2026年3月期決算説明
FUJI、受注高・売上高・営業利益・経常利益が過去最高 AIサーバー関連需要を捉え受注高は初の2,000億円超え
目次

五十棲丈二氏(以下、五十棲):みなさま、本日は弊社決算説明会へご参加いただき、誠にありがとうございます。株式会社FUJI代表取締役社長の五十棲丈二です。これより、2026年3月期決算についてご報告します。
2026年3月期 業績

2026年3月期の決算概要です。売上高は対前年比41.8パーセント増の1,806億4,200万円で過去最高を記録しました。四半期の売上高としても、第4四半期の533億5,100万円は過去最高となりました。
営業利益は292億8,200万円、経常利益は312億9,100万円で、いずれも対前年比で倍増以上となり、それぞれ過去最高を記録しました。四半期の営業利益と経常利益についても、第4四半期は過去最高となりました。
当期純利益は、第4四半期においてのれん等の減損損失96億9,100万円を計上したことにより、157億3,300万円となりました。
グループ会社であるファスフォードテクノロジにおいて、のれん等償却後の営業損益が2025年3月期および2026年3月期の2年連続で赤字となったことから、減損の兆候が認められ、その後の認識判定や測定の結果、減損損失計上に至りました。
受注高は対前年比67.4パーセント増の2,074億2,900万円となり、創業以来初めて2,000億円を超えました。また、第4四半期の受注高641億4,600万円も四半期として過去最高となりました。
営業利益増減分析

営業利益増減分析について、前期の売上高1,273億8,700万円、営業利益137億8,100万円を起点に、スライド左側から順にご説明します。
粗利益全体の増減はプラス196億3,900万円となりました。
販売数量の増加により、プラス182億4,800万円となりました。AIサーバー関連需要の高まりを背景に、マウンター市場が2025年3月期と比較して30パーセント以上拡大した中で、市場シェアも伸ばしたことにより、販売数量が大幅に増加しました。
売価要因により50億8,500万円のプラスとなりました。「NXTR」の売上割合が増加したことによる売価アップが主な要因です。
操業度の上昇によって16億9,500万円のプラスとなり、これは主に「NXTR」の増産効果によるものです。
製造固定費の増加により、43億900万円のマイナスとなりました。需要拡大に対応するため「NXTR」の生産体制を強化したことに伴い、労務費などが増加したことが要因です。
部材費要因ではマイナス9億500万円となりました。
一方、販管費全体の増減はマイナス41億3,800万円となりました。
人件費の増加によりマイナス17億4,000万円、研究費の増加によりマイナス7億8,700万円、その他としては販売数量増に伴う荷造運賃の増加などによりマイナス16億1,100万円となっています。
これらの結果から、営業利益は対前年比で155億100万円増加し、292億8,200万円となりました。
B/Sサマリー

B/Sサマリーです。マウンター需要の拡大に伴い、売掛金、棚卸資産、買掛金がいずれも対前年比で増加しました。固定資産の減少は、主にファスフォードテクノロジにおけるのれん等の減損処理によるものです。
ロボットソリューション事業 業績

セグメント別の業績です。
ロボットソリューション事業では、受注高は対前年比74.7パーセント増の1,971億5,100万円、売上高は対前年比47.8パーセント増の1,687億3,700万円で、いずれも過去最高を記録しました。特にAIサーバー関連の設備需要が高水準で推移していることが主な要因です。
先ほどファスフォードテクノロジにおけるのれん等の減損損失を計上したとお伝えしましたが、足元では汎用メモリ市場の設備需要が回復傾向にあり、ファスフォードテクノロジの2026年3月期の受注高が対前年比で倍増以上となったことも業績に大きく貢献しています。
営業利益は対前年比105.7パーセント増の336億2,300万円となりました。売上の詳細は、次ページ以降で地域別と業種別にご説明します。
ロボットソリューション事業 地域別売上高

