logmi Finance
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株式会社ストライダーズ9816

東証スタンダード

不動産業

Corporate Slogan

早川良太郎氏(以下、早川):みなさま、本日はお忙しい中、株式会社ストライダーズ2026年3月期通期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。代表取締役社長の早川良太郎です。

本日は「選択と集中による成長投資フェーズへ」というテーマでご説明します。ログミーFinanceでの決算説明会は今回で2回目となります。あらためて、当社の事業概要や現在地、今後の方向性について、わかりやすくご説明できればと思っています。よろしくお願いします。

当社は「Stride With Challengers “挑戦者達と共に闊歩する”」をスローガンに掲げています。

企業理念

早川:企業理念としては、自らが挑戦者として新たな道を切り拓き、ともに挑戦する仲間を応援し、その仲間と感動体験を創り共有することで、より良い世界を実現していくことを目指しています。

会社概要

早川:当社グループは現在、7社の子会社を有し、ホールディングスとして各事業を統括しています。

会社概要|事業構成

早川:事業は大きく3つのセグメントで構成されています。1つ目は不動産事業です。「豊かな居住空間の創造」をテーマに、1都3県を中心として賃貸管理・レジデンス事業を展開しています。2つ目はホテル事業です。「地域創生」をテーマに、成田ゲートウェイホテルを中核としてホテルの保有、運営を行っています。3つ目は投資事業です。「日本とアジアをつなげる」をテーマに、Striders Global InvestmentおよびM&Aグローバル・パートナーズを中心に投資およびファンド運営事業を展開しています。

本日お伝えする4つのメッセージ

早川:本日お伝えする4つのメッセージです。1つ目は2026年3月期通期業績および業績予想の上方修正について、2つ目は事業ポートフォリオの選択と集中、3つ目は2027年3月期業績予想と今後の成長戦略、4つ目は株主還元方針です。

2026年3月期 ファイナンシャル・ハイライト

早川:2026年3月期業績についてご説明します。まず、通期のハイライトです。2026年3月期の連結売上高は82億1,300万円、連結営業利益は1億9,700万円でした。

2026年3月期 ファイナンシャル・ハイライト

早川:経常利益は2億4,700万円、親会社株主に帰属する当期純利益は2億500万円となりました。期初計画では売上高80億円、営業利益1億円を想定していましたが、結果として売上・利益ともに計画を上回る着地となりました。

ここで注目していただきたいのが、利益水準の大きな改善です。前期までの当社は、多数の子会社や事業を抱えながらも、営業利益は概ね5,000万円前後の水準で推移していました。それが2026年3月期は当初計画のおよそ2倍となる1億9,700万円、約2億円の水準まで飛躍的に拡大することができました。

この利益成長を牽引したのは、主に2つの事業です。1つはトラストアドバイザーズによる賃貸管理事業、もう1つは成田ゲートウェイホテルです。この2つが収益の柱として確立し、結果として、不動産・ホテル・投資の3セグメントすべてが増益に寄与しました。

また経常利益についても、営業利益の改善に加え、為替変動等の影響があり、増益となりました。当社としては、単なる一時的な利益改善ではなく、収益構造そのものが着実に改善していると認識しています。

2026年3月期 連結貸借対照表推移

早川:バランスシートについてご説明します。総資産は55億円、自己資本比率は44.8パーセントから50.9パーセントへ改善しました。また、ROEも7.8パーセントまで向上しています。

近年は資産効率を意識した経営への転換を進めており、保有資産の見直しや収益性の改善を通じて財務体質の強化に取り組んできました。その結果として、財務健全性が大きく向上し、今後の戦略的M&Aや投資・出資を実行できる基盤が整いつつあると考えています。守りを固めながら、次の成長投資へ踏み出す段階に入ったと認識しています。

