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株式会社KVK6484

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※当記事は速報版です。スライド情報は割愛している他、数値などに誤りが含まれる可能性がございます。正確な情報は決算短信・決算説明資料などの正式な開示資料、または追って公開予定の確定版記事にてご確認ください。

目次

北川喜一氏:取締役経営管理本部長の北川です。2026年3月期第2四半期(中間期)決算説明を始めます。

本日は、会社概要についてご紹介し、続いて、2026年3月期第2四半期(中間期)の決算概要についてご説明します。その後、中期経営方針および長期経営方針についてお話しし、最後にTOPICSおよび株主還元についてご説明します。その後、参考資料として業界動向などを補足します。

KVKについて

当社についてご説明します。当社は1939年に創業し、本社を岐阜県加茂郡富加町に置いています。資本金は28億5,400万円、従業員数は2025年9月30日時点で1,189名です。

グループ会社は、中国の大連北村閥門有限公司およびフィリピンのKVK PHILIPPINES, INC.の2社です。

事業内容は、水栓金具や継手、排水金具、水栓部品の製造・販売を行っています。

私たちは、「経営理念」を軸に、事業活動を展開しています。

経営理念は、「良品と均質」「信用と奉仕」「協力と発展」「安全と健康」であり、この理念を実現するために、Plan(計画)・Do(実行)・Check(確認)・Action(改善)のサイクルを基盤とし、品質・安全・環境・コンプライアンスを重視した経営を推進しています。

こんなところにKVK

当社製品が活躍する場面についてご紹介します。当社は「防災設備」を含めた「床上」から「床下」まで、家一軒まるごと水まわりをプロデュースする水栓金具専業メーカーです。

住宅内のあらゆる箇所に当社製品が使用されています。具体的には、浴室用水栓、キッチン用水栓、洗面用水栓、給止水栓、シャワーヘッド、浄水カートリッジ、継手や配管など、水の入口から出口まで、すべての水まわり製品をトータルで提供しています。

KVKの歩み

当社のこれまでの歩みをご説明します。当社は1939年に北村鋳造所として創業し、1949年に北村バルブを設立しました。1966年に初期の壁付混合栓を発売し、水栓メーカーとしての基礎を築きました。

1989年には中国に大連北村閥門有限公司を設立し、海外での生産体制を確立しました。1992年には商号を「株式会社KVK」に変更し、翌1993年には日本証券業協会に店頭登録しました。

2008年には喜多村合金製作所および関連会社から給排水金具・継手事業の一部を譲受し、2016年にはフィリピン工場を設立して海外での生産体制を強化しました。

2023年には新工場棟を2棟完成させ、コージェネレーションシステムおよび太陽光発電を稼働しました。現在は第二次変革期を迎え、持続可能な成長に向けた体制強化を進めています。

KVKの強み

当社の強みについてご説明します。

KVKは、長年培った経験をもとに、高品質で信頼される製品を提供しており、1939年の創業以来、日々の生活に欠かせない水まわりを支える企業として成長してきました。

当社の強みは大きく3つあります。1つ目は「提案力」です。お客さまの要望に合わせて、商品やデザインを提案します。2つ目は「技術力」です。長年培ったノウハウをもとに、付加価値を生む技術力を有しています。そして、3つ目は「生産品質力」です。国内外4つの生産拠点で一貫生産体制を構築し、安定した品質を維持しています。

商品点数は約1万1,000点を誇り、アフターサービスもメーカー直で対応しています。また、市場シェアは2025年4月から9月の数量ベースで21.4パーセントと高いシェアを維持しています。

ビジネスモデル

当社のビジネスモデルについてご説明します。

KVKグループは、連結子会社2社で構成され、水栓金具や継手、排水金具、水栓部品の開発設計から製造・販売までを一貫して行っています。

中国の大連北村閥門有限公司は製造および中国市場での販売を担い、フィリピンのKVK PHILIPPINES, INC.は部品の組付け加工を担当しています。

製品は、住宅設備機器メーカーやホームセンター、管工機材商など多様な流通チャネルを通じて、最終的に水道工事店や一般ユーザーへ届けられています。このように、当社は国内外の生産・販売ネットワークを通じて、安定した供給体制を実現しています。

業績サマリー

ここからは、2026年中間期の決算概要についてご説明します。

売上高は151億1,400万円となり、前年同期比6.3パーセント増となりました。主力商品の受注が増加し、売上高は過去最高を更新しました。

営業利益は13億7,800万円となり、前年同期比16.5パーセント増となりました。主な要因は増収効果です。

経常利益は17億3,300万円となり、前年同期比23.4パーセント増となりました。新工場棟建設に伴う土地および建物取得に関する補助金の交付が寄与し、増益となりました。

