出量削減の活動展開とモニタリングを強化することで製造責任を果たします。そしてデジタルトレーサビリティーの実現により、永続的な信用と透明性を図ります。お客様や地域からの信用、そして透明性を武器にグローバルサプライチェーンにおける最も信頼されるパートナーを目指してまいります。

私からのご説明は以上でございます。長時間お聞きいただきありがとうございました。

松岡典:皆さま、本日は、当社グループの2026年3月期決算説明会にご参加いただき、ありがとうございました。これからも中期経営計画の達成とその先の事業成長の実現を見据えながら、日々取り組んでまいります。

皆さまにおかれましては、今後とも引き続きご支援たまわりますよう、どうぞよろしくお願いいたします。ここまでのお時間、お付き合いいただき、誠にありがとうございました。

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