2026年3月期 セグメント別業績の改善

早川:セグメント別の業績についてご説明します。2026年3月期は3セグメントすべてが利益改善に寄与し、全体業績を押し上げる結果となりました。不動産事業では営業利益が前年比6,100万円増加し、24.4パーセントの増益となりました。高稼働率の維持に加え、収益性を重視した運営への転換が利益改善につながっています。

ホテル事業では、インバウンド需要の回復に加え、組織体制の改革や運営改善の効果もあり、前期の赤字から黒字転換を達成しました。利益改善額は1億2,800万円となりました。投資事業でも、投資ポートフォリオ収益が寄与したことで黒字転換を実現しました。

不動産事業(2026年3月期)

早川:不動産セグメントについてご説明します。トラストアドバイザーズでは、リーシング、賃貸管理、マンション管理、家賃保証、不動産売買を中心としたレジデンス事業を展開しています。

2026年3月期の不動産セグメント売上高は68億5,000万円、営業利益は3億1,200万円となりました。レジデンス事業の高入居率による安定収益に加え、不動産売買事業も伸長したことで、増収増益となっています。

不動産事業(2026年3月期)

早川:売上構成についてご説明します。レジデンス事業の借上売上は43億9,800万円、その他レジデンス関連売上は10億8,100万円、不動産売買事業は13億7,000万円となりました。借上を中心とした安定収益に加え、不動産売買事業も伸長し、全体として増収につながっています。

不動産事業(管理戸数減少の背景と収益性改善)

早川:借上物件については、管理戸数・稼働率ともに高水準を維持しており、稼働率は99パーセントで推移しました。特に都内物件は安定的に稼働しており、更新率の上昇も利益率改善に寄与しています。

一方、市場賃料の上昇を背景に、新規案件については慎重に採算を見極めながら取り組んでいます。また、低採算物件の整理やオーナー売却に伴う集金代行への切り替えなども進めました。その結果、収益性を重視したポートフォリオへの転換が進んでいます。

また、家賃保証事業では自社管理物件を中心に展開しており、審査・回収体制を強みとして貸倒リスクを抑えた運営を行っています。さらに、IT投資による業務効率化を進め、属人的業務の削減にも取り組んでいます。

kenmo氏(以下、kenmo):事業ごとにおうかがいします。まず、不動産事業についてです。同業の上場企業も多くいらっしゃいますが、御社のポジショニングや他社と比較した優位性についてお聞かせください。

早川:不動産事業の強みとしては、業歴が20年以上あることだと思っています。その中で、先ほどお話ししたように、管理物件は約4,000戸あり、1都3県にエリアを集中させることで、オーナーさまからの信頼をしっかり確保していると認識しています。

オーナーさまと信頼関係を構築できてくると、周辺領域である原状回復工事やリフォームなどもご依頼いただけるようになります。こうした部分をしっかりと取り込めていることも、当社の大きな強みと考えています。

kenmo:足元で収益性は上昇している一方、スライドのグラフを見ると管理戸数がやや減少傾向にあるように見受けられます。このトレンドについてどのようにお考えでしょうか?

早川:先ほどご説明しましたが、都内物件では賃料水準が大幅に上がってきています。また、新築マンションの建て替え件数が減少していることも一因です。

当社としては、利益を確保できる物件に絞って営業やリーシングを行う方針です。無理に管理戸数を増やすのではなく、採算性の高い物件に集中するかたちを考えています。これにより、稼働率99パーセントを維持しながら、中古物件や次のビジネスチャンスを見極めていきます。

kenmo:足元や今後の都心のマーケット市況についてはどのようにお考えですか?

