エフビー介護サービス株式会社【速報版】
【速報版】エフビー介護サービス株式会社 2026年3月期決算説明
※当記事は速報版です。スライド情報は割愛している他、数値などに誤りが含まれる可能性がございます。正確な情報は決算短信・決算説明資料などの正式な開示資料、または追って公開予定の確定版記事にてご確認ください。
ご挨拶
エフビー介護サービス株式会社代表取締役社長栁澤美穂でございます。本日は弊社2026年3月期決算説明を視聴いただき、誠に有難うございます。
今回の決算説明は、動画と書き起こしの配信のみの実施となりますので、ご質問をいただいても回答することができません。代わりに書き起こしの最後に、当社側でよくいただくご質問に対して回答をまとめておりますので、ご覧いただければ幸いです。
また、決算数値が5月15日に決算短信で発表したものから修正があり、過年度の法人税等調整額の見直し等により法人税等調整額が約1,300万円減少するなどしております。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益が1,300万円近く増加しておりますので、ご了承ください。
目次
今回の決算説明は、「2026年3月期エグゼクティブサマリー」、「2026年3月期連結決算の概況」と「2027年3月期連結業績の予想」、そして3年目になりました「中期経営計画」について説明いたします。では、ご覧の目次に沿って、説明をさせていただきます。
エグゼクティブサマリー
エグゼクティブサマリーです。
2026年3月期は人手不足・物価高・人件費上昇で厳しい経営環境のもと、業績拡大に努めて売上高が過去最高を記録し、経常利益も最高益を達成しました。営業利益についても後述の「2026年3月期連結決算の概況」での記載のとおり実質的には最高益を達成したといえます。
その反面、特別損失として減損損失を計上したことについては、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比14.3%増と増益となり、2026年3月期業績予想として発表していた業績計画も達成することができましたが、大変申し訳なく思っています。
2026年3月期は事業拡大と利益獲得の両立の難しさを痛感した事業年度となりました。
(1)事業の拡大について 2026年3月期は、福祉用具事業でM&A(事業譲受)により当社の福祉用具営業所に比較的に近く、相乗効果が見込める営業所2ヵ所を取得し、介護事業でも介護事業所(グループホーム)1ヵ所を開設して事業拡大に努め、売上高が過去最高を達成しました。
また、経常利益についても福祉用具事業が増収効果とM&A効果で増益、介護事業についても人手不足・物価高・人件費上昇という厳しい経営環境のもと、介護の原点に立ち返って介護技術や接遇の再習得やサービスの向上、業務の見直し等を行って過去最高を記録しました。
(2)重度訪問介護の撤退 当社は2025年4月に長野県上田市で重度訪問介護に進出しましたが2026年3月期のうちに撤退しました。当社は地域密着型の介護サービス、すなわち福祉用具レンタル販売から在宅介護・通所介護・居住系介護まで総合的にサービスを提供する企業として、利用者様の介護度が軽度から重度になっても当社の介護サービスをトータルで提供できる体制を整えています。
その中で重度訪問介護を当社の介護サービスに加えることができれば、利用者様により充実したサービスの提供が可能になり、当社にとっても強みになります。また重度訪問介護が重度の障がい者介護の領域に近いとあって、障がい者介護という新しい分野へ挑戦する足掛かりになるのではないか、と考えて重度訪問介護に進出しました。
しかしながら、重度訪問介護に進出してみると、今まで経験していなかった新しい分野とあって、実際に事業化して採算ベースにのせるためには想定以上に時間が必要であることがわかりました。重度訪問介護への進出は当社の強みになるものの、今の介護業界の厳しい経営環境を考えると赤字のままでの事業の継続は、上場会社としての利益の減少を意味し、資本の効率的な運用と相反することから撤退を決断しました。
重度訪問介護に関してはサービスを期待していた利用者様を始め、投資家の皆様にも業績拡大のチャンスとして期待していただいたと思いますが残念な結果となりました。
(3)減損損失の計上について 減損損失の計上については2026年5月15日に発表した「特別損失(減損損失)の計上に関するお知らせ」のとおりです。全額介護事業での計上です。介護事業の場合、介護報酬が定額化しており、特に近年は物価高・人件費上昇で厳しい事業所運営を強いられ、サービスの差別化や施設のリニューアル等によるテコ入れを行うための原資の確保が難しいというのが正直なところです。
