【QAあり】アートネイチャー、中間期は前年比で増収増益 メンズ部門は2期連続減収から増収へ、レディース部門は過去最高を更新
2026年3月期 第2四半期(中間期)連結決算ポイント

内藤功氏(以下、内藤):アートネイチャー常務取締役の内藤です。本日は、私どものWeb決算説明会をご視聴いただき、誠にありがとうございます。まず、私から2026年3月期上期決算の概況と中期経営計画の進捗状況についてご説明します。
初めに、上期決算のポイントをご説明します。上期決算は、スライド上段の表の赤枠内に記載されているとおり、前年同期比で増収増益となりました。
売上の内訳について、メンズ部門は2期連続の減収から回復し、今期は増収に転じています。レディース部門は、過去最高を更新し続けています。
通期計画に対する進捗状況は、表の右端に記載されているとおりです。表の下段にある営業利益については、おおむね計画どおりの着地となっています。
スライド下段のグラフは、売上高と営業利益率の四半期ごとの推移を示しています。今年度の第1四半期では、納期延伸の影響により売上高が前年を下回りましたが、第2四半期では納期延伸が解消されつつあり、売上が順次拡大してきています。
中期経営計画主要テーマの進捗

中期経営計画の進捗状況についてご説明します。
今期は、中期経営計画「アートネイチャー Advance プラン」の3年目、すなわち最終年度にあたります。「価値創造」「サステナビリティ推進」「市場との対話」という3つの主要テーマの進捗を、スライド右側にまとめて記載しています。この後、一つひとつ順を追ってご説明します。
価値創造①(納期の延伸について)

主要テーマの1点目である「価値創造」についてご説明します。
納期の延伸に関しては先ほども少し触れましたが、その理由をスライドの下段に記載しています。昨年11月の台風の影響により、フィリピンの工場および周辺の委託先の稼働率が低下したことが原因で、製造期間が通常より延び、これが納期の延伸につながったということです。
この納期の延伸により、上段のグラフに記載されているとおり、男性向け・女性向け事業ともに第1四半期の初めは前年を大きく下回る水準でのスタートとなりました。しかし、現時点では生産面はすでに通常稼働に戻り、納品も月を追うごとに順調に回復しています。最終的には、上期は増収となりました。
価値創造②(男性向け事業 振り返り)

男性向け事業について振り返ります。男性向け事業では、髪のお悩みの深さに応じて、ウィッグや増毛を強く望まれる方から、日常的なヘアケアで対応される方まで、幅広いニーズがあると考えています。
当社では、そうした多様なニーズに応えるため、広告を中心とした反響営業を展開し、新しいお客さまの獲得に取り組んでいます。
スライドの中央に記載されている「反響営業」にご注目ください。従来は、図の上部に示されている広告による訴求を中心に行ってきましたが、現在は広告以外の施策による新規顧客獲得を目指し、さまざまな取り組みに挑戦しているところです。
価値創造③(男性向け事業 振り返り)

上期の取り組み事例を一部ご紹介します。スライド左側は、SNSの利用者をターゲットとした施策です。配信地域などをパーソナライズ化することで、視聴者が自分ごととして捉えられるような内容の配信を行っているのが、スライド左側の例です。
スライド右側は、ホームページにおける定額制サービス訴求の取り組み事例です。新規のお客さまに対して価格を提示するのは、当社として初の試みです。これにより、価格面での心理的ハードルを解消することに貢献できた施策だと考えています。
このように、薄毛に関するさまざまなお悩みに対し、アプローチの段階から消費行動に至るまで、さまざまな工程で取り組んでいます。今後もさらにこれらの取り組みをブラッシュアップし、男性向け事業の安定的な成長を目指していきたいと考えています。
価値創造④(女性向け事業全体 振り返り)

女性向け事業の振り返りについてご説明します。スライドのグラフに示されているとおり、女性向け事業全体の年間売上高は過去最高を更新し続けており、今期も最高を更新することを目標に取り組んでいます。
2001年9月に発売した女性向けオーダーメイドウィッグ「フィーリン」は大ヒット商品となり、これにより売上を大きく拡大してきましたが、最近はその勢いがやや落ち着いている傾向にあります。
現在はさらなる需要喚起につなげるため、新たな価値創造に向けた取り組みに注力している状況です。
価値創造⑤(女性向け事業全体 振り返り)

