<ドローン関連銘柄4選 >インフラ点検、防衛分野など 用途拡大が進むドローン市場
あちこちで顔を覗かせるドローン
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)を受け、1年延期を経て2021年に開催された東京五輪。そこからあっという間に時がたち、2025年も終わりが近づいているとは、時の流れの早さに改めて驚きを感じてしまいます。さて、なぜいきなり東京五輪の話をしたのかと言えば、開会式でのドローンショーの光景を思い出してほしかったからです。1800台超のドローンで、夜空をキャンバスにして立体的な「地球」を浮かび上がらせたのは、まさに圧巻でした。また、直近の話題で言えば、12月1日に100周年を迎える京都競馬場で記念のドローンショーのデモ飛行が公開されました(※11月14日にデモ飛行、11月16日と23日に本番)。1,500機のドローンで名馬の疾走などを空中に再現したそうです。
今や当初とは比較にならない程精密な操作が可能となり、ドローンの活躍の場は、年々広がり続けています。前述したイベント需要はもちろん、映像撮影、各種インフラの点検、監視・調査、測量、農薬散布、鳥獣対策などは「人手不足対策」や「効率化」の名の下に、一般的なものとなりつつあります。近年各所で実証実験が行われている「ドローン配送」なども将来的には、間違いなく用途の1つに加わることになるでしょう。参考までに、今回はテーマ「ドローン」に属する銘柄の一部を紹介します。他にも沢山の銘柄があるので、ぜひ調べてみてください。
1.Liberaware(218A)
「狭くて、暗くて、危険な」かつ「屋内空間」の点検・計測に特化した世界最小級のドローン「IBIS2」を提供しています。フレーム形状からフライトコントローラー、モーター、プロペラ、バッテリーまで自社で開発を行っており、企業ごとの課題に応じたカスタマイズにも柔軟に対応できることが強みで、当然ながらドローンを活用した様々なソリューションも手掛けています。🔽Liberaware(218A)の最新記事を読む🔽
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2.セントラル警備保障(9740)
ドローンによる屋外・屋内の点検サービス、災害支援用ドローンの販売、ドローンスクールの運営、不正ドローン対策機器の販売およびレンタルなど、多岐にわたるドローンサービスを提供しています。「テロ対策特殊装備展 25(SEECAT)」にも出展しています。🔽セントラル警備保障(9740)の最新記事を読む🔽
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3.日本化薬(4272)
不測の事態でドローンが落下した際に、極少量の火薬を用いて緊急パラシュートを射出・展開する、日本初の産業用ドローン向け緊急パラシュートシステム「PARASAFE」を手掛けています。25年3月には水上を飛行するドローンに対応した安全装置「フロートパラシュートシステム」の実証実験を荒川で実施し、河川での有効性を確認しています。🔽日本化薬(4272)の最新記事を読む🔽
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4.ミライト・ワン(1417)
ドローンフライト業務に関する各種機材を販売しています。最適な組み合わせでドローンの種類や関連機材、運用に必要なソフトウエア、機体のメンテナンスまで、ワンストップでご提案できるのが同社の強みです。機材以外にもドローンを用いたソリューションも提供しています。🔽ミライト・ワン(1417)の最新記事を読む🔽
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軍事関連としてのドローンのテーマ性
あまり好ましい話題ではないかもしれませんが、現実の需要として、念頭に置いておくべきなのは軍事関連としてのドローンの姿です。ここ数年で明らかにドローンの兵器としての戦略的な有用性が広まったことは事実です。単純に高速化しており迎撃が難しくなっているだけでなく、ミサイルとは異なる経路(低空飛行)で接近されたり、安価さを武器に物量突破を図ったりされてしまうからです。 また、自爆ドローンとは別の囮のドローンがきても、リソースを消費して迎撃せざるを得ず、防衛側の消耗が激しくなります。現在も停戦がまとまらずに争乱が続くロシアとウクライナ。ウクライナ軍の報告によると、実際2025年5月にはドローンの飛来数は4,000機超となり、6月、7月、8月、9月、10月と継続的に4,000~6000機が飛ばされてきている状況のようです。皮肉なことですが、兵器としてのドローンの進化、そしてその迎撃技術の発展もまた、社会におけるドローンの可能性を高めることに繋がっていくのでしょう。(※2025年11月19日執筆)
国内株式を中心とした投資関連のコンテンツ作成・情報配信、企業分析などを主な事業内容としている。日経CNBCなど各種メディアへの出演、『ダイヤモンドZAi』をはじめとしたマネー誌への寄稿も多数。
※記事内容、企業情報は2025年11月19日時点の情報です。
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