2026年3月期決算説明
アートネイチャー、売上高は上場来最高を更新 増収と経費運用見直しで営業利益47.6%増の大幅増益
2026年3月期:売上は上場来最高・営業利益+47.6%の大幅増益

五十嵐祥剛氏(以下、五十嵐):株式会社アートネイチャー、代表取締役会長兼社長の五十嵐です。本日はご多忙の中、決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。
2026年3月期の決算概況と、2026年度を初年度とする長期経営計画「ARTNATURE 2.0」ならびに新中期経営計画「アートネイチャー Frontierプラン」の概要について、私からご説明します。その後、経営企画部長の本多より、具体的な戦略と施策についてご説明します。
まず、2026年3月期の決算概況についてご説明します。当期の連結業績は、売上高が446億円で前期比2.9パーセント増の増収となり、営業利益は32億1,900万円で前期比47.6パーセント増と大幅な増益となりました。
売上高の部門別では、メンズが2期連続の増収、レディースは4年連続で過去最高を更新しました。営業利益は計画を約4億円上回っています。一方で、売上高は計画に対して6.3パーセント未達でした。
主な要因は、新領域事業の獲得に至らなかったことです。営業利益の改善については、増収に加え、効率的な経費運用による販管費圧縮の効果が寄与しています。
10年業績推移:売上は上場来最高、営業利益は中計期間最高

スライドの過去10期の業績推移をご覧ください。売上高は上場来最高を更新し、営業利益もコロナ禍前の水準を達成しました。
前中計の振り返り:最高売上は達成なるも経営指標は計画未達

ここからは、長期経営計画「ARTNATURE 2.0」と新中期経営計画「アートネイチャー Frontierプラン」の概要をご説明します。
前中期経営計画の振り返りです。前中期経営計画最終年度の当期において、売上高は446億円と上場来最高を更新しました。一方で、当初計画の売上高523億円、経常利益率10.0パーセント、ROE10.3パーセントには届きませんでした。
実現できなかった主因は、来店顧客数の減少と新領域事業の獲得が進まなかったことにあります。この結果については、私を含む経営陣がその責任を重く受け止めています。
前中計の振り返り:来店顧客数の減少が売上計画未達の主因

スライドは、前中期経営計画期間における主要商品の売上高と来店顧客数の推移です。主要商品の売上高は、当期に男女とも前年を上回り、特に女性は108.8パーセントと大きく伸びました。
一方、来店顧客数は男性が99.0パーセントとほぼ前年並みだったのに対し、女性は95.9パーセントと新規顧客の獲得に苦戦しました。
売上計画未達の最大の要因は、女性の新規顧客に対する訴求力が不足していたことだと認識しています。その背景には、SNSを中心としたデジタル販売チャネルへの対応が遅れたことがあります。
新中期経営計画では、顧客基盤の強化を目的に、新規獲得モデルの再設計を進めていきます。
前中計の振り返り:新領域の事業の獲得は未了、新中計で必達へ

新領域の事業獲得についてです。当社は2020年以降、複数のM&Aや新規事業案件を検討してきましたが、獲得には至りませんでした。
新中期経営計画では、新領域への挑戦を重点課題の1つに加え、既存事業とのシナジーや中長期的な資本収益性を満たす案件の獲得に向けて前進していきます。
サステナビリティ推進:持続的な企業価値向上への取組み

持続的な企業価値向上に関する取り組みについてです。バングラデシュの新工場が昨年末より稼働を開始し、生産拠点の分散化を実現しました。
営業・管理体制においては、人員の充足やデジタル人材の育成に課題が残っています。これらの課題は、新中期経営計画において解決を図っていきます。
サステナビリティ推進:持続可能な社会の実現への取組み

持続可能な社会の実現に向けて、全店舗でのLED化や再生可能エネルギーの導入を進めてきました。また、病気治療により毛髪に悩む従業員およびその親族向けに、医療用ウィッグ支援制度を導入しました。
引き続き「ふやしたいのは、笑顔です。」をモットーに、さまざまな事業活動に取り組んでいきます。
株価・PBR:株価は改善も、PBR1倍の壁は超えられず

