2026年3月期決算説明
ヒップ、増収増益を達成・「開発設計のプロ集団」へ質的向上を推進 累進配当71円を計画
2026年3月期 決算のポイント

田中伸明氏:みなさま、こんにちは。株式会社ヒップ代表取締役社長の田中です。本日はご視聴いただき、誠にありがとうございます。2026年3月期の決算内容についてご説明します。
はじめに、業績概要です。スライドには、決算のポイントを記載しています。
外部環境について、米国関税の影響により、特に今期の序盤では一部のお客さまに慎重な姿勢が見られました。しかしながら、製品開発への積極的な姿勢は維持されており、当社へのニーズは引き続き堅調に推移しました。
業績の概況とトピックスについてご説明します。
1つ目は、稼働人員の増加および技術料金の上昇に伴い、売上高が増収となりました。
2つ目は、当社が昨年創立30周年を迎え、リブランディングを実施したことで、それに伴う費用が増加しましたが、売上高の伸びによってこれを吸収し、各利益は増益となりました。
3つ目は、現在注力している技術者価値の向上に向けた取り組みを推進し、社員の処遇改善や教育体制の強化など、特に人的資本への投資を実施しました。
以上が、決算のポイントです。
2026年3月期 決算概要

決算の概要です。売上高は61億9,300万円で前期比3.8パーセントの増加、営業利益は5億7,200万円で前期比1.4パーセントの増加、経常利益は5億8,000万円で前期比2.8パーセントの増加、当期純利益は4億3,200万円で前期比4.6パーセントの増加となりました。
売上高増加の主な要因は、稼働人員の増加と技術料金の上昇です。
売上原価は、社員の処遇改善を含めた人への投資により、前期比で4.1パーセント増加しています。販管費は、創立30周年事業に伴う広告宣伝費などが発生し、前期比で3.7パーセント増加しました。
当期純利益は、予想では前期比減少を見込んでいましたが、賃上げ促進税制による減税効果もあり、増益となりました。
技術者数

当社の事業に関わる指標についてご説明します。まず、技術者数です。2026年3月期末で779名となり、前期から8名増加しました。採用人数は新卒・中途を含めて合計63名でした。離職率は昨年度と同水準です。
採用については、採用市場の変化が想定以上に大きく、計画どおりに進まない部分もありました。また、技術者の価値を高めるために、採用基準を下げずに活動を行いました。
技術者の労働環境や採用環境は、ジョブ型雇用の導入やAIによる業務効率化などにより大きく変化しています。そうした中で、当社が考える技術者としてのキャリア形成や働き方、教育体制に共感していただける方を増やすことが重要だと考えています。
生涯技術者として活躍するためのバックアップ体制を充実させるとともに、応募者との接点を増やし、当社の魅力をしっかりと訴求していくことに注力します。採用基準は維持しながら、今後も採用活動に力を入れていきます。
稼働率(2024年4月〜2026年3月)

稼働率についてです。稼働率は93.2パーセントとなりました。前期比で1.4ポイント低下していますが、高い水準を維持していると考えています。
低下要因は2つあると分析しています。
1つ目は、米国の関税政策による先行きの不透明感から、一部のお客さまで増員に慎重な姿勢が見られたことや、その結果として開始時期のずれ込みが生じたことです。
2つ目は、技術者価値の向上を目的に、技術者の成長に重点を置いた稼働を進めていることです。技術者とのヒアリングを通じて、適性やキャリアのステップアップなど、さまざまな視点から個々の成長を意識した稼働を推進しています。
今後も稼働率を維持しながら、取り組みを継続していきます。
技術料金

技術料金についてです。技術料金は4,379円で、前期比で162円、3.8パーセント増加しました。近年、非常に高い伸び率となっています。その背景には、日本全体での賃上げに向けた動きの影響があると認識しています。
当社では、技術者の価値を高めるための施策を進めるとともに、適正な技術料金の確保にも注力しています。サービスの質や技術者のスキル向上を図り、契約更新や業務内容が変わるタイミングで、お客さまとの交渉を行っています。
当社は、引き続き技術者の価値向上に取り組む方針で、お客さまのご理解をいただきながら交渉を継続していきます。
稼働時間

1日当たりの平均稼働時間についてです。当期は8.6時間となり、前期から0.03時間減少しました。稼働時間は顧客の開発スケジュールや働き方によって変動するため、当社では統制できないものですが、売上高を構成する重要な指標となっています。
当期では第2四半期が最も減少しましたが、これは近年では見られない傾向です。米国関税の影響による先行き不透明感など、外部要因の影響も考えられると認識しています。近年では、8.5時間から8.7時間の間で推移しており、今後も大きく変わらないと見込んでいます。
売上高構成①(上位10社 比率)