また事業が社会のインフラとしての福祉・介護である性格上、サービス提供の継続は会社の責務であり、今後もサービスの提供を続けていく方針です。
これからは上場会社として各事業所の事業の採算性を改めて重視し、介護サービスの持続的な提供を目指していきます。
(4)中期経営計画について 2024年5月に発表した中期経営計画も進行期である2027年3月期で、3年目を迎えました。当初は新規の介護事業所開設と同業者へのM&Aにより事業拡大を図り、数値目標を達成する計画でした。
しかしながら現在、物価の高騰は介護事業所の建設コストにまで及び、今後は中東情勢の緊迫化による更なる物価の高騰、建設コストの上昇が予想されます。現在の介護業界の厳しい経営環境では新規に介護事業所を建設しても高コストで採算ベースに乗せるのは難しい状況です。
そこで、2027年3月期は長野県上田市に所在する既存の介護事業所(住宅型有料老人ホーム)1ヵ所を改修してグループホームに転換することにしました。2027年3月に開設予定です。
グループホームの需要は高まっているものの、新規開設は建設コストがネックになって困難になっています。そこで、既存の介護事業所の改修であれば建設コストが軽減されるため利用者様のニーズに合い、かつ事業所の採算もとれると判断しました。今後は新規の介護事業所開設よりも同業者へのM&Aを重点に置いて、中期経営計画の達成を目指していきます。
(5)配当について 株主様に対する利益還元として、今回は2027年3月期の1株当たり配当額(予想)を5円増配する計画です。2026年3月期に引き続いて2年連続の増配(普通配当5円)を発表することができました。
2022年4月の上場以来、配当政策として経営基盤が盤石となる自己資本比率50%を目途に連結配当性向25%を目指すことを掲げてきましたが、介護業界を取り巻く経営環境が厳しくなり、増配できませんでした。その後、業績の回復に努めて2026年3月期は実績が伴ってきました。再び成長路線に回帰しつつある現状を踏まえて2期連続の増配に踏みきりました。2027年3月期も業績の拡大を図って事業計画を達成し、配当政策の実現に向けて邁進していく所存です。
2026年3月期 Topics
2026年3月期連結決算の概況です。
当社の2026年3月期のトピックスとしましては第1に物価高騰、人件費上昇の逆風下、事業拡大戦略で売上高と経常利益が過去最高を更新。
第2に長野県上田市の公募選定を受け、当社の既存の住宅型有料老人ホーム1ヵ所を改修してグループホームを2027年3月に転換開設予定。2025年6月に栃木県宇都宮市のグループホーム1ヵ所の新規開設。長野県塩尻市・安曇野市に所在する福祉用具営業所2ヵ所をM&Aにより取得。
第3に2027年3月期配当予想を5円増配して、年間配当額が38円から43円へ。です。
2026年3月期 連結業績
2026年3月期連結業績の概要をご説明いたします。
連結売上高は福祉用具事業及び介護事業の両事業が共に事業拡大戦略、すなわちM&Aによる福祉用具営業所2ヵ所の取得と、グループホーム1ヵ所の新規開設が奏功し、115億3,300万円と前期比5.2%の増収となり、過去最高額を達成しました。
売上総利益は17億7,900万円と前期比4.9%の増益、営業利益は6億3,400万円と前期比3.8%の減益となりました。
営業利益は過去最高額となった2025年3月期から減益になりましたが、実質的には増益とみることができます。介護事業で介護人材確保・職場改善等事業補助金等を原資とした賞与の支給額を費用計上しましたが、対応する補助金が会計処理上、営業外収益(補助金収入)に計上されています。これは会計基準に従った処理ですが、そもそも賞与の支給は補助金が支給されることを前提としており、実質的には賞与支給額と、それに対応する補助金収入が相殺される性格のものです。当該補助金は3,000万円支給されたことから、減益幅と比較すると実態としては営業利益は増益とみることができます。
経常利益につきましては、前述のグループホーム1ヵ所の新規開設に伴う建設補助金収入6,100万円の他、先程、説明しました介護人材確保・職場改善等事業補助金収入3,000万円等により前期比21.7%増の8億2,600万円と過去最高額となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、特別損失として介護事業所の減損損失1億4,000万円を計上しましたが、経常利益の増益でカバーして前期比14.3%増の4億6,400万円となり、増益となりました。
2026年3月期 事業セグメント別サマリー