ロボットソリューション事業の地域別売上高です。スライド右側のグラフ2本は2025年3月期と2026年3月期の通期業績を示し、左側の8本はそれらを四半期別に分解したものです。左側の8本のグラフのうち右2本、2026年3月期第3四半期と第4四半期を比較してご説明します。
中国は比率が4ポイント増加しました。AIサーバー関連に加えてダイボンダの需要が伸びました。
他アジアは7ポイント減少しましたが、売上高は横ばいの高水準を維持しています。AIサーバー関連の需要が引き続き活発で、タイやインドで大口案件があった他、ベトナムやマレーシアでも売上を伸ばすことができました。
米国は4ポイント増加しました。インフラ関連の需要が増加したことが寄与しています。
欧州はほぼ横ばいです。売上高において、本格的な回復には至りませんでした。
ロボットソリューション事業 業種別売上高

ロボットソリューション事業の業種別売上高について、第3四半期と第4四半期を比較してご説明します。
通信は7ポイント減少しました。例年、中国の旧正月明け頃からスマートフォン向けの設備需要が増加する傾向がありますが、第4四半期ではその動きがあまり見られませんでした。
コンピューターは微増でした。
サーバーは22パーセントと高水準を維持しており、タイやインドの大口案件に加え、台湾、ベトナム、メキシコにおいても堅調に推移しました。
産業機械は4ポイント減少しました。欧州の回復が鈍いことが影響しています。
車載は6ポイント減少しました。中国向けの需要は若干回復したものの、北米・欧州における需要は依然として低調でした。
半導体関連(FUJI)は、5ポイント増加しました。中国や他アジアにおいて、光トランシーバーやモジュール部品、SiP領域の売上が増加しました。市場自体の拡大に加え、「NXTR」の性能向上により、この市場での顧客層の拡大が寄与しています。
半導体関連(FFT:ファスフォードテクノロジ)は7ポイント増加しました。特に中国において汎用メモリ向けダイボンダの需要が急回復しています。
その他は6ポイント増加しました。第3四半期から引き続き、AIサーバー用の電源向け需要が高水準で推移しています。
ロボットソリューション事業 機種別売上高

ロボットソリューション事業の機種別売上高について、第3四半期と第4四半期との比較でご説明します。
高速装着機では、第4四半期に「NXT」が7パーセント、「NXTR」が44パーセントとなりました。「NXT」は第4四半期で在庫を消化し、今後の売上は「NXTR」に一本化されます。
マシンツール事業 業績

マシンツール事業の業績です。受注高は80億2,300万円で対前年比9.9パーセント減少、売上高は97億500万円で対前年比12.5パーセント減少、営業損益は1億700万円の赤字となりました。
通期での黒字必達を目指して取り組んできましたが、自動車向けの設備需要が依然として低調に推移し、2年ぶりの赤字計上という厳しい結果となりました。
売上高が目標未達だったことが赤字化の主な要因ですが、前年度には存在しなかった滞留在庫評価損を数億円計上したことも影響しています。
マシンツール事業 地域別売上高

マシンツール事業の地域別売上高です。地域を問わず全体的に厳しい状況が続いていますが、第4四半期にはメキシコでデフケース加工用の大型案件の売上計上がありました。
業績予想

2027年3月期の通期業績予想です。
昨年度半ばから続いている活発なAIサーバー関連事業が今期も引き続き期待できること、またダイボンダを含む半導体関連需要も高水準で継続していることを受け、今期の受注高は対前年比35億7,000万円増の2,110億円、売上高は対前期比303億5,700万円増で、受注高と同じ2,110億円と見込んでいます。
受注高と売上高はいずれも過去最高業績となる予想で、売上高は創業以来初めて2,000億円を突破する見通しです。2018年3月期以降、安定して売上高1,000億円台を達成する業績水準となってから9年で倍増の2,000億円台へと成長する見通しです。
営業利益は、販売数量の増加や「NXTR」への一本化による利益改善を見込む一方で、中東情勢による部材費増加も一定程度織り込んだ上で、対前年比143億1,700万円増の436億円を見込んでいます。
経常利益および当期純利益はスライドに記載のとおりで、各利益についても、いずれも過去最高を予想しています。
セグメント別 受注・売上通期予想