株価とPBRの推移です。株価は改善してきた一方で、PBRは2022年以降おおむね0.9倍から1.0倍の間で推移しており、2026年3月末には0.98倍となりました。これは、当社の成長性と資本収益性に対する市場評価であると受け止めています。
新中期経営計画では、ROEの向上と市場との対話を通じて、PBR1倍超の定着を目指します。
株主還元:配当方針の新設と株主優待制度の導入を実施

前中期経営計画では、株主還元の拡充にも取り組みました。2023年度には、連結配当性向40パーセント以上を基本とし、年間28円を下限とする配当方針を導入し、当期は2円の増配を決定しました。また、2025年度から株主優待制度を導入しました。
振り返りの総括:5つの重点課題を抽出、新中計で解決へ

ここまでの振り返りを総括します。前中期経営計画を通じて明確になった課題は、顧客数の減少、商品原価の上昇、効率性改善の不足、新領域の獲得失敗、そして人的資本における問題です。
これを踏まえ、新中期経営計画では「顧客規模の増強」「生産基盤の強化」「効率性の向上」「新領域への挑戦」「人的資本の強化」の5つを重点課題として設定しました。新中期経営計画の成否は、この5つを実効性を持って解決できるかにかかっています。
事業環境:国内毛髪業市場は回復途上、コロナ前水準には未達

事業環境についてです。国内毛髪業市場は、2015年度の1,402億円から2024年度には1,195億円と、この10年間で約15パーセント縮小しており、構造的な縮小傾向にあります。このため、既存市場の深掘りと新領域の開拓を同時に進める必要があります。
事業環境:市場縮小下でもシェアは上昇、国内での競争優位は拡大

一方で、国内毛髪業市場における当社シェアは、2015年度の28.9パーセントから2024年度の36.2パーセントへと上昇しています。市場が縮小する中でも、当社の商品やサービスが選ばれ続けてきた結果だと受け止めています。
新中期経営計画では、この競争優位をさらに強化していきます。
事業環境:機会とリスクが併存

事業環境には機会とリスクが存在します。機会としては、内需の底堅さ、アクティブシニアの増加、SNSの普及、AI活用の進展などが挙げられます。一方で、為替相場の不安定化、物価高、少子化、隣接業界との競争激化といったリスクも存在します。
今後の事業環境:毛髪関連ニーズは生活領域へ拡張

今後の事業環境を踏まえると、男性市場では潜在顧客の取り込みとLTVの向上、女性市場では新しい販売チャネルの開拓が重要となります。また、毛髪ケアにとどまらず、生活全体に関わるサポートへ広げていくことが重要だと考えています。
長期ビジョン:世界一のウィッグライフメーカーへ

当社は、2026年から2035年までの10年間を長期経営計画「ARTNATURE 2.0」と位置付け、長期ビジョンとして「『世界一のウィッグライフメーカー』を目指す」を掲げました。
ここで言う「世界一」とは、単なる規模のことではありません。毛髪ケアにとどまらず、お客さまの豊かな生活に必要なモノやコトを総合的に提供し、最も選ばれる存在になることを指しています。
まずは、新たな中期経営計画の4年間で、国内事業の基盤強化と新領域への挑戦を具体化していきます。
新中計の概要:売上599億円・ROE 9.2%へ

スライドは、新中期経営計画「アートネイチャー Frontierプラン」の概要です。主要な計数目標として、2030年3月期に売上高599億円、経常利益率6.7パーセント、ROE9.2パーセントを目指します。
新中計のロードマップ:仕込み期→育成期→収穫期の4年

新たな中期経営計画の4年間は、「仕込み期」「育成期」「収穫期」の3段階で進めます。初年度は、事業基盤の強化や新領域への挑戦に向けた先行投資を行う「仕込み期」の段階です。その後、施策を定着させ、売上拡大と収益性の改善につなげていきます。
まずは、国内で確実に競争に勝てる体制を築き、海外展開への準備を進めていきます。
計数目標:最終年度599億円・ROE9.2%へ

スライドは、新中期経営計画の計数目標です。初年度となる2027年3月期は、売上高を484億円と見込む一方で、一時的な減益を計画しています。これは、仕込み期として先行投資を集中的に行うためです。
増収でありながら一時的に減益となるのは、国内で勝ち抜く体制を築くうえで、避けて通れないものと考えています。重要なのは、この投資を2年目以降の売上成長と収益性の改善につなげることです。
なお、2年目以降の計数目標については、新リース会計基準の適用を踏まえ、来年5月にあらためて示す予定です。
株主還元:成長投資と両立しつつ、配当下限28円を維持