事業セグメント別の決算サマリーにつきましては、福祉用具事業が「地域に密着し新規利用者様の開拓に注力した営業で堅実に業績拡大」「M&A(事業譲受)で取得した福祉用具営業所2ヵ所が業績拡大に貢献」です。
介護事業が「2025年6月にグループホーム1ヵ所『グループホームエフビーゆいの杜』を開設して事業を拡大」「物価高騰や人件費上昇等厳しい事業環境の中、営業の強化、介護の原点に立ち返って、介護スタッフに介護技術、及び接遇を再習得、介護サービスの充実や事業所運営方法の見直しを進めて業績の改善が進む」であります。
2026年3月期 セグメント別損益実績
セグメント別の業績の概要をご説明いたします。
福祉用具事業は、長年、利用者様やケアマネジャー、病院等から信頼を得て、きめ細やかに地域に密着した営業を進めました。さらには2025年6月にM&A(事業譲受)で取得した福祉用具営業所2ヵ所の営業を開始した結果、セグメント売上高は前期比8.4%増の49億7,400万円となりました。
セグメント利益につきましては前期比2.3%増の3億2,000万円となりました。自社レンタル品仕入は前期と同様、高水準に推移しましたが、堅調な既存営業所の販売による増収効果の他、前述のM&A効果によってM&A関連費用の発生を吸収し、増益となりました。
介護事業のセグメント売上高は前期比2.8%増の65億5,900万円となりました。2025年6月に開設したグループホーム1ヵ所の開設が増収に貢献した他、既存介護事業所の営業強化、介護の原点に立ち返って介護サービスの向上を図り増収となりました。
セグメント利益は前期比9.4%減の3億1,300万円となりました。介護の原点に立ち返って介護技術や接遇の再習得、業務の見直し等を行って事業運営を見直してコスト削減に努めましたが、物価高騰による食材費等のコスト増加や新規介護事業所の新規開設費用、介護人材確保・職場改善等事業補助金等を原資とした賞与が営業利益を計算する上で費用として計上されたのに対して、当該補助金が営業外収益(補助金収入)に計上されたことにより、減益となりました。
福祉用具事業セグメント
福祉用具事業セグメントのレンタル商品の売上推移をご説明します。
2026年3月期はM&Aによる福祉用具営業所2ヵ所の取得効果で売上高が例年より伸長しております。現在の傾向として、高齢者の増加で介護が必要になってきた利用者様が増加しており、介護度が軽度な利用者様中心に手すりや歩行器等の需要が高まっております。
また、新規利用者様の開拓を営業の重点としていることも、手すりや歩行器の売上高が増加している要因です。レンタルで手すりなどを利用された利用者様は、その後の体調の状況に応じて車いすや介護ベッド等、複数の福祉用具を利用されていくケースが多く見られ、今後の売上のためにも介護が必要な入り口にあたる利用者様の獲得は重要になります。
商品仕入状況につきましては、介護ベッド等で当社の強みを活かすべく、自社レンタル品の販売を高い水準で維持したため、自社レンタル仕入も高い水準を維持しております。
現在、中東情勢の緊迫化に伴う物価の高騰と供給制約が日本、世界レベルで懸念しておりますが、今のところ、福祉用具自体に価格の高騰はなく、供給制約もほとんどありません。
介護事業セグメント
介護事業セグメントのサービス種別の売上推移をご説明します。
当社グループでは、介護保険における「地域密着型サービス」を中心に展開しており、施設サービスと在宅サービスの両部門をバランスよく運営してワンストップサービスを実現し、当社の強みとなっております。
特定・有料老人ホームが、施設の老朽化による住宅型有料老人ホーム1ヵ所の閉鎖により、前期比1.6%減、グループホームが、需要増加を背景に2025年6月にグループホーム1か所新規開設したことにより、前期比6.8%増、小規模多機能・看護と訪問介護・看護も需要増加を背景にそれぞれ前期比3.8%増、4.6%増、デイサービスは介護業界の全体の傾向ですが、需要が減少傾向になっており前期比1.0%減になりました。
また、グループホームの需要増加を背景に建設が進み、2026年3月期の売上高の構成比も、グループホームの上昇が継続しております。当社グループでは介護事業サービスを幅広く提供し、福祉用具事業とのシナジー効果を含め、引き続き利用者様にワンストップサービスを提供してまいります。
2026年3月期 連結貸借対照表
連結貸借対照表の状況をご説明します。
2026年3月期は新規介護事業所開設やM&Aの実行により総資産が増加しておりますが、銀行借入金は減少しております。
