第2四半期 ハイライト
加藤裕之氏:アイビーシー株式会社代表取締役社長CEOの加藤です。本日はお集まりいただきありがとうございます。2025年9月期第2四半期決算について、資料に基づきご説明します。
まずは第2四半期のハイライトです。おかげさまで、売上高は第2四半期としての過去最高を創業23年目で記録できました。営業利益は前年同期比87パーセント増の2億5,200万円です。純利益は前年の反動もあり、前年同期比1,458パーセント増の1億8,400万円と大幅に伸長しました。
販管費は、前年同期比で12パーセント増加しました。これは主に賃上げや増員により人件費が増加したためで、事業拡大に向けた人材投資となります。
安定した収益を得られたことで、ストック売上高は前年同期比48パーセント増となり高成長を達成しています。主力商品の「System Answer」などが非常によい状態で推移しました。なお、「System Answer」の更新率は95パーセントと高水準を堅持しています。
業績推移
業績推移です。創業から右肩上がりの成長を記録し、2025年9月期にはさらなる拡大を目指してがんばっているところです。
第2四半期 業績
第2四半期の業績です。通期進捗率は、売上高が45パーセント、営業利益が56パーセント、純利益が52パーセントになっています。今期第2四半期の実績としては、順調に推移していると考えています。
第2四半期累計 売上高(単体)
第2四半期累計の売上高についてです。主力商品の「System Answer」をはじめとしたライセンス販売事業は、既存のお客さまへのサポートやパートナーの強化がうまくいき、売上高が前年同期比53パーセント増の5億9,800万円と大きく伸長しました。
サービス提供事業やその他物販事業は前年同期比で若干減少していますが、例年並みの水準となっています。
販売形態
販売形態についてです。現在の直販比率は約40パーセントです。もともとは主に大手企業を直接訪問して販売を進めてきましたが、最近はパートナー戦略ということで大手のSIerメーカーと組み、自治体や官公庁、文教の各マーケットにかなり力を注いでいます。
この結果、パートナーの大手ベンダーが代理店になり、各マーケットに当社製品をけっこう販売しています。これが徐々に浸透し、今の業績に至っています。
第2四半期累計 ストック売上高(単体)
第2四半期累計のストック売上高は、前年同期比48パーセント増の7億2,400万円となりました。ストック売上比率は前年同期比で15ポイント上昇の68パーセントとなり、安定した収益構造を維持しています。
ストック売上の主な内容は、ライセンスの1年更新です。1年更新の「System Answer」が安定的に増えています。
第2四半期 システムアンサー更新率
第2四半期の「System Answer」更新率についてです。高い水準で推移しており、毎年の更新率はだいたい95パーセント以上で、当第2四半期も95パーセントを維持しています。多くのお客さまに当社製品を長く使ってもらえる環境がかなり整ってきたと思っています。
第2四半期累計 営業利益
第2四半期累計の営業利益についてです。売上高の増加および売上総利益率の向上が見られました。売上総利益は前年同期比1億8,300万円増、27パーセント増の8億5,600万円と大幅に増加しています。
営業利益率は24パーセントとなりました。当社が属するIT業界全体の年平均営業利益率は11.7パーセントですが、この倍以上の水準で推移しているのは、ライセンス販売事業の伸長により営業利益率が上がっているためです。加えて、昨年に当社製品を20パーセント値上げしたことも貢献していると思います。
2025年9月期通期の営業利益率は19パーセントを予想しています。前期も17パーセントまで伸びましたが、さらに2ポイント増やす計画です。今後も、営業利益率を意識しながら展開していきたいと思っています。
第2四半期累計 販管費内訳(単体)
第2四半期累計の販管費内訳です。販管費の主な増加要因は人件費です。事業拡大に向けた人材投資として従業員の増加を図っているほか、安定的に退職率を下げるための賃金アップなども行っています。
B/S・自己資本比率(単体)
バランスシートと自己資本比率についてです。継続的な収益の積み上げと有利子負債の減少により自己資本比率は63パーセントとなり、徐々に上昇しています。健全経営や健全財務体質をスローガンに掲げている当社としては健全に推移しているものと考えています。
第2四半期累計 純利益・EPS
第2四半期累計の純利益についてです。売上高の増加や売上総利益率の向上により、純利益は前年同期比1,458パーセント増の1億8,400万円と大幅に伸長しました。
