2026年3月期決算説明
ファブリカHD、通期で増収増益を達成 ビジネスコミュニケーション事業が全体を牽引し成⻑投資継続も⼆桁成⻑
2026年3月期決算説明
岡田桃果氏(以下、岡田):みなさま、こんばんは。これより、株式会社ファブリカホールディングスの2026年3月期通期決算をお届けします。よろしくお願いします。
谷口政人氏(以下、谷口):株式会社ファブリカホールディングス代表取締役社長CEOの谷口です。よろしくお願いします。
岩館徹氏(以下、岩館):取締役CFOの岩館です。よろしくお願いします。
2026年3月期 通期 連結決算ハイライト

岡田:まず、2026年3月期通期の決算ハイライトです。通期で増収増益となり、好調な決算でした。
谷口:期初の計画から第3四半期の時点で上方修正を行いました。ほぼすべての領域で前期を上回ることができたという意味では、非常によい結果だったと思います。
グループ構成およびセグメント事業領域

岡田:決算内容についてお話しいただきましたが、今回初めて御社を知る投資家の方もいるかと思います。会社概要と、どのような事業を展開されているのかを教えてください。
谷口:当社の事業領域は3つのセグメントに分かれています。スライドのとおり、売上収益を最も上げているセグメントが、ビジネスコミュニケーション事業(BC事業)です。この事業では主に、ショートメッセージの配信システムを企業向けに提供し、企業が顧客や一般消費者にSMSを配信するサービスを展開しています。
その他、IVRという電話のDTMFで発信先を選定するシステムや、音声領域のAIを活用したボイスAI、ブロックチェーン、EC-CRMといったBtoB向けサービスも展開しています。
2つ目は、自動車事業から始まったオートモーティブプラットフォーム事業(AP事業)です。この事業では、自動車のアフターサービスに特化したさまざまなシステムを提供しています。これには、データ基盤や管理システムを含むプラットフォームが含まれます。
「CARPRIME(カープライム)」というメディアも一部展開しており、「YouTube」では数十万人単位の登録者を獲得しています。おそらく当社をご存じなくても、「CARPRIME」という名前はご存じの方が多いのではないかと思います。
3つ目として、当社は創業時から自動車修理、車検整備、板金塗装、レンタカーなどのリアルなビジネスを行うオートサービス事業(AS事業)も展開しています。以上が、当社の3つの事業セグメントです。

岡田:3つの事業についてうかがいました。決算では売上が初めて100億円を超えましたが、今後も安定して100億円超の売上が続くと見てよいのでしょうか?
谷口:当然ながら、2027年3月期の目標も公表していますが、順調に成長していけると思っています。100億円という数字は決して大きくありませんが、当社は手数料収益が多い構造のため、売上に対して粗利益率が50パーセント以上あるのが特徴です。その意味では、売上以上に利益を十分に確保していきたいと考えています。
一方で、売上も10数期連続で成長してきた実績があるため、引き続き売上にもこだわっていきたいと考えています。
岡田:スライド下段に、今期の経営トピックスが3つ挙げられています。2027年3月期の業績予想では、現指標で過去最高を見込み、累進配当の導入と6期連続の増配、さらに約5億円の自己株式取得も予定されています。株主還元を非常に重視されている印象です。
谷口:収益を十分に上げ、キャッシュフローも堅調に回っているため、還元が可能な状況にあります。特に私たちが注力してきたのは増配です。6期連続で増配を実施しており、これまで純利益が多少減ったり、一時的に下回ったりする場合があっても、増配を継続してきました。今回は、累進配当を続けていくことを原則とする決定をしました。
岡田:配当を減額しないことを原則とする累進配当は、投資家にとって非常にうれしいニュースですね。
2026年3月期 通期 連結業績サマリー(セグメント別)

岡田:セグメント別の売上を見ていきます。各事業の状況を教えてください。
ビジネスコミュニケーション事業 売上高・営業利益推移(通期)

