アドソル日進株式会社【速報版】
【速報版】アドソル日進株式会社 2026年3月期決算および新・中期経営計画説明
※当記事は速報版です。スライド情報は割愛している他、数値などに誤りが含まれる可能性がございます。正確な情報は決算短信・決算説明資料などの正式な開示資料、または追って公開予定の確定版記事にてご確認ください。
2026年3月期決算および新・中期経営計画説明会
アドソル日進株式会社、代表取締役社長の篠﨑俊明です。本日はお忙しい中、決算および中期経営計画の説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。
本日は、2026年3月期通期決算についてご説明したのち、昨日公表した新・中期経営計画の概要をご説明する予定です。
2026年3月期 損益計算書
それではさっそくですが、説明を始めてまいります。まず、2026年3月期決算の概要についてご説明いたします。
2026年3月期は、旺盛なIT投資需要を背景に受注が好調に推移した結果、売上高は171億5,100万円と、10.9%の増収となり、3期連続で過去最高を更新しました。
利益につきましては、単価アップに加え、コンサルティングなどの高収益案件が増加し、売上総利益率が前年に比べ1.2ポイント良化しました。
これらが販売管理費の増加を吸収した結果、営業利益は21億4,500万円と、25.4%の大幅な増益となり、3期連続で過去最高を更新しました。また、営業利益率は12.5%と、前年に比べ1.4ポイント上昇しました。
2026年3月期 セグメント別業績 (売上高)
セグメント別の業績です。社会インフラ事業の売上高は、14.9%の増収となり、111億8,300万円となりました。電力を中心としたエネルギー、交通・運輸、公共の売上増加が貢献しました。
先進インダストリー事業の売上高は、4.1%増収の59億6,800万円となりました。これは、サービス分野の決済・カード領域において、DXやデータマネジメント案件が拡大したことによるものです。
2026年3月期 セグメント別業績 (受注高・受注残高)
受注高・受注残高の状況です。好調なDX案件にビジネスを集中した結果、受注高は14.2%増の175億6,000万円と、3期連続で過去最高を更新しました。
受注残高も、12.8%増の36億6,100万円と、第4四半期としての過去最高を更新しており、今期2027年3月期の好調なスタートに貢献しております。
2027年3月期 業績予想
今期2027年3月期は、このあとご説明する新・中期経営計画の初年度に当たります。
顧客のIT投資ニーズは引き続き旺盛であり、DX、AI、デジタル化などをキーワードに、強い引き合いが継続しております。これらのニーズをしっかりと案件化し、さらにAI、データマネジメントなど、新中期経営計画の達成に必要な新技術に対応する人材の育成・投資を進めながら、売上高182億円、営業利益24億円、営業利益率13.2%と、最高売上・最高利益・最高利益率の4期連続更新に挑戦してまいります。
新・中期経営計画 「New Canvas 2031」 全体概要
それでは、ここからは新たな中期経営計画についてご説明いたします。こちらは新・中期経営計画のサマリーとなります。
5年後の2031年3月期、売上高300億円、営業利益50億円、営業利益率16.7%、この目標達成に向けて、デジタル化が進む社会インフラ、スマートシティをターゲット市場とし、オファリングと次世代SIを軸とした取組みを進めてまいります。
株主還元としては、21期連続増配を目指します。
1. 企業理念
はじめに、当社の企業理念を通じ、当社のありたい姿を改めて振り返りたいと思います。企業理念は「私たち、アドソル日進は、高付加価値サービスの創造・提供を通じて、お客様の満足と豊かな社会の発展に貢献します」です。
これは当社の存在意義と取組みの方向性を定めたものであり、どの時代にも通じる普遍的な内容であると考えます。
この普遍的な方向性を、あえて現代、そして2031年までの期間に対応した言葉で言い換えると、「高付加価値サービスの創造・提供」は、自社のアセットで培った実績・技術・ソリューションを存分に活かし、お客様のビジネス変革に資するサービスをお届けしていくこと。「豊かな社会」は、デジタル化・ITの力が強力に発揮されることで、より快適で環境への配慮がなされた社会や暮らし、言い換えるとスマートシティの実現を目指すことだと考えています。