株主還元方針についてです。当社は、年間配当28円を下限とし、ROEが10パーセントを超えるまでの間は、連結配当性向を50パーセント以上とする方針を基本としています。
新中期経営計画初年度も下限配当28円を維持する方針です。成長投資と株主還元のバランスを取りながら、企業価値の向上に努めていきます。
私からのご説明は以上です。ありがとうございました。
2026年3月期 連結損益計算書の概要

本多敏男氏(以下、本多):上席執行役員経営企画部長の本多です。2026年3月期の決算実績を計数面から補足した上で、新中期経営計画「アートネイチャー Frontierプラン」の具体策、2027年3月期の業績計画についてご説明します。
2026年3月期連結損益計算書の概要についてです。2026年3月期の売上高は446億円で、前期比2.9パーセント増と上場来最高を更新しました。内訳として、メンズが232億7,400万円、レディースが197億4,900万円となり、特にレディースの伸長が全体の増収に寄与しています。
利益面では、原価率が33.2パーセントとなり、前期から0.6ポイント改善しました。販管費率は59.6パーセントで、前期から1.6ポイント低下しました。広告宣伝費を中心に経費運用を見直したことが、利益改善につながりました。
この結果、営業利益は32億1,900万円で前期比47.6パーセント増、経常利益は34億5,100万円で前期比53.4パーセント増となりました。当期は、売上拡大と経費抑制が利益向上につながった決算だったと捉えています。
設備投資は約24億円で、店舗設備、システム関連、バングラデシュ新工場関連を中心に実行しました。今後の成長を見据えた基盤整備も計画的に進めています。
商品・サービス別売上高(単体/男女計)

スライドは、商品・サービス別売上高(単体/男女計)を示しています。なお、本ページからは商品・サービス別の数値を単体ベースで記載しています。
全商品・サービスの合計は427億2,400万円で、前期比3.1パーセント増となりました。全体的には新規販売がやや弱含む一方で、リピート販売と「ジュリア・オージェ」の伸長が売上を支える形となりました。
主力のオーダーメイドウィッグでは、新規販売が前期比5.4パーセント減だった一方、リピート販売が前期比3.5パーセント増となり、合計で225億200万円と前期比1.9パーセント増となりました。
増毛商品の売上高は43億5,500万円で、前期比11.2パーセント増、「ジュリア・オージェ」の売上高は50億600万円で、前期比4.5パーセント増と堅調に推移しました。
一方、全商品・サービスの新規販売は前期比1.0パーセント減となりました。今後の成長に向けて、新たなお客さまとの接点をどのように増やしていくかが重要な課題です。
商品・サービス別売上高(単体/男性)

男性向け事業の状況です。売上高は合計232億7,400万円で、前期比0.5パーセント増となり、2期連続の増収を達成しました。
商品別では、オーダーメイドウィッグが前期比1.0パーセント減となった一方、増毛商品は前期比5.7パーセント増となりました。特に増毛商品の新規販売が前期比17.5パーセント増と大きく伸び、全体を下支えしました。
男性向け事業は当社の安定的な収益基盤です。今後は増毛商品の好調を維持しながら、SNSやWebを活用して、新規のお客さまの獲得と既存のお客さまの継続利用につなげていきます。
商品・サービス別売上高(単体/女性)

女性向け事業の状況です。売上高は合計185億2,800万円で、前期比6.7パーセント増となりました。新規販売は前期比3.8パーセント減と課題を残しましたが、リピート販売が前期比11.6パーセント増、「ジュリア・オージェ」が前期比4.5パーセント増となり、全体を押し上げました。
特に、オーダーメイドウィッグのリピート販売は前期比14.2パーセント増と、高い伸びを示しています。
女性向け事業では、既存のお客さまの買い替え需要を着実に取り込んでいます。一方、新規顧客の獲得回復は引き続き課題です。新たな販売チャネルや商品・サービスの提案を通じ、顧客基盤の拡大を図ります。
2026年3月期 連結経常利益の増減要因

