株式会社キューブシステム【速報版】
【速報版】株式会社キューブシステム 2026年3月期決算説明
※当記事は速報版です。スライド情報は割愛している他、数値などに誤りが含まれる可能性がございます。正確な情報は決算短信・決算説明資料などの正式な開示資料、または追って公開予定の確定版記事にてご確認ください。
エグゼクティブサマリ
皆さま、こんにちは。株式会社キューブシステム代表取締役社長執行役員の中西です。本日はお忙しい中、株式会社キューブシステムの2026年3月期通期決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
これより2026年3月期業績、「VISION2026」達成に向けた取り組み、2027年3月期業績予想、についてご説明します。
まず、全体サマリーです。前期、2026年3月期に関しましては、V2026、2次中計の2年目となります。
今期は、V2026の最終年度として、これまで続けてきた成長基盤の整備に加え、企画型のビジネスへの変革を一層加速することで、飛躍的な成長を目指しています。
2026年3月期においては、売上高・営業利益ともに増収増益となりました。
SIer向け・サービス提供事業で売上高が増加し、全体的な収益の改善が図られました、特に、プライム向けでは、大幅に収益性が向上しました。
また、当期純利益は、保有していた有価証券の売却により、売却益が得られ増加しております。
2026年3月度におけるトピックスは全体的な収益性の改善が図れたことがまず大きな成果です。そして当社が目指す、企画型のサービスとして、AIを用いたサービスの開発が進み、いよいよ事業としてスタートする段階に来ました。
また、株主の皆さまへの還元も、期末の増配という形で実現できました。
事業面でも経営基盤の面でも、成果の手ごたえを感じております。本日の説明会ではこれらについてより詳しくご説明させていただきます。
1.決算概況 連結損益計算書概要
それでは、まず最初に決算概況についてご説明いたします。
2026年3月期の業績につきましては売上高184億9,800万円、前期比0.8%増、営業利益15億5,800万円、前期比12.9%増、当期純利益15億6,400万円、前期比24.0%増となりました。
事業環境につきましては、様々な業種で、「サービスの高付加価値化」や「人材不足を背景にした効率化」などDX需要が継続しています。
基幹システムのクラウドへの移行や、利便性の向上に向けたシステム構築などのニーズも根強く、引き続きIT投資は拡大傾向にあります。
2026年3月期においては、SIer事業で、非常に難易度の高いプロジェクトへの対応に注力した1年でございました。こうした案件への対応には大きな意義がある一方、社内のリソースを重点的に投入する必要があり、結果として次の案件獲得に向けた受注活動が停滞しました。
高難度案件においては収益性にも課題があり、採算を損ねる結果となっています。ただ、それ以外のさまざまな領域で、着実に収益性を改善し、全体として利益は改善しています。これは当期における大きな成果の一つです。
当社は、「飛躍的な成長」を目標として掲げており、当社の本来あるべき姿は、高難度案件に果敢に挑み、的確な取り組みを進め、適切な収益性を確保しながら、売上成長と利益成長の両立を実現するということが求められていると考えています。
その意味で、当期は成果を上げることができた一方で、重要な課題を認識する1年でもありました。
1.決算概況 営業利益の増減要因(前期比較)
次に営業利益について、前期からの増減をご説明いたします。増加要因は、左側のオレンジ色の部分となります。
プライム向け事業のデジタル領域およびSIer向け事業のSIビジネス領域における収益率向上による増益がありました。
次に、海外子会社、ベトナムの現地法人の事業が堅調に推移し、事業の安定化、収益性改善がはかられました。そして、退職給付債務の割引率変更による人件費減少により利益が増加しております。
右側の利益の減少の要因は、まずは、残念ながら不採算案件による利益の減少がありました。そして、生産体制の拡充として、開発拠点、品川イノベーションハブの開所による費用増がありました。そして、研究開発への投資を行いました。
結果として、営業利益は前期比で1億7,700万円増加となりました。
1.決算概況 ビジネスモデル別 売上高推移
次に、ビジネスモデルごとの売上高については、こちらのスライドをご覧ください。
デジタルビジネスは、小規模なテーマの積み上げで、規模が急激に拡大するビジネスではありません。しかしながらコンサルティングやAIの先進技術支援など、顧客からの要請も強く、年々売上が伸びている分野です。
このテーマは今後も大いに発展し、展開すると期待しており、対応を進めております。
SIビジネスにつきましては、様々な分野でのクラウド案件への取組が活況で、受注機会が旺盛でした。特に、テーマとしては、モダナイゼーション案件の対応が順調に進みました。
