2026年2月期決算説明
コパ・コーポレーション、4期連続の赤字から脱却へ 「実演×AI」でデジタル実演販売の優位性を確立
目次

吉村泰助氏:株式会社コパ・コーポレーション代表取締役社長、吉村泰助です。今回の流れですが、まず2026年2月期の業績ハイライトをご説明申し上げ、続いて事業内容、当期の取り組み、成長戦略、翌期の業績予想、組織体制の順にご説明します。
さて、2026年2月期は、売上高が17億7,900万円と前期比13.3パーセント減となり、営業損失2億7,100万円を計上しました。4期連続の赤字決算という結果を、投資家のみなさまにご報告申し上げなければならないことを、心よりお詫び申し上げます。
加えて、2026年2月28日付で、上場維持基準のうち流通株式時価総額基準に抵触しました。基準値5億円に対し、現時点で未達の状況にあります。3ヶ月以内に適合計画を開示する予定です。この状況もしっかりとご説明申し上げます。
もちろん、こうした厳しい現実を前に、私どもが向き合うべき課題は明確です。当社経営理念第6項に「実演販売の精神を尊び、時代と共にその形を変え真にその商ゐを継承して発展させます。」とあります。この言葉を胸に刻み、4期連続赤字からの脱却と上場維持という2つの必達目標に、全社員一丸となって挑んでいきます。
どうか最後までお付き合いいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
業績ハイライト

それでは、2026年2月期の業績ハイライトについてご説明します。当事業年度の我が国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加により緩やかな回復の動きが見られました。その一方で、イラン情勢に伴う原油価格の急騰、ウクライナ紛争の長期化、台湾有事リスク、トランプ関税による地政学的圧力の高まりなど、消費者心理を慎重にさせる外部要因が重なりました。まさに、逆風と機会が極めて高い密度で共存する1年でした。
こうした環境下、当期の業績は以下のとおりです。売上高は17億7,900万円と、前期の20億5,200万円から13.3パーセントの減収となりました。売上総利益は6億5,700万円、粗利率は36.96パーセントです。販売費及び一般管理費は9億2,800万円となり、結果として営業損失は2億7,100万円となりました。
PLサマリー

前期の営業損失2億8,100万円と比較しますと、損失幅は約1,000万円縮小しています。経常損失は2億7,100万円、当期純損失は2億7,200万円です。前期の当期純損失が4億3,700万円でしたので、損失額としては前期比で約1億6,500万円改善しています。これは前期に計上したソフトウェア減損1億5,900万円が当期に発生しなかったことが主因ですが、損失改善そのものは前向きな変化として捉えています。
なお、当期は期末に販売見込みの低い在庫の処分を実施しました。これは財務体質の健全化と今後の在庫効率向上を目的としたものです。短期的には売上原価率の上昇をもたらしましたが、翌期以降の収益改善に寄与するものと考えています。
BSサマリー

財務面を見ますと、期末の現金及び預金は5億5,900万円を確保しています。総資産は11億5,200万円、純資産は7億6,700万円、自己資本比率は66.6パーセントと、財務の健全性は維持できています。継続企業の前提に関する注記も、当期は該当事項なしです。
2026年2月期 販売チャネル別売上高サマリー

