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株式会社ココナラ4176

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Vision / Mission

鈴木歩氏(以下、鈴木):株式会社ココナラ代表取締役社長CEOの鈴木です。2026年8月期第2四半期の決算説明を始めます。よろしくお願いします。

最初に、ビジョンとミッションについてご説明します。これまでと変わらず、「⼀⼈⼀⼈が『⾃分のストーリー』を⽣きていく世の中をつくる」というビジョンのもと、あらゆる方々に対するマッチングプラットフォームを提供すべく、日々努力しています。

2026年8月期第2四半期決算ハイライト

今回の四半期のハイライトについてご紹介します。全社サマリーとして、売上高とEBITDAがともに過去最高を更新しました。内訳としては、マーケットプレイス、エージェントのいずれもそれぞれの指標で過去最高を更新しています。この後、スライドを用いて詳細にご説明したいと思います。

Contents

本日のコンテンツは、大きく2部構成となっています。業績報告と成長方針について口頭でご説明します。

2026年8月期第2四半期決算概要

まずは、業績報告です。全社の連結については、先ほどお話ししたとおり、売上高・利益ともに過去最高を更新しています。

四半期売上高推移

具体的にグラフを用いてご説明します。売上高については、マーケットプレイスがわずかに成長したことに加え、エージェントが過去最高の売上を達成しました。結果として、前年同期比プラス7.8パーセントと力強い伸びを示しています。

四半期売上総利益推移

売上総利益についてです。前年同期比プラス5.1パーセントで推移しています。マーケットプレイスの内訳については、この後詳細をご説明します。

四半期EBITDA推移

EBITDAの推移です。前年同期比プラス24.3パーセントとなり、過去最高の数字を記録しています。

四半期売上原価+営業費用推移

売上原価と営業費用については、特段目立った変更点がないため、説明を割愛します。

マーケットプレイス 四半期流通総額推移

セグメント別の業績です。マーケットプレイスに関しては、流通総額は前年同期比で微増にとどまっています。前四半期比では減少していますが、これは当社における毎年のトレンドです。

当社の第2四半期は12月から2月となりますが、特に近年ビジネス需要が高まっている中で、12月や1月には正月休みがあり、そして2月は日数が少ないことから、その影響を受けた結果、前四半期比で減少する傾向があります。そんな中でもギリギリではありますが、プラス成長で終えることができました。

マーケットプレイス 四半期売上高‧セグメント利益推移

四半期売上高とセグメント利益です。こちらは何度かご説明しているとおり、エージェント側のセールス組織が「ココナラ募集」の案件を獲得し、それをマーケットプレイスに投稿する仕組みによって、プラス成長を実現しています。

マーケットプレイス(法律相談除く)四半期KPI推移

各種マーケットプレイスのKPIです。会員登録数、サービス出品数、スキル登録者数のいずれも、引き続き高水準を維持しています。

マーケットプレイス(法律相談除く)四半期KPI推移

マーケットプレイスの購入UU(ユニークユーザー)数と1人当たり購入額です。こちらは少し丁寧に補足したいと思います。

購入UU数は残念ながら右肩下がりとなっていますが、その内訳について簡単にご説明します。

購入UU数の減少内訳シェアのうち、半数以上を占めるのが単価4,000円未満の取引です。ここには、過去にもお伝えしているとおり、低単価の商品としてライティングや翻訳、デザインなどが含まれています。

一方で、1人当たり購入額は右肩上がりの傾向を見せています。その理由としては、流通総額の過半数を占める単価2万円以上の取引が、前年同期比でプラス成長を遂げている点が挙げられます。

したがって、低単価の取引についてはAIの影響により減少する部分もありますが、人間が責任を持って高いクオリティで納品すべき取引においては、需要が引き続き高まっておりプラス成長を維持している、というのが全体の内訳です。

マーケットプレイス(法律相談)四半期KPI推移

法律相談のKPI推移です。有料登録弁護士数とARPUがともに右肩上がりで伸びており、順調に推移して売上高・利益ともに増加しています。

ココナラスキルマーケット:トピックス

続いて、マーケットプレイスのトピックスです。3点あります。

まず1つ目は、昨今のAI需要の高まりに伴い、その需要を取り込むかたちで作っている生成AIのカテゴリや、生成AIを利用することによって需要が高まるQ&Aやテストといった、AI関連カテゴリの流通総額が伸びている点です。

