2026年3月期決算説明
日本ナレッジ、営業利益は129.3%増を計画 人材本格稼働と業務効率化で収益性改善へ
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藤井洋一氏:日本ナレッジ株式会社代表取締役社長の藤井です。本日は2026年3月期決算についてご説明します。
まず、今回の資料の前提について補足します。当社は2026年3月期より株式会社アルテックスを完全子会社化したことに伴い、連結決算へ移行しました。そのため、2026年5月15日に開示した決算短信では、前期の連結数値および対前期増減率を記載していません。
一方、本日は決算短信で開示した内容を基に、業績の背景や事業の変化をよりわかりやすく理解していただくため、参考情報として前期単体実績との比較も一部掲載しています。この点について、ご留意いただけますようお願いします。
それでは、2026年3月期の業績と2027年3月期の見通しについてご説明します。説明内容はスライドの5項目です。1点目は2026年3月期の業績ハイライト、2点目は2027年3月期の業績見通し、3点目は中期経営計画の進捗と今後の展開、4点目はIRトピックス、5点目は参考資料です。
業績ハイライト(2026/3) - Financial Highlights(2026/3)

2026年3月期の業績ハイライトについてご説明します。2025年10月1日に株式会社アルテックスを完全子会社化し、連結決算へ移行しました。
連結業績は、売上高45億5,800万円、営業利益6,500万円、親会社株主に帰属する当期純利益8,600万円となりました。
当期は、アルテックス社の連結化により事業基盤が拡大した一方で、中長期的な成長を見据えた人材投資を積極的に行いました。具体的には、新卒技術者の採用や社員待遇の向上です。それに伴い、人件費が増加しています。
また、アルテックス社の株式取得に伴う取得関連費用や、のれん償却も発生しました。その結果、営業利益は人材投資などの影響を受けましたが、当期純利益については、長野県ICT産業立地助成金などの営業外収益の計上により、計画を上回る着地となっています。
累計期間実績 - Cumulative Period Result

計画対比についてご説明します。連結売上高は、計画46億9,000万円に対して実績45億5,800万円となり、計画比で2.8パーセントの未達となっています。
営業利益は、計画9,200万円に対して実績6,500万円です。主な要因は、新卒技術者の採用や社員待遇向上に伴う人件費の増加です。また、AI活用に関する研究に相応の投資を行ったことも影響しています。
一方、経常利益は、計画1億500万円に対し実績1億2,800万円となり、計画を上回りました。こちらは、先ほどご説明した長野県ICT産業立地助成金の計上が主な要因です。
親会社株主に帰属する当期純利益は、計画7,000万円に対して実績8,600万円となり、こちらも計画を上回っています。
以上のとおり、売上高および営業利益は計画を下回りましたが、経常利益および当期純利益は計画を上回る結果となりました。なお、本スライドの数値は連結業績に基づくものであり、2026年3月期より連結決算へ移行している点にご留意ください。
売上高 - Sales

売上高の状況についてご説明します。2026年3月期の連結売上高は45億5,800万円となりました。本スライドでは、業績の変化をわかりやすくご覧いただくため、参考情報として前期単体実績との比較を掲載しています。
前期単体実績との比較では、2025年3月期の売上高が41億5,400万円であったのに対し、2026年3月期は45億5,800万円となり、4億400万円の増加となりました。
事業別では、検証事業は大型プロジェクトの終了の影響により、前期単体実績との比較で減少しました。一方、開発事業は前期単体実績比で大きく増加しています。
主たる要因は、食品関連の直ユーザー案件および「GRANDIT」大型案件が寄与しています。また、アルテックス社の子会社化による売上寄与に加え、新諏訪センターの稼働率向上に伴う売上増加が挙げられます。
なお、こちらは連結対連結の比較ではなく、前期単体実績との比較です。2026年3月期第3四半期より連結決算へ移行している点も踏まえてご覧ください。
営業利益 - Operating Profit