スライドは、売上高構成における上位10社の比率を示しています。今期は25.1パーセントとなり、前期から0.1ポイントの増加で大きな変動はありません。
今期の取引社数は、過去最大の219社となりました。新規取引に加え、一度終了していたお客さまとの取引再開や、チームでの対応など、さまざまな取り組みにより幅広い業種やお客さまとの取引を推進しています。
当社は、特定のお客さまに偏ることなく、幅広い取引を目指しています。メリットは2つあります。
1つ目は、特定のお客さまや業種からの影響を最小限に抑えることで、経営の安定が図れることです。
2つ目は、技術者の選択肢を広げることです。技術者がさまざまなお客さまのプロジェクトに参画して実績を積むことで、真にスキルを身につけることにつながり、仕事の幅を広げられるようになります。
このように、幅広い業種やお客さまとの取引が重要であると考え、取引先を増やすことを目指しています。
10年前は上位10社の取引比率が約34パーセントでしたが、さまざまなお客さまへの提案を続けた結果、上位への偏りが低下してきています。今後も、引き続き多くのお客さまとつながりを構築できるよう、営業活動に取り組んでいきます。
売上高構成②(事業分野別)

売上高構成の事業分野別についてです。
輸送用機器以外のすべての事業分野で増加しました。一方、輸送用機器では自動車関連の一部で増員への慎重さが見られます。ただし、将来を見据えた投資は継続されているため、当社としてはお客さまとしっかり連携しながら提案を進めていきたいと考えています。
情報処理・ソフトウェアでは、引き続き成長が見られます。各種製品のシステム化が進み、特に車載システムや通信関連の案件が増加しています。当社においてもシステム分野の社員数が増加しており、これが成長の一因になっています。
事業分野としては表示していませんが、防衛関連の取引先については昨年に引き続き2桁成長を達成しました。社会情勢やお客さまの動きを注視しながら、引き続き提案活動を進めていきます。
先ほどの売上高上位10社についてのご説明でも触れましたが、1つの事業分野に偏らず増加していくことは、技術者のキャリア形成や成長の観点からも重要だと考えています。そのため、幅広い分野のお客さまに対して、今後も積極的に展開していきます。
以上、2026年3月期の業績についてご説明しました。
2027年3月期 通期業績予想

2027年3月期通期の業績予想についてご説明します。売上高は64億9,200万円で前期比プラス4.8パーセント、営業利益は6億円で前期比プラス4.7パーセント、経常利益は6億1,500万円で前期比プラス6.0パーセント、当期純利益は4億1,700万円で前期比マイナス3.6パーセントとしています。
賃上げ促進税制による減税の影響を予想には盛り込んでいないため、当期純利益は減少予想となっています。中東情勢の緊迫化など懸念材料はあるものの、顧客は開発投資を継続しており、専門スキルを持つ技術者のニーズは高まると見込んでいます。
人材への投資を継続しながら、業績予想の達成を目指していきます。
業績予想の前提条件

通期業績予想の前提条件となる指標です。稼働率は前年並みを見込んでおり、引き続き技術者の成長に向けて稼働に取り組んでいきます。稼働時間についても、おおむね前年並みを予定しています。
採用に関しては中途採用38名、2027年新卒採用50名を計画しています。充実した教育を行うために、バランスを考慮しながら採用を進めていきたいと考えています。
年間を通じて、技術者への最適な教育と効率性を踏まえ、新卒採用だけでなく、通年での中途採用にも力を注いでいきます。最近、当社に中途入社された方々とお話しする機会がありましたが、やりたい仕事とのミスマッチが原因で転職されるケースが多いと感じています。
技術者として設計開発に携わりたい方々に、当社のキャリア形成支援体制を正確に伝え、生涯技術者として成長していただける道に共感していただくため、採用活動を強化していきます。
2023年を起点とした成長フェーズの振り返り