連結経常利益の増減要因についてです。連結経常利益は34億5,100万円となり、前期比12億100万円、53.4パーセントの増益となりました。主な増益要因は、増収による売上総利益の増加と広告宣伝費の抑制です。また、営業外損益の改善も利益の押し上げに寄与しました。
一方で、全社的な給与水準の改定、DX推進に伴うシステム償却費、バングラデシュ新工場や株主優待関連の費用など、必要なコストも発生しています。これらのコスト増を吸収しながら大幅な増益を実現できたことは、当期の大きな成果です。
今後は成長投資を進めつつ、利益向上の流れを持続可能なものにしていくことが重要です。
主要商品の月次売上推移(前年同月比)

主要商品の月次売上は、スライドに記載のとおり、全体で前期比103.2パーセントとなりました。男性は前期比100.1パーセントでほぼ前年並みまで回復し、女性は前期比108.8パーセントと大きく伸びています。
特に女性向けは期末に向けて力強い動きが見られ、当期の増収を牽引しました。男性向けについても、増毛商品を中心に回復傾向が見られます。
今後、この売上回復を一過性のものとせず、継続的な成長につなげていくことが重要です。そのためには、商品力に加え、お客さまとの接点を広げる取り組みを進めていきます。
月次延べ来店顧客数(前年同月比)

スライドのとおり、来店顧客数は全体で前期比98.0パーセント、男性は前期比99.0パーセント、女性は前期比95.9パーセントとなり、前年を下回りました。売上は伸びていますが、来店顧客数が減少している点は重要な課題と認識しています。
現状、リピート販売や単価の向上が売上を支える一方で、来店顧客数の裾野を広げる余地があると考えています。そのため、新中期経営計画では顧客基盤の増強を重点課題の1つに掲げ、新規獲得モデルの再設計と既存顧客との関係強化を進めていきます。
価値創造ストーリー

ここからは、中期経営計画「アートネイチャー Frontierプラン」の具体策についてご説明します。会長から説明のあった5つの重点課題について、実行面を中心にお話しします。
スライドは、本中期経営計画における価値創造ストーリーです。当社は、長年培ってきた品質、技術、お客さまとの接点を活かし、世界一の「ウィッグライフメーカー」を目指します。
これは、毛髪ケアを中心にお客さまの豊かな生活を支える商品・サービスへと提供範囲を広げていくという考え方です。本中期経営計画では、その第一段階として5つの重点課題に取り組み、業績の拡大と企業価値の向上の両方を実現していきます。
資料にある5つの重点課題、「顧客基盤の増強」「生産基盤の強化」「効率性の向上」「新領域への挑戦」「人的資本の強化」を、この4年間で段階的に進めていきます。
重点課題(①顧客基盤の増強)

1つ目は、顧客基盤の増強です。新規獲得モデルの再設計、リピート周期の短縮化、LTVの最大化の3つに取り組みます。
来店顧客数の減少は大きな課題です。従来の顧客設定に加え、WebやSNSなどのデジタル接点も活用し、相談や来店につながる導線を強化していきます。また、既存のお客さまとの関係を深め、買い替えや追加提案の機会を増やすことで、LTVの最大化を目指します。
重点課題(①顧客基盤の増強)

既存のお客さまとの関係強化に向けた取り組みの1つが「生活コンシェルジュサービス」です。既存のお客さまとの接点を活かし、毛髪関連にとどまらない商品やサービスに関わる提案にまで広げていくサービスです。
当社には、長年にわたって培われてきたお客さまとの信頼関係があります。この接点を最大限活用し、お客さまの生活に関わる幅広いニーズに応えていくことで、顧客満足度とLTVの向上を目指します。
重点課題(②生産基盤の強化)

2つ目は、生産基盤の強化です。ここで中心となるのは、当社のバングラデシュ新工場を次世代の主力拠点として育成する取り組みです。生産拠点を強化することで、原価の安定化、供給力の向上、サプライチェーンリスクへの対応につなげます。
今後は品質を維持しながら、新工場の稼働を安定させ、当社の成長を支える生産体制を整えていきます。
重点課題(③効率性の向上)

3つ目は、効率性の向上です。店舗資産の適正化と有効活用、さらに生成AIやDXの活用による業務効率化に取り組みます。
今後の成長には、売上を伸ばすだけでなく、限られた人員や店舗をより効率的に活用することが必要不可欠です。店舗、システム、業務プロセスを見直し、生産性をさらに高めることで、収益性の改善につなげていきます。
重点課題(④新領域への挑戦)