谷口:一番の牽引役はビジネスコミュニケーション事業で、引き続き好調に推移しています。この事業は配信数に単価を掛ける収益構造となっており、配信を伸ばすために新規のお客さまだけでなく既存のお客さまに対しても配信啓蒙を徹底してきました。その結果、両輪がうまく機能し、収益が伸びてきています。
岡田:表からも推移が確認でき、非常に好調な様子が伝わってきます。
事業内容 ─ ビジネスコミュニケーション事業(BC事業) ─ SMS

岡田:ビジネスコミュニケーション事業は非常に力強い印象です。このBC事業では、企業が顧客にSMSや自動音声メッセージを届けるためのプラットフォームを提供しています。
売上構成比63.3パーセント、営業利益率27.9パーセントと、グループの収益を支える主力事業であるBC事業です。SMS・IVR(自動音声応答)を中心とした事業が好調ですが、これらの需要が増加している背景には何があるのでしょうか?
岩館:SMS自体は、2011年から日本で提供が開始されたサービスで、諸外国と比較するとかなり遅いスタートでした。現在、日本全国で月間数億通の規模で利用されていますが、それでも1デバイスあたり月間2通から3通程度の規模となっており、メールと比べると圧倒的に少ない水準にあります。
一方で、このサービスの有用性に気づいて利用を拡大する企業が増えてきています。メールの場合は埋もれてしまいやすいですが、SMSの場合は必ず見てもらえるという強みがあるためです。
岡田:確かにそうかもしれませんね。
岩館:SMSの有用性は、今後さらに広がっていくのではないかと考えています。
岡田:SMSで送られてくる情報としては、例えばアンケートやご案内などがありますか?
岩館:アンケートもあります。スライドにも記載していますが、例えば車検の案内をこれまでハガキやダイレクトメールで送っていたものをSMSに切り替えるなど、採用活動でも求職者が電話に出られない場合でも、SMSであれば確認していただけるといったケースがあります。
また、予約のリマインドなど、さまざまな用途で利用されています。このように、需要が継続的に増えるケースが多いと思います。

岡田:御社は成長投資を続けながらも着実に利益を伸ばしています。こちらは、どのような仕組みになっているのでしょうか?
岩館:SMSでは、安心してきちんと情報が届くことが最低限の要件です。しかし、遅延が発生するとユーザーに多大な迷惑をかけてしまいます。そのため、インフラへの投資は確実に行う必要があると考えています。
加えて、現在SMSに加えて電話のサービスも大幅に拡充しています。AIがお客さまに電話をかけることも可能になってきており、このような新しいサービスへの投資を進め、SMSに並ぶ新しい柱として育てていきたいと考えています。また、そのような分野への投資も積極的に行っています。
岡田:SMSについて詳しくうかがい、ビジネスコミュニケーション事業について見てきました。5期連続の増収増益を達成しており、一時的な好調ではなく、構造的な成長が続いていることが数字にも表れています。

岡田:ビジネスコミュニケーション事業の主力である「オーロラSMS」についてもお聞きしたいと思います。まず、「オーロラSMS」とはどのような事業なのでしょうか?
岩館:「オーロラSMS」は、今月新たにプレスリリースを行ったサービスです。これまで、SMSは「メディアSMS」、電話は「テレフォース」と、それぞれ異なる名称で展開していました。ただ、お客さまの数が7,000社を超える中で、「『メディアSMS』と『テレフォース』は同じ会社が運営しているのか」という声を多くいただくようになりました。
そこで、「オーロラSMS」や「オーロラIVR」といった同じブランドのもとでサービスを展開し、同一のお客さまに幅広く使っていただけるようにすることを目指しています。今後は「オーロラX」シリーズとして、サービスラインナップを整備していく考えです。
事業内容 ─ ビジネスコミュニケーション事業(BC事業)