セグメント別の予想は、スライドに記載のとおりです。
配当金

配当金についてです。現在進行中の中期経営計画において、配当性向50パーセント以上という方針をお示ししています。2026年3月期の期末配当金は前回予想から10円増配し、50円となります。また、今期の配当金は通期で190円を予定しています。
中計最終年度を迎えるにあたって

ここからは、中期経営計画2年目の振り返りについてご報告します。
グラフにおいて、点線グラフは中期経営計画策定時の計画値、塗りつぶしの棒グラフのうち、中央が2026年3月期の実績値、右側が今期最終年度の見直し予想を示しています。
中期経営計画2年目にあたる2026年3月期は、中期経営計画で推し進めてきた市場・製品戦略が成果を上げ、最終年度の売上計画を1年前倒しで達成することができました。特に、AIサーバー・半導体関連や車載分野での対応強化により、成長市場での売上拡大が進みました。
一方、営業利益は利益率の高い欧米市場の回復が遅れたために、中期経営計画最終年度の計画値に届きませんでした。
グラフ右端の中期経営計画最終年度である今期については、売上高・営業利益ともに中期経営計画を上回る見通しです。この中で、セミコンは汎用メモリ市場の回復に加え、先端パッケージ領域への対応強化も進めています。
マシンツールでは、ターンキーソリューションや保守・改造といった収益性の高い領域への注力に加え、固定費のコントロールを進めることで黒字化を目指します。
会社全体としては、前期に続き、過去最高の売上高および営業利益の更新を目指します。
電子部品実装ロボット(マウンター) 市場環境と成長戦略

主事業である電子部品実装ロボット(マウンター)の市場環境と成長戦略をご説明します。
グラフをご覧ください。現在のマウンター市場は、2025年度に4,000億円を超える規模まで回復しており、2026年度には4,500億円を超える需要を見込んでいます。
さらに、中長期的には2030年度に5,000億円規模にまで拡大すると見込んでいます。この背景には、AIサーバーや半導体パッケージを中心としたAI関連需要の拡大があります。
スライド右側の成長戦略についてです。当社のマウンター事業は、スマートフォン向けに強いという印象をお持ちの方も多かったかと思います。
現在は「NXTR」を軸に提案力の幅を広げ、業種や地域を問わず、どの市場が成長しても対応できる全方位での市場対応を実現しています。さらに、幅広い顧客基盤とグローバルな販売サポート体制を活用し、需要変化に柔軟に追従できる体制を構築しています。
業績拡大に向けた重点施策についてご説明します。GPUなど高価な電子部品が使われるAIサーバー向けでは、実装前の検査機能を強化するとともに、大型化する重量部品や重量基板への対応をさらに推し進めていきます。
半導体パッケージ分野では、「0.16×0.08ミリメートル」サイズという世界最小電子部品の実装や、高精度・高密度実装への対応を進め、最先端実装ニーズに応えられる製品競争力を強化しています。
省人化や品質安定化ニーズの高まりを背景に、完全自動化ソリューション領域も拡大しています。「NXTR」の自動化モデルが評価され、新規受注につながった案件も増加しています。
また、需要拡大局面において機会損失を防ぐため、部材確保や、生産におけるロボット活用などの自動化を進めることで、安定供給と収益性向上の両立を図っていきます。
半導体製造装置(ダイボンダ) 市場環境と成長戦略