2つ目は、対面型の出張撮影・出張サービスや、人の手で物を作り物品配送するハンドメイド制作などの分野が前年比で大幅に成長している点です。今後も、成長が期待できる領域を適切にカテゴライズし、さらなる成長を目指していきたいと考えています。

3つ目に、AIを活用した機能のリリースが進行中です。現在、「ココナラ」では全体のマッチングの半数以上が見積もりとなっています。この見積もり相談を投稿する際や、その見積もり相談に対して出品者が対応する際にアシスト機能を導入することで、各ファネルの転換率を向上させ、最終的なマッチング率およびマッチング数を増加させていきたいと考えています。これらを実現するため、さまざまな観点からAIの導入を進めています。

エージェント 四半期業績推移

セグメント別業績のうち、エージェントについてご説明します。エージェントの四半期業績推移としては、FY2025の第3四半期に底を打ち、以降は右肩上がりのV字回復と成長基調を実現しています。

特にFY2026の第2四半期は、前年同期比9.4パーセントの成長を達成し、過去最高の売上と売上総利益を記録しました。

エージェント KPI推移

そちらを構成するKPIです。引き続きクライアントの獲得が順調であり、クライアントさまからいただいた案件で稼働している方々の稼働者数も過去最高を更新しています。

エージェント ココナラテック:トピックス フレームキャリア社のグループイン

エージェントのトピックです。3月から「フレームキャリア社」という正社員エンジニアを派遣する会社にグループインしていただきました。

ココナラはもともと「ココナラテック」というフリーランス人材を紹介するSES事業を展開していましたが、ここに正社員エンジニアをしっかりと抱え、ケイパビリティやアセットを保つことで、「ココナラテック」とフレームキャリア社でシナジーを生み出し、成長していきたいと考えています。

狙いについてはスライド右側に記載しているとおり、フリーランスだけでなく正社員PMやエンジニアがいることで、顧客課題により深く対応し、週5日フルタイムで働ける常駐型人材として顧客との接点を広げることを目指しています。これにより、多角的なニーズへの対応やアップセルなどを目指していきます。

ココナラアシスト:トピックス

「ココナラアシスト」のトピックスについてご説明します。大きく2点あります。

まず1点目は、スライド左側に記載のとおり、組織体制の変更を行いました。これは、昨年「ココナラテック」において、営業をより専門性の高いものにし、職種を細分化して具体的なKPIをそれぞれに設定し推進することで、売上が上がることを実証したためです。同様の対応を「ココナラアシスト」にも導入しました。

この取り組みはまだ導入直後であり、ルールを整備しながら改善を進めている段階です。この仕組みをさらに進化させることで、将来的に50億円や100億円という売上を達成する際、より力強い営業基盤を構築できるのではないかと考えています。

加えて、これまで営業代行やSNS運用代行など各種BPOサービスを事業開発し、企画して顧客への提供ラインナップとして拡充してきましたが、スライド右側に記載のとおり、今回新たにHR領域もカバーできるようになったことをご報告します。

通期連結業績予想に対する進捗

2026年8月期の通期連結業績予想です。順調に推移しており、特にEBITDAと営業利益は想定よりも良いかたちで進捗しています。第2四半期、すなわち上期の折り返し時点ですでに進捗率が50パーセントを超える状況となっています。

また、売上高と親会社株主に帰属する当期純利益については、何度かお話ししているとおり、エージェントの成長を見込んで下期に偏るかたちで目標を設計しています。この目標を達成できるよう、下期も努力していきます。

ココナラの「現在地」

続いて、成長戦略についてお話しします。これまでに何度かお伝えしている内容ですので、要点を絞ってお伝えします。

ココナラの現在地としては、「ココナラ経済圏」というコンセプトを掲げ、多角経営やエージェントのビジネスモデルを導入するなど、現在トータルで9つのサービスを展開しています。

これらのサービスを着実に立ち上げ、成長させていくことに加え、M&Aも活用しながら、FY2030に向けて圧倒的な成長を実現したいと考えています。

ココナラを取り巻く環境変化

足元の環境は大きく変わりませんが、AIの波がさらに押し寄せる中で、AIによってマッチングや取引を奪われる会社になるのではなく、AIの力をうまく内包して活用し、AIモデルが進化するほどココナラが成長できる仕組みへと変化させていきたいと考えています。具体的な内容については、後半で簡潔にご説明したいと思います。

