アイビーシー、売上高は2期連続で過去最高、各段階利益も大幅伸長 System Answer更新率は96%と高水準を維持
ハイライト

加藤裕之氏:アイビーシー株式会社代表取締役社長CEOの加藤です。本日はお忙しい中、2025年9月期の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。
さっそくですが、業績をご説明します。まず、通期のハイライトです。スライドは連結での比較となっていますが、単体での比較についても併せてお伝えします。おかげさまで、売上高は前年同期比10パーセント増となり、2期連続で過去最高を更新しました。単体では15パーセント増となりました。
営業利益は前年同期比48パーセント増の5億6,500万円、単体では47パーセント増となりました。
純利益は前年同期比63パーセント増の4億1,000万円、単体では78パーセント増となり、大幅に伸長しています。
販管費は前年同期比で7パーセント増、単体では10パーセント増となっています。これは主に人件費で、賃上げや増員、業務委託の増加によるもので、事業拡大に伴う人材投資となります。
ストック売上高は前年同期比23パーセント増となり、高成長を維持しています。
当社の主力製品である「System Answer」の更新率は96パーセントとなり、目標としていた95パーセントを超え、高水準で推移しました。
業績推移

業績は順調に右肩上がりの成長を続けています。
通期 業績

通期の業績についてです。売上高は24億400万円で、前年同期比10パーセント増となりました。なお、上方修正した業績予想との差異は、2025年9月期内に納品予定だったもののうち、2026年9月期の納品となったものがいくつかあったためです。
営業利益は上方修正後の業績予想比103パーセント、純利益は105パーセントと、予想を上回る結果となりました。
売上高(単体)

単体の売上高についてです。主力のライセンス販売事業は、他社からの切り替えによる新規案件獲得が引き続き堅調に推移し、前年同期比21パーセント増の12億4,800万円となりました。
その他物販事業は、セキュリティ製品の引き合いが増加したことで、前年同期比35パーセント増の5億3,000万円となりました。
サービス提供事業は、大口顧客の業績状況に伴う予算削減による解約が1件影響し、前年同期比6パーセント減の6億2,500万円となりました。
ストック売上高(単体)

単体のストック売上高についてです。ストック売上は前年同期比23パーセント増の15億4,000万円となりました。また、ストック売上比率は前年同期比4ポイント上昇して64パーセントとなり、安定した収益構造を維持しています。
System Answer更新率

「System Answer」の更新率についてです。ご契約の更新期日を迎えたお客さまのうち、96パーセントが継続利用いただいています。多くのお客さまに当社の製品を長くご利用いただいています。
なお、第4四半期単独で見ると、2024年9月期は100パーセントの更新率でしたが、2025年9月期の更新率は入札案件の結果などにより、前年同期比5ポイント減少しました。それでも目標の95パーセントは維持することができました。
営業利益

営業利益についてです。営業利益は前年同期比17パーセント増の5億6,500万円となりました。「System Answer」の値上げ効果や売上割合の増加により、売上総利益率は前年同期比4ポイント増加、販管費率は前年同期比2ポイント減少したことで、収益が向上しました。
また、営業利益率は24パーセントとなり、当社が属する情報通信業界の平均営業利益率である11パーセントを大幅に上回る水準となりました。
販管費内訳(単体)

販管費の内訳についてです。販売費増加の要因は人件費です。事業拡大のため、継続的な人材投資として従業員の増加および賃上げを行いました。
B/S・自己資本比率(単体)

バランスシートおよび自己資本比率についてです。ストック収益により安定したキャッシュフローを確保し、自己資本比率は61パーセントとなりました。健全な財務体質を維持しています。
純利益・EPS

純利益についてです。売上高の増加と売上総利益率の向上により、純利益は前年同期比63パーセント増の4億1,000万円と、大幅に伸長しました。
株主還元

株主さまへの還元内容についてです。当社は累進配当を実施しており、2025年9月期は中間配当6円、期末配当6円とし、年間では12円の配当を予定しています。
人材戦略

人材戦略についてです。2025年9月期は、9名の採用計画に対し8名の採用となりました。ただし、期をまたいだ入社を含めると、採用人数は計画どおりとなります。一方、想定外の離職者が6名発生し、純増は2名となりましたが、離職率は業界平均を大きく下回る水準を維持しています。
2026年9月期においては、技術職と営業職を中心に10名の採用を予定しています。
また、引き続き人材育成の拡充を推進しており、自社製品の理解やネットワーク知識の向上を目的に、各種資格取得の支援も実施しています。
IBC Day 2025(プライベート展示会)開催

第4四半期のトピックスについてお話しします。2025年10月10日に「IBC Day 2025」を開催しました。多くのお客さまにご来場いただき、事例セミナーや最新ソリューションを紹介しました。また、新製品「ITOGUCHI」のデモを行い、大盛況のうちに終えることができました。
2026年9月期 通期計画