ファスフォードテクノロジの主事業である半導体製造装置(ダイボンダ)の市場環境と成長戦略についてご説明します。
現在のダイボンダ市場環境については、AI需要の拡大に伴い、メモリや先端パッケージの需要が増加しています。また、中国での半導体国産化の流れを受け、汎用メモリ向けダイボンダ市場は回復傾向にあります。今後は、高付加価値領域であるハイブリッドボンダ市場の拡大が見込まれています。
規模感について、スライド左下の棒グラフで示しています。ターゲットとする市場は、2025年時点で660億円規模ですが、2030年には1,700億円規模まで成長すると見込んでいます。特にハイブリッドボンダは、AI需要を背景に著しい成長が予想されます。
このような市場環境を踏まえ、ファスフォードテクノロジの戦略として、短期的には、既存機および2026年度に市場投入予定の高精度機により、汎用メモリやIC向けダイボンダ領域でのシェア拡大を図ります。
中長期的には、現在開発中のハイブリッドボンダにより、成長性の高い先端パッケージ領域への展開を進め、将来の収益拡大を目指します。
スライド右下のグラフのとおり、2027年3月期の売上高は中期経営計画1年目に見直した136億円を上回る160億円を見込んでいます。
資本効率を重視した経営

資本効率を重視した経営についてご説明します。中期経営計画最終年度となる今期は、先ほどお示しした業績予想のとおり、大幅な増収増益を見込んでいます。その結果、運転資本が増加するため、自己資本の目安については従来2,200億円とご説明しておりましたが、2,400億円を目安とします。
一方で、資本の圧縮にも継続的に取り組んでおり、今期は株主還元策として配当の増額やさらなる自己株式取得を実施する予定です。
株主資本コストは、今年度は9パーセントから10パーセントになると認識しています。そのため、ROE目標も当初の10パーセントから、11パーセント以上を目指します。
キャピタルアロケーションの見直し

キャピタルアロケーションの見直しについてご説明します。スライド左側が当初の計画、右側が今回見直した計画です。
それぞれのキャッシュインを比較します。営業キャッシュフローは、業績拡大に伴い、当初計画比で150億円の増加を見込んでいます。
BSマネジメントでは、100億円の減少を見込んでいます。背景として、当初はCCC改善によるキャッシュ創出を計画していました。しかし、足元の需要拡大に伴い短納期対応が必須となり、機会損失を防ぐために部材や製品在庫を可能な限り持つ戦略へ転換します。併せて、急激な売上拡大により売掛金も増加しています。
政策保有株式の削減に関しては、当初計画の70億円に対し、すでに80億円を現金化しており、計画を上回る進捗となっています。引き続き、削減を進めていきます。
これらの結果、キャッシュイン全体では50億円の増加となります。
続いて当初計画と今回計画のキャッシュアウトの比較です。成長投資においては、マウンター主力工場である岡崎工場にて、生産キャパシティ拡大に向けた増改築がすでに完了しています。また、各種製品開発にも引き続き取り組んでまいります。M&Aについては、具体的な検討を進めていますが、その実行時期については未定です。
株主還元については、当初計画の390億円規模から、配当および自己株式取得で470億円に増額する予定です。事業拡大に向けた成長投資と株主還元を両立させていきます。
私からのご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:AIサーバー関連のマウンター需要と生産対応について
質問者:第4四半期も受注が想定以上に強かったと見受けられますが、AIサーバー関連を中心とした需要の継続性について、今期も高水準を維持するとお考えでしょうか?
また、現状の生産キャパシティ、および、今期の計画は足元の生産状況を踏まえたものとなっているのかについて教えてください。
五十棲:先期から続く非常に高い水準の受注環境は、今期に入ってからも同様の傾向が続いています。サーバー領域においては、既存の当社ユーザーに加え、新たにサーバー領域に参入されるユーザーも見られ、サーバー需要には継続性があると見ています。
当社の生産体制については、需要拡大を見据えて進めていた岡崎工場の新棟が完成したことも奏功し、生産キャパシティは着実に向上しています。ただし、急激な需要増加に伴い、サプライチェーンにおける部材調達が課題となっております。現時点では生産が停止するほどの影響は出ていないものの、日々部品調達に取り組んでいる状況です。
加えて中東情勢の影響も懸念されますが、現時点では供給が停止するような状況には至っておりません。危険な兆候には先手を打つ対策を講じており、現時点においては、計画どおり生産できるものと考えています。
質問者:サプライチェーンにおける対応力をさらに高めるなどの施策が打てれば、今期の計画はもう少し強気な数字に着地する可能性があると考えてよいでしょうか?
五十棲:部品調達難が改善すれば、可能性はあります。現在も高水準の受注が継続している中、サプライチェーン強化は重要な経営課題として取り組んでいます。
具体的には、部材や製品在庫の一定量確保に加え、生産キャパシティの拡充を進めることで、納期対応力のさらなる向上を図っていきます。
これが、先ほどの資本政策に関する説明において「一定量のストックを持つべきだ」という判断に至った理由です。
質疑応答:第4四半期の半導体関連(FUJI)の好調さとシェア拡大の関係性、および他業種との特性の違いについて
質問者:第4四半期において、半導体関連(FUJI)の売上が好調で、新製品「NXTR」が需要を捉えた効果が大きかったとのご説明がありましたが、これがシェア拡大につながった主な要因であると認識してよいのでしょうか?
また、他の業種と比較して、顧客層の違いや購買傾向、ディスカウントといった観点で、なにか特筆すべき特徴がある分野なのでしょうか?
五十棲:半導体関連(FUJI)においては、機種としてはすべて「NXTR」で対応可能です。シェア拡大に最も貢献しているのはサーバー関連ですが、これまであまり取れていなかった半導体領域において、「NXTR」の高精度・高密度対応により、昨年度からユーザー先における設備認定が進み、それが業績に結果として表れるようになったこともシェアアップに寄与しています。
質疑応答:ファスフォードテクノロジの受注実績と減損損失計上の背景について