ココナラがターゲットとする市場規模イメージ(TAM)

TAMのイメージです。これまで個人や中小企業向けの単発役務提供に特化したかたちでサービスを展開してきましたが、「ココナラ経済圏」におけるサービスラインナップの拡充により、大企業への対応や継続役務の提供も可能となってきています。

これらを足元でさらに大きく伸ばすことで、最終的には30兆円を超える非常に大きなTAMに対して価値を提供できると考えています。

ココナラ経済圏:全体像

こちらのスライドは「ココナラ経済圏」の全体像を再掲したものです。あらゆるカテゴリにおいて、単発型だけでなく継続型の役務提供も行っていきます。

そのため、これまで祖業としてきたマーケットプレイスというビジネスモデルに加え、エージェントというビジネスモデルも取り入れ、「何でもできるココナラ」を作っていきたいと考えています。

ココナラの持っている強み / アセット

ココナラの強みとアセットについて、簡単にご紹介します。ココナラは「ココナラスキルマーケット」というEC型のマーケットプレイスからスタートしましたが、EC型であるため、これまでTVCMなどさまざまな認知施策を行うことで、多くの方々に気づいてもらい、訪問していただける仕組みが構築されています。

これによって培われた、稼働可能なスキルを持つ人材データベースと、ココナラに対して発注できる顧客データベースが大きく成長しています。

成長した人材データベースと顧客データベースを活用し、これまで手掛けていなかった分野でも、後発でありながら圧倒的なスピードで垂直立ち上げを実現できる仕組みとして、当社のアセットを活用したエージェント事業を開始しています。

さらに、それらを支えるプロダクト基盤を、我々はマーケットプレイス運営の中で構築しています。

ココナラ経済圏:マーケットプレイスを起点とした垂直立ち上げ

我々は、マーケットプレイスで確立した圧倒的なスキルを持つ人材と顧客を活用し、第2ステップとして、マーケットプレイスを強化して伸ばすだけでなく、エージェント事業の拡大を目指します。

さらに、エージェント事業を伸ばすことで、エージェント事業でしか得られない継続型の案件の取引内容や人材の評価状況を、しっかりとデータベースに反映させ、より強力な人材データベースと顧客データベースを構築していきます。

これらを活用し、M&Aや新規事業開発を推進することで、圧倒的な成長を実現したいと考えています。

アセット①:人材データベース

今お話しした内容に関して、人材データベース、顧客データベース、プロダクト基盤について簡単にご紹介します。

人材データベースについては、おさらいとなりますが、スキル登録者数が140万人を突破しています。「ココナラスキルマーケット」にご出品いただいているサービスも100万件を超えており、サービスカテゴリ数も非常に豊富で、現在は「ココナラを訪れれば、見つからないカテゴリ、見つからない人材がいない」という状態を実現できています。

特にAIの影響により、AIでは代替できない分野に人の価値が向かっていく中で、高度専門人材の登録数が加速度的に増えているというのが現状です。

アセット②:顧客データベース

顧客データベースについては、マーケットプレイスの既存登録プールが引き続き拡大し、会員登録数はほぼ600万人に達しました。また、法人会員数も60万件を突破しています。

加えて、みずほ銀行との強力なアライアンスのもと、みずほ銀行の口座をお持ちの法人さまをご紹介いただくなど、さまざまな取り組みが実現可能になっています。

アセット③:プロダクト基盤

プロダクトの基盤については、ワンストップで会員登録からマッチング、決済、管理に至るまで、これまでココナラが構築してきた共通基盤を、他の新たに展開するサービスや、今後グループ参加を検討するM&A先の企業にも速やかに共通アセットとしてご活用いただけるような仕組みを整えています。

ココナラの成⻑⽅針

ココナラの成長方針です。「すべてが揃うサービスプラットフォームを確立する」とは、ココナラを利用することで、どのような人でもあらゆる方法で働ける環境を提供し、また、個人や法人を問わず、必要な人材が見つかるプラットフォームを目指すという方針です。

その中で、「マーケットプレイス」「エージェント」「AI活用」「M&A」の4つの文脈に基づいて進めていくことを決めています。詳細はスライドに記載しています。

成⻑方針の進捗

方針の具体的な内容やこちらのスライドに記載された進捗については、この後詳しくご説明します。一部は過去の財務パートでご説明した内容も含まれていますので、お時間のある時にご参照いただければと思います。