エンハンスビジネスにつきましては、収益性の改善などに取り組み、体制の見直しや、対応範囲を見直す案件もありました。また、需要旺盛なSIビジネスへの体制シフトもあり、結果、この分野は、前期比マイナスとなりました。
1.決算概況 事業スタイル別 売上高推移
次に事業スタイル別に分類した売上高の推移をご説明します。
SIer向け事業については、前期とほぼ同水準です。旺盛な引き合いのあるSIerからの案件は大幅に拡大しましたが、反面、他のSIerでは、大型案件が中止したり、縮小したりしたことで、結果として横ばいとなりました。
プライム向け事業については、売上ベースでは、前期比でマイナス5%です。大型の対応案件の減少が影響しています。
サービス提供事業については、前期比24%の増加となり、旺盛な需要をつかまえ、拡大しています。
1.決算概況 事業スタイル別 2026年3月期実績
それでは、もう少し踏み込んで内容をご説明します。
まず、SIer向け案件についてです。こちらは一部の不採算案件の影響により、受注の鈍化と、損失の増加がありました。
ただ、全体としては安定的に事業を進め、収益を拡大することができています。特にモダナイゼーション案件の獲得を着実に進めることができた結果、事業の拡大と収益性の向上の両面で成果を上げることができました。
利益率の面でも、一定の水準をしっかり確保することができました。
また、当社が目指しているワンストップサービスの実現については、現在ワンストップ化を進めている途上であり、まだ確立できたとは言えない状況です。引き続き対応を進めます。
次に、プライム向け事業については、新規顧客の開拓は当初期待したほどには進みませんでした。ただ、このプライム向け事業の分野は顧客との関係も良好でした。
営業利益率は、生産性向上の実現や、不採算案件からの撤退により、利益率が7.8%から16.3%へと大きく飛躍いたしました。この分野で、顧客開拓と事業拡大を図るには、上流、シスコン領域でのビジネスがポイントなると考えています。
最後に、サービス提供事業についてです。
テクノロジーソリューションの分野では、ベンダーとの協業が成果を上げ、高いスキルの人材の層を厚くし、受注を拡大しています。これまでの構築案件の実績、運用支援への展開など、今後につながる成果が出てきています。
また、新たなサービスの創出においても、「H・CUBiC」やAI自動発注の取り組みを形にすることができ、新たな付加価値の提供に向けた一歩を踏み出すことができました。
1.決算概況 業種別 売上高推移
次に、エンドユーザを主要業種ごとに分類した、業種別の売上高の推移をご説明します。
まず金融分野については、先ほどご説明したプライム案件での銀行向け案件の減少、他には、低収益案件の撤退により、減少となりました。
流通業においては、取り組みが堅調な分野もありますが、大型案件の縮小があり前年並みの水準となります。
官公庁は、中央省庁におけるクラウド案件の需要が旺盛で、受注が拡大し、大幅な増加となりました。
運輸・通信では、残念ながら既存の顧客のテーマが進まず、結果として前期の売上高を上回ることはできませんでした。
製造業では新領域である、自動車や酒造メーカーの新たな案件が立ち上がり、増加となりました。
その他業種においては、エネルギーや教育分野で成長しております。
1.決算概況 1人当たり指標
こちらは当社が重要な経営指標としている「従業員一人当たりのパフォーマンス」についての数値です。
まずは、左のグラフをご覧ください。2026年3月末時点の当社グループの従業員数は、グループ全体で938名となりました。国内従業員は790名、海外子会社従業員は148名という構成です。
一人当たり売上高は2,341万円、一人当たり営業利益は197万円となりました。
今後は一層の生産性と利益向上を実現し、一人当たり指標の改善に取り組んでいきます。
1.決算概況 2026年3月期実績 重点施策
次に重点施策の進捗をご説明いたします。
「研究投資」はテーマも明確になり、事業化に向け、大きく進展いたしました。
特に、「H・CUBiC」や「AI自動発注システム」はお客様にサービス提供を開始しております。詳細は次のスライドにてご説明いたします。
「生産体制」においては開発室の開所によって、開発拠点の整備は進みました。生産技術革新として、ビジネス領域にてAIを利用するための検証を進めております。このテーマは、一層力を入れて、引き続き取り組む重要テーマと認識しています。
一方で、懸案でありました「品質面の強化」については、様々なケースを想定し、必要な対応を進めてきています。ただ、残念ながら、高難度な案件に対しては、開発体制の確保や、リスクへの備えなど、いまだ解消しきれない課題を抱えている状態です。引き続き対応を強化してまいります。
最後に「人的資本」では、学びに対する社員の意識は着実に醸成されていると感じています。
採用については、必要な人材の確保は着実に進めることができております。一方で退職率については、残念ながら上昇傾向にあります。特に若年層における離職が進んでおります。それにより中間層やリーダー層への負担が相対的に大きくなり、組織運営や人材育成の面でも影響が生じる可能性があると認識しています。