営業利益についてご説明します。2026年3月期の連結営業利益は6,500万円となりました。売上高はアルテックス社の連結化を含めて増加しましたが、売上拡大に伴う外注費の増加、技術者の増員および賃金アップに伴う労務費の増加が影響しました。
特に今期は将来の成長に向けた人材投資を積極的に行い、新卒技術者の採用や教育体制の強化により人件費が増加しています。
加えて、連結化に伴う取得関連費用やのれん償却も発生していますが、主な減益の要因は人材投資であり、労務費の増加が大きく影響しました。その結果、前期単体実績との参考比較では、営業利益は減少しています。
一方で、採用した技術者の育成および早期稼働を進めることで、今後の売上総利益率の改善につなげていきます。なお、こちらのスライドも連結対連結の比較ではなく、前期単体実績との参考比較としてご覧ください。
当期純利益 - Net Income

当期純利益についてご説明します。2026年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益は8,600万円となりました。
売上の増加に加え、新卒および中途採用技術者の稼働率向上により、売上総利益が増加しました。また、長野県ICT産業立地助成金の計上により営業外収益が増加しています。
一方で、販売費および一般管理費は、営業体制強化に伴う人件費の増加やM&A関連費用の増加により増加しました。これらの要因を総合した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は計画を上回る結果となりました。
社員数推移 - Transition of Employees

社員数の推移についてご説明します。当社は中期的な成長を目指し、積極的に採用計画を進めています。2025年4月には新卒49名を採用し、経験者採用も引き続き実施しています。
2026年3月期の社員数は491名となり、前期比で70名増加しました。アルテックス社の子会社化により加わった29名も、この中に含まれています。
当社は中期的な成長に向けて、500名規模の体制構築を進めています。また、新入社員の育成はメンター制度の活用に加え、事業ごとの技術教育やOJTを通じて早期の戦力化に取り組んでいます。当期は人材投資の負担が先行しましたが、今後は採用した人材の稼働率向上を通じて、売上拡大および収益の改善を図ります。
ビジネスパートナー数の推移 - Transition of Business Partners

ビジネスパートナー数の推移についてご説明します。2026年3月期のビジネスパートナー数は、月平均稼働数で169名です。
当社は安定したビジネスパートナーとの協力体制を構築していますが、新卒および中途採用の技術者の増加に伴い、ビジネスパートナー数は減少傾向にあります。これは、自社技術者の採用・育成を進め、内製体制を強化しているためです。
一方で、今後の事業拡大に向けては、上流工程の受注に対応できる技術者の確保と育成が引き続き重要な課題となります。また、対応技術範囲の拡大を目的に、新規ビジネスパートナーの開拓も継続して実施しています。
自社技術者の育成と外部パートナーとの連携の両面から、受注拡大に対応できる体制を整えていきます。
業績見通し(2027/3) - Earnings forecast (2027/3)

2027年3月期の業績見通しについてご説明します。2027年3月期の連結売上高は50億円、連結営業利益は1億5,000万円、連結経常利益は1億5,700万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1億500万円を見込んでいます。
2026年3月期は連結初年度である点に留意する必要がありますが、2027年3月期の連結売上高は前期比9.7パーセント増の50億円を見込んでいます。
こちらの見通しには、アルテックス社とのシナジー効果による売上拡大や、既存事業における受注拡大を織り込んでいます。
中期経営計画の全体像と現在地

続いて、中期経営計画の進捗と今後の展開についてご説明します。中期経営計画の全体像と現在地についてお話しします。当社は2029年3月期に、連結売上高62億円、連結営業利益3億円、営業利益率5.0パーセントを目標として掲げています。
中期経営計画のコンセプトは「プロジェクトの上流から下流まで一気通貫したサービスの提供」です。生成AIを徹底的に活用した継続収益型サービスの展開や、IT人材採用難の中でも利益拡大が可能なビジネスモデルの確立を計画しています。
2026年3月期は、中期経営計画の開始年度にあたり、アルテックス社の子会社化、人材の採用・育成、AI関連サービスの展開準備を通じて、中期経営計画達成に向けた事業基盤と人材基盤の整備を進めた期と位置づけています。
スライドでは、2026年3月期の実績、2027年3月期の見通し、2029年3月期の目標を比較することにより、売上高、営業利益、営業利益率の改善ステップを示しています。
2026年3月期の中期経営計画達成に向けた基盤整備