成⻑方針①:マーケットプレイスマッチング拡張

では具体的に、各ポイントについて絞ってお話しします。最初にマーケットプレイスです。

あらゆる方法を用いてマッチングを拡張していきます。AIが浸透している時代においても、単発の低単価のものは取引が減少する傾向がありますが、継続型で専門性が高い領域に人間が従事する場合は、むしろ前年同期比で取引が増えています。このような継続的な役務提供に対して価値を提供するとともに、サービスラインナップの拡充を図っていきたいと思っています。

継続役務のマッチングに適した手法として、これまでのEC型マーケットプレイスだけでなく、「ココナラ募集」や「ココナラスカウト」といった機能を強化していきます。これにより、実際にご利用いただける企業は、EC型に比べてプライベートではないビジネス利用が増加しており、大手法人顧客の利用も拡大しています。

もう1点は、カテゴリ別の深化です。途中でお話ししたとおり、例えばハンドメイドや出張撮影が伸びているほか、生成AIをそのまま扱うカテゴリも伸びています。今後もココナラにおいて、これまでのように50パーセントや100パーセントと成長できるカテゴリを見つけ、開発し、しっかり育てて伸ばしていきたいと考えています。

成⻑方針②:エージェント立ち上げ‧拡大

続いて、エージェントの立ち上げと拡大についてです。

ココナラは、「ココナラテック」「ココナラアシスト」「ココナラプロ」、そして「ココナラコンサル」という4つのエージェントサービスを展開しています。これまでは現場レベルを中心にフリーランス人材の紹介を主軸として事業を展開してきましたが、今後はより上流の領域への価値提供を広げていきたいと考えています。

具体的には、上流そのものを担う「ココナラコンサル」をはじめ、「ココナラテック」「ココナラアシスト」といったサービスを通じて、上流領域への進出を進めていきます。

「ココナラテック」では、正社員型のPMやエンジニアを配置したハイブリッド型の開発支援を行っています。さらに、「ココナラアシスト」「ココナラプロ」については、BPO領域において、請負に近いかたちで上流に近い課題をしっかりと解決していきたいと考えています。

成⻑方針②:ココナラのアセットを活用したマッチング加速(ココナラアシスト)

スライドには、ココナラのアセットを活用したマッチングの加速というテーマで、「ココナラアシスト」の事例を挙げています。これは過去に何度か提示した資料と同じものですので、詳細な説明は割愛します。簡潔にお伝えすると、圧倒的な人材数と顧客数に対して、我々だからこそ可能なマッチングを実現していきます。

特に、一般的には「こういう人材が足りない」という話題が昨今多く聞かれます。もちろん、そのような案件を案件化することも可能ですが、紹介する人材がいないというのが大半のマッチング企業の課題です。

一方で、我々の場合は国内有数の人材データベースを保有しているため、案件さえ獲得できれば一定の人材を紹介できます。また、それらの人材はマーケティングコストを投下することなくすでに自社で抱えているため、その点が競争優位性につながっていると考えています。

参考)ココナラアシストのサービス提供事例

こちらのスライドも、「ココナラ」のサービス提供事例として参考までに示しています。

参考)ココナラのアセットを活用したマッチング加速(ココナラテック)

続いて、「ココナラテック」のココナラのアセットを活用したマッチング加速についてです。

以前は「ココナラテック」にジョインしてもらう前に情報が分散管理されていましたが、昨今のAIの進展に伴い、AIエージェントの導入に適したプロセスを全般的に構築し、情報を一元管理しています。このプロセスでAIを積極的に活用してマッチングを行うことで、マッチング精度が向上するとともに、時間短縮も実現しています。

成⻑方針③:AIによる経済圏マッチング最適化

続いて、成長方針の3つ目であるAIによる経済圏マッチング最適化についてご説明します。これまで「ココナラ」を訪れても、目に見えないスキルを購入したり、人材を見つけたりすることは難易度が高い状況でした。そこで、AIを活用し、AIアシスト機能を導入することで、誰でも必要なサービスに出会える環境を整えていきます。