2. 事業概要
次に、当社の事業概要・立ち位置について、改めてご説明いたします。当社の現在の事業は、暮らしと社会を支える社会インフラ全般に広がっています。
当社は、1976年の創立以来、事業面では、電力系統制御を祖業とし、エネルギー、交通、決済など、人々の生活に欠かせない社会インフラにおいて成長を遂げてきました。
技術面では、祖業から培ってきた監視・通信・制御技術をベースに、時代ごとの最先端技術を取り入れてきました。
その結果、創立から50年、現在の当社は、独立系で変革に即対応できる経営体制、社会インフラに特化したユニークな事業、最先端テクノロジーのビジネス適用力を強みに、過去最高業績を更新中です。
3. 市場・競争環境
次に、当社が認識している市場環境についてご説明します。こちらは、中長期的な視点で機会とリスクをまとめたものです。
今後の市場環境は、旺盛なIT投資需要に支えられ、好調に推移することが見込まれる一方、AIへの対応をはじめ、顧客ニーズの多様化・高度化にしっかり対応していかなければ、競争力が低下するリスクもはらんでいると考えています。
当社の主力ビジネスであるエネルギー・電力分野では、電力需要が拡大傾向にある中、安定供給を大前提としたシステム刷新、AI・データセンターなどによる需要拡大、再エネの増加、高市政権が打ち出すエネルギー安全保障などにより、今後もIT投資の拡大が見込まれ、当社にとっては追い風の状況にあります。
また、今後のIT投資の主要テーマは、やはりAIです。こちらの調査では、AI市場の規模は、2029年度には3兆円を超えると見込まれています。実際に、当社の顧客からも、AIコンサルティング・エンジニアリングの引き合いが増加している状況です。
4. 振り返り New Canvas 2026
新計画をご説明する前に、まず2023年から進めてきた中期経営計画を総括したいと思います。
まず業績です。売上高は、当初の目標150億円に対し171億円、営業利益は、目標15億円に対し21億円、営業利益率は10%以上の目標に対し12.5%と大幅に超過達成し、すべての計数目標を達成することができました。
事業では、次世代エネルギー、スマートインフラ/スマートライフ、エンタープライズDX/モダナイゼーションを進めたことで、社会インフラ、DXに強いアドソル日進という認識が広まってきたと感じています。
また、人的資本への取組みにより離職率が改善し、専門性も向上した結果、より幅広い案件に対応できる基盤が整ってきました。
一方、結果的ではありますが、M&Aやデータドリブン経営など、課題が見えた部分もございます。
ROE達成に向けた指標である、人に焦点を当てた当社独自のROE分解式です。分解式それぞれの3年間の推移を見ますと、当期純利益率は増加、一人当たり売上高も増加、従業員数と自己資本の比率は、株主還元の強化等による自己資本の最適化と社員数の増加がバランスし、やや増加しています。
前期は自己株取得・消却が進み、自己資本を圧縮したため、2029年3月期のROE目標22%を前倒しで達成することができました。
次期目標については、新・中期経営計画における事業構造改革や、人的資本強化の推進による変動を慎重に見極めた上で、改めて検討してまいりたいと考えています。
こちらは一人当たり売上高・営業利益の推移です。当社は、社会インフラ領域の高い業務知見を強みとし、お客様にもその知見を評価していただいた結果、ITシステムの開発パートナーとしての地位を築いています。また、他社には真似のできない高いプロジェクト品質と、顧客ニーズに対応する柔軟性も特徴です。
こうした強みに加え、単価改定、高収益案件へのシフトといった収益性の向上施策に取り組んだ結果、当社の一人当たり売上高、一人当たり営業利益は、同規模の他社より頭一つ抜きん出たと自負しています。
次からご説明する新・中期経営計画で、多様化・高度化するニーズに対応する施策を実行し、一人当たり売上高・営業利益をさらに増加させることで、ROEの向上、ひいては企業価値向上にもつなげていきたいと考えています。
5. 新・中期経営計画 「New Canvas 2031」