岡田:シリーズ化により、「オーロラX」の認知度もさらに向上していくかと思います。
岩館:そのように期待しています。
岡田:2026年5月11日より、法人向けビジネスコミュニケーションサービス群のブランドが「オーロラX」に刷新されました。刷新の背景や今後の展開については、後ほど詳しくうかがいます。
オートモーティブプラットフォーム事業 売上高・営業利益推移(通期)

岡田:オートモーティブプラットフォーム事業についてです。グループの第2の柱であるこの事業は、中古車販売向けの業務支援SaaS「symphony」シリーズと、自動車総合メディア「CARPRIME」を展開しています。売上は過去最高を更新しています。決算の概要と事業概要について教えてください。
谷口:積み上げ型のビジネスで、基本的には業界特化型のSaaS事業です。そのため、毎月新規の顧客をしっかりと獲得し、解約を抑えることで、売上が伸びていくモデルになっています。
業績は減益となっていますが、これは成長投資を続けているためです。特に今後はAI投資を十分に行い、強固なデータ基盤を構築する必要があります。
データ基盤が整っていなければ、AIを活用できません。AIを効果的に活用するには、正確なデータをAIが扱えるかたちで整備する必要があり、そのために投資を行っています。
岡田:売上高は前年比プラス6.4パーセントで過去最高を更新しましたが、営業利益は前年比マイナス19.8パーセントで減益となっています。これは業績が悪化したというよりも、将来に向けた成長投資を意図的に続けた結果という理解でよろしいでしょうか。
谷口:おっしゃるとおりです。これで終わりというわけではなく、引き続き特にAI領域において投資を続けていく予定です。ただ、ひと山越えたという感覚はあります。
事業内容 ─ オートモーティブプラットフォーム事業(AP事業) ─ カーソリューション

岡田:オートモーティブプラットフォーム事業のサービスである「symphony」シリーズについても詳しく見ていきます。この「symphony」シリーズは、中古車販売の業務を一元管理するクラウドシステムです。
スライドには、中古車販売の業務を示していますが、そもそも中古車販売にはどのような課題があるのでしょうか?
谷口:一口に「中古車販売」と言っても、超大手企業から在庫が5台、10台の零細企業、さらには在庫を持たずに運営する事業者までさまざまです。この市場は競争が非常に激しいため、DX化や効率化を図る必要があります。
また、新車など新品の商品を取り扱う場合、1つの商品を登録すればその情報を長期間使用できますが、中古車の場合、1台1台が異なる「一物一価」となります。そのため、小売市場では年間およそ200万台から300万台が販売されており、さらにオークションを通じたBtoBの流通も含めると、年間で600万台から700万台の中古車が日本国内で取引されています。つまり、非常に膨大な規模の流通が存在しています。
また、車両の状態を1台ずつシステムに入力する必要があり、非常に煩雑な作業となりますが、AIなどを活用して効率化する仕組みです。また、販売管理においては、CRMを活用して広告の掲載、問い合わせの対応、商談管理、販売および納車までのプロセスを一元管理します。さらに、その後のアフターフォローも含めた販売システム・業務支援システムを当社が提供しています。
岡田:中古車販売の業務にはさまざまな作業があるため、このようなシステムは非常に便利ですね。
谷口:おっしゃるとおり、こうしたシステムがなければ立ち行かないと思います。さすがに紙での作業はほとんどなくなりましたが、いまだ「Microsoft Excel」などで対応している方もいます。それでは今後さらに厳しくなっていくのではないかと思います。
岡田:見積書などでも、こうした便利なシステムが活用されているとうかがいましたが、実際はいかがでしょうか?
事業内容 ─ オートモーティブプラットフォーム事業(AP事業) ─ カーソリューション