販売チャネル別の概況に移ります。TV通販の売上高は8億1,000万円と前期比3.9パーセント減です。「ゴムポンつるつる」「パルスイクロス」「エアコンクリーナーAg消臭プラス」といった主力商品群は堅調に推移し売上を牽引しました。
一方で、一部新規導入商品の立ち上がり時期の影響や、一部既存商品の前年割れが響き、結果として若干下回る水準となりました。また、テレビ通販番組における企画放映の一部が翌期にずれ込んだことも、通期での未達要因の1つです。
ベンダー販売の売上高は3億3,100万円と前期比6.2パーセント減です。晴雨兼用折りたたみ傘「99Tsukumo傘」と新商品「瞬撥水Tsukumo傘」が堅調に推移し、傘シリーズすべてが全ベンダー売上の上位を占める主力商品として機能しました。
しかしながら、既存商品の多くが市場競争の激化や顧客ニーズの変化を受けて前年実績を下回り、傘の伸長分を相殺するかたちとなりました。
インターネット通販の売上高は5億4,500万円と前期比23.3パーセント減と、全チャネル中最大の落ち込みとなりました。「ゴムポンつるつる」「エアコンクリーナーAg消臭プラス」「カビッシュトレール」に加え、日本製包丁「鎬-shinogi-Neo」が堅調でしたが、販売SKU数が前期と比較して減少したことで、セッション数が低下したことが大きな打撃でした。前期に特別損失を計上した商品がなくなったことによるアイテム数の減少が、面での集客力低下に直結した構造的な要因です。
セールスプロモーションの売上高は3,300万円と前期比54.6パーセント減です。イベント出演案件の減少が大きく響きました。能動的なメンタリティを持つ実演販売士のリソース不足という構造的課題が、この結果に現れています。
デモカウの売上高は3,500万円と前期比5.8パーセント減です。「骨盤整隊カシャーンactive」「ゴムポンつるつる」「99Tsukumo傘」「瞬撥水Tsukumo傘」「鎬-shinogi-Neo」が売上を牽引しましたが、わずかに前年を下回る結果となりました。
わくたんの売上高は2,100万円と前期比7.9パーセント減です。ECサイト「デモカウ」を「わくたんマーケット」へリニューアルしブランド統合を実施し、集客力の強化に取り組みました。クラウドファンディングにおいては会員数およびプロジェクト数が増加し、プロジェクト単体の応援総額では当期中に2回、歴代最高額を更新しました。
「パルスイクロス」「ゴムポンつるつる」「鎬-shinogi-Neo」「極厚『角』フライパンCadono」が「わくたんマーケット」での売上を牽引しましたが、第4四半期にプロジェクト数が伸び悩んだことから通期では前年実績を下回りました。
会社概要

あらためて当社の事業内容についてご説明します。当社コパ・コーポレーションを一言で申し上げますと、実演販売の会社です。1998年10月の創業以来、実演販売のできる卸売業としてスタートし、実演販売のできる販売元へと発展を遂げ、2020年6月に東証グロース市場に上場しました。
事業系統図

当社の事業は実演販売関連事業の単一セグメントですが、TV通販、ベンダー販売、インターネット通販、セールスプロモーション、デモカウ、わくたんという複数の販売チャネルにより展開しています。
販売戦略①

なぜこれほど多様なチャネルで販売するのかと申しますと、消費者における「納得」という心理は、五感から入ってくる情報が一致したときに初めて生まれるからです。
現代の消費者は、テレビで見る、ネットでほかのお客さまの声を聞く、店頭で触る、というすべての体験を通じて初めて納得して購入に至ります。ゆえに、当社では「見るテレビ通販」「聞けるネット通販」「触れる店頭販売」という異なるチャネルを有機的に連動させています。この販売戦略を「3Dマーケティング販売戦略」と呼んでいます。
当社の強み・競争力の源泉

当社の最大の強みは、実演販売界で唯一の上場企業という立場と、36年以上にわたる実演販売の実績から積み上げてきた実演トークの集積にあります。数々のヒット商品を生み出してきたプロの実演販売士を組織的に擁し、さらにその上位クラスとして「実演アンカーマン」を社員として4名在籍させています。実演アンカーマンは、売るだけでなく顧客ニーズを反映した商品企画まで担える、当社の競争力の核心をなす人材です。
当社の強み:実演販売で唯一の上場企業

また、実演販売士育成講座「売の極意塾」は、36年分の実演トーク原稿を基に「売れる文法」を体系化した当社のノウハウです。この蓄積された実演トークのロジックこそが、アンソロピック・ショックに象徴されるAI時代において、最も希少で最も価値の高い資産であると認識しています。当社が30年以上蓄積してきた業務ロジックは、ライバルには容易に模倣できないものです。
AI活用によるトレーニングの効率化

続いて、当期における主な取り組みをご報告します。第1に、AIを活用した業務変革です。
当期の最大の成果の1つが、株式会社Sapeetとの共同による「実演トークスクリプト自動生成システム」の開発です。私の著書『アキバ発!売の極意』で言語化した5つの販売メソッドをはじめ、当社が30年以上にわたり現場で蓄積した実演ノウハウを生成AIとして組み込んだシステムです。
商品名や価格、パッケージ画像をアップロードするだけで、実演口上のドラフトが即座に生成されます。従来8時間かかっていた口上作成が約5分で完成するようになり、作成時間を大幅に削減する成果を上げています。
この成果を受けて、実演販売士育成講座「売の極意塾」の全面AI化も完成しました。基礎コースの受講期間を9日間から3日間へと短縮し、しかも通常は基礎コース外であった商品研修まで3日間の中で完結できるようになりました。当期の「売の極意塾」実施回数は10回です。
また、AI導入による業務改善は、全社的な生産性向上とコスト削減に大きく貢献しています。具体的な事例としては、総務部門での社内問い合わせ対応をAIチャットボットで代替、直営店のデモカウでは多くのインバウンド顧客がいらっしゃるため、生成AIを活用した多言語でのポップ作成を行っています。また、CS部門ではAIによる電話自動応答を導入し、顧客対応の自動化を進めるとともに24時間365日の顧客対応が可能となりました。
このような取り組みを通じて、生成AIが各部門の業務効率化、コスト削減、そしてサービス品質向上に貢献し、全社的な生産性向上に繋がっています。
デジタル実演販売の展開