早川:この状況は今後も続くのではないかと考えています。したがって、東京都内の堅固なマーケットについては入居率99パーセントの水準を維持しながら、今後は1都3県以外のエリアでも事業を展開していきたいと考えています。詳細は後ほどご説明します。

ホテル事業(2026年3月期)

早川:ホテルセグメントについてご説明します。2026年3月期には、成田ゲートウェイホテルと倉敷ロイヤルアートホテルの2施設を運営していました。

ホテル事業(2026年3月期)

早川:ホテルセグメントの売上高は13億1,100万円、営業利益は9,800万円となりました。前期は厳しい状況でしたが、今期は黒字転換を実現し、収益改善が大きく進んだ1年となりました。

ホテル事業(KPI/成田ゲートウェイホテル)

早川:成田ゲートウェイホテルについてです。昨年12月後半以降、中国団体旅行者の減少という環境の変化がありました。しかし、その中でも個人旅行・FIT需要に加え、韓国、台湾、タイ、欧米圏など他地域への営業強化を進めていました。

その結果、ADR(客室単価)、OCC(稼働率)、RevPAR(販売可能客室1室当たり売上)のいずれの指標も前期を上回っています。市場環境が大きく変化する中でも、インバウンド集客のポートフォリオ分散を進め、自社ホームページやSNSなどの独自販路を強化しています。また、地元企業からの会議・宴会需要の取り込みや、日々のレベニューマネジメントを丁寧に行ったことも、収益改善につながりました。

倉敷ロイヤルアートホテルについても、大阪・関西万博や瀬戸内国際芸術祭などを背景にインバウンド需要を取り込むことができ、増収増益となりました。結果として、ホテル事業全体として増収増益となっています。

なお、倉敷ロイヤルアートホテルについては、後ほど事業譲渡の背景も含めてあらためてご説明します。

kenmo:ホテル事業がかなり改善してきている印象を受けますが、成田ゲートウェイホテルの足元の稼働についても強い状況が続いていますか?

早川:中国の団体客が減少したという状況がありましたが、韓国、台湾、欧米諸国などに営業を展開し、団体旅行から個人旅行に少しシフトしてきたように思います。

足元では、4月の桜シーズンに海外のお客さまが非常に多かったです。また、円安というトレンドもあり、インバウンドのお客さまをしっかりと取り込むことができたと考えています。この状況を今後も続けていきたいと認識しています。

投資事業(2026年3月期)

早川:投資セグメントについてご説明します。当セグメントでは、主に投資先のEXITによるキャピタルゲインが利益に寄与しました。

投資事業(2026年3月期)

早川:事業の中心は、海外で投資ファンドを展開するStriders Global Investmentと、国内で資金調達支援およびM&A関連業務を行うM&Aグローバル・パートナーズの2社です。2026年3月期は、保有投資案件の収益化が進んだことで売上計上につながりました。これが収益改善に大きく寄与した要因となります。

投資事業

早川:今年3月には「Omusubi Venture Fund」のファーストクローズが完了しました。当社に合わせて、海外の投資家のみなさまからもご出資いただき、まずは順調な立ち上がりとなっています。今後も追加の投資家募集を進めながらファンド規模の拡大を図り、より多くの有望なスタートアップ企業へ投資機会を創出していきたいと考えています。現在は立ち上がり段階ではありますが、将来的には当社グループの成長ドライバーの1つへ育成していきたいと考えています。

kenmo:投資事業の規模はまだ小さい状況ですが、将来的に「Omusubi Venture Fund」をどのようなポジションに育てていきたいですか?

早川:背景として、Striders Global Investmentという会社が、約10年前から東南アジアのスタートアップ約10社に投資を行ってきた経緯があります。その中で一定程度の知見・経験と実績を積んできたので、次は資金を調達し、ファンドとして運営母体を持つことを目指して取り組みを開始しました。今年3月に資金調達をファーストクローズしましたが、今後はさらに投資家のみなさまから資金を集め、より優良なスタートアップへ投資をしていく方針です。

このような戦略を通じて、当社グループとしては、不動産・ホテル・地域創生の文脈に加え、日本と世界をつなぐという位置づけを考えていきたいです。具体的には、海外の投資家さまが日本に投資をし、私たちがその架け橋となることで日本企業をさらに盛り上げていきたいです。