谷口:自動車販売事業者は中古車の販売に加え、整備、車検、オイル交換など、さまざまなメンテナンス業務も行っています。これらの見積システムは自動車の販売用とは異なるため、連携させて顧客情報の一元管理を実現しています。
また、車両情報も一元管理し、中古車販売だけでなく、こうした整備システムにも連携している点が、当社の強みの1つだと思います。
岡田:中古車販売の整備に関する業務も幅広く管理できるシステムがあるということで、すばらしいですね。
事業内容 ─ オートモーティブプラットフォーム事業(AP事業) ─ カーソリューション

岡田:「symphony」シリーズについてです。全国の中古車販売店が保有する在庫を共有できる「symphonyワンプラ」というシステムを、今年から提供開始しました。
谷口:「symphonyワンプラ」はまだ始まったばかりですが、現在7万台程度が掲載されており、近々10万台に達すると見込んでいます。このシステムでは、10万台の車両を各店舗にいながら共有在庫をお客さまにご覧いただき、ニーズに合った車両を紹介できます。
このシステムのメリットは、販売店が在庫を抱えなくて済む点です。実際にお客さまに車が売れた段階で仕入れが発生するため、いわゆる在庫ロスがありません。中古車の場合、鮮度が非常に重要です。生鮮食料品と同じように、長期間在庫すると物自体が腐るわけではありませんが、徐々に減価していきます。価格が下がると売りづらくなり、利益も取りにくくなってしまいます。
理想はお客さまから注文を受けてから仕入れることで、それが最も効率的なプロセスです。そのために在庫を共有し、いつでもお客さまに車をご紹介できる状態を整えています。
一方で、売り手には在庫を持ち続けるリスクが伴います。もちろん、小売販売が最も理想的ですが、小売でなくても在庫回転を上げることでリスクを軽減できます。こうした仕組みにより、一方は収益を得られ、もう一方もリスクを減らせるため、双方にとってWin-Winの関係を築けます。
岡田:「7万台以上の共有在庫」ということで、保有台数が増えるほど管理もしやすくなり、業者の方にとっても非常に便利なシステムだと思います。
この「symphonyワンプラ」は仕組みや特徴に関心をお持ちの方も多いかと思います。業績予想への影響も含め、後ほど詳しくうかがいたいと思います。
事業内容 ─ オートモーティブプラットフォーム事業(AP事業) ─ 自動車メディア

岡田:自動車メディア「CARPRIME」も、62万2,000人のYouTube登録者を持つメディアに成長しています。
谷口:土屋圭市氏をはじめ、自動車に非常に精通した方々にご出演いただき、反響も多く、興味深い動画が配信されています。1動画あたりの視聴回数が数十万回にも達しており、大変好評を得ていると認識しています。
岡田:私も拝見しましたが、ファンの方が多いですね。「自動車整備業界は人手不足や高齢化も課題だと思うので、誰でも簡単に操作できるというのは、かなり強みになりそうですね」というコメントもいただいています。
谷口:現在の状況は完成形ではないと思っています。AIの発展によって、さらに便利なものを作り出していけるのではないかと思っています。
2027年3月期 連結業績予想

岡田:2027年3月期の連結業績予想です。スライドの内容について詳しく教えてください。
谷口:引き続き、売上高、売上総利益、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに過去最高を更新する予定です。前期比でもすべて2桁成長を実現できるという計画ガイダンスを出しています。
岡田:全指標で過去最高を見込まれていますが、成長投資フェーズから収益化フェーズへの移行がいよいよ本格化していくということでしょうか?
谷口:おっしゃるとおりです。特に今年の後半にかけて、そのように移行していくのではないかと思っています。
ただし、投資をやめるわけではなく、当然、積極的に進めていきます。先ほどから何度もお伝えしているとおり、AIの進化は非常に速いため、十分にキャッチアップしていかなければなりません。そこで乗り遅れると競争力がなくなる可能性が非常に高いため、強い危機感を持って取り組んでいます。
一方で、AIを活用した開発も進めており、ようやくAIを使用する開発環境が整いつつある状況です。以前であれば1年を要していたものが、現在では数ヶ月、例えば3ヶ月程度で完成するなど、開発期間を大幅に短縮できる環境になってきました。この点においては、一定の競争力を備えているのではないかと思います。
岡田:成長投資も引き続き進めていくということですね。先ほど「『CARPRIME』を後で確認します」といったコメントもありました。御社では幅広くさまざまな情報を発信し、便利なシステムを提供されていますね。
そして、数字からも来期の利益成長が非常に強いことがうかがえます。
谷口:過去最高を更新している一方で、株価にインパクトを与えるほどの成長かと問われれば、まだ十分とは言えないと感じています。そのため、引き続きより高い成長を目指して努力していきます。
岡田:この成長投資がどのように収益化されていくのかについて、もう少し具体的にお聞かせいただけますか?
谷口:セグメントごとに異なるため、それぞれご説明します。
【参考】新セグメント 連結業績推移