親会社株主に帰属する中間純利益は11億9,000万円となり、前年同期比26.1パーセント増となりました。補助金の効果もあり、前年を上回る結果となりました。

業績予想比では、売上高、営業利益、経常利益、中間純利益のいずれも計画を上回って推移しました。各項目の比率や金額はスライドに記載のとおりで、いずれも順調に進捗しています。

四半期別業績ハイライト

四半期別業績ハイライトについてご説明します。

まず売上高です。第1四半期の売上高は5億3,000万円増で前年比7.3パーセントの増加となりました。第2四半期の売上高は3億5,900万円増で前年比5.1パーセントの増加となりました。

営業利益については、第1四半期が1億5,600万円増で前年比26.5パーセントの増加となりました。第2四半期は3,800万円増で前年比6.5パーセントの増加となりました。

売上高推移

売上高推移についてご説明します。

当中間期の売上高は151億1,400万円となり、前年同期比で8億9,000万円の増加となりました。得意先への受注活動に注力した結果、前年同期比の金額ベースで、主にシャワー付湯水混合水栓と湯水混合水栓が伸長したことが売上の増加要因となりました。

品目別の売上高は、シャワー付湯水混合水栓が48億9,400万円で前年同期比2億7,800万円の増加となりました。湯水混合水栓は63億3,300万円で、前年同期比4億7,300万円の増加となりました。単独水栓は17億7,200万円で、前年同期比7,300万円の増加となりました。その他は21億1,400万円で、前年同期比6,500万円の増加となりました。

営業利益推移

営業利益推移についてご説明します。

当中間期の営業利益は13億7,800万円となり、前年同期比で1億9,500万円の増加となりました。営業利益は3期連続で増益となりました。

増減要因については、原材料の高騰および仕入れコスト増加の影響によって原価悪化した分を販売影響にて補填しました。

コスト推移

コスト推移についてご説明します。

売上原価は、113億4,600万円で売上高比で75パーセント程度となり、大きな変動はありませんでした。

販管費は固定費が大半を占めており、売上原価は効率的な生産体制を維持した結果、コスト構造は大きく変化していません。銅価格や為替変動などの外部要因による影響を最小限に抑える運営ができています。

貸借対照表

貸借対照表についてご説明します。

2025年9月30日時点の総資産は357億7,800万円で、前期末比で4億9,800万円減少しました。流動資産は197億8,800万円で、現金および預金の減少が主因です。固定資産は159億8,900万円で、投資有価証券の増加が見られました。

流動負債と固定負債の合計は62億3,500万円で、仕入債務の減少が要因です。純資産は295億4,100万円となり、利益剰余金の増加等により12億1,500万円増加しました。

流動比率は348.8パーセントで前期末比66.7ポイント増加し、自己資本比率は82.6パーセントで前期末比4.5ポイント増加しました。1株当たり純資産額は、3,679円89銭で前期末比142円45銭増加しました。

キャッシュフロー

キャッシュフローについてご説明します。

営業活動によるキャッシュ・フローはプラス5億7,300万円となりました。税金等調整前当期純利益のプラス17億3,100万円、仕入債務の減少によるマイナス11億2,500万円などが主な要因です。

投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス8億600万円で、有形固定資産および投資有価証券の取得が主な支出です。

財務活動によるキャッシュ・フローはマイナス3億4,300万円で、配当金の支払いによるものです。結果として、現金および現金同等物の期末残高は48億8,600万円となり、前期比で5億6,800万円減少しました。

中期経営計画概要

ここからは、中期経営計画の概要についてご説明します。

当社は「水まわり商品を通して日常に彩りを加え、安らぎと団らんのある暮らしに貢献する」というビジョンのもと、2023年度から2025年度にかけて中期経営計画を推進してきました。重点戦略として、「販売基盤の強化」「生産基盤の強化」、そして「サステナビリティ視点での経営基盤の強化」の3点を掲げています。

財務指標では、2023年3月期の売上高297億円に対し、当初2026年3月期に360億円を目標としていましたが、中国市場の想定以上の低迷により305億円に下方修正しました。営業利益率とROEは、それぞれ10パーセントを目標としています。

Vision2030

Vision2030についてご説明します。

当社は、KVKブランド価値を高め、世界中の人々から必要とされる水まわりのリーディングカンパニーを目指します。

すべての人にとって使いやすく、永く安全に使える製品・サービスを提供し、高いお客さま満足度の実現を目指します。温室効果ガスの排出量削減や環境負荷物質・産業廃棄物の削減を進め、高効率な生産体制により地球環境を守ります。

「人間尊重」を基本に、自ら学び、考え、行動できる人財育成体制を構築し、ステークホルダーに信頼されるガバナンス体制を確立します。これらを通じて、連結数値目標の達成を図ります。