前期と比較して資産合計は4億6,800万円増加し、93億2,700万円となりました。主な増加要因としては、流動資産が現金預金を2億1,000万円増やしてM&A実行資金等として手当てしたことから3億4,900万円増加、固定資産は減価償却による減少がありましたが、増加要因として2025年6月開設の介護事業所1ヵ所の完成等により、1億1,800万円増加しております。
負債合計は1億8,000万円増加し53億9,800万円となりました。主な要因としては、流動負債は1年内返済予定の長期借入金が3,200万円減少しましたが、未払法人税等の8,200万円の増加により1億4,900万円増加、固定負債は長期借入金が2億8,000万円減少しましたが、資産除去債務が原状回復費用の見積もりの変更により2億円増加、そして新規介護事業所の建物附属設備等の長期未払金が9,100万円増加し、3,100万円増加しました。
純資産は、2億8,700万円増加いたしました。自己株式9,300万円を取得し、2億4,900万円を消却。利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益4億6,400万円の計上等により、1億3,200万円増加しております。これにより、自己資本比率が2025年3月期の41.1%から1.0ポイント増加して42.1%となり、財務基盤が強化されてきました。
2026年3月期 キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況をご説明します。
2026年3月末の現金及び現金同等物の残高は19億4,700万円となり、2025年3月末より1億6,100万円増加いたしました。
営業活動の結果、得られた資金は13億3,900万円となりました。増加の主な要因は税金等調整前当期純利益6億8,500万円、減価償却費3億8,600万円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは4億1,000万円の資金の減少になりました。主な要因は、2025年6月に開設した介護事業所1ヵ所等に係る投資支出が2億4,300万円、M&Aによる福祉用具営業所2ヵ所の取得費用1億2,000万円の支出があったことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは7億6,600万円の資金の減少になりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出3億1,300万円等の有利子負債の返済と自己株式の取得9,300万円、配当金の支払い8,200万円によるものです。
2026年3月期は営業活動によるキャッシュ・フローの範囲で投資資金を賄い、借入金を圧縮した結果、現金及び現金同等物が1億6,100万円増加しております。
2027年3月期 連結業績予想
次は2027年3月期連結業績の予想です。2027年3月期の売上高は、121億2,500万円を見込んでおります。
現在のところ、新規開設する事業所は2027年3月に既存の介護事業所をグループホームに転換する1ヵ所の予定ですが、福祉用具事業と介護事業の両事業共に、既存の営業所・事業所の営業活動の強化や介護サービスの充実と見直しによって業績は順調に推移し、過去最高を記録する計画です。
営業利益は、福祉用具事業と介護事業の両事業の増収効果の他、介護事業が介護の原点に立ち返った改革を進めて物価の高騰によるコスト高を吸収いたします。また、新規開設事業所(グループホーム1ヵ所)の初期投資費用が発生するものの、既存の介護事業所からの転換のために費用の軽減が見込まれ、前期比16.6%増の7億4,000万円を見込んでおります。営業利益も過去最高益を更新する計画です。
経常利益につきましては、新規に開設した介護事業所の建設補助金収入等の剥落により前期比9.0%減の7億5,100万円の見込であります。なお、2027年3月に開設する介護事業所の転換による建設補助金収入は2028年3月期の計上になる予定です。
親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益が減益となるものの、税金費用の減少や前期に計上した減損損失の剥落により、前期比9.6%増の5億800万円の増益となる計画です。1株当たり当期純利益は208円82銭となる見込みです。
2027年3月期 事業セグメント別取り組み
次は事業別セグメントの今期の取り組みになります。福祉用具事業では、以下を進めていきます。
人への投資は、人材採用を進めて、適正な人事評価制度で従業員の意欲を向上させる。
販売戦略は、引き続いて自社レンタル品を活用した自社レンタル売上高の拡大。
成長戦略は、新規利用者様の開拓による地域シェア率の上昇。子会社シルバーアシストの事業強化。子会社シルバーアシストが所在する東京都多摩市は、特に高齢者人口が増加している地域であり、福祉用具事業を拡大していきます。
