世界シェア11%で第2位、アフターマーケット収益5割超の「建設機械」大手
国内の注目銘柄を紹介する新連載「ログミーFinanceの#銘柄発掘」がスタート! ビジネスモデルやファンダメンタルズの分析を通じて、中長期で保有できる優良銘柄の見極め方が身につく実践的シリーズです。今回は、小松製作所を取り上げます。
世界シェアは11.2%。小松製作所の事業内容と売上構成
小松製作所(6301)は「コマツ」ブランドで建設機械・鉱山機械を展開する総合建設機械メーカーです。世界シェアは11.2パーセントで、アメリカ・キャタピラー社に次ぐ第2位の地位にあります(2024年度)。
売上構成は、油圧ショベル・ブルドーザ・鉱山機械などの「建設機械・車両」が約92パーセント、半導体露光用エキシマレーザーなどの「産業機械他」が約5パーセント、販売金融などの「リテールファイナンス」が約2パーセントとなっています(2025年3月期)。
世界第2位ながら稼働データ活用で先行、アフターマーケット収益が5割超
強みは稼働データ活用の先行です。建設機械にGPSやセンサーを載せて稼働・故障情報を遠隔で把握できる仕組み「KOMTRAX」を2001年から標準搭載し、データをもとに保守点検や部品交換の提案をすることで、安定的な収益を獲得しています。2026年3月期第2四半期時点では「建設機械・車両」セグメントの売上の53パーセントを保守点検などのアフターマーケットで稼ぎ出しており、景気減速局面で下支えになりそうです。
鉱山機械の高度自律化で継続収益モデル構築、累計940台の導入実績
長期的な成長ドライバーは鉱山機械の高度自律化。鉱山では安全・省人化と安定稼働が重視されることから機械のスイッチングコストが高く、自律運行のためのソフト更新や保守点検が継続収益となりやすい特性があります。小松製作所は2008年に高度自律化を一部実現する「鉱山向け無人ダンプトラック運行システム(AHS)」を商用導入して以降、2025年9月末時点で累計940台の導入実績を持ちます。また、2025年9月にはAIを活用した次世代のSDV(ソフトウェアが主役の車両)や自動化プラットフォームの開発で米国企業と提携を開始したことから、開発の加速が期待されています。
国内は国土強靭化が下支え、次期5か年で20兆円超の投資計画
国内市場では、政府の国土強靭化政策が建設機械需要を下支えします。政府は2026年度からの次期5か年計画で事業規模20兆円強を見込んでおり、現行計画から約5兆円の増額となります。
小松製作所にとって、インフラ老朽化対策や災害対応といった継続的な公共投資は、油圧ショベルやブルドーザーなどの需要を生み出し、景気変動の影響を受けにくい安定収益源として機能することが期待されます。
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執筆者プロフィール
執筆:西田哲郎ライター・コンテンツディレクター。投資歴15年。『神の手』の某社で大きな損失を出したことをきっかけにイナゴを卒業、ビジネスモデルとファンダメンタルズ重視の手法に切り替える。業界紙やスタートアップを経てフリーで投資情報メディアやM&A情報サイトの立ち上げに関わり、現在は主に週刊誌で投資や経済関連の記事を執筆。
※記事内容、企業情報は2025年11月12日時点の情報です。
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