岩館:セグメントごとの表はこちらです。ビジネスコミュニケーション事業の売上は前年比12.5パーセント増、営業利益は11.1パーセント増を予定しています。基盤であるSMS事業は、引き続き安定して成長すると考えています。
また、今年から特に音声AI事業が事業としてしっかり立ち上がってくるため、この分野の貢献もあり、このような数字を予想しています。
岡田:成長投資についてですが、来期からAI事業をビジネスコミュニケーション事業に統合し、3セグメント体制に移行するとのことです。この再編の狙いを教えてください。
谷口:以前から株主の方々より「わかりにくい」というご指摘がありました。そこで、顧客が一定程度重なる領域を1つにまとめました。自動車についても、これまで2つに分かれていたセグメントのうち、一部メディア領域などを統合し、よりわかりやすい体制にする意図がありました。また、法人も2社を統合したことで、よりわかりやすくなったと思います。
岡田:「ファブリカホールディングスは堅実な成長ですね。安定して持ちたい人にはいいですよね」という好感的なコメントが寄せられており、私も同感です。配当も印象的で、今後の成長も非常に楽しみだと感じます。
3セグメントへの再編についてうかがいましたが、先ほどの決算発表を踏まえると、通期計画についても全体的に好調な見通しが持てそうです。
谷口:そうですね。これまでの投資が回収フェーズに入ったとまでは言えませんが、収益フェーズには移りつつあります。ただ、まだ満足できる段階ではなく、さらに成長していく必要があると考えています。
オートモーティブプラットフォーム事業については、相当な投資を行った結果、前期比26パーセント増となりました。ただし、発射台が低く、絶対額は3億5,000万円と、まだ十分な水準ではありません。
オートサービス事業についても、前期比78.4パーセント増となっていますが、依然として規模は小さく、これくらいの成長は達成してもらう必要があると感じています。
岡田:統合によって事業がより力強くなり、今後がますます楽しみです。もともとAI事業では、どのような取り組みを行っていたのでしょうか?
谷口:基本的には「ボイスAI」と呼ばれる領域で活動しており、プロダクトの研究開発を進めながら、AIの進化を見極めつつ取り組んでいました。当社としては、特化型AI、特に音声領域に注力し、深く掘り下げたいという思いで活動しています。その方向性がプロダクトとして形になりつつあり、その結果として今回の統合に至ったという背景があります。
岡田:また、うれしいコメントが届いています。「SMS事業でしっかり利益を出しつつ、中古車事業で自動車業界のDXを進めていて、3つのセグメントのバランスがすごく良いですね。今後の成長に期待しています」とのことです。確かに、バランスも整っていると感じます。
谷口:当社は1992年に創業し、1994年に法人化してから、すでに30年以上が経ちました。その間、さまざまなことがありましたが、堅実に取り組むという意識を強く持っています。
奇をてらうことはせず、一方で現在の成長に満足しているわけでもありません。まだ大きな会社とは言えないため、2桁成長で止まらず、さらにもう1段階、2段階上の成長を目指していきたいと考えています。
ビジネスコミュニケーション事業 ビジネスアップデート