ストライダーズの沿革

早川:ここからは、選択と集中についてご説明します。当社グループでは、直近の3年間、コロナ禍の影響を大きく受けたホテル事業の立て直しとグループ事業の再構築を進めてきました。この期間は守りを固めながら収益基盤を整備する再構築フェーズであったと考えています。そして、2026年3月期において、一定の事業再編が完了し、次の成長ステージへ移行する準備が整いました。

その象徴となるのが、倉敷ロイヤルアートホテルの譲渡とホテル・アローレの取得です。これは単なる資産の入れ替えではなく、どの領域に経営資源を集中するかという観点から、資産効率性と成長性を重視したポートフォリオ再編であると考えています。今後はさらに不動産事業・ホテル事業・投資事業の3領域に経営資源を集中させ、持続的な成長につなげていきます。

倉敷ホテルの譲渡と加賀ホテルの取得を同時実行

早川:倉敷ロイヤルアートホテルの譲渡とホテル・アローレの取得についてご説明します。当社は2026年5月1日に倉敷ロイヤルアートホテルの事業譲渡を実施しました。同ホテルは約12年間にわたり運営を行い、地域に根ざしたホテルとして事業を展開してきました。一方、今後の成長投資を見据え、資本効率性やポートフォリオ最適化の観点から譲渡を決定しました。

また、同じタイミングで加賀温泉郷に位置するホテル・アローレの土地と建物を取得しました。加賀エリアは歴史や伝統文化があり、北陸新幹線延伸によるアクセス向上やインバウンド需要拡大など、成長ポテンシャルが高い地域であると考えています。

ホテル・アローレ

早川:ホテル・アローレは、温泉・リゾート・MICE機能を兼ね備えた大型施設であり、今後の成長投資の中核アセットとして位置づけています。今後は法人向けのMICE需要やインバウンド観光需要への取り組みを進めながら、成田ゲートウェイホテルとの連携も含め、当社グループならではのホテル戦略を推進していきます。また、「北陸マルシェ」というEC事業において、地域事業者との連携を深めながら地域創生に取り組んでいきます。

kenmo:今回倉敷ロイヤルアートホテルを譲渡し、新たに加賀のホテル・アローレを取得されましたが、御社のポートフォリオに地方ホテルを組み込む意味、すなわち、なぜ地方ホテルをポートフォリオに組み込んだのかについてお聞かせください。

早川:地方ホテルを持つ意味ということですが、すべての地方や地域にホテルを持つという考え方ではありません。当社が大切にしているのは、その地域に歴史や伝統文化がしっかりと根づいているかという点です。また、成田ゲートウェイホテルの例からもおわかりのとおり、インバウンドのお客さまが訪れるかも重要なポイントになっています。

その中で、地域が活性化していくことがホテルの新たなフェーズになっていると感じています。案件や事業を創出することで、ホテルが拠点となり、人・モノ・お金が循環する経済を作り出すことに挑戦しています。

不動産(選択と集中による収益体質強化)

早川:不動産事業については、選択と集中の観点から事業ポートフォリオの再構築を行いました。具体的には、不動産売買事業への依存を抑えつつ、賃貸管理を基盤としたストック収益の強化に取り組んでいます。

その中で、リフォームや家賃保証など、既存事業とのシナジーが高い周辺領域への展開を進めています。これまでマンションの原状回復工事は案件ごとの個別受注が中心でしたが、2026年3月期に日本橋TAKUMIを設立し、現在は建設業免許の取得を進めています。

これにより、賃貸管理を起点として、原状回復だけでなく、リノベーションや大型修繕まで一気通貫で対応できる体制を構築します。不動産管理を収益基盤としながら、周辺領域へ段階的に事業を拡大し、収益性の向上につなげることが目的です。

2027年3月期 連結業績予想

早川:2027年3月期の業績予想と成長戦略についてご説明します。業績予想としては、連結売上高が67億7,000万円、連結営業利益が2億円、年間配当は5円を見込んでいます。

2027年3月期は、当社にとって次の成長に向けた移行期間の1年になると考えています。倉敷ロイヤルアートホテルの譲渡や不動産売買事業の整理に伴い、売上高は一時的に減少する見込みです。