介護事業では、以下を進めていきます。
人への投資は、介護スタッフの介護技術及び接遇の再習得(介護サービスの質の維持と向上)。海外人財の受入れを拡大し、ダイバーシティを推進。介護サービスの維持・向上。介護の原点に立ち返った介護サービスの充実と見直し。
成長戦略は、介護事業所の転換リニューアル及び同業種をターゲットとしたM&Aの検討。
2027年3月期 セグメント別損益予想
セグメント別の損益予想をご説明します。
福祉用具事業セグメントは、長年、地域に密着した営業で培った利用者様やケアマネジャー、病院等の信頼をもとに引き続いて既存営業所での営業に注力し、2025年6月にM&Aで取得した福祉用具営業所2ヵ所も当社の既存営業所と同様に売上の伸びを期待しております。売上高は前期比4.6%増の52億円となる見込みであります。
利益は自社レンタル品の仕入が高水準であった前期よりも上回る見込みですが、増収効果の他、自社レンタル品売上増加による粗利率の上昇効果で、前期比3.6%増の3億3,200万円を見込んでおります。
介護事業セグメントの売上高は介護事業所の転換が2027年3月の予定になることから、増収への寄与は限定的ですが、既存事業所で積極的に営業を進めると共に、介護の原点に立ち返って介護サービスの充実と見直しを進めることで、前期比5.6%増の69億2,400万円を見込んでおります。
利益につきましては、介護スタッフに介護技術、及び接遇を再習得すると共に介護事業所運営方法の見直しを行ってコスト減を図り、2027年3月期にも見込まれる物価の高騰による食材費等のコスト高や人件費の上昇を吸収する見込みです。また、新規介護事業所(グループホーム1ヵ所)の初期投資費用が発生するものの、今期は既存の介護事業所からの転換のため、費用が減少すること、また前期に開設した介護事業所の損益改善も加わり、前期比30.0%増、4億700万円の大幅な増益を見込んでおります。
配当について
配当につきましては、2027年3月期の配当予想を中間配当18円、期末配当25円、年間配当は43円とさせていただきます。2026年3月期も5円増配といたしましたが、2期連続の5円増配となります。
当社では利益の内部留保を進めて事業展開を図り、自己資本比率が2026年3月期には42.1%となり、当社の財務基盤は確固としたものになりつつあります。一方で介護業界を取り巻く経営環境は厳しさを増しておりますが、当社は中期経営計画のとおり「介護の原点に戻って介護事業を見直し、当社グループを再び成長路線に回帰させる」取組みを進めております。2026年3月期は売上高と経常利益が過去最高を記録し、2027年3月期も売上高と営業利益が過去最高額を更新する計画で、再び成長路線に回帰しつつあります。
このような状況の下、一刻も早く株主様の期待に応えるよう2期連続の5円増配を実施し、2027年3月期の1株当たり配当予想額を年額43円といたしました。その結果、連結配当性向は20.6%となっております。
配当の推移
当社は配当政策で、株主の皆様に安定かつ継続的に配当を実施し、自己資本比率が50%未満の間は連結配当性向25%を目指すことを掲げております。当社は事業展開を図って利益の内部留保を進めて財務基盤を固めつつあり、上場以来、自己資本比率が着実に上昇し、2026年3月期には42.1%となりました。
上場後、物価の高騰と人件費上昇に直面し、介護業界の経営環境は厳しい状況が続いておりますが、配当については上場以来、1株当たり配当額を33円を守り、安定かつ継続的に配当を実施してまいりました。連結配当性向は最終利益の減少で20%超となっていましたが、目標である25%の達成は難しい状況が続いておりました。
2026年3月期以降、業績回復の見通しが見え、再び成長路線に回帰しつつある現状を勘案して、2027年3月期は2期連続の5円増配とさせていただきました。
今後も業績の拡大に努めて自己資本を充実させると共に、配当政策の遂行を進めるべく、株主様への利益還元を検討してまいります。
新規開設予定事業所(転換)
ここで、新たに地方公共団体の公募選定を受けた介護事業所、グループホームエフビー御嶽堂第2の紹介をさせていただきます。2027年3月に開設予定で、場所は長野県上田市、グループホーム1ユニットで入居定員9名であります。今回開設するグループホームは当社の既存の住宅型有料老人ホーム「ケアライフ御嶽堂」を改修してグループホームに転換するものです。