2026年9月期の計画についてご説明します。売上高・利益ともに過去最高を目指しています。
「System Answer」はこれまで大企業を中心に導入いただいていましたが、企業全般で専任IT人材が不足している状況が続いており、簡単に扱えて効果的な監視製品を導入し、少人数でも対応可能にしたいというニーズがあることから、中堅・中小企業への販売拡大も目指しています。
昨今、サイバー攻撃による大規模な被害の増加を背景に、セキュリティ製品の問い合わせが増加しています。サイバー攻撃への対策は事業継続に関わる重要な課題であるため、当社ではセキュリティ製品の販売強化に取り組み、お客さまにとって最適な対策を提案できるよう努めていきます。
これにより、高利益率の「System Answer」とともに、セキュリティ製品の売上拡大を目指し、過去最高の売上・利益を計画しています。ただし、セキュリティ製品の売上割合が増加することに伴い、全体の利益率の伸びはやや緩やかになると想定しています。
2026年9月期 配当予定

2026年9月期の配当についてです。中間配当を11円、期末配当を11円とし、年間では22円、前年同期比で10円の増配を予定しています。業績動向を踏まえた上で、配当性向30パーセントを目安に、安定的かつ継続的な利益還元を目指していきます。
キャッシュアロケーション

キャッシュアロケーションについてです。営業活動で得られた現金と手元資金を活用し、株主さまへの還元と成長投資を実施します。
このうち成長投資では、既存事業をストレッチさせるべく、大きな需要があるインテグレーションビジネスの成長を加速させることを目指し、ITインフラインテグレーションを中心としたSE会社のM&Aを検討しています。
成長市場へのアプローチ

今後の取り組みについてご説明します。当社製品は全業種にわたり需要がありますが、その中でも成長市場での売上拡大と市場シェアの増加を目指しています。
1つ目は、学校教育の市場です。文部科学省の「GIGAスクール構想」において、生徒が1人1台、PCやタブレットを持ち、授業などのDX化を進め、ICT教育を推進しています。その第2段階が「NEXT GIGA」であり、文部科学省から学校に対して、学校内ネットワークのアセスメントを行うよう通達が出ています。
そのような状況下で、当社にアセスメントの引き合いが多く寄せられており、それをきっかけに「System Answer」などを訴求し、販売拡大を目指していきます。
2つ目は、自治体の市場です。自治体DXの推進により、各自治体の庁内ネットワークと政府を接続するLGWAN接続系ネットワークにおいて、Web会議システムなど特定のクラウドサービスへの直接接続が可能になりました。
これに伴って予想される大幅なトラフィック増加によるネットワーク障害の未然防止に向けて、「System Answer」を訴求し、販売拡大を目指していきます。
3つ目は、製造業です。工場の機器・装置・設備はOTと呼ばれ、これまではインターネットにつながっていない閉域ネットワークで構成されていました。しかし、製造業にもDX化が進展し、工場と本社や管理部門のシステムをインターネットで連携させ、業務効率の向上やデータ分析が可能となるよう改善が進んでいます。
このような状況で、工場現場では外部のITネットワークとの接続におけるセキュリティ対策が急務となっています。このため、「System Answer」やセキュリティ製品を訴求するスキームをOTベンダーとともに構築中です。これによる販売拡大を目指していきます。
ITOGUCHIの販売戦略

新製品「ITOGUCHI」の販売戦略についてです。「System Answer」シリーズに続く主力製品として育てることを目指し、特にクラウド領域で顧客基盤の構築を進めていきます。
「ITOGUCHI」は「System Answer」シリーズとの機能連携だけでなく、他社製品との機能連携も可能です。そのため、既存顧客や新規顧客に対して、現在使用している監視製品と「ITOGUCHI」を組み合わせて運用することを提案し、アップセル、クロスセルの実現や新規顧客の獲得を目指します。
持続可能な社会と事業戦略の接続

持続可能な社会への取り組みについてお話しします。1つ目は、持続可能な社会と事業戦略の接続についてです。「System Answer」や「ITOGUCHI」を利用いただくと、ネットワーク機器の性能状況の監視に加えて、それぞれの機器の性能情報やネットワーク構成情報を基に不要な機器を精査することができ、機器の削減によって運用コストの軽減が図れます。また、CO2削減も可能です。
当社製品を導入いただくことで、ITシステムの安定稼働に加え、環境への負荷を減らすことが可能となります。
環境負荷の低減

2つ目は、環境負荷の低減についてです。当社は、事業所内で使用する電力をすべて再生可能エネルギーに切り替えました。さらに、ペーパーレス化を推進し、環境負荷の低減に積極的に取り組んでいます。
また、機密文書の処理においては、これまでのシュレッダーで処理し廃棄していた方法を見直し、機密文書を安全に処理した後、紙資源としてリサイクルする仕組みを導入しました。これにより、焼却処分によるCO2排出を抑制し、資源循環に貢献しています。
この取り組みにより、2023年9月期を基準として、電気では約56トン、紙では約59キログラムのCO2削減に貢献しました。
多様性と包摂性の推進

3つ目は、多様性と包摂性の推進についてです。当社はNPO法人AlonAlonに出資し、胡蝶蘭栽培などの事業を支援しています。生産現場に当社従業員が訪問し、作業を手伝うことで交流を図っています。このような活動を通じて、社員一人ひとりが他者を思いやる優しさを育みながら、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
以上、2025年9月期の決算説明となります。ご清聴ありがとうございました。
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