岡田:今後の成長にも関連して、ビジネスのアップデートについてお話をうかがいたいと思います。
先ほど名前が挙がっていましたが、リニューアルされたBC事業の新ブランド「オーロラX」についてうかがいます。来期の業績にも好影響が期待されていますが、名前もすてきですよね。「オーロラX」という、キラキラして夢のある名前ですが、由来などはあるのでしょうか?
岩館:先ほどもご説明したとおり、企業とお客さまの接点は非常に多様化しています。従来は郵送や電話、メールが主流でしたが、現在ではSMSやAI音声といった新たな接点も加わり、さまざまな接点が生まれています。
そのため、「単一のSMSだけを取り扱っています」という状態では、最適な顧客体験を提供することが困難になってきています。複数の接点を組み合わせ、マルチチャンネルで提供していく必要がありますが、常に同じことを続けるだけでは最適な結果を得られないという考えが浮かび上がります。
そこで、自然のオーロラのように、その時々の状況に応じてかたちを変えながら、正解をしっかり提供していきたいという思いを込めています。
「オーロラX」の「X」にはサービス名が入ります。ですので、時には「オーロラSMS」、時には「オーロラIVR」、時には「オーロラAI Call」と、さまざまなかたちで、その時々の正解となるサービスを提供したいという思いで「オーロラX」という名前にしました。
岡田:先ほど「すてきなロゴですね」というコメントもありましたが、やはりいいですね。かっこいいです。ロゴなども、みなさまで議論を重ねながら考案されたのでしょうか?
岩館:おっしゃるとおりです。いろいろと意見を出し合いながら決定しました。
岡田:さまざまな背景があり、オーロラそのものを名前で表現し、SMSだけでなく、IVRやAI Callまでを統合するブランドとして刷新されたということですね。また、「メディア4uという名前を聞いたことがある」というコメントも届いています。確かに、そちらも非常に有名です。
それでは、新しく刷新された「オーロラX」の狙いや背景について教えていただけますか?
岩館:以前のサービス名は「メディアSMS」で、知名度はかなり高かったものの、単品としての認知にとどまっていました。また、メディア4u社が提供するサービス群全体としては、ブランドがやや散らばりがちだったという課題がありました。
「メディアSMS」や「テレフォース」など、異なるサービス名で展開していたため、ブランド価値の面で統一感を欠いていたという思いもありました。
「メディアSMS」は長年使用されてきたブランドで、大事にしたいという気持ちもあったのですが、今回このタイミングでリブランディングを行い、新たな価値の提供を目指して刷新することを決めました。
岡田:一貫したブランドイメージにつながるうえ、統合によって企業顧客のニーズに応える力も、さらに向上したように感じます。今後、どのような展開を目指しているのでしょうか?
岩館:まさに今月がお披露目で、本格的には来月からサービス提供を開始します。「オーロラX」を知っていただき、「変わってわかりやすくなったよね」「良くなったよね」と言っていただけるような体験を目指していきたいと考えています。
オートモーティブプラットフォーム事業 ビジネスアップデート