介護サービスの需要が高まっておりますが、グループホームの需要は特に高まっています。当社では今まで需要に対応するため、グループホームを新規に建設していました。ところが現在、物価の高騰が建設コストにも及んでおり、グループホームの建設コストが従前の約2倍に跳ね上がっています。建設コストが約2倍になりますと、会社として精一杯努力して事業所を運営しても利益が出ない、最悪の場合、赤字になってしまいます。
そこで、既存の住宅型有料老人ホームをグループホームに改修転換することで建設コストを抑えてグループホームの需要にこたえることにしました。建物構造上、住宅型有料老人ホームとグループホームとは基本的に同じですので、改修に係る建設コストを抑えることができたと思います。住宅型有料老人ホームは近隣に当社の同種の住宅型有料老人ホームがある等、供給力に若干余裕があると考え、介護サービスを提供するキャパシティーの有効活用を図りました。
紹介したグループホームの周辺は、介護付有料老人ホームや通所介護施設、訪問介護、グループホーム、福祉用具営業所等があり、当社が提供可能なほぼ全てのサービスを提供できるようにドミナント方式で事業展開している地域です。この度選定されたグループホームが加われば、さらに需要に的確に対応した手厚いサービスの提供が可能になり、当社の強みである地域密着型のワンストップサービスに磨きをかけることができると思います。
中期経営計画業績目標(2025年3月期~2029年3月期)
次は中期経営計画です。
当社は2025年3月期を初年度とする中期経営計画を発表し、2027年3月期に3年目を迎えました。業績目標は5年目の最終年度に売上高150億円、利益は調整後営業利益、すなわち営業利益に建設補助金を加えた利益10億円をめざします。売上高のうち、10億円はM&Aによって拡大する計画です。
中期経営計画3年目の2027年3月期は売上高と営業利益が過去最高額を更新する見込みで売上高121億2,500万円、調整後営業利益は7億4,000万円となる計画です。
介護業界は人財不足、物価高騰と人件費上昇という厳しい経営環境のもと、当社は介護の原点に立ち返って介護スタッフに介護技術、及び接遇を再習得させ、介護サービスの充実を図り、事業運営の見直しを行って業績を改善いたします。新規介護事業所の開設や同業者とのM&Aを行って事業を拡大し、中期経営計画を達成する所存です。
セグメント別業績目標(2025年3月期~2029年3月期)
セグメント別の業績目標をご説明します。福祉用具事業セグメントは、中期経営計画最終年度に売上高60億円をめざします。新規営業所の開設については通常、福祉用具事業のビジネス形態として早期に損益が改善するものではありません。
そこで今回の中期経営計画では利益を重視し、新規営業所の開設ではなく、既存事業所の営業強化で事業の拡大をめざします。また、福祉用具事業はM&A枠を設けていませんが、2025年6月にM&Aで福祉用具営業所2ヵ所を取得しております。今後も同業種のM&A案件があれば積極的に検討してまいります。
セグメント利益については4億6,000万円を目標とします。新規利用者様の開拓を行って多くの利用者様にサービスを提供することに努め、当社の強みである自社レンタル品の売上比率を上昇させて既存営業所の地域シェア率を高め、利益を確保してまいります。
介護事業セグメントは、中期経営計画最終年度に売上高80億円をめざします。介護施設はいわゆる箱物になりますので、定員以上の利用者様のご利用は不可能です。したがって事業の拡大、売上高を増加させるためには新規介護事業所の開設やM&Aによる介護事業所の取得が必要になります。
M&Aについては、特にM&A枠として10億円を設定いたしました。M&Aの実施により中期経営計画最終年度までに10億円の売上高を増加させる計画です。
また、セグメント利益につきましては、介護スタッフに介護技術、及び接遇を再習得させて介護サービスの充実と見直し、従業員のシフト等の介護事業所運営方法の見直しを行うことによって介護事業所の損益改善を図り、営業利益と新規介護事業所の建設補助金との合計額5億4,000万円の達成を目指します。
成長戦略
成長戦略につきましては、近年の建設コストの高騰により、介護事業で新規介護事業所の建設が困難である状況から、同業種をターゲットとしたM&Aで、福祉用具事業と介護事業の両事業の業績拡大を目指し、福祉用具事業では(1)自社仕入レンタル品販売の拡充 (2)新規利用者様の開拓を引き続いて進めてまいります。
介護事業では(1)介護サービスや介護事業所運営方法の見直し(2)新たな介護サービスへの挑戦(3)ニーズにあった、きめ細やかな介護サービスの提供を引き続いて進めてまいります。
以上で、2026年3月期の決算説明を終了させていただきます。お忙しい中、ご視聴いただきましたこと、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