例えば、曖昧なニーズとして、「何となくこういうことをやってもらいたい」「ロゴを作りたい」「確定申告をお願いしたい」「経理の人材を雇いたい」「コンサルに依頼したい」といった要望を基に、チャット形式でのやり取りを通じて、気づいたら必要なサービスや事業に出会える仕組みを構築します。

これにより、これまでは全国の方でも上位20パーセントの高リテラシー層にしかリーチできていなかった部分から、一般層の方々にもハードルを下げてご利用いただける世界観を実現していきたいと考えています。

成⻑方針③:AIアシスタント機能の概要(2026年春リリース予定)

その具体的なサービスの例がこちらのスライドです。この春、今月から来月の頭ほどに「AIアシスタント機能」を導入予定です。

先ほどお話ししたように、チャット型で会話を進める中で、その人が本当に必要とする事業やサービス、具体的な人材などを提案してもらえます。さらに、数回のクリックで必要なものに巡り合い、マッチングできる仕組みとなっています。

こちらは過去に「ココナラ購入アシスト」という機能をAIとして開発・提供していましたが、これを大幅にアップデートするかたちで投入する予定です。

成⻑方針③:AI活用による生産性の向上

加えて、全社のAXについてです。ココナラには営業、開発、企画、デザイン、経理など、さまざまな職種がいます。これらに対して、専任のAI執行役員とともに、私自身が直接関与しながら「アセット&AI本部」を新設しました。それを通じて、各セクションの業務効率化やクオリティの高度化を実現しています。

第2四半期だけでも、こちらはかなり加速度的に進展しており、下期にはより全面的に展開していきたいと考えています。また、全社員に向けて「Gemini」の利用を推進するほか、より高度な活用が可能な人を中心に「Claude Code」の導入も進めています。

これらの成果については、またあらためて可視化し、みなさまに共有できればと思っています。

成⻑方針④:ココナラがM&Aを成⻑戦略とする背景

最後に、成長方針の4つ目についてご説明します。ココナラはM&Aを積極的に進めていく方針であり、その狙いは特にスピードとシナジーにあります。

これまでは、インハウスでしっかりと事業を立ち上げることに注力してきました。しかし、過去にエージェント領域で実施した2件のM&Aにおいて、ココナラのアセットを活用してシナジーを生み出しながら、グループとして取り込むことで時間を買って成長するイメージを具体化することができました。この経験を通じて得た学びを基に、さらなる次の一手を打っていきたいと考えています。

成⻑方針④:潜在的なM&Aのターゲット領域と足元の注力領域

具体的には、注力しているM&Aの領域は2つあると考えています。1つ目は、既存サービスをさらに成長させることです。具体的には、カテゴリをより充実させ、細かいニーズにも応えられるよう拡充することや、隣接する新規領域、例えばエージェント領域を含め、これまで当社が手手掛けてこなかった分野にも進出することを検討しています。

そのため現在は、積極的にソーシング活動を行い、対象件数を増やしつつ、必要な成長を実現できるパートナーを見つけることを目指しています。

成⻑方針④:規律ある投資基準と連続的なM&Aによる複利的成⻑構造

その際の規律についてですが、こちらのスライドに記載のとおり、中小型案件を着実に積み上げていきます。その際、基礎的なバリエーションにおいて過度に高く見積もることなく、PMIシナジーを前提としなくても合理性のあるマルチプルで適切な相手先を見つけます。

さらに、のれん償却後の営業利益が黒字化することを前提に、ソーシングのポートフォリオマネジメントを適切に行いながらアプローチを重ね、全社に真に意味のあるかたちで貢献できる案件を見つけていきたいと考えています。

特に足元では、マーケットプレイスとエージェントの両方で新たに立ち上げた事業がありますので、これらに対してアセットを活用して伸ばしていきたいと考えています。さらに、そこに掛け算として生成AIの力を最大限に活用し、あらゆる方法で導入することで競争に勝ち抜くことを目指しています。

質疑応答:EBITDAと営業利益の進捗および下期の取り組みについて

国原啓司氏(以下、国原):執行役員の国原です。Q&Aにお寄せいただいたご質問を私が読み上げます。「第2四半期累計の業績進捗率について、通期予想の達成確度についてどのようにお考えでしょうか?」というご質問です。

鈴木:途中でお伝えしたとおり、EBITDAおよび営業利益は非常に順調で、折り返し地点に到達しています。今後は売上高と当期純利益がしっかりとついてくるようにマネジメントを進めていきたいと考えています。