今期の取り組みについてご説明します。はじめに、これまでの取り組みと振り返りについてお話しします。私は2023年に社長に就任し、「技術者のための会社」という経営理念に基づき、会社を成長させていくことを決意しました。
理念を深く考える中で、さらなる成長の可能性を検討し、2024年には「新たなステージへ挑戦」を打ち出しました。
その一環として、技術者と顧客に選ばれる強い会社となるための目指すべき姿を再設定しました。単に技術者を派遣する会社ではなく、キャリア形成支援企業として社員とともに成長していくことです。
また、技術者価値の向上です。当社の事業の中心である技術者という職種は、社会に新たな価値を生み出す本当にすばらしい仕事です。技術者の価値を高めることが、当社やお客さま、そして社会の価値を高めることにつながると考えています。
その目標を目指しながら、経営を進めていくこととしました。
昨年である2025年、当社は創立30周年を迎え、掲げた挑戦を実践していくためにリブランディングを実施しました。
新たにブランドメッセージやミッション、ビジョン、バリューを策定し、ロゴやホームページのリニューアルを行いました。新生ヒップとしての成長の方向性や目指す姿を明確に定め、今後の成長に向けた組織づくりを進めるための土台を整えてきました。
ブランドメッセージ・Mission・Vision・Value

スライドは、昨年策定した当社のブランドメッセージとミッション、ビジョン、バリューです。社員やお客さま、そしてすべてのステークホルダーのみなさまとともに、新たな時代を設計するため、この理念に沿った経営を進めていきます。
2027年3月期の成長戦略

2027年3月期の成長戦略についてです。今年は、昨年までに打ち出してきた方針を浸透および実践のフェーズへと移行します。この中で、開発設計のプロ集団として、あらゆる質を高めていくことを目指しています。
具体的な施策として、4つの取り組みを進めます。
1つ目は、価値観の共有です。小手先の施策だけでは本質的な価値を高めることはできません。会社が持続的に成長するためには、社員一人ひとりが理念を理解し、目指すべき姿に向けて全社で組織的に行動することが必要です。
会社の価値観を社員の行動に反映させ、新しい組織文化として根づかせていきます。社員との会話の中で、可能性や伸びしろを感じる瞬間が多々あり、そのエネルギーをさらに活かすことで、会社の成長につながると確信しています。
また、会社の価値観に対して社員が共感していると実感しています。この価値観は、技術者として成長したいと考える方々にも共通すると考えており、採用活動にもつなげていきたいと考えています。
2つ目は、技術者の価値向上です。技術者の価値向上に向けて、技術者の質を高めていきます。幅広い業界での業務を確保し、業務ローテーションによってさまざまな経験を積むことで、技術者の成長と希望するキャリアの実現を図ります。
生涯技術者として活躍し続けるための教育体制のブラッシュアップも継続します。また、新たに入社する技術者の受け入れ体制の質や基準を維持しながら採用活動を進め、技術者価値の向上に取り組みます。
3つ目は、顧客満足度向上です。顧客満足度を高めるため、昨年から開始したお客さまとの連携強化施策を引き続き進めていきます。
お客さまや技術サービスを提供する社員の声に真摯に耳を傾け、お客さまの安心と技術者の安心を確保するため、現場サポートを徹底します。また、営業スタッフの増員と育成、そして社内の情報共有を強化しながら、顧客価値の向上に努めます。
4つ目は、コミュニケーション強化です。これらの施策を実施するうえで、重要な要素となるのがコミュニケーションの強化です。お客さまや社員、技術者を目指す方、そして投資家のみなさまと信頼関係を築くには、情報発信を充実させることが非常に重要であると認識しています。
当社の取り組みや魅力を社内外に発信することで、営業、採用、社内連携の強化を図ります。その実現に向けて、専任部署を設置する予定です。
これらの4つの施策を実行することで、会社全体の質を向上させていきます。
持続的成長へ向けた基本方針

当社の持続的成長に向けた基本方針です。技術者のための会社として、技術者の価値を中心に据え、そこを起点に高めていくことが顧客価値、企業価値、そして社会価値の向上につながるという考え方です。
今期の施策を着実に実行し、技術者価値の向上に取り組んでいきます。
配当金について

株主還元についてご説明します。当期の配当予想です。基本方針として配当性向50パーセントを目安とし、事業成長とともに累進的配当を目指しています。
2026年3月期の配当については、当社が創立30周年を迎えるにあたり、支えていただいた株主のみなさまへの感謝の意を示すかたちとして、普通配当55円に記念配当15円を加えた70円を予定しています。
前期からは16円の増配となり、配当性向は62.5パーセントです。昨年11月から今年3月にかけて自己株式の取得を行ったことにより、総還元性向は90.6パーセントとなりました。
2027年3月期の配当については、長期に保有する株主の方々に報いるためにも累進配当を目指し、前期から1円増配の71円を予定しています。今後も事業の拡大を図りながら、株主のみなさまへの還元を進めていきます。
以上、2026年3月期の決算についてご説明しました。ご視聴いただきありがとうございました。
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