質問者:ファスフォードテクノロジの先期実績と今期計画について教えてください。
加納淳一氏(以下、加納):取締役 専務執行役員 コーポレート本部長の加納です。2026年3月期実績は、受注高約168億円、売上高約114億円、営業利益約11億円でした。今期通期計画は、受注高と売上高は160億円、営業利益は32億円です。
質問者:足元の環境が好調であるにもかかわらず減損損失計上に至った理由について補足をお願いします。
加納:ご指摘のとおり、足元の需要は非常に好調です。減損損失計上に至った経緯としては、まず、2025年3月期の営業利益実績がのれん等の償却額を下回りました。
そして、2026年3月期についても、わずかではありますが、のれん等の償却額を下回る営業利益となったため、減損兆候があるとの判断となりました。一方で、当社としては今年度を含む、向こう数年間の業績計画を監査法人へ提示しました。
監査法人との議論の中で、半導体業界には波があり、過去においては業績計画が未達に終わった年度もあったため、今回提示した業績計画についても不確実性があるのではないかとの厳しい判断を受けました。その結果として、減損損失計上に至りました。
質疑応答:需要環境の見通しと業績計画について
質問者:ロボットソリューション事業について、昨年度は好調で、その勢いが足元でも続いており、今年度も良さそうだというのは非常にすばらしいことだと思います。需要環境の水準の高さや勢いの継続性について、現時点でどのようなイメージをお持ちか教えてください。
五十棲:2026年3月期は、シェアを目標値以上に大きく伸ばすことができました。「NXTR」は、さまざまな業種で全方位的に受注を獲得できる環境となってきており、どの業種が成長しても、「NXTR」を中心とした製品群で需要に対応できると考えています。
2027年3月期の業績予想を策定するにあたり、マウンター市場全体が成長していることに加え、「NXTR」が業種問わず浸透している状況を踏まえ、まずは一年を通して一定程度高い受注水準が継続する前提とおきました。そのうえで、年度のスタートである4月の受注環境が一層高い水準であったことから、上期の受注予想を下期と比較して強めにおいたという考え方となります。
質問者:今お話しいただいた内容が、今期の上期予想と下期予想を比較して、下期のほうが売上高や利益がやや低いという点にもつながるのでしょうか?
五十棲:おっしゃる通りです。上期が好調だからといって単純に下期も同様の見通しを積み上げるのではなく、マウンター市場全体の見通しや、足元のシェアなども考慮した上で、通期の計画を定めました。
質疑応答:自動化の取り組みがシェアや収益性に与える影響について
質問者:「NXTR」の製品力や自動化の取り組みがシェア拡大に寄与していますか? あるいは、自動化で収益性のさらなる向上につながる可能性があるのか教えてください。
五十棲:自動化については、当社の製品は業界においてオンリーワンであると自負しています。こうしたオンリーワンの価値を、お客さまにしっかりと提案できており、結果として、利益貢献にもつながっています。