4つ目は、新領域への挑戦です。国内における新たな成長エンジンの獲得と、将来の海外展開に向けた準備を進めます。
前中期経営計画では、新領域の事業獲得が課題として残りました。本中期経営計画では、本業との親和性や収益性、将来の成長性を見極めながら、新たな事業機会を検討していきます。
全社の成長を図るため、既存事業に依存するのではなく、毛髪を起点とした周辺領域へ事業を拡大していきます。
重点課題(⑤人的資本の強化)

5つ目は、人的資本の強化です。採用、育成、処遇改善を通じて、事業成長を支える人材基盤を整備します。
本中期経営計画に掲げる施策は、最終的には現場で実行されるものであり、スタイリスト、営業、管理部門を含めた社員一人ひとりが力を発揮できる体制作りが重要です。これを人材への投資および将来の成長に必要な基盤への投資として位置付け、計画的に進めます。
重点課題(⑤人的資本の強化)

スタイリストについては、リスキリングを通じて労働生産性の向上を図ります。お客さまのニーズが多様化する中、技術力だけでなく、提案力や接客力、デジタルツールの活用なども重要になります。
教育体系を整え、現場の対応力を高めることで、お客さま満足度の向上と収益性の改善の両立を目指します。
事業ポートフォリオ

事業別戦略についてご説明します。本中期経営計画では、男性向け事業で得た利益を基盤構築に再投資し、それをもとに女性向け事業および女性向け既製品事業の売上成長と収益改善を両立させるため、重点的に投資を配分します。
スライドの図では、円の大きさが売上高、縦軸が成長性、横軸が収益性を示しています。男性向け事業は安定した収益基盤として、全社の投資余力を生み出す役割を担っています。一方、女性向け事業と女性向け既製品事業は将来の成長領域です。
これらの領域に経営資源を投下し、売上成長と投資効率の改善を図ることで、全社の成長を加速させていきます。
事業別戦略(男性向け事業)

男性向け事業では、安定的かつ持続的な成長を目指します。高付加価値商品の開発やサブスクリプション制度の拡大によって、価格競争に巻き込まれにくい事業基盤を構築します。
また、SNSやWebを活用して新規のお客さまとの接点を拡大することで、潜在顧客の掘り起こしを進め、長期的にご利用いただけるお客さまを増やしていきます。
男性向け事業は低成長ながら高い利益率を維持し、当社の安定的な収益基盤として全社の投資余力を生み出す役割を果たしていきます。
事業別戦略(女性向け事業)

女性向け事業では、新規のお客さまの増加による基盤強化を通じて、国内No.1を目指しています。既存のお客さまの買い替え需要は堅調ですが、さらなる成長のためには、新規のお客さまとの接点を増やすことが必要です。
高付加価値商品の投入に加えて、新たな販売チャネルや美容サービスとの連携を通じて、女性向け事業の成長をさらに加速させていきます。
事業別戦略(女性向け既製品事業)

女性向け既製品事業では、「ジュリア・オージェ」を中心に、安定した売上拡大と利益成長を目指します。店舗展開の見直しや既存顧客へのフォロー強化により、リピート販売体制を強化します。
既製品事業は、女性向け事業全体の成長を支える重要な領域です。店舗の魅力と接客力を高めることで、継続的な成長につなげていきます。
2027年3月期 通期連結業績計画

2027年3月期計画についてご説明します。2027年3月期は新中期経営計画の初年度であり、仕込み期と位置付けています。単年度の利益だけでなく、再成長に向けてどのような投資を行い、どのような基盤を築くのかが重要なポイントです。
2027年3月期は、売上高484億9,400万円、前期比8.7パーセント増を計画しています。内訳として、メンズが234億4,200万円、レディースが206億5,400万円、その他が43億9,800万円を見込んでいます。
その他の43億9,800万円は、新領域の事業を展開する企業が中心です。具体的な詳細については、案件が確定次第、あらためてご報告します。
利益面では、営業利益を25億円、経常利益を26億6,500万円、親会社株主に帰属する当期純利益を12億1,400万円と計画しており、前期比では減益の見通しです。
この減益は、仕込み期として再成長に向けた投資を先行させるためのものです。新領域への挑戦、人材への投資、物価高への対応などを織り込み、初年度は仕込みを優先する計画です。
なお、本日提示する計数目標は、現行のリース会計基準を前提としたものです。本中期経営計画期間中に新リース会計基準の適用が予定されており、適用後は貸借対照表や損益計算書などの財務諸表への影響が見込まれます。
これらを反映した計数目標の見直しについては、来年5月にあらためて公表する予定です。
2027年3月期 商品・サービス別売上計画(単体/男女計)