女性向け事業および女性向け既製品事業における価値創造に向けた取り組みとして、サンプルをいくつかご紹介します。
スライド左側には、女性向け事業のトピックスが記載されています。9月には、新たなフラッグシップサロンとして「グランサロン銀座」という店舗をオープンしました。
近年、高まっているシニア層の髪の悩みを解消するとともに、お客さまが特別なひと時を過ごせる空間を提供することを目的として、今回の店舗をオープンしました。
スライド右側には、女性向け既製品事業に関するトピックスを1つご紹介しています。この10月に「ディズニーウィッグコレクション」を発売しました。
お子さまから大人のお客さままで、夢と感動を与えるディズニーキャラクターのスタイルを、当社グループの高い技術力で実現したものです。幅広い年代に向けてキャラクターウィッグの魅力をお伝えしたいと考え、取り組んでいます。
サステナビリティ推進(バングラデシュ新工場の進捗)

主要テーマの2つ目である「サステナビリティ推進」に関して、トピックスをご紹介します。
生産リスクの分散および生産能力の拡大を目的として、現在バングラデシュに新工場を建設中ですが、11月末に完成予定となっています。
現在は、新工場での生産を予定どおり開始するため、工場スタッフの教育に注力しています。
市場との対話(株主優待制度の新設)

主要テーマの3つ目である「市場との対話」についてご説明します。
今年度は、追加的な株主還元施策として、個人株主のみなさまから要望の多かった株主優待制度を新設しました。「アートネイチャー・プレミアム優待倶楽部」というポイント型の株主優待です。9月末時点で700株以上をお持ちの株主さまを対象に、株主優待をお使いいただける制度となっています。
当社の株式の魅力を高め、個人株主の増加や出来高の向上を長期的に図ることを目的として、新たな株主還元施策をスタートしました。
今後も株主のみなさまの声を踏まえながら、「アートネイチャー・プレミアム優待倶楽部」の内容を逐次ブラッシュアップしていきたいと考えています。
また、本日のような機関投資家向けの説明会や、毎月実施している個人投資家向けのイベントなど、IR活動を通じて市場との対話を継続していきたいと考えています。
2026年3月期 通期連結業績計画①

2026年3月期の通期計画についてご説明します。
スライドの表には、通期連結の業績計画を記載しています。2026年3月期については、上期決算の状況および下期の計画を考慮し、当初の計画を据え置くことにしました。
スライドの最上段にはコメントを記載していますが、新領域への進出および女性向け事業に注力し、増収増益を計画しています。
売上高については、男性向け事業・女性向け事業ともに受注ベースで計画どおり進捗しています。この取り組みを下期も継続する方針です。なお、売上高の「その他」の部分には、新領域の事業獲得が含まれています。現在、さまざまな案件を検討中ですが、上期にはまだ実現していない状況です。
引き続き、当初計画で掲げた計画値の達成に向けて全力で取り組んでいきます。
2026年3月期 通期連結業績計画②

スライド上段のグラフは、左側が売上高、右側が営業利益を示しています。赤囲みの青い棒グラフは、通期計画と上期実績の差を表しています。
左側の売上高については、男性向けおよび女性向けの商品に重点を置き、特に秋の新商品・新プロモーションを展開しています。これをもって下期の売上を積み上げていく予定です。なお、冒頭で「納期の延伸が第1四半期に起こりました」と説明しましたが、下期には完全に解消する予定です。
先ほども説明したとおり、下期の売上計画には新領域事業の売上高も含まれています。計画達成に向けて、現在鋭意取り組んでいる最中です。
次に、スライド右側の営業利益についてです。経費に関しては、年間計画の範囲内に着地させることを目指し、抑制的な運営を継続します。ただし、必要な部分ではしっかりと経営資源を投下する方針で進めていきたいと考えています。
計数目標(財務)

スライドでは、中期経営計画における主な経営指標を一覧表で示しています。
主要指標である売上高・経常利益率・ROEの数値目標は、表の一番右の白い部分に記されています。また、表の最下段に資本コストの過年度の数値を記載しています。資本コストの算定方法等については、参考資料の最後のページに記載されていますので、ご参照ください。
引き続き、エクイティスプレッドのプラスを維持・拡大することを目標に取り組み、早期にROEを2桁に乗せたいと考えています。
株主還元