第2に、わくたんマーケットへの統合とAI通販の開発です。2026年1月、「デジタル領域での実演販売の開始予定およびサービス統合に関するお知らせ」を開示しました。店頭実演・テレビ通販で培ってきた実演販売の強みをデジタルでも提供すべく、AI技術を活用したオンライン実演の開発を進めています。
2026年3月より「わくたんマーケット」の主要商品ページへ順次提供を開始しています。これは、ECサイトの商品ページにおける「魅力が伝わらない」「使用感がイメージできない」といった課題を、長年の実演販売ノウハウをナレッジ化した生成AIで解決するものです。
また、クラウドファンディング機能を「わくたんマーケット」に統合し、オンライン実演・クラウドファンディング・EC機能を一体化することで、商品との接触から購入までの導線を一層スムーズにしていきます。
PB商品(プライベートブランド)の発売

第3に、新商品の開発と供給体制の強化です。当期は実演アンカーマンが複数の新商品を開発しました。2025年11月には超低反発インソール「Nu:ma(ヌーマ)」を先行販売。2026年2月には、カラー生地を使用しながら遮光率およびUVカット率100パーセントを実現した三層構造の折りたたみ傘「Tsukumo Colors」の先行販売を開始しました。全6色のバイカラーデザインで軽量約220グラムという次世代の傘シリーズです。
物流・コスト構造の改革

第4に、物流・コスト構造の改革です。当期は3つの倉庫を統合し、大幅な物流費削減を実現しました。また先ほど申し上げたような生成AIを活用した業務改善によって、特に外部委託費の最適化が実現しています。コスト構造の改革において具体的な成果が出てきている点は、翌期の収益改善に向けた確かな布石です。
実演販売士の体制強化

第5に、劇団ゲキコパ旗揚げと実演販売士の採用・育成です。当期は「劇団ゲキコパ」を旗揚げしました。20代の若手演者が全国的に減少している現状を踏まえ、舞台と実演販売を融合させた新たな人材育成の場として設立したものです。
演じる力と売る力を同時に磨く環境を整えることで、実演販売士のリソース不足という構造的課題の解決を目指しています。店頭実演販売の実施回数は約125件と大幅な増加となっており、実演販売の現場復活という方向性は着実に前進しています。
実演販売ページを拡充

それでは翌期の成長戦略についてご説明します。当社は「4期連続赤字からの脱却と上場維持の確立」という、待ったなしの正念場を迎えています。すなわち、2027年2月期は当社にとって絶対に黒字化を実現しなければならない1年です。
その成長戦略の柱は3つです。1つ目の柱は「AI通販によるコパにしかできない強みの確立」です。「わくたんマーケット」を進化させ、購入機能は維持しつつ、デジタル実演販売ページを大幅に増やします。これらのページがLP(ランディングページ)やSNS施策のクッション・ランディングページのような役割を果たし、EC内の購入だけでなく、他の購入場所への送客もスムーズに行えるプラットフォームにします。
また、実演トークスクリプト自動生成システムをバージョンアップし、生成AIによりページ作成を自動化し、商品ページや実演販売ページの作成速度を格段に向上させます。この仕組みにより24時間365日、オンライン上での実演販売を実現し、自社ECの効率性を一層高めた構造に進化させたいと考えています。
ここで申し上げたいのは、AI革命の時代において、「何をどのように売るか」という業務ロジックそのものを持っているかどうかが競争優位の源泉となっているということです。当社が30年以上蓄積してきた実演販売の口上ロジックは、ライバルには持てない最大の参入障壁です。この資産を生成AIに組み込むことで、「実演×AI」という当社にしかできない融合を世界に示していきます。
クロスメディア展開による集客力の強化