一方、利益面では収益性の高い領域へ経営資源を集中させることで、営業利益は前期を上回る水準を見込んでいます。すなわち、売上規模よりも利益の質を重視するフェーズに移行している点が、2027年3月期の特徴です。

成長戦略|既存事業の深化と周辺事業領域強化

早川:当社では、不動産・ホテル・投資それぞれの既存事業を進化させながら、周辺領域への展開を進めています。

不動産では賃貸管理を軸としたリフォーム領域、ホテルでは宿泊を軸とした観光・地域創生事業、投資ではファンド運営やヴィラ投資など、既存事業と近接領域を重ねていき、事業のシナジーを創出することを成長戦略としています。

不動産事業|成長戦略

早川:不動産事業では、都内の新築・中古マンション価格上昇により供給が減少しており、足元では建築コストの上昇が進んでいます。このような環境の中で、既存物件の価値を高めるリノベーション市場は、これからさらに重要かつ拡大していくと考えています。

こうした背景から、当社では日本橋TAKUMIを設立し、現在は建設業免許の取得を進めています。特に、築30年から40年前後の中古マンションに対して、独自のリフォーム・バリューアップを施すことで、資産価値と収益性の向上を図ります。これらの戦略を通じて、安定的な賃貸収益を確保しながら、資産価値向上による収益性の拡大を目指していきます。

ホテル|成長戦略(地域創生)

早川:ホテル事業では、成田ゲートウェイホテルを中核として「ホテルを起点とした地域経済圏の形成」を進めています。現在、成田国際空港拡張や周辺インフラ設備が進み、さらなる人口増加が見込まれています。その中で当社は「成田から世界へ」というビジョンのもと、宿泊だけでなく、観光・飲食・地域体験・物販までを含めた地域回遊モデルの構築を目指しています。

ホテル・地域創生|成田ゲートウェイホテルの施策

早川:具体的な施策としては、シャトルバス運営の内製化やロビーラウンジの自社運営などを進めています。外部委託から内製化へ移行することで、コスト改善とサービス品質向上の両立を図っています。

また、「Narita Select Journey」という自社ECサイトを立ち上げ、地域特産品や体験商品の販売を開始しています。さらに、事業構想大学院大学とのアカデミックな連携や、TKPとの会議・MICE分野における送客提携などを通じて、ホテルを単なる宿泊施設ではなく、人や企業が集まる地域拠点へ進化させます。

3セグメントのシナジーマップ

早川:3つのセグメントの連携によって生まれるシナジーについてご説明します。1つ目は、不動産事業とホテル事業の連携です。当社では、ホテル運営だけでなく、不動産の取得・保有・管理を含めた一体運営を進めています。特に成田エリアでは、空港関連企業向けの社宅・レジデンス管理や海外就労者の滞在需要など、不動産とホテル双方のノウハウを活かせる領域を強化していきます。

2つ目は、ホテル事業と投資事業の連携です。「Omusubi Venture Fund」を通じた地域企業への投資に加え、投資先企業のサービスやネットワークを、ホテル運営や地域事業へ活用することも視野に入れています。

3つ目は、投資事業と不動産事業の連携です。国内外の投資家ネットワークを活用し、不動産案件の取得や共同投資につなげていきます。

このように、当社グループでは各事業単独での成長に加え、3事業を組み合わせることで、新たな収益機会や地域価値の創出を目指しています。過渡期にある2027年3月期は、これらの連携を軸に、さらなる事業成長につなげる1年とします。

配当方針

早川:株主還元についてご説明します。当社では、成長投資を進めながら、株主のみなさまへの安定的な還元を重要な経営方針としています。2027年3月期の配当は、前期と同水準の1株当たり5円を予定しています。今後も配当性向30パーセントを目安に、業績や投資状況を踏まえながら継続的な株主還元に取り組んでいきます。