2027年4月より初任給のアップに加え、若年層への処遇改善も実施いたします。若年層へのリテンションの効果を期待しています。
1.決算概況 2026年3月期実績 研究投資から生まれたソリューション
研究投資のうち、2026年春にサービスを開始した2つのソリューションについてご紹介します。
1つ目は、「H・CUBiC」です。これは建築業界に特化したタレントマネジメントシステムとなります。AIのマルチエージェント方式を採用し、複雑な条件の質問でも回答できることや、文章や文脈を考えたうえで回答ができることが特徴です。2026年4月からサービスを開始しております。
2つ目は、「AI自動発注システム」です。従来の自動発注に、AIによる予測を組み合わせたシステムです。発注傾向をAIが学習するため、複雑な設定が不要という特徴があります。こちらは2026年5月からサービスを開始しており、問題なく稼働しております。
その他にも、研究開発を行っているサービス・ソリューションは複数あり、事業化に向けて推進しているところです。
2.中計進捗 当社の目指す姿 -サステナビリティ経営・価値創造モデル-
次に、2024年度よりスタートした、「VISION2026」第2次中期経営計画の概要や施策の取り組み状況について、ご説明させていただきます。まず最初に、当社のサステナビリティ経営についてお話させていただきます。
当社は、持続的に成長し続ける会社、持続的に社会に貢献し続ける会社でありたいと考えています。当社自身の企業としての成長をはたし、お客様や社会、さまざまなステークホルダーの方々に貢献し続けられる会社を目指して取り組むという考え方です。
ここにお示しした図は、当社の価値創造モデルです。
当社は、インプットとしての人的資本や知的資本など6つの資本の拡充をはかり、事業を進めてまいります。事業成長の考え方は、V2026第2次中計の考え方に沿って進めます。
そして、その成果として財務的価値と非財務的価値の創出を果たし、様々なステークホルダーの皆さまに還元し、当社自身も、その成果を生かして、さらなる取り組みをすすめるという考えです。
その結果として、社会に貢献できるように取り組んでいきたいと考えています。
2.中計進捗 第2次中期経営計画の概要
次に第2次中計の概要についてお話しいたします。
第2次中計は、「第二の創業」と位置付けて進めております。従来から取り組んできた、受託型のビジネスについては、SIer向け事業とプライム向け事業として、取り組みます。
SIer向け事業は、大手SIerの下で行う受託事業です。プライム向け事業は、当社自身が、お客様に直接対応するスタイルです。また、企画型ビジネスとして、サービス提供事業に取り組みます。
3つの事業のスタイルを念頭においたうえで、こちらの重点施策の推進が重要と考えています。
2.中計進捗 事業スタイルにおける成長戦略
事業スタイルの関係性について、もう少し詳しくご説明いたします。
左側にあるSIer向け事業は、当社の売上を支える非常に大きな規模の事業でございます。
SIer向け事業では、SIerとの良好な関係を生かし、様々な業種での取り組みや、社会課題の解決につながるテーマなど、広範囲な対応に広げていきます。また、先進技術にも積極的に取り組み、当社としての経験値、知的財産を積みあげていくことも、狙っております。
中央のプライム向け事業では、SIer向け事業で得られた経験・ノウハウを生かして、当社が直接対応に取り組みます。難易度は高いですが、高付加価値のサービスを提供し、お客様にご評価いただき、高い収益性を実現できるよう、取り組んでいきたいと考えています。
右側のサービス提供事業は、ソリューションベンダーとの連携を行い、受注機会を拡大することに加え、ベンダーとの連携で技術ノウハウの蓄積をはかり、当社自身のノウハウを磨き、競争力あるサービスとすることが狙いです。
中央の矢印は、それぞれの関連性を示しています。SIer向け事業で得た知見を活かし、サービス提供事業において当社独自のサービスやソリューションとして展開しています。また、サービス提供事業で得た顧客やノウハウを、プライム向け事業やSIer向け事業の領域拡大につなげています。
相互に価値を活かし、共有して全体の事業成長を図ります。これが、事業スタイルにおける成長戦略です。
2.中計進捗 第2次中計の財務・非財務目標
第2次中計で掲げている財務・非財務の目標および進捗はご覧の通りでございます。
財務の目標は、成長性と高収益性を重視して取り組んでおります。一人当たりの指標は、社員の能力向上の取り組みと、生産技術などへの投資により達成を目指します。ビジネスモデル変革は、新しいビジネスの形を実績として積み上げていく目標です。そして結果として、高い利益水準の目標を目指して参ります。
非財務につきましては、当社としてありたい姿を目指したものです。ご覧の5つの観点を持って、それぞれの実現に向けて取り組んでいます。
財務目標の詳細な数値はご覧の通りです。2027年3月期230億円を目指しております。事業成長・収益拡大ともに高い水準ではありますが、目標として取り組んでおります。