最後に、株主還元についてご説明します。中期経営計画の期間中に新たに配当方針を策定しました。その内容についてはスライドの中央付近に記載されています。この配当方針に基づき、今期は中間配当14円、期末配当14円、通期で28円の配当を予想値として公表しています。
以上で私からのご説明を終わります。続きまして、経営企画部の本多より決算の詳細についてご説明します。ご清聴ありがとうございました。
2026年3月期 連結損益計算書の概要

本多敏男氏(以下、本多):上席執行役員経営企画部長の本多です。中間期決算の計数面を係数面を中心にご説明します。
中間期は前年同期比で増収増益となりました。売上高は前年同期比1.7パーセント増の214億8,500万円です。しかしながら、計画の進捗率はおよそ45パーセントとやや遅れ気味となっています。この遅れの主な要因は、女性向けオーダーメイドウィッグの新規販売が想定を下回ったためです。
売上原価は前年同期比でほぼ同水準の72億8,900万円で、原価率は0.4ポイント改善しました。その内訳としては、商品原価率が売上構成や為替の影響で0.4ポイント低下し、スタイリストの人件費率が0.1ポイント低下しました。
販管費は128億1,300万円で、前年とほぼ横ばいですが、販管費率は0.7ポイント改善しています。内訳として、広告費は抑制的かつ効率的な運用により約2億円削減され、その結果、広告費率は1.4ポイント低下しました。
この結果、営業利益は前年同期比で約2億円増加し、13億8,200万円となりました。また、設備投資は前年より約9億円増加しています。主な要因は、新店舗の開設とバングラデシュ新工場の設備投資です。
2026年3月期 第2四半期(中間期) 連結経常利益の増減要因

経常利益の増減要因についてご説明します。スライドに記載のとおり、利益のプラス要因が約8億円、マイナス要因が約4億円あり、結果として前年同期比プラス3億6,800万円の14億6,400万円となりました。
その内訳についてご説明します。プラス要因としては、増収に伴う売上総利益の増加で3億1,600万円、広告宣伝費の抑制や効率化による2億4,400万円、営業外では為替差損などによる1億3,300万円の増加、さらに展示会費の減少により7,800万円の押し上げがありました。
一方、マイナス要因としては、DX関連の減価償却費が8,100万円増加したほか、人件費は処遇改善などにより6,400万円増加しました。その他、新工場の整備や株主優待導入に伴う費用の増加などで、2億5,700万円の増加となっています。
以上の結果、経常利益は14億6,400万円となり、堅調に推移しました。
主要商品の月次売上推移(前年同月比)

主要商品の月次売上推移についてです。スライド右上の表にあるように、男性向け女性向けとも前年を上回り、減収から増収へと転換しました。特に女性向けは前年同月比104.0パーセントと好調です。
月次延べ来店顧客数(前年同月比)

月次の延べ店舗顧客数についてです。スライド右上の表のとおり、男性向けは前年同月比98.8パーセントで漸減傾向にあり、女性向けは前年同月比96.1パーセントで前年を下回りました。
女性向けの下振れの背景には、来店周期の延伸や新規導入数の鈍化に加え、記録的な猛暑の影響も挙げられます。今後は、再来店を促す施策や体験型イベントを通じて、来店動機の再設計を進めていきます。
商品・サービス別 上期売上高(単体/男女計)

単体および男女計の商品・サービス別上期売上高をご説明します。全体では最下段の全商品・サービス欄にあるとおり、新規売上高はほぼ横ばいでしたが、リピート販売とジュリア・オージェが堅調だったことから、前年同期比プラス1.8パーセントの増収となりました。
商品別では、主力であるオーダーメイドウィッグや増毛商品も増加しています。
商品・サービス別 上期売上高(単体/男性)

男性向け事業の商品・サービス別上期売上高についてです。最下段の全商品・サービス欄に記載のとおり、新規販売とリピート販売の両方が増加し、前年同期比で0.8パーセントの増収となりました。
商品別ではオーダーメイドウィッグおよび増毛商品がともに増加しています。広告以外の反響を獲得する施策の成果が徐々に表れ始めていると考えています。
事業別戦略(男性向け事業 下期取組み)

男性向け事業の下期の取り組みについてです。男性向け事業では、インターネットやSNSを活用した訴求を強化するとともに、広告以外からの反響を獲得する施策をさらに拡大します。
また、他社にはない高付加価値商品の投入による差別化戦略を推進し、販売単価の引き上げを図っていきます。
商品・サービス別 上期売上高(単体/女性)