株主還元の強化|株主優待制度の再開

早川:株主優待制度を再開しました。この制度は、株主のみなさまへの感謝に加え、当社事業への理解を深めていただき、中長期的に当社を応援していただける株主層の拡大を目的としています。

優待内容としては、ホテルやECで利用可能なクーポン券、賃貸仲介手数料の割引サービスなどをご用意しています。さらに、ZIPAIR Tokyoとの業務提携により、航空券に交換可能なポイント優待も新たに導入しました。

今後も、配当と株主優待の両面から、株主還元の充実を図っていきます。

人的資本/地域創生の取組

早川:人的資本および地域創生の取り組みについてご説明します。Stage1は、地域と人材との接点づくりです。APU(立命館アジア太平洋大学)との連携により、寄付講座および成田フィールドワークを実施しました。成田ゲートウェイホテルを拠点に、観光、インバウンド、地域課題、まちづくりなどをテーマに、日本人学生・海外留学生が成田エリアで実践的に学ぶ機会を提供しました。

これは単なる教育支援ではなく、地域に多様な人材が関わる機会を創出する取り組みと位置づけています。このような活動を通じて、将来的な人的ネットワークや地域との連携強化につなげていきます。

Stage2では、地域課題を事業化する取り組みとして、成田事業構想プロジェクト研究を進めています。文部科学大臣認定プログラムとして、1年間、月に2回、全24回の研究プログラムを実施し、研究員が「成田エリアから生まれる新規事業」を構想し実行することをテーマに共同研究を行います。

Stage3は、中長期ビジョンである成田を起点とする「地域商社」構想です。成田・加賀・熊本を地域拠点として連携し、挑戦する人材や企業が集まることで、新たな事業や価値が生まれるプラットフォームの形成を目指しています。

以上で、当社の決算および今後の成長戦略についてのご説明を終了します。

質疑応答:事業モデルの他地域への横展開について

向井沙耶氏(以下、向井):「ホテル事業について、成田ゲートウェイホテルでは、単に宿泊稼働率を高めるだけではなく、『地域回遊』や『コト消費』まで踏み込んだ戦略を進めているとのことですが、このモデルは加賀など他地域にも横展開できる再現性があるのでしょうか?」というご質問です。

早川:再現性はあると考えています。基本的な考え方としては、ホテルを拠点として、宿泊事業やレストラン事業など、まずは内部事業をしっかりと強化することが重要です。そのうえで、人や情報が集まるプラットフォームになると考えています。加えて、加賀のような歴史や伝統文化がある地域では、成田で実際に進めているような事業モデルを展開できる可能性があると考えています。

一方、1社だけでは実現が難しいとも考えています。地域企業や新たなイノベーションを起こそうとしている若い人材が集まる地域では、再現性が高いと考えています。

質疑応答:事業構想大学院大学との取り組みと自治体どの連携について

向井:「事業構想大学院大学との取り組みは、自治体とも連携しているのでしょうか?」というご質問です。

早川:将来的には自治体との連携も進めていきたいと考えています。

地域創生のプロセスでは、アカデミックな学びの場が重要だと考えています。従来は地域の方々が東京や海外に学びに行くことが一般的でしたが、リモート環境の普及などもあり、現在は学び方や学ぶ場所が変化しています。

より深く新規事業や新商品を生み出すためには密接な交流が必要です。そのため、地域で時間をかけてさまざまな議論ができる環境が必要だと考え、今回まずは成田で取り組みを開始しました。今後は、千葉県をはじめとする自治体とも連携しながら、取り組みを拡大していきたいと考えています。

質疑応答:中長期的に目指す業態やグループ構想について

向井:「不動産・ホテル・投資の3事業を展開されていますが、中長期的にはどの事業を核として、どのような企業グループを目指しているのでしょうか?」というご質問です。

早川:本日ご説明したとおり、不動産・ホテル・投資の3事業が相互に連携する業態、地域創生プラットフォーム事業といった方向性で地域創生に資する事業体を目指しています。