TOPICS①

TOPICSについてご説明します。

まず、中高級サーモスタット水栓の発売についてです。新製品はKIERRE(キエラ)とREUNA(レウナ)の2シリーズです。これらは、使用感やメンテナンス性を損なうことなく、シンプルでありながら個性のあるデザインを特徴としています。浴室空間のアクセントになる外観を重視し、中高級価格帯のサーモスタット式シャワー水栓として展開しています。

KIERREは、面をひねったことで複数の表情をもつアシンメトリーなデザインです。エッジの効いたラインからなる、水が流れ落ちるような形状を採用しています。REUNAは光沢のある黒色の材質を上下めっきで挟み、コントラストを強調したデザインです。直線の美しさを表現した構造が特徴となっています。

次に、遠隔スイッチ発売についてです。後付けが可能な仕様となっており、幅広い水栓に対応できます。Bluetoothによるワイヤレス構造のため、設置場所を選ばずに使用できます。水栓のレバーやハンドルまで手が届きにくい方でも操作ができるように設計されており、小さなお子様、高齢者の方、障がいをお持ちの方でも吐水・止水の操作が行えます。

水栓に触れずに操作できるため、水栓が汚れにくく、掃除の手間を軽減できます。また、水栓のレバーやハンドルに手を伸ばす時間が短縮されることで、節水にもつながります。

TOPICS②

NPS研究会による巡回研究会についてです。当社は生産面においてKPS(KVK Production System)活動を柱とし、最適生産を目指して無駄の排除とコスト競争力の強化を進めています。7月には2日間にわたりNPS研究会による巡回研究会を開催しました。

この研究会には、一業種一社で構成される会員企業の改善メンバーが参加し、組立ラインをモデルラインとして改善活動を行いました。多くの課題を抽出し、改善を進めたことで最適生産につながりました。今後も自主的な研究会を定期的に開催し、生産性向上に努めていきます。

管工機材ルートの販売強化については、代理店・特約店で構成する全国KVK会の地区大会を開催しました。関西地区では5月、東北地区では7月に実施し、お客さまとの親交を深め、結束を強める機会となりました。

また、東京(8月開催)および大阪(9月開催)で開催された管工機材・設備総合展に出展しました。ブースでは、洗面用手洗い水栓のカラーバリエーションをはじめ、中高級サーモスタット水栓、ウルトラファインバブルシャワー(hadamo)などを展示しました。

TOPICS③

「中国国際キッチン&バス設備展覧会2025」への出展についてご説明します。

当社は中国・アジア市場での販売力強化を目的として、5月に中国の上海で開催された世界最大規模の展示会である「中国国際キッチン&バス設備展覧会2025」に出展しました。

展示ブースは白を基調とした構成で、オーバーヘッドシャワー、ウルトラファインバブルシャワー「hadamo」、撥水水栓、洗面、キッチン用センサー式シングルレバー水栓など、幅広い製品を出品しました。多様なニーズに対応できるラインアップをアピールしました。

オーバーヘッドシャワーおよびウルトラファインバブルシャワーについては、実際に通水し、来場者の方々に肌触りを体感していただきました。また、撥水技術を紹介し、その機能をサンプルを用いて体験していただきました。

来場されたお客さまからは、「Made in Japan」の高機能・高品質を直接体感していただいたことで、高い評価をいただきました。

株主還元~配当の状況

配当の状況についてご説明します。

当期の中間配当は、1株当たり40円とします。期末配当40円と合わせて年間80円への増配を予定しています。

連結配当性向は、2025年3月期28.4パーセント、2026年3月期は33.7パーセントを見込んでいます。

株主優待およびIR活動

株主優待とIR活動についてご説明します。

株主優待は、所有株式数100株以上の株主さまに当社製品を優待価格でご提供し、所有株式数500株以上の株主さまには当社製品の優待価格に加えて、3,000円相当の入浴用品をお届けします。

2026年度の優待価格対象製品は、ウルトラファインバブルシャワーヘッド「G Shower」「hadamo」、サーモスタット式シャワー「KIERRE」「REUNA」、シングルシャワー付混合栓です。

IR活動として、三井住友信託銀行さま提供のアプリ「株主パスポート」を導入し、株主総会・配当金・株主優待などの最新情報の確認や、スマートフォンからの議決権行使が可能となります。

為替・銅価格

為替と銅価格についてご説明します。

為替は円安局面を維持しており、銅価格は2024年度期首の1,300円/キログラム台後半から期末の1,500円/キログラム台後半へと上昇傾向で推移しました。

年度別新設住宅着工戸数

新設住宅着工戸数についてご説明します。

4月に施行された建築基準法・省エネ基準の改正に伴う駆け込み需要の反動もあり、前年同期比で減少傾向となっています。

私からのご説明は以上です。ご清聴いただきありがとうございました。

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