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東邦化学工業株式会社4409

東証スタンダード

化学

目次

中崎龍雄氏:東邦化学工業株式会社代表取締役社長の中崎です。2026年3月期の決算についてご説明します。

本日は、目次に記載のとおり、会社概要、事業内容、2026年3月期決算概要、「TOHO Step Up Plan 2027」の取り組み状況についてご説明します。

会社概要

まずは、会社概要です。当社は1938年に設立し、本社は東京都中央区にあります。従業員数は2026年3月31日現在で、単体653名、連結856名です。

事業内容は、界面活性剤、樹脂、化成品、スペシャリティーケミカルと、4つのセグメントで事業を展開しています。

事業内容

スライドに記載の4つのセグメントごとに事業内容をご説明します。

界面活性剤では、香粧原料、プラスチック用添加剤、土木建築用薬剤、紙パルプ用薬剤、農薬助剤、繊維助剤などを取り扱っています。2026年3月期の売上構成比率は47.5パーセントです。

樹脂では、合成樹脂、石油樹脂、樹脂エマルション、アクリレートなどを扱っており、売上構成比率は9.0パーセントです。

化成品では、主に石油添加剤、金属加工油剤、合成ゴムやABS樹脂用のロジン系乳化重合剤などを取り扱っており、売上構成比率は12.2パーセントです。

スペシャリティーケミカルでは、溶剤や電子情報産業用の微細加工用樹脂などを取り扱っており、売上構成比率は30.9パーセントです。

当社グループの特色は、こうした幅広い事業分野にわたり、多種多様な化学製品群と、それを生み出す多くの優れた技術を有している点にあります。

そして各事業分野において多数の優良企業をお客さまとし、さまざまな技術の応用や融合によって、お客さまの課題に的確に応えることができる強みを発揮しています。特にお客さまのニーズに合わせてカスタマイズする製品開発は、当社グループならではの価値提供として高い評価をいただいています。

決算サマリー (2026年度3月期累計)

続いて、2026年3月期の決算サマリーです。

売上高は、電子情報産業向け微細加工用樹脂等の増収が、土木建築用薬剤等の減収をカバーし、ほぼ前期並の536億2,500万円となりました。

営業利益は、売上構成の変化や採算改善努力等によって利益率が改善し、前年比15.0パーセント増の20億8,800万円と、6期ぶりに20億円台に回復しました。

次にセグメント別の状況です。界面活性剤セグメントの売上高は、前年比3.2パーセント減の254億6,000万円となりました。土木建築用薬剤や香粧原料、紙パルプ用薬剤等の販売減少により減収となりましたが、売上構成の変化等により利益率は改善し、セグメント利益は増益となりました。

樹脂セグメントの売上高は、前年比0.3パーセント増の48億3,100万円となりました。合成樹脂や樹脂エマルション、アクリレートが減収となりましたが、石油樹脂の大口ユーザー向け販売がやや回復し、増収となりました。

化成品セグメントの売上高は、前年比0.1パーセント減の65億6,600万円となりました。石油添加剤の販売減少により減収となりましたが、石油添加剤の採算改善を主因に、セグメント利益は2億2,300万円の増益となりました。

スペシャリティーケミカルセグメントの売上高は、前年比5.0パーセント増の165億5,800万円となりました。電子情報産業用の微細加工用樹脂の販売が伸び増収となりましたが、原料値上がり分の価格転嫁の一時的な遅れや固定費の増加等により、セグメント利益は減益となりました。なお、価格転嫁の遅れについては、すでに解消しています。

セグメント別状況

セグメント別の構成についてご説明します。

売上高で見ると、最大のセグメントは界面活性剤で、全体の5割近くを占めています。次いで、スペシャリティーケミカルが約3割を占めています。

セグメント利益は、界面活性剤とスペシャリティーケミカルの合計で報告セグメントの約8割となっており、両セグメントが当社の利益創出を牽引しています。加えて、2026年3月期は化成品が9期ぶりに3億円を超える利益を計上し、貢献度を高めています。

売上高・営業利益の四半期推移

売上高・営業利益の四半期推移についてご説明します。

2026年3月期の売上高は、第1四半期が約131億200万円、第2四半期が約129億100万円、第3四半期が135億3,100万円、第4四半期が140億8,900万円となり、下期は前年を上回りました。