女性向け事業の商品・サービス別上期売上高についてです。
最下段の全商品・サービス欄にあるとおり、新規販売には苦戦しましたが、既存顧客の買い替え需要を着実に捉えた結果、リピート販売が増加し、ジュリア・オージェも増加しました。その結果、全体では前年同期比プラス3.6パーセントの増収となりました。
商品別では、オーダーメイドウィッグと増毛商品のいずれも増加しています。
なお、ジュリア・オージェについては、北海道などの未出店エリアへの進出や、商業施設との催事連携が奏功しています。
事業別戦略(女性向け事業/既製品事業 下期取組み)

女性向け既製品事業における下期の取り組みについてです。女性向け事業では、9月下旬にオープンした新たなフラッグシップ店舗「グランサロン銀座」を中心に、店舗運営体制とプロモーションを強化し、売上拡大を目指します。
また、女性向け既製品事業では、ディズニーキャラクターウィッグの展開など、新たな価値創造に向けた取り組みを通じて新規顧客を獲得し、女性向け事業全体の売上拡大を図ります。
2026年3月期 通期連結業績計画

2026年3月期の通期連結業績計画についてです。期初予想を据え置き、これまでの取り組みを継続していきます。業績拡大に向け、積極的にさまざまな施策を推進し、売上高476億2,300万円、営業利益27億7,800円の増収増益を目指します。
上期で生じた計画対比の遅れについては、新規女性顧客の積み上げ、広告以外からの反響の獲得、秋の新商品の投入などにより、この下期で売上高を挽回していきます。
以上で私からのご説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:売上・利益の計画進捗について
司会者:「上期決算を踏まえ、通期業績予想の修正は行わなくてよいのでしょうか?」というご質問です。
内藤:こちらは私からご説明します。ただ今の本多の説明および、最初の私の説明と若干重複する部分があるかと思いますが、ご容赦ください。
まず、売上についてです。男性向け事業に関しては、上期は順調に着地し、下期についても現時点での受注は順調に推移しており、ほぼ見えています。
女性向け事業に関しては、オーダーメイドウィッグがやや出遅れましたが、下期の新商品で盛り返しを図っており、手応えをつかんでいます。また、ジュリア・オージェなどに関しても、現時点では順調に推移しています。
新領域については、冒頭にご説明しましたとおり、まだ現時点では結果が出ていない状況です。こちらについては、今後取り組みを強化していく必要があると考えています。全体的には売上が当初計画に届くよう、最大限の努力を続けていきます。
利益面については、原価や経費などの項目で多少の変動はあると思いますが、おおむね当初計画の範囲内で着地できると見込んでいます。
したがって、売上高および利益ともに、当初掲げた計画を現時点で修正する予定はありません。
質疑応答:女性向け事業における業績挽回の取り組みについて
司会者:「女性向け事業の新規販売が伸び悩んでいるようですが、下期は挽回可能なのでしょうか?」というご質問です。
本多:この質問については私からご回答します。まず、挽回は可能だと考えています。当社の基本的な営業スタイルは反響営業であり、秋冬はこれから最盛期を迎える時期です。お客さまの購買意欲を喚起する新商品とプロモーションによって、反響を獲得していきたいと考えています。
2025年3月には「ジャスミー ラウンドフィット」という新商品を発売し、10月には「ジャスミー ワン」をリリースしました。このように、定期的に新商品を投入することで、お客さまの多様なニーズに応えていきたいと考えています。
また、ディズニーキャラクターウィッグなど、新たな価値創造に向けた取り組みも引き続き展開し、業績への貢献を目指していきます。
質疑応答:新領域事業の進捗について
司会者:「新領域事業の獲得について、売上目標に含まれているようですが、進捗はあるのでしょうか?」というご質問です。
内藤:こちらは私から回答します。新領域の事業については、これまでさまざまな案件を検討してきましたが、残念ながら現時点で発表できるものはございません。
ただし、案件については非常に多くを吟味している最中ですので、引き続き中期経営計画や今年度の計画で掲げた数値目標に到達できるよう、取り組んでいきたいと考えています。
おおよその目安として、今期のその他の領域の売上目標と前期実績には差額がありますが、この差額の多くは新領域事業の売上計画で積み増している部分であるとご理解いただければ幸いです。
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