今回、動画のみの説明となりましたので、代わりによくいただくご質問に対して回答いたします。
<質問1>
質問:中東情勢の緊迫化に伴って、更なる物価の高騰の他、原材料や製品の供給制約の報道がなされていますが、現在、事業でどのような影響を受けていますか。
回答:福祉用具事業では福祉用具の仕入価格は上昇傾向にありますが、大幅な上昇には至っておりません。福祉用具の仕入についても1社を除いて発注した福祉用具が順調に納品されており、納品がストップしている1社についても商品の代替が可能であり、影響は軽微です。現在、前述の1社を除いて発注先の福祉用具メーカー様から今後の供給制約の可能性に関する通知もいただいておりません。
ただし、当社従業員が使用する専用手袋や福祉用具を梱包するビニール袋等の消耗品については一時品薄の状態になりましたが、サプライチェーンの混乱は収束に向かっております。納期は従来より長くなっておりますが、確保できる見通しが立っております。
介護事業では主に食材・水道光熱費・ガソリン代が物価高騰の影響を受け、上昇しておりますが、中東情勢の緊迫化に伴った物価高騰については、今のところガソリン代が政府による緊急的激変緩和措置を受けて価格の上昇が抑えられております。しかしながら、今年の夏場以降、食材・水道光熱費の価格急騰を懸念する報道もあり、予断を許さない状況です。価格急騰の場合は国や地方公共団体から介護業界全体に幅広い支援を要請せざるを得なくなる可能性があります。
また、従前からの説明どおり、近年の物価の高騰と人件費上昇は新規の介護事業所の建設コストにまで及んでおり、事業所開設後の採算性を考えると新規介護事業所の建設は困難になっています。中東情勢の緊迫化に伴う物価の高騰と供給制約で建設が困難な状態が長期化することを懸念しています。
<質問2>
質問:2026年3月期本決算で資産除去債務の見積りの変更を行ったとのことですが、事業環境に何か変化があったのでしょうか。
回答:資産除去債務はご承知のとおり、不動産賃貸借契約上の原状回復義務を果たすための費用を前もって債務計上するものです。近年の物価高騰や人件費上昇により事業所の解体費用が上昇していることから、今回、費用の再見積もりを行いました。
資産除去債務の見積りの変更自体は定期的に行われるものであり、当社の場合、株式上場から約4年が経過したことから、近年の経済事情を反映すべく解体費用の再見積もりを行い、資産除去債務の見積りの変更を行っております。
<質問3>
質問:2027年3月期の配当予想を前期に引き続いて年5円増配したことは評価しているが、配当政策に記載がある「自己資本比率が50%未満の間は連結配当性向25%を目指す」について自己資本比率の目安としている50%という水準は高すぎるのではないのか。東京証券取引所が上場会社に要請している「資本コストや株価を意識した経営」によれば資本コストを下げるための一つの方法として負債を増やすのが良いと聞く。自己資本比率50%という目標設定は高すぎると考える。
回答:東京証券取引所の「資本コストや株価を意識した経営」については内容を承知しており、有利子負債を増やして負債のレバレッジ効果で資本コストを下げ、企業価値の最大化を実現するものと理解しております。
一方で自己資本比率は債務を弁済する財務の安全性を示すものとして、自己資本比率が低い会社では財務基盤を強化し、自己資本比率を上昇させることも重要だと考えます。
当社が属する介護業界は、売上高が原則として介護報酬という形で政府から定額に定められており、福祉介護という公共性から、そもそも利幅が少ない業種です。さらに近年では物価の高騰や人件費の上昇によって介護業界全体が厳しい経営環境のもと、利用者様に介護サービスを提供していかなくてはなりません。持続的な介護サービスを提供するためには確固とした財務基盤が必要です。
また、当社では中期経営計画の成長戦略として同業種をターゲットとしたM&Aで業績拡大を図ることを掲げています。M&Aを実行していくためにはキャッシュが必要であり、手許資金の充実と借入資金の増大に備えるための自己資本の充実、財務基盤の強化が必要になります。
以上から当社の望ましい自己資本比率の目安として50%を設定し、それまでは内部留保にも注力することを配当政策に掲げさせていただいております。
今後、当社のあるべき自己資本比率の水準の検討も必要かと考えますが、当社としましては、連結配当性向25%を実現すべく、中期経営計画に従って業績を拡大し、株主様の期待に応えていく所存であります。
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