それでは、当社のこれまでの歩み、今後目指す方向性、そして前回中計で得た課題を踏まえた新・中期経営計画をご説明します。
業績目標については、冒頭で触れましたが、次の中期経営計画の5年間では、デジタル化されたスマートシティのインフラを支える「スマートシティのオンリーワンITカンパニー」として、売上高300億円、営業利益50億円を目指します。
この5年、さらにはその先も踏まえた事業収益のポートフォリオです。まず、顧客ニーズの高度化が予想されるITシステム開発に対しては、顧客の情報システム部門から案件を獲得するだけではなく、経営層から潜在ニーズを掘り起こし、計画づくりの段階から携わっていくことが重要になります。
当社は、この新たな取組みを「1. オファリングビジネス」と位置づけ、SI開発で培った実績のアセット化を進め、コンサルティングを組み合わせて提案することで、顧客のニーズ・期待を超えた、成果を上げる取組みを推進します。
一方、ベースロードとなるのは、従来から取り組んできた「2. 次世代SIビジネス」です。具体的には、社会インフラ領域におけるミッションクリティカルなシステム開発、そして顧客のIT投資の中心となるDXやAI、データマネジメント等、高度なIT開発を伴うプロジェクトが該当します。
加えて、経営基盤をより強固にするため、基盤戦略を推進します。なお、オファリングビジネスの成長に必要となる投資については、経営基盤の強化によってキャピタルアロケーションを最適化した上で、次世代SIビジネスで創出したキャッシュを投下していきます。次世代SIとオファリングの両輪でビジネスを推進し、2031年3月期には売上・利益を最大化する構想です。
このスライドでは、ベースロードとなる次世代SIと、新機軸であるオファリングのつながりを示しています。
次世代SIで培った実績・スキル・技術を会社全体の共有財産としてアセット化し、これをもって顧客の経営層にアプローチします。ここからコンサル等を経て案件を獲得し、再び次世代SIのシステム開発に還流するという両輪による循環モデルです。人的資本や技術への積極的な投資も行います。
現在、電力を中心に、次世代SIテーマが非常に好調です。これらビジネスが安定的に創出するキャッシュを長期目線でのオファリングビジネスに振り向け、新たなビジネスモデルでの成長を図ってまいります。
こうした取組みを続けていくことで、新・中期経営計画の最終年度となる2031年3月末の開発テーマとしては、あくまでも現時点の推定・イメージにはなりますが、次世代SIに代わるシステム刷新案件やアジャイル開発などが拡大しながら収益を安定的にけん引しつつ、オファリング事例が増えることで、AI、コンサルティングなどの案件が、育成テーマから成長軌道に入ってくるとみています。
では、具体的な事業戦略に移ります。はじめに、オファリングビジネスです。
オファリングビジネスは、顧客の経営層から潜在ニーズを掘り起こし、計画づくりの段階から携わることで、開発から運用・保守まで、ワンストップでの案件獲得を目指していきます。
ポイントは当社の強み、アセットを活かした提案です。2026年1月に新設したオファリング・グリッド統括部を中心に、SI開発で培ったナレッジやオリジナルソリューションを共通化・アセット化し、コンサルティングと組み合わせて、顧客のニーズ・期待を超える成果を上げる提案を行っていきます。
なお、注力する市場は、当社の社会インフラビジネスへの実績や、前中期経営計画で取り組んできた次世代エネルギー、スマートインフラ/スマートライフをベースに、エネルギー、交通、まちづくりの三つとします。
次に、次世代SIビジネスでは、社会インフラ領域におけるミッションクリティカルなシステム開発と、企業変革・企業価値向上に向けて取り組むDXやAI、データマネジメント等、高度なIT開発を伴うプロジェクトがターゲットとなります。特に、DX・AXのテーマでは、生産性やスピードを最大化するため、AIを前提とした開発ニーズがさらに増えるとみています。
そのため、この領域では、AIを活用した開発を段階的に推進し、最終的にはAIネイティブ開発まで対応する方針です。