営業利益は、第1四半期が5億5,900万円、第2四半期が3億3,100万円、第3四半期が5億7,500万円、第4四半期が6億2,100万円となりました。第2四半期に東邦化学(上海)有限公司の設備増設工事に伴う既存設備の稼働休止、および電子情報産業用微細加工用樹脂の設備更新に伴う生産・販売調整のマイナス要因があり3億円台となったものの、それ以外の各四半期は5億円以上を確保し、特に第4四半期は6億円を超える利益となりました。

営業利益の増減要因

営業利益の増減要因についてご説明します。

営業利益は、前期の18億1,500万円から当期は20億8,800万円に増加しました。

売上高は前期並みとなりましたが、その内訳を見ると、販売数量の減少により10億300万円のマイナス影響がありました。一方で、販売価格および販売構成の変動により10億1,500万円のプラス影響があり、販売数量の減少をカバーしました。

また、売上構成の変化や採算改善努力により粗利率が改善しました。原料費の減少により2億7,000万円、その他売上原価の減少により1億2,800万円のプラス影響がありました。

販売費および一般管理費は、運賃や倉敷料等の増加により1億3,800万円のマイナス影響となりましたが、売上原価の減少がこれを上回り、営業利益は前期比2億7,200万円の増益となりました。

地域別状況

地域別状況についてご説明します。

売上高は、日本が前年比0.2パーセント増の445億300万円、アジアが前年比2.2パーセント減の76億1,000万円、その他が前年比7.1パーセント増の15億1,000万円となりました。

構成比では、2026年3月期売上高536億2,500万円のうち、日本が83.0パーセント、アジアが14.2パーセント、その他が2.8パーセントと前年とほぼ同様で、国内の販売が8割超となっています。

コロナ禍で遅れていた海外市場開拓を挽回すべく、中国をはじめとするアジア市場を中心に、開拓・開発活動を進めています。

キャッシュフロー

キャッシュフローについてご説明します。

営業活動によるキャッシュフローは、主に運転資本の改善により前期比11億300万円増の44億円となりました。

投資活動によるキャッシュフローは、東邦化学(上海)有限公司の加圧反応設備増設等で有形固定資産の取得による支出が増加し、前期比約20億4,800万円支出増のマイナス45億9,800万円となりました。

財務活動によるキャッシュフローは、前期比14億4,000万円増のマイナス4億2,100万円となりました。

その結果、現金および現金同等物の期末残高は前期比5億5,600万円減の51億4,800万円となりました。

業績予想

次に、業績予想です。

石油化学業界は、ホルムズ海峡の事実上の封鎖の影響により、原料の調達難と価格急騰に直面しています。原料不足による生産量の減少と原料高による採算悪化との両面で収益へのマイナス影響が懸念され、極めて先行きが不透明な経営環境にあります。

そのため、2027年3月期の見通しについては、現時点で合理的に予測することが困難であり、業績予想は開示していません。

現在は、原料の調達状況を踏まえた生産計画の見直しや取引先の動向を踏まえた販売計画の見直し、原料の値上がりと売価への価格転嫁を織り込んだ損益計画の見直しを進めています。

業績に与える影響が判明次第、速やかに開示します。

TOHO Step Up Plan 2027について

「TOHO Step Up Plan 2027」についてご説明します。

「TOHO Step Up Plan 2027」では、計画期間の3年間を「持続可能な成長と価値創造のための変革期」と位置づけ、急速に変化する事業環境下においてもグループが力強く成長を続けるための地盤作りを進めています。

数値計画としては、計画最終年度の2028年3月期に、売上高600億円、営業利益30億円、売上高営業利益率5.0パーセント、純資産額230億円、自己資本比率32.0パーセント、ROE8.0パーセント、1株当たり配当額30円を計画しています。

スライド右側のグラフでお示ししているとおり、2028年3月期計画の営業利益30億円の内訳は、界面活性剤が12億円から13億円、樹脂が2億円から3億円、化成品が1億円から2億円、スペシャリティーケミカルが15億円から16億円と考えています。

TOHO Step Up Plan 2027の取り組み状況

「TOHO Step Up Plan 2027」(以下、「中計」)の取り組み状況についてご説明します。

2026年3月期は、半導体市況の回復に伴い電子情報産業用の微細加工用樹脂が増収となったものの、土木建築用薬剤など減収となった分野もあり、売上高は前期並みの水準にとどまりました。