単体の商品・サービス別では、売上高は合計438億9,000万円で前期比2.7パーセント増を計画しています。
主力のオーダーメイドウィッグは227億6,800万円で前期比1.2パーセント増、増毛商品は44億2,500万円で前期比1.6パーセント増、「ジュリア・オージェ」は54億8,600万円で前期比9.6パーセント増を見込んでいます。
「ジュリア・オージェ」を中心に成長を目指すと同時に、他の商品カテゴリでも新規獲得モデルの再設計や販売動線の見直しを通じて、着実な増収を図ります。
2027年3月期 商品・サービス別売上計画(単体/男性)

男性向け事業では、売上高は合計234億4,200万円で前期比0.7パーセント増を計画しています。オーダーメイドウィッグは138億4,200万円で前期比0.4パーセント増、増毛商品は30億3,400万円で前期比2.3パーセント増を見込んでいます。
男性向け事業は、大きな成長を狙うというよりも、安定的な収益基盤として着実に伸ばしていく方針です。SNSやWebを活用した訴求を強化し、新規のお客さまの獲得と既存のお客さまの継続利用を推進します。
2027年3月期 商品・サービス別売上計画(単体/女性)

女性向け事業では、売上高は合計193億6,500万円で前期比4.5パーセント増を計画しています。オーダーメイドウィッグは89億円、前期比2.4パーセント増、「ジュリア・オージェ」は54億8,600万円、前期比9.6パーセント増を見込んでいます。
女性向け事業では「ジュリア・オージェ」の強化と新たな美容サービスの展開により、成長をさらに加速させます。新規のお客さまの獲得回復を図るとともに、既存のお客さまとの接点を広げ、女性向けシェア国内No.1を目指した基盤を強化していきます。
2027年3月期 連結経常利益計画の増減要因