一方、ミッションクリティカルなシステムでは、一部のシステムで外部サービスの活用などが進んでいくと考えますが、基本的には、国策・制度等を踏まえながら、しっかりウォーターフォールで開発する王道的なスタイルが継続するとみています。
この領域では、システム品質を最優先にしつつ、一部工程においてAI活用開発を取り入れ、効率化を図ってまいります。
次に、新技術対応です。一つ目はAIです。
現在、システム開発におけるAI適用は、当社に限らず、あくまでも人を中心に、各工程でAIと親和性が高い一部業務に生成AIやAIエージェントを活用している状況です。
一方、これからは、AIが中心となって各工程を進め、人がレビューを行うAIネイティブ開発が台頭し、システム開発やプロジェクトの一部を担う可能性が出てくるとみています。AIの活用を前提とした開発プロセスを実践・確立し、AIを使いこなす側となり、AIを味方にした成長を図ります。
新技術対応の二つ目は、データマネジメントです。従来から進めてきたテーマではありますが、今後は、ミッションクリティカルなシステムでも、データ利活用の重要性とスピードローンチに対する機運が高まってくると考えます。
ミッションクリティカルなシステムに取り組む以上、データセキュリティやデータ品質などが非常に重要になってきます。当社のオファリング強化に向けて進めているアセット化でも、このデータ利活用のナレッジ化は非常に重要視しています。アジャイル開発なども取り入れ、独自の差別化された提案を強化してまいります。
次に、こうした戦略成長を支える人的資本・人材戦略です。「AIが人に取って代わる」などとよく言われていますが、ミッションクリティカルにも対応する次世代SIビジネス、顧客の経営層と向き合うオファリングの推進には、人の力が不可欠です。
そこで、新・中期経営計画の達成に向けて、人材ポートフォリオを改めて見直します。現在のエンジニアは、AI、データなど、高度な専門性を有した技術集団に進化させ、これら技術集団を束ねるプロジェクトマネージャーについては、育成をさらに強化し、増やしていきます。
また、コンサルタントは、社会インフラのITに精通するテクノロジーコンサルタント、顧客の経営ニーズから対応するトップコンサルタントに領域を特化し、さらなる育成を進めます。
人的資本に関する取組みを、新・中期経営計画の達成に連動させて進めるべく、課題やアクションを整理し、KPIを設定しました。
高度IT人材の育成・定着を人的資本投資の中心とし、エンゲージメント向上を通じて人が生み出す付加価値をさらに高め、経営目標の達成につなげてまいります。
M&A・アライアンスについては、人材戦略を含めて事業成長を加速させ、株主価値の最大化を図る重要な選択肢の一つであり、経営目標達成に向けた取組みの一つの柱と位置づけます。資金につきましては、手元資金に加えて借入を柔軟に活用し、事業成長の最大化を図ってまいります。
また、経営目標を達成するため、全社員がデータを活用したデータドリブン経営を実践し、能動的・自律的な判断や意思決定を促すことで、事業成長のスピードを加速してまいりたいと考えています。
取組みとしては、事業成長の加速を支援する社内業務の効率化と、人材戦略のデータ面からのサポートに取り組んでまいります。
これまでご説明してきた各戦略を実現するための財務/キャピタルアロケーションについては、ご覧のとおりです。
事業で得たキャッシュから成る現預金、および場合によっては借入もフルに活用し、株主還元・成長投資に振り向けつつ、M&Aにも積極的に投じていくことで、事業成長の最大化を図っていきたいと考えております。
株主還元については、21期連続増配を目指し、配当性向50%以上、DOE6%以上、累進かつ連続増配(1円以上の増配)、年2回という配当方針を継続してまいります。
最後に、資本コストについては、このたび算出しなおしておりますので、改めてご確認ください。引き続き、ROE上昇によるスプレッド拡大を目指してまいります。
ご説明は以上となります。この新しい計画の達成を通じて企業変革を進めるとともに、企業価値の向上に努めてまいります。引き続き、ご指導・ご鞭撻のほど、何とぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
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