スライドは2026年3月期の取り組みを、中期経営計画の4つの重点戦略に基づいて整理したものです。
AIコンサルティング戦略においては、AI品質保証・AIガバナンス領域の展開に加え、ビジネスブレイン太田昭和(BBS)との業務提携を公表しました。こちらは、中期経営計画に掲げるAIコンサルティング戦略の展開と連動した取り組みです。
AIテスト自動化ツール戦略では、テストの自動化からさらに進化させ、生成AIを活用した自動化と品質改善支援を推進していきます。今後は、高付加価値サービスや効率化サービスの展開につなげていく計画です。開発フェーズにおいても、AIを活用して仕様書のレビューを行うなど、具体的な効率化の取り組みを進めています。
人材育成戦略では、新卒49名の採用や社員数の491名への増員等の体制の構築を進めてきました。当期までは人材投資が先行しましたが、今後は採用・育成した人材の本格的な稼働により、収益への貢献と売上総利益率の改善が図れると考えています。
地域戦略では、アルテックス社の連結化や新諏訪センターの売上増加により、地域顧客基盤と開発対応領域の拡大を進めています。このように、2026年3月期は利益面では投資が先行した一方で、中期経営計画達成に向けた成長基盤の整備が進展した期と位置づけています。
2027年3月期見通しと中期経営計画目標へのステップ

2027年3月期の業績見通しと中期経営計画の目標との関係についてご説明します。2027年3月期は中期経営計画の初年度であり、連結売上高は50億円、連結営業利益は1億5,000万円を見込んでいます。こちらは、中期経営計画の目標である2029年3月期の連結売上高62億円、連結営業利益3億円に向けた初年度のステップとなります。
2027年3月期の見通しでは、売上高は中期経営計画の最終年度目標である62億円に対して81パーセント、営業利益は3億円の目標に対して50パーセントの水準です。
営業利益率については、2026年3月期の1.4パーセントから、2027年3月期は3.0パーセント、2029年3月期は5.0パーセントへの段階的な改善を目指しています。
2027年3月期の見通しから2029年3月期の目標までのギャップは、スライド右端に記載のとおり、売上高で12億円、営業利益で1億5,000万円となりました。このギャップに対して、採用人材の本格的な稼働、アルテックス社とのシナジー、業務の効率化、AI関連サービスの具体化により、目標の実現は可能と考えています。
単年度の成長だけでなく、中期経営計画の達成、さらには「100億企業」達成に向けた成長軌道を形成する重要な期と位置づけています。
中期経営計画達成に向けた今後の成長ドライバー

スライドでは、中期経営計画の達成に向けた今後の成長ドライバーを、具体的な重点施策と併せて整理しています。成長ドライバーは、大きく4点に分けられます。
1点目は、人材教育による採用人材の本格稼働です。特に、AIを活用できる人材の育成が最重要テーマとなっています。そのような認識の上で、新卒・中途採用技術者の本格稼働に加え、育成、OJT、メンター制度による即戦力化が進められています。
さらに、案件のアサイン最適化や、上流工程に対応する人材、特にAIに対する指示であるプロンプトを正確に作成できる人材の育成にも積極的に取り組んでいます。
2点目は、アルテックス社とのシナジーです。アルテックス社はWeb分野に非常に強い会社です。開発事業の対応領域拡大、長野・諏訪エリアの顧客基盤活用、共同提案・共同開発など、さまざまなかたちでシナジー効果を発揮し、クロスセルを通じた事業機会の拡大を図れると考えています。
3点目は、AIコンサルやAIテスト領域の具体化です。AI品質保証、AIガバナンス、AIリスク管理、「ISO/IEC42001」対応支援など、多岐にわたるコンサルタント事業を展開していきます。こちらについては、BBS社との業務連携が大きなシナジー効果を発揮すると確信しています。
4点目は、業務効率化および収益性改善です。こちらは事業において当然の課題ですが、販売費および一般管理費の無駄を抑え、開発・検証プロセスの標準化を図り、内製化に加え、ビジネスパートナー体制の最適化を進めていきます。
以上の4つのドライバーを継続的に推進することで、2026年3月期の基盤整備および2027年3月期以降の中期経営計画の確実な遂行を経て、2029年3月期の中期経営計画目標を達成できると強く信じ、事業を進めていきます。
株式会社ビジネスブレイン太田昭和との業務提携①