2027年3月期連結経常利益計画の増減要因をご説明します。2027年3月期の経常利益は26億6,500万円を計画しており、前期比では7億円強の減益を見込んでいます。
利益面では、既存事業の伸長に加え、新領域への進出に伴うその他売上の増加を見込んでいます。一方で、事業基盤の強化および新領域に関する調整に伴う費用を織り込んでおり、新領域への進出による損益影響は、売上増と費用増が相殺されるかたちになっています。
2027年3月期は、将来の収益源を確保する「仕込み期」と位置付けています。この仕込みを着実に実行し、2年目以降の成長と収益性の改善につなげていきます。
以上で、私からのご説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:2026年3月期の業績結果と今後の課題について
司会者:「2026年3月期は売上高が過去最高を更新し、営業利益も計画を上回りました。一方で、売上高は計画未達となりました。当期をどのように総括されていますか?」というご質問です。
本多:2026年3月期は売上高が446億円と過去最高を更新し、営業利益も計画を上回る結果となりました。これはリピート販売や「ジュリア・オージェ」を含む既製品販売が堅調に推移したことに加え、広告宣伝費をはじめとする経費運用を見直したことが寄与したものです。
一方で、新領域事業の獲得ができなかったことや、新規お客さまの獲得に苦戦したため、売上高は計画に達しませんでした。この点は、当社としても重要な課題と認識しています。
広告宣伝費については、単年度だけを抑制したわけではなく、反響効率を踏まえて投下先を大きく見直し、効果の低い費用投下を抑えるかたちをとりました。今後も、必要な成長投資を行いつつ、広告効率や顧客獲得力の向上に努めていきたいと考えています。
質疑応答:本中期経営計画の全体像と売上高伸長の取り組みについて
司会者:「新中期経営計画では、売上高599億円を目指されていますが、既存事業の成長と新領域の獲得をどのように積み上げていくお考えでしょうか?」というご質問です。
本多:本中期経営計画の全体像として、初年度は事業基盤の強化と新領域への挑戦の準備期間とし、中期経営計画後半でその成果を収益につなげていくという考え方を持っています。
売上高の伸長については、まず顧客基盤の増強を基盤とした既存事業の成長を軸に考えています。その上で、「生活コンシェルジュサービス」の導入を通じて既存のお客さまとの接点を深め、LTVの向上やクロスセルによる売上の積み上げを目指します。
新領域の需要獲得についても、重要なテーマとして位置付けています。ただし、単に売上規模の拡大を追求するのではなく、当社の顧客基盤やブランドとの親和性、収益性および投資回収の可能性を重視し、明確な規律をもって取り組んでいきます。
質疑応答:株主還元と配当方針について
司会者:「前年度は年間配当30円で2円の増配でしたが、今年度は年間配当28円で2円の減配見込みとなっています。今後の株主還元についてはどのようにお考えでしょうか?」というご質問です。
五十嵐:株主還元は、当社にとって重要な経営課題の1つです。新中期経営計画においては、安定的かつ継続的な配当の維持を基本とし、年間配当28円を下限とする配当方針を継続しています。
2026年3月期には、増収に加えて経費運用の見直しにより利益が計画を上回ったことから、配当方針に基づき年間30円の配当を実施し、2円の増配となりました。
一方で、2027年3月期は新中期経営計画の初年度にあたり、顧客基盤の強化、生産基盤の強化、効率性の向上、新領域への挑戦、人材への投資に向けた計画的な投資を行う予定です。
現時点では、年間配当28円を見込んでいます。これは、株主還元に関する姿勢の後退を意味するものではなく、配当方針で定めた下限水準を維持しつつ、将来の成長投資との両立を図るものです。今後も、安定的な株主還元と中長期的な企業価値向上の両立を目指していきます。
質疑応答:女性向け商品の伸長について
質問者:女性向け事業を伸ばしていくということで、終了した中期経営計画では「ジュリア・オージェ」をさらに伸ばしたいというお考えがあったと思われます。「ジュリア・オージェ」について、ポテンシャルがありそうなところや、優れていると感じるサービスがあれば教えてください。
五十嵐:非常にお客さまの多様化が進んでおり、現時点でも「ジュリア・オージェ」は着実に年々成長を続けています。やはり商品性の改革が最も重要であり、お客さまの好みに応じた商品開発を行うことで、それが常に支持されています。
当社の得意とする分野でもあり、現時点でもこの傾向を継続しているため、今後も着実な成長が期待できる状況です。
質疑応答:新規顧客開拓の進捗について
質問者:デジタル施策についても解説がありましたが、現在進行中の施策で見えてきた効果や、「こうすれば成果が出る」と感じた部分があれば、進捗を教えてください。
五十嵐:新規顧客に関しては、やはり商品力、つまりヒット商品の開発が非常に重要となります。当社の開発部は、常にヒット商品を生み出すことを目指し、春と秋に新商品を発売しています。以前には、開発部で「フィーリン」という大ヒット商品を手がけました。
現在も、新商品の開発と告知に力を入れながら取り組んでおり、今後も新商品の提供を通じて売上拡大を図っていきたいと考えています。
質疑応答:新領域ビジネスの概要と中期経営計画期間中の獲得の可能性について
質問者:新領域のビジネスについて、どのようなものなのか教えてください。
本多:当社における新領域とは、国内において美と健康に関わる事業領域を指しています。当社は毛髪業を営んでいるため、その隣接領域においてシナジー効果を発揮できるものは何かを念頭に置き、現在模索している状況です。
これまでも多くの候補を検討してきましたが、最終的な合意には至らず、現時点ではまだ獲得に至っていません。今後は、その範囲をさらに広げ、しっかりと獲得できるよう努めていきたいと考えています。
質問者:獲得というのは、中期経営計画期間中に必ず達成できるものでしょうか? これまでもずっと探されてきて、結局できませんでした。当然、相手先の事情などさまざまな要因があると思いますが、計画どおり進められる見通しはあるのでしょうか?
本多:おっしゃるとおり、残念ながら過去3年間は達成には至りませんでした。現時点では、確約することが難しい状況です。しかし、当社としては獲得することを、最重要課題の1つと位置付けています。
中期経営計画期間中には、なんとしても獲得しようと検討を進めています。歯切れの悪い回答となり恐縮ですが、そのようにご理解いただければと思います。
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