3.見通し 業績見通しの概要
次に、2027年3月期の業績の見通しについてご説明いたします。
中計の計画では売上高230億円、営業利益率を10.5%を目指しておりましたが、生産体制の構築状況を踏まえ、2027年3月期の業績の見通しは、売上高200億円、前期比8.1%増、営業利益18億円、前期比15.5%増、当期純利益15億円、前期比4.1%減を目指します。
この前提となる環境認識について、簡潔にご説明いたします。
外部環境としては、世界的には不安定な状況ですが、企業における人手不足は依然として大きな課題であり、その解決に向けたIT投資の需要は今後も堅調に続くと見ております。
一方で、企業におけるIT投資の中身は変化していると感じています。従来のように外部のSIerへ一括で任せるのではなく、自社内でIT戦略を主体的に考え、高い専門性を持つパートナーを選ぶお客様が増加している傾向です。
そのため、より高度な技術力や業務理解、提案力が一層重要になっております。加えて、AI活用も実証段階から実装段階へ移っており、効率化だけでなく、新たなサービスや事業変革を果たしたいというニーズがますます高まっています。
このように、需要は堅調である一方、求められる価値は高度化しており、当社にとっては大きな成長機会があると認識しております。
事業環境を踏まえたうえで、2027年3月期に取り組んでまいりますが、当社として、解決していかなければならない課題もございます。その内容を次にご説明いたします。
3.見通し 今期の具体的な取り組み
当社として、解決すべき課題への、今期の具体的な取り組みです。昨年認識した課題を真摯にうけとめ、解消へ取り組んでまいります。
まず、SIer向け事業では、「高難度案件の対応の不備」が発生、その影響もあって「受注活動が停滞」しました。そして懸案であった「生産性向上施策」についても、対応が思うように進展しないという課題がありました。
今期は、営業段階から提案時、その後のプロジェクト実行時の各工程でのリスク対策に力点を置いて取り組むことで、大規模・高難度案件にも十分に備えて、対応できるようにしてまいります。
また、AIを活用した生産革新を実りあるものにするため新たに組織化し、成果の実現を早めます。加えて、これまでのSIerとの協業関係を活かし、ワンストップサービスを推進することで、拡大を図ります。
プライム向け事業は、顧客の開拓、既存顧客での領域拡大がポイントです。今期はさらなる拡大を目指し、上流・シスコン領域でのビジネスを組織的に対応するため、システムコンサルティング室を開設しました。
既存顧客に対しては、一層の関係性構築を進めテーマの創出を果たします。新規顧客に対しては、営業・提案スキルを強化し、顧客獲得を図ってまいります。このような機能を生かして、領域拡大に取り組みます。
サービス提供事業では、事業の拡大と収益の確保を目指してまいります。まずはベンダーとの連携が重要と考えます。当社として、これまで培ってきたオラクル技術の強みを生かします。また、AWSやマイクロソフトとの取り組みでも、当社の付加価値の創出を果たし、事業拡大を図ってまいります。
当社発のサービスである「H・CUBiC」「AI自動発注システム」については、導入顧客を増やし、収益化を果たしてまいります。
これらの取り組みによって、今期は、売上高200億円、営業利益率9%を達成いたします。
3.見通し 配当金および配当性向の推移
最後に、当社の1株当たりの配当金と配当性向の推移をご説明いたします。
当社は、株主様へのさらなる還元を重要事項として、連結配当性向50%を目安に取り組んでおります。
2026年3月期につきましては、期末配当を当初の22円から、4円増配の26円といたしました。中間と合わせて、一株当たりの配当金は46円といたしました。配当性向は44.5%となります。
2027年3月期につきましては、中間で22円、期末で24円、合計で46円を予定しています。配当性向は、46.5%の見込みです。
今後も収益性の向上に努め、安定した配当を継続してまいります。
最後に
最後になりますが、今期は中長期経営計画「VISION2026」の最終年度であり、また次のビジョンを描くための重要な一年です。
品質の強化を図りつつ収益性を高め、新たな事業創造、次の成長ステージに向けて飛躍への流れを確かなものとしてまいります。
V2026では、各自が志を持ち、ビジネスマインドを持って、自ら考え行動する姿を目指してきました。SIer向け事業、プライム向け事業、サービス提供事業、どの領域においても成長分野への挑戦を続け、成果を出していく年といたします。
今後も役職員一同、社業の発展にまい進してまいります。引き続き、ご支援いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
私からのご説明は以上になります。ご清聴、誠にありがとうございました。
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