特に下期に向けて、エージェント事業の成長をより加速させるため、足元でお話ししたような組織改編や新商品の開発を進めながら、通期達成目標をしっかりと見込んでいきたいと思います。

質疑応答:AIによる生産性向上と単価への影響について

国原:先ほどのAIによる生産性向上に関するスライドに関して、「AIで代替されない高単価・継続的な仕事を伸ばしつつ、AIを活用したマッチング自動化も進める方針だと認識しています。この2つは非常に理にかなっている一方で、AIによって既存カテゴリの単価下落が起こるリスクもあると考えています。AIを成長要因とリスク要因の両面でどう管理していますか?」というご質問です。

鈴木:AIによる単価下落は起こらないと考えています。むしろ、AIの導入によって減少した取引は、途中でもお伝えしたとおり、低単価の取引となっています。あらためてお伝えすると、購入UU数が減少した取引の過半数は、単価4,000円未満の取引です。一方で、流通総額全体のシェアで過半数を占める単価2万円以上の取引は、逆に増加している状況となっています。

したがって、今後も引き続き、低単価であり、人間でなくてもいい部分が一定程度AIに代替されることについては楽観視せず、慎重に捉える必要があると考える一方で、それを上回るかたちで、人間だからこそできる領域で高単価の取引や専門領域に対するカテゴリを強化すること、また人材を強化することによって、成長の実現を目指していきたいと考えています。

質疑応答:M&A案件における条件定義について

国原:「M&Aにおいて、買収後にココナラの競争優位が最も増幅する案件の条件をどのように定義しているか、できる範囲でご回答いただければと思います」というご質問です。

鈴木:マーケットプレイスとエージェントで分けて考えられると思っています。まずエージェントにおいて今回「ココナラテック」を通じて実感したのは、当社が元リクルートの社員も多い中において、KPIマネジメントを基に営業を型化し、その成長を加速させることに強みを持っているという点です。

そのような環境下において、さまざまな企業において中・小型規模でKPIマネジメントが十分に導入されていない場合や、例えば営業活動を支えるモチベーションマネジメントとしての人事制度設計が十分でない場合があると感じています。

そこで、当社の知見をしっかり投入しながら双方が協力していくことで、各企業がもともと持っている強みを活かしつつ、営業活動を型化して規模を拡大することが可能になると考えています。

さらに、当社は人材データベースと顧客データベースの仕組みを活用しています。各企業が持つアセットを一度吸収して一元管理しつつ、再び各社で自由に利用できるようにすることで、アセットの相互利用が促進され、その結果シナジーを生み出せるのではないかと考えています。

これは「言うは易し」ではありますが、なかなか難しい部分も多く、しっかりとこのデータベースを構造化し、どの組織からでも簡単に参照・活用できるようにする体制が整っているからこそ可能なことだと考えています。

また、マーケットプレイスについては、さまざまなプロダクトの基盤を共通化して保有しているため、例えば会員登録機能や決済機能の開発・アップデートといった負担の大きい業務も、当社として迅速に対応できる点がポイントだと考えています。

今後は、これらの開発においてAIを活用しながらさらなる高度化を図る予定であり、その結果、貢献度も上がってくるのではないかと考えています。

質疑応答:マーケットプレイスの高付加価値取引へのシフトと取引拡大戦略について

国原:「マーケットプレイスについて、購入UU数が前年同期比で減少する一方、1人当たり購入額は上昇し、流通総額は前年同期比でほぼ横ばい、テイクレートは上昇しています。この変化を低単価取引から高付加価値取引への健全なシフトと見ているのか、それとも裾野拡大とのバランスに課題があると見ているのか、お考えをうかがいたいです」というご質問です。

鈴木:明確に前者だと思っており、高付加価値取引への完全なシフトだと考えています。一方で取引数、件数としての規模を追い求めないのかというと、それはそれで追求していきたいとも思っています。まず、現時点ではブレイクイーブンを超えてしっかりと成長していくために、取引数やUU数の減少を上回る購入単価の増加を実現していきたいと考えています。

今後は、AIによるマッチングの簡便化、さらにはエージェントを含めたあらゆるサービスのマッチング手法を徹底的に拡充することで、取引数自体も増加させることが可能だと思っています。その2段階でしっかりと実行していきたいと考えています。

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