利益面については、売上構成の変化等に伴う利益率の改善により連結営業利益は6期ぶりに20億円台に回復しました。

ただし、中計最終年度の数値目標達成に向けてはさらなる業績の改善が必要であり、中計に掲げた以下の課題への取り組みを引き続き全力で進めています。

最重要課題の1つ目は、電子情報材料事業の拡大・中核事業化、2つ目は東邦化学(上海)有限公司を成長軌道に乗せ、海外市場開拓の取り組みを強化すること、3つ目は高機能・高付加価値製品の開発の加速、4つ目は最適生産体制構築による生産性改善と業務効率化、5つ目は資本効率・財務体質・PBRの改善です。

その他の重要課題として、6つ目に人的資本強化の取り組み推進、7つ目に脱炭素化へ向けたサステナビリティ活動の取り組み強化を掲げています。

TOHO Step Up Plan 2027の取り組み状況

最重要課題の取り組み状況についてご説明します。

電子情報材料事業の拡大・中核事業化については、2025年度の売上高は期初計画どおり前期比増収となりました。当社製品の供給能力増強に対する取引先からの期待に応えるため、新電子情報材料プラントの二期増設工事に着工し、2026年11月の完工を予定しています。

また、廃溶剤の自社内リサイクルによるコスト削減の取り組みが進捗しており、要員の確保・育成等、生産体制作りも順調に進捗しています。

東邦化学(上海)有限公司については、2025年度は、加圧反応設備増設に向けた建屋補強工事のため一部の設備の稼働を一時休止したことから、前期比減収減益となりました。ただし、上海拠点の2社合計では営業利益3.8億円を確保しました。

増設した加圧反応設備は2026年3月に稼働を開始しており、2026年度から同社の生産能力は増加します。

ホルムズ海峡封鎖後も、中国は日本に比べて原料価格が安い状態が続いており、供給不安も少ないことから、同社の生産能力のフル活用を進めます。

海外市場の開拓・開発についても活発化しつつあり、着実に成果が出始めています。

TOHO Step Up Plan 2027の取り組み状況

高機能・高付加価値製品の開発では、プラスチック用添加剤、香粧原料等の分野で、重要テーマの実績化・実績拡大および実績化に向けた進捗が見られます。また、電子情報材料や土木建築用薬剤等の分野で、環境配慮型製品の開発への取り組みを強化しています。

最適生産体制構築による生産性改善と業務効率化に向けた取り組みでは、東邦化学(上海)有限公司や鹿島工場の活用拡大に向けた生産移管に加え、千葉工場の人的資源を電子情報材料事業に重点配分するための生産移管が進捗しています。

生産の時短・合理化に向けた取り組みは、多数の製品で進捗・実績化しています。生産部門ではQRコードによる原料・製品管理の試行を開始し、研究開発部門ではMI(Materials Informatics)他、AIの活用について検証を進めています。

資本効率・財務体質・PBRの改善については、資産のスリム化に向けて、売掛債権流動化、在庫の削減、政策保有株式の見直し等に取り組んでいます。

株価向上に向けては、株主優待制度の拡充や投資家向けインターネット媒体への記事掲載など、IR活動の拡大に取り組みました。2025年度末の株価は前期末比で上昇しましたが、純資産額も大きく増加したため、2025年度末のPBRは前期末と同水準にとどまりました。

なお、純資産額の増加により、自己資本比率は前期末の30.9パーセントから2025年度末は33.9パーセントに改善しました。

TOHO Step Up Plan 2027の取り組み状況

最後に、その他の重要課題の取り組み状況についてご説明します。

人的資本強化の取り組みでは、若手を中心に処遇を改善し人材の確保を図るため、2026年度より人事制度改定を実施しました。人事制度については、今後もさらなる見直しを進める予定です。また、社員のキャリアアップ支援のため、教育研修の拡充を進めています。

2026年度より役員体制を見直し、60歳以下の常務取締役5名が各部門を率いる体制となりました。生産部門担当の常務取締役は70歳台から51歳に若返るなど、経営の世代交代を進めています。

脱炭素化へ向けたサステナビリティ活動の取り組みでは、2025年6月に、本社、追浜工場、千葉工場でRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)SCCS認証を取得しました。また、鹿島工場、東邦化学(上海)有限公司で「ISO14001」を取得しました。

第三者認証機関であるEcoVadisやCDPなどの評価を受け、その評価内容を分析の上、さらなる改善に取り組んでいます。

私からのご説明は以上です。ご清聴いただきありがとうございました。

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