完全自動化ソリューションは、人件費の高い欧米地域を中心とした少量多品種生産向けだけでなく、現在では大量生産のお客様向けにも広がりつつあります。量産ラインへの導入に向けては、まずは1ラインを導入し、評価テストが必要となりますが、そこでお客様の要求を満たしていけば、完全自動化ソリューションの価値を理解していただき、シェアアップや収益性の向上にもつながるものと考えています。
質疑応答:データセンター向けサーバー受注の詳細と用途・顧客層の変化について
質問者:2025年10月から続いているデータセンター向けサーバーの受注について、用途や客先に変化は生じていないでしょうか?
五十棲:すべてを把握できるわけではありませんが、サーバー関連については、これまでスマートフォン向けなどで取引のあったEMS企業が、サーバーの受託生産にも取り組むケースが増えるなど、当社においては顧客層の裾野が拡大しています。
生産物の変化という点では、基板のサイズや積層の厚み、さらには基板に実装されるチップの高密度化に加えて大型化・高重量化といった傾向が進んでいます。
質疑応答:光通信関連と半導体領域での顧客層拡大について
質問者:新たな顧客層に、光通信関連のメーカーは加わりましたか?
五十棲:光デバイスメーカーやSiPという半導体パッケージング領域で、これまで取引がなかった大手企業においても、当社の製品を採用いただくケースが増えています。こうした用途向けは、業種別売上高においては「半導体(FUJI)」に含まれております。
質疑応答:AIデータセンター関連の売上高の分類について
質問者:最終用途がAIデータセンター向けの案件は、業種別分類においてどこに含まれるのか教えてください。
五十棲:業種別売上高において、「サーバー」には主にAIサーバーのメイン基板やラックに挿入される基板の生産用途が含まれます。また、サーバー用電源は、「その他」に分類しています。
サーバー基板に実装されるSiPや光トランシーバーの生産向けについては「半導体(FUJI)」に分類しています。
質疑応答:AIデータセンター関連が受注および売上に占める割合について
質問者: AIデータセンターに関連する案件をすべて合計すると、受注高あるいは売上高のどの程度を占めているか教えてください。
五十棲:サーバー用基板生産向けとサーバー用電源向けを合わせると、昨年度の第3四半期以降は全体の3割を超えています。第3四半期から第4四半期にかけて徐々に比率が上昇している状況です。
「半導体(FUJI)」に含まれるサーバー向けSiPや光トランシーバー用途も含めると、4割を超えると想定しています。
質疑応答:スマートフォン市場の需要と設備投資の見通しについて
質問者:スマートフォン向けの受注について教えてください。例年、春節後の第4四半期に大型受注が発生することが多いですが、昨年度はそのような受注があったのでしょうか? また、今年度の見通しについても教えてください。
五十棲:2026年3月期の上期は、スマートフォン向けの設備投資が非常に活発でした。ただし、上期に比較的大規模な設備投資が行われた影響もあってか、第4四半期においては例年見られるような大型受注は多くありませんでした。
それでもスマートフォン向けの一定の設備投資は続いており、最近では従来の周期性の法則が崩れている印象を受けています。今年度においても、最終製品の需要が増えれば、それに伴うマウンター需要も発生すると考えています。
新着ログ
「機械」のログ