岡田:今年の4月23日よりサービス提供を開始した「symphonyワンプラ」に注目します。中古車販売店同士が在庫をネットで共有できるシステムとの話がありましたが、そのようなシステムという理解でよいでしょうか?
谷口:その理解で問題ありません。
岡田:全国に7万台以上の共有在庫を持つ販売プラットフォームで、全国の中古車販売店がプラットフォーム上で在庫を共有し、他店が必要な車両を売買できるマーケットプレイスとのことですが、既存のオークションとの違いについてはどのように捉えればよいでしょうか?
谷口:日本の中古車流通の中心はオークションであり、社会のニーズに合った非常にすばらしいサービスです。年間600万台近く流通しており、オークションが中古車流通の中心であることに変わりはないと思っています。
一方で、「symphonyワンプラ」という在庫共有サービスも含め、他にも多くのサービスがあります。私たちも以前から取り組んでいましたが、今回は新しくリプレイスしたかたちになります。
今回の特徴は、先ほどもお伝えしたとおり、入力作業に非常に手間がかかることや、人手不足による採用難が課題となっている点です。
特に、中古車業界では物流が非常にひっ迫しています。この状況は他の業界でも同様だと思いますが、従来のオークションや他の在庫共有サービスでは、陸送業務を専門業者に委託するのが一般的でした。一方で私たちは、近距離であれば自分たちで引き取りに行くようにしています。
以前もこのような仕組みはありましたが、陸送事業者が基本的に輸送を担うという慣習は残しつつ、今回は自社でも引き取りができる体制に挑戦しています。また、入力作業をAIで効率化することや、在庫共有の一環としてお客さまが目の前で車両を確認しながら商談できる機能を充実させることが、主な特徴です。
さらに、手数料を比較的安価に設定しました。後発の立場であるため、同じ料金で進めることは難しいものの、導入しやすい形にするため、初期段階では低価格の手数料を採用しています。
もう1つの特徴は輸出です。中古車の価格決定において輸出が大きな影響を与えるため、多くの輸出事業者が購入しやすい環境を意識した開発を行っています。
岡田:お話をうかがっていると、低手数料と陸送フリーは販売店にとってコスト面で大きなメリットがありそうですね。
谷口:もちろんコストは重要ですが、それ以上に時間も大きな要素です。現状では、例えばオークションや業者販売で車を購入しても、実際にお店に車が届くまでに2週間がかかります。
その2週間の間に車の価値が減少してしまうことを考えると、むしろそのコストのほうが大きな無駄になっていると認識しています。
岡田:メリットは多いと思いますが、実際にシステムを使う販売店の立場から見ると、販売店にとって何が一番便利なのでしょうか?
谷口:例えばオークションで販売する場合は、車を会場に持ち込む必要があり、その際に陸送費がかかります。当然ながら、オークションでは必ず売れるとは限らず、流札になれば翌週再度出品しなければならず、その際にも出品手数料が発生します。
その意味では、販売店は自店舗で小売を行いながら、業者販売で声がかかった際に売却のチャンスを得られます。さらに、出品が無料という仕組みのため、リスクなく取引でき、1台売れるごとに手数料をいただくかたちです。そのため、非常に導入しやすい仕組みになっていると思います。
岡田:確かに先ほどコメントにもありましたが、車を運ぶには時間も労力もかかりますよね。具体的にどのように車両が運ばれていくのか、イメージが湧きにくいのですが教えていただけますか?
谷口:積載車と呼ばれる、複数の車を積める大型車両を使います。購入が成立した場合、その車両がキャリアカーとして車を運び出します。ただし、この工程を何度も繰り返すことで、非常に多くのコストが発生してしまいます。そのコストは最終的に消費者に転嫁されてしまうため、この部分を効率化していきたいと考えています。
岡田:規模の大きさにも注目しています。先ほどから何度も触れていますが、「7万台」という規模は非常にインパクトがあり、大きな数字だと思います。投資家の中には、この規模がどのように、そしていつ業績に貢献してくるのか気になっている方も多いと思います。収益モデルと収益化のタイミングについて教えていただけますか?
谷口:まずは出品台数を増やし、落札する会員数を増やすことが重要です。
会員には中古車販売店や輸出業者だけでなく、年に2台、3台程度しか車を購入しない整備事業者やガソリンスタンドなど、自動車関連事業を行いながら一部で中古車販売を行う方々も含まれます。このような幅広い層を会員として取り込むには、一定の時間が必要だと考えています。
当社は「symphony」の提供を通じて20年以上、業務支援を行ってきました。また、「車選びドットコム」という中古車メディアにはすでに25万台の車両が掲載されており、さらに先ほどご説明した販売管理システムにも10万台以上の在庫車両が登録されています。
これらの在庫データを効果的に活用し、初期段階で7万台に達しました。7月、8月には在庫が10万台に増える見込みです。もちろん在庫がなければ購入してもらえませんが、初期の在庫集めは非常に順調だと考えています。
さらに、年に数台しか購入しないお客さまも含め、一人ひとりを会員として取り込むことで流通台数を拡大していく方針です。具体的な時期はお伝えできませんが、長期的な視点で取り組んでいます。すぐに何百台、何千台も売れるわけではなく、地道に根気よく積み上げていく進め方になると思います。
岡田:基盤がある御社ならではだと思いますが、まずは参加者数を増やすというネットワークの広がりが大切だと感じます。ネットワークの広がりは、主にどのように実現されるのでしょうか?
谷口:ありとあらゆることを行います。ただ、消費者向けではないため、大規模で派手なプロモーションは実施しません。一方で、業界全体を見渡すと、販売店、整備事業者、ガソリンスタンドなどを合わせた企業数は約8万社にのぼります。その8万社に対し、コールや郵送、さらには当社の営業活動を通じて、一社一社に丁寧に説明しながら会員化を進めています。
会員数の増加は、地道に根気よく取り組むことでしか達成できないと思います。そして、それを成し遂げられれば、他社が参入しにくい環境を築けます。時間がかかるうえ、そもそも車を集めること自体が非常に難しいからです。その点で、一定のアドバンテージがあるのではないかと考えています。
岡田:コメントにもありましたが、非常に堅実な印象を受けます。
株主還元