その中で、不動産事業においては、1都3県での賃貸管理を中心とした展開から、今後は成田エリアでの賃貸管理や不動産取得、自社運営なども進めていきたいと考えています。

投資事業では日本の地域資産が海外投資家に魅力的に映っており、さまざまな案件の相談を受けています。このため、当社が橋渡し役となり、3事業を掛け合わせることで地域創生事業として発展させていきたいと考えており、その実現を担う企業グループになることを目指しています。

質疑応答:ホテル・アローレの魅力について

kenmo:「今回取得したホテル・アローレについて、経営陣として特に魅力を感じたポイントを教えてください」というご質問です。

早川:まずは立地面です。スライドに写真がありますが、2万坪の広大な土地と建物を有しています。小松空港から約10分、加賀市内からのアクセスも良好で、非常に好立地です。また、自然豊かな環境で、温泉や130室の客室、レストラン会場など、施設面でも充実しています。北陸エリア最大規模のMICE施設も備えており、700名規模の会議利用実績もあります。

今後は施設の再生を進めながら、インバウンド需要を一層取り込めるビジネスモデルを構築していきたいと考えています。

質疑応答:金利上昇が不動産・ホテル・投資の3事業に与える影響について

kenmo:投資家の方が最も気にされている点かと思いますが、足元では金利上昇が進んでいます。不動産・ホテル・投資の各事業における金利の影響について教えてください。

早川:当社としても金利上昇を踏まえた財務体制の構築を進めています。不動産事業においては、新築物件や入居審査などの一部で影響が出る可能性があると考えています。ホテル事業については、大型施設のため設備投資とのバランスを見ながら、自己資金と銀行からの借入を組み合わせて運営していきます。

一方、現時点では金利上昇によって観光需要や人々の回遊が大きく変わる状況ではないと認識しています。今後の状況を見ながら、臨機応変にサービス内容なども検討していきます。

質疑応答:2027年3月期業績予想の売上高減少要因について

kenmo:2027年3月期業績予想のうち売上高が大きく減少している要因は、倉敷ロイヤルアートホテル譲渡の影響が大きいという理解でよろしいでしょうか?

早川:主な要因は2点あると認識しています。1点目は倉敷ロイヤルアートホテルの事業譲渡、もう1点は先ほどご説明した不動産売買事業の再編です。

質疑応答:利益率向上を重視する方針について

kenmo:現在は利益改善を進めている局面かと思いますが、今後もしばらくは利益率向上を重視する方針なのでしょうか?

早川:そうですね。当社が重視しているKPIの1つが利益です。特に営業利益は企業の稼ぐ力を示す指標になると考えています。そのため、まずは利益率改善を着実に推進し、次の投資・成長フェーズにつなげていきたいと考えています。

質疑応答:リフォーム・原状回復工事の内製化による業績インパクトについて

kenmo:日本橋TAKUMIを設立し、リフォーム・原状回復工事の内製化を進めるとのことですが、利益改善や業績へのインパクトについて教えてください。

早川:先ほどご説明したとおり、現在は日本橋TAKUMIの建設業免許の取得を進めています。これまではマンションの原状回復を中心とした小規模な個別案件が主体でしたが、今後は500万円以上の大型工事も受注していきたいと考えています。内装のクロスや消耗品なども一気通貫で当社が対応することで、利益率改善につなげていきます。

質疑応答:今後のM&A戦略について

kenmo:今後のM&A戦略についてです。不動産事業・ホテル事業や周辺領域も含めて、特に強化したい領域がありましたら教えてください。

早川:当社は既存事業の周辺領域を拡大する成長戦略を進めています。自社で新会社を設立して展開するオーガニック成長のみならず、M&Aも必要な選択肢として位置づけています。

特に、不動産賃貸管理事業では管理戸数の拡大を目的にM&Aを検討しています。ホテル事業でも、地域創生や事業承継など、さまざまな地域課題に関連する領域でM&Aに取り組みたいと考えています。

質疑応答:「地域商社」構想について

kenmo:スライドに「地域商社」構想というキーワードがありますが、もう少し詳しく教えていただけますか?