2つ目の柱は「クロスメディア展開による集客力の強化」です。前期でも申し上げましたが、テレビ取材・テレビ通販のハロー効果を中心とした従来の集客モデルは、メディア環境の急速な変化に対応しきれていない状況です。翌期は集客チームを結成し、SNS・ネット広告の一元管理を推進していきます。
また、インターネット通販の広告運用を、高還元率の施策への集中という構造へと転換させます。この方針により、過剰な集客コストを抑制すると同時に、全体的な広告効率をさらに向上させます。
店頭実演の実施数最大化

また、ベンダー販売ではTsukumo傘シリーズの販売強化を最重要施策として位置づけています。5月から店頭実演を本格開始し、SNSやプレスリリースなど多角的なアプローチにより、実演販売の周知と商品認知を後押しします。これにより、商品の露出を最大化します。
実演販売士の補充・育成による人材基盤の整備
3つ目の柱は「実演販売士の補充・育成による人材基盤の整備」です。バイフルエンサーオーディションの開催、AI版「売の極意塾」トレーナーの横展開、声優学校やモデル事務所からの外部採用・スカウトを並行して推進します。新たな実演販売士としてとなりのハンニャがデビューするなど、実演販売士の多様化と増強を図っていきます。
経営理念第4項に「実演販売を商ゐの王道と考えて大切にし、その可能性を追求する総合商社であり続けます。」とあります。AI通販、クロスメディア展開、実演販売士の育成、これら3つの柱はすべて「実演販売の可能性を最大化する」という1点に収束しています。テレビ・店頭・デジタルを縦横無尽につなぐ当社の3Dマーケティング販売戦略を、AI時代に即したかたちで進化させていきます。
組織体制
次に組織体制についてご説明します。当期末の体制は、役員7名、社員37名で構成されています。
実演販売士の現況について申し上げます。当期末時点で実演販売士は合計19名、うち業務委託が8名、社員実演販売士が11名です。
実演アンカーマンは現在4名在籍しています。商品開発課課長のラショーモン亀山をはじめ、トロビス米谷、ゴット橋爪、デイジー佐藤の4名が、テレビ通販の実演からPB商品の企画まで幅広く担っています。新商品の「瞬撥水Tsukumo傘」「Nu:ma」「Tsukumo Colors」など、すべて実演アンカーマンが企画した商品です。
また、AI活用による業務効率化を推進し、収益に直結する業務へのリソース再配置を推進します。各部門における定型業務および標準化プロセスへのAI導入により、業務の実行時間を短縮し、従業員はより付加価値の高い業務に注力できるよう体制を整えています。
これをベースとした「人員増強なしでの生産性向上」の方針が、翌期の黒字化達成に向けた組織運営の基本方針です。
2027年2月期業績予想

では、2027年2月期の業績予想についてご説明します。売上高については18億200万円、前期比約1パーセント増を見込んでいます。営業利益は100万円、経常利益は200万円、当期純利益は200万円を予想しています。すなわち、4期連続の赤字からの脱却、黒字転換を達成することを翌期の絶対的な使命として位置づけています。
また翌期の粗利率目標は当期の37パーセントから改善を見込んでいます。これは販売SKU数の拡充、傘シリーズをはじめとする高粗利商品の販売強化、そして在庫処分完了による原価率の改善によるものです。
販管費については当期の9億2,800万円から大幅に削減します。削減の具体策は、広告費の最適化、AI活用による業務委託費の構造的見直し、わくたんとわくたんマーケットのサービス統合に伴うインフラコストの統括によるものです。これらの施策を通して、不要なコスト構造を整理し、粗利額で販管費を上回る構造への転換を目指していきます。
投資家のみなさまに申し上げたい最も重要な点は、上場維持の実現です。翌期の営業黒字化達成とIR活動による株価回復を通じて、上場維持の条件を整えていきます。
また、2026年5月28日開催予定の第28期定時株主総会において、資本金を減少して1億円とし、資本準備金を全額減少して、いずれも「その他資本剰余金」に振り替える無償減資の承認を付議する予定です。効力発生日は2026年7月15日の予定です。
本件は払戻を行わず、発行済株式総数にも変更を生じるものではなく、財務体質の健全性を維持しながら機動的かつ柔軟な資本政策及び財務戦略を可能とするための資本構成の適正化措置です。
経営理念第1項に「やさしさと感動を売って笑顔と感謝を稼ぎ、みんなのための糧とします。」とあります。投資家のみなさまのご期待に応えることもまた、この「みんなのための糧」の一部です。翌期の黒字化を必ず達成し、みなさまにご報告できることを強くお誓い申し上げます。
私からは以上です。ありがとうございました。
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