岡田:投資家のみなさまの関心が高い株主優待についてです。6期連続増配を予定しており、累進配当の導入や自己株式の取得など、非常に充実した株主還元策を展開しており、本年度も株主還元に積極的ですね。
谷口:配当性向30パーセントを目安とし、安定した収益基盤を持つことから、基本的に配当を急激に下げることはないように考えています。その方針のもと、今回累進配当を原則として導入することを決定しました。
岡田:今後も状況に応じた適切な還元を検討されているということでしょうか?
谷口:おっしゃるとおりです。現時点で何か具体的に決まったことはありませんが、その方向で進めたいと考えています。
岡田:継続的に増やしていく方針としての累進配当の導入は、投資家のみなさまの安心感につながるのではないかと思います。長期保有株主を重視している印象を受けますが、こちらについてはいかがでしょうか?
谷口:長期保有ということは、応援していただけるということになりますので、大切にしていきます。ただし、当然ながら新規の株主さまにも次々に参加していただきたいと考えています。
そのためにも、急激に方針を変更することは、裏切りとなるわけではないものの、やむを得ない場合が多いと思いますが、そうならないように意識して経営していくことが重要だと考えています。
岡田:株主優待については、200株以上を1年以上保有している株主さまに年間2万4,000円分のデジタルギフトを進呈するとのことですが、何に使うことができるのでしょうか? やはり自動車関連ですか?
谷口:すべてデジタルギフトで、「Amazonギフトカード」や「QUOカード」を贈呈します。何に使っていただいてもかまいません。
岡田:とても素敵な優待ですね。また、成長投資とのバランスについてはどのようにお考えでしょうか?
谷口:当社はほぼ無借金状態であり、潤沢な収益や利益が出ています。配当性向は30パーセント程度ですが、それを実施したとしても「それで投資資金がないか?」という問題はまったくないため、このかたちを採用しています。
また、今後大きな投資が必要になる場合があっても、さまざまな方法が考えられます。デットも含め、いろいろなかたちで対応する可能性はありますが、現時点で何か決まっていることはありません。
質疑応答:AIとビジネスコミュニケーション事業、自動車領域への活用展望について

岡田:「来期の利益成長は非常に強い見通しですが、会社の成長を引っ張っていく主力要因はどの事業になるのでしょうか? また、継続性はあると考えてよろしい
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