早川:さまざまなモノの価値が変容する時代において、地域社会における商社の役割は非常に大きいと考えています。また、商社は単一の事業にとどまらず、周辺領域も含めて事業を展開していくことが重要だと認識しています。

当社も地域創生に取り組むにあたり、ホテルを拠点としながら必要なモノやサービスをつなげ、投資や共同事業を組み合わせることで、人や事業、地域資源の回遊を生み出していきたいと考えています。

このような考え方を当社では「地域商社」構想と位置づけています。地域の特産品や地域資源など各地域の魅力的なものを集約し、日本から世界に向けて発信・展開していきたいと考えています。

質疑応答:ホテル・アローレの取得に伴う株主優待について

kenmo:今回ホテル・アローレを取得されましたが、株主優待としてホテル宿泊特典があると投資インセンティブにもつながるのではと考えています。その点についてのお考えはありますか?

早川:当社ではすでに株主優待として、ホテルの宿泊クーポンを提供しています。現在は成田ゲートウェイホテルが対象ですが、今後はホテル・アローレも組み込んでいきたいと考えています。ぜひ株主になっていただき、ホテルの優待クーポンをご利用いただきたいと思います。

kenmo:現在あるのですね。

質疑応答:日本橋TAKUMIの事業展開のスケジュール感について

向井:「日本橋TAKUMIの稼働や事業展開はいつ頃を目途に進んでいく予定なのでしょうか?」というご質問です。

早川:現在は建築業免許の取得と並行して営業活動を進めており、2027年3月期は数千万円程度の案件獲得を目指しています。一方、工事案件は受注から施工まで一定の期間を必要とするため、2028年3月期以降に本格的な案件が寄与することを期待し、今期1年間は準備期間として体制整備、営業、受注活動などを中心に進めていく方針です。

質疑応答:ホテル事業黒字転換の要因について

向井:「ホテル事業は黒字転換しましたが、やはりインバウンドの影響が大きかったのでしょうか? それとも、内製化による収益構造改善の影響が大きかったのでしょうか?」というご質問です。

早川:両方の要因が大きいと考えています。売上成長の点では、トップラインが伸びなければ利益は出ません。一方、レベニューマネジメントや自社ホームページ経由での送客モデルの作成など、内製化も寄与しています。

利益改善の観点では、内製化の推進が大きく影響したと考えています。外部コストが上昇する中で、AIやITを活用しながら可能な業務を着実に内製化しました。業務を見直し、必要な部分に経営資源を集中させ、不要なものを取捨選択したことで、利益改善につながったと認識しています。

質疑応答:東南アジアのスタートアップ投資における注目分野について

kenmo:東南アジアのスタートアップ投資について、特に注目している分野があれば教えてください。

早川:特に注目しているのは、アグリカルチャーとヘルスケア分野です。当社は東南アジア、スリランカ、ベトナム、インドネシアなどの島国を中心に約10社に投資しています。

現地では社会課題が顕在化している一方、リープフロッグのようにテクノロジーが伸びてきて、事業化や課題解決が迅速に進展する点に大きな可能性を感じています。アグリカルチャーやヘルスケア分野では、その傾向がより顕著に見られると考えています。

今後は、東南アジアで成功したモデルを日本で展開するとともに、日本企業と東南アジア企業の連携を通じて成長につなげていきたいと考えています。

早川氏からのご挨拶

早川:当社は現在、再構築フェーズを終え、選択と集中による成長投資フェーズへと移行しています。2026年3月期に拡大した営業利益を一過性のものとせず、本日ご説明した事業ポートフォリオの最適化と成長投資を進めることで、新たな収益機会を着実に積み上げていきます。

今後も持続的な企業価値向上に向けて取り組んでいきますので、引き続きみなさまのご支援とご理解をよろしくお願いします。

本日はありがとうございました。

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