最後に、IRトピックスについてご説明します。まずは、2026年5月15日に公表した株式会社ビジネスブレイン太田昭和との業務提携に関するお話です。スライドでは「BBS」と記載していますが、正確には株式会社ビジネスブレイン太田昭和です。当社は同社と、生成AI技術を活用したビジネスの拡大を目的に業務提携を行いました。
当社はこれまで、ソフトウェアの開発・検証・保守を含む開発のライフサイクル全体を通じてビジネスを展開してきましたが、BBS社とはシステム検証領域での品質向上に関して共感し、そちらをきっかけに業務提携を結ぶこととなりました。
一方、BBS社は、経営会計を軸としたコンサルティングやシステム構築、BPOに強みを持つ会社です。当社の強みは、ソフトウェアテスト、AI品質保証、AIガバナンスの知見にあります。両社の強みを組み合わせる今回の提携により、双方に大きなシナジー効果が期待できると考えています。
今後は、具体的な施策がスタートします。品質保証を組み込んだ一貫した支援を通じて、AIリスク管理やコンプライアンス対応のほか、AI人材育成・教育を推進します。また、次世代基盤「ACT-Horizon」というBBS社独自のインフラの推進にも協力していく予定です。
本提携を通じて、企業向けの提案機会を拡大し、AI活用ニーズへの対応を強化するとともに、将来的には継続支援型ビジネスへの展開を目指していきます。
株式会社ビジネスブレイン太田昭和との業務提携②

今回の提携によって生じる、事業の将来的な優位性は非常に大きなものになると考えています。生成AIの活用は、今後さらに多くの企業活動に広がると予想されます。一方で、生成AIが非常に大きなリスクを含んでいることが社会問題となっています。
このような環境下で、当社はソフトウェアテストで培った品質保証の知見を活用し、AIの品質保証、ガバナンス、リスク管理などを、BBS社とともに広めていきたいと考えています。
本提携における優位性の1点目は、当社が持つ専門性です。当社の強みはいくつかありますが、最も大きなものはソフトウェアテストです。2点目は、BBS社が持つ顧客基盤です。3点目は、この2つを組み合わせることで、高付加価値なサービスを提供できる点です。この3つを合わせることで、継続支援型ビジネスが展開できると考えています。
AIテスト自動化ツール「digitest」進捗状況

AIテスト自動化ツール「digitest」の進捗状況についてご説明します。当社は2025年11月5日に、AIを活用した独自のテストツール「digitest」を提供すると公表しました。
こちらは、テストケースの作成および自動テストまでのテストシナリオを自動的に生成するツールで、限定された顧客企業における実プロジェクトの環境下で実際に運用しています。この検証を目的としてクローズドβ版の提供を開始しています。
現在、このβ版の提供を通じて機能改善および利用方法の最適化を図り、正式版の提供に向けた研究開発を進めています。
当初は「2026年4月のリリースを目指している」とお伝えしていました。しかし、現状のAI環境について正直に申し上げると、当社が想像する以上のスピードで新しいAIエンジンが次々と登場しています。そのため、どのタイミングでどのAIエンジンを採用することが最適かを、現在検証しています。
「時間をかければかけるほど、サービス提供が後になるのではないか?」という懸念はありますが、現在はβ版として、ニーズのあるお客さまに対して個別に導入を進めています。
当社が開発・検証を進めているAIエンジンは、お客さまの内部で完結できる非常にセキュリティの高いものです。今後進展がありましたら、積極的にアピールしていきますので、よろしくお願いします。
会社概要 - Company Profile -

本スライド以降はご参考までに記載しています。当社の資本金に変更はありませんが、社員数は2026年4月1日現在で533名です。
会社概要 - Company Profile -

主要取引先は従来と変わりありません。
会社概要 - Company Profile -

本社および各拠点の所在地については、スライドをご覧ください。
藤井氏からのご挨拶
AIの活用が、当社の大きな事業テーマとなっています。今後、AIをどのように活用するかが、企業の成否を分ける要因となるでしょう。これからの2年から3年が大きな勝負の時期になると考え、当社も心を強く持ってAIに取り組んでいきます。
株主のみなさまのご支援が、当社の励みとなります。引き続きのご支援をお願い申し上げます。
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