安定的な収益を生んだライセンス販売事業が大きく寄与し、収益基盤となっています。また、会社全体が利益率を意識して活動したことも寄与しているのではないかと思っています。
株主還元
みなさまが最もいろいろお考えになるであろう株主還元についてです。もともと発表しているとおり累進配当を実施しています。2025年9月期は予定どおり6円の中間配当を決定しています。期末も同じく6円を予定しており、年間12円を配当する予定です。
人材戦略
人材戦略です。2025年9月期においては9名を増員する計画です。最近は技術職を特に採れない状況ですが、技術職を中心に増員していきたいと思っています。
人材育成の拡充については、社内検定制度を設けました。自社製品への理解やネットワークの知識等を深めてもらうほか、新人を対象に含む教育も行っています。また、国家資格や「AWS」「Cisco」関連の資格取得も支援しています。
お客さまに幅広い技術やサービスを提供するために、人材育成と人材戦略に取り組んでいます。
市場規模
市場規模についてです。デジタル化やDX推進等により、市場全体でIT投資がどのぐらい行われているかを見ていきます。当社はライセンス販売事業を中心に展開していますが、当社が所属する市場は「運用管理」と呼ばれる市場になります。
運用管理市場の規模は1,894億円と言われています。サービス販売事業やその他物販事業も含めた国内情報セキュリティ市場規模は、1兆5,852億円と想定しています。両市場においてデジタル化・DX推進によるIT投資が進んでおり、市場規模の拡大成長率は8パーセントから10パーセント程度で構成されています。
さらなる成長が可能なポテンシャルのある市場としては、製品開発やサービス開発を展開していきたいと思っています。当社はサーバーからネットワークセキュリティまで、ある程度可視化することができます。
そのため、直接的あるいは間接的にさまざまなお客さまからの要望を製品に反映し、サービス販売事業として展開します。サーバーネットワークセキュリティ全体の情報を持っている会社として、そのような動きを進めています。
「AWS」をはじめとした「Microsoft Azure」「Oracle Cloud」「Google Cloud Platform」等のクラウドサービスの可視化を含め、ハイブリッド環境で成長できると自負しています。こちらに対しても、人材投資を含めて展開していきたいと思っています。
新たな機能の開発(AI技術)
第2四半期のトピックスをご説明します。当社には「System Answer G3」という製品がありますが、巷で流行りのAIを含め、サーバーネットワークセキュリティ周りおよびネットワークインフラ全体を可視化できる分析・解析サービスなどのプロダクト開発に邁進しています。
創業から23年のノウハウを駆使し、AI技術で運用監視の知見をうまく使用しながら学習させます。今後は自動運用を含めて、どのような問題個所を予防保守的に検知できるのかを開発していきます。
このような研究開発など、技術部隊はさまざまな尺度で見ています。迅速な障害発生への対応や運用効率の向上など、AIをどのように活用できるのかについて、研究開発の域ではありますが真剣に取り組んでいます。
AI銘柄のように大きく株価が上がることにはなりませんが、研究開発は着実に進めています。現在のネットワーク環境やクラウド環境を含めて、世の中のためになるようなプロダクトやサービスを生み出すことができれば、意義のあることだと考えています。
当社は、サーバーネットワークセキュリティを中心に事業を展開しており、可視化ビジネスやハイブリッド環境に対応できる日本初の企業です。まだニッチな領域ですが、新たな技術や付加価値をどのように付けられるかは、当社にとって非常に重要な位置づけとなります。市場を見ながら、プロダクト開発にしっかりと取り組んでいきます。
新たな機能の開発(マルチクラウド)
「AWS」「Microsoft Azure」「Oracle Cloud」「Google Cloud Platform」などのマルチクラウド環境の可視化機能など、APIを叩きながら次期製品に反映させるべく、日々努力をしています。
成長市場へのアプローチ
成長市場へのアプローチについてです。公共や文教のマーケットは、オンライン事業や改正自治法によるさまざまな自治体ネットワークのDX化の推進など、サーバーネットワークセキュリティ周りを含めてクラウド運用にどのようなアプローチができるのかが非常に重要です。
公共のDX化に伴って当社製品が採用されているほか、文教では文部科学省が何年も推奨している「GIGAスクール構想」のDX化へアプローチしています。これまでのノウハウを活かせる時代になってきており、「GIGAスクール構想」においては、実際にアセスメントをした上で「このような問題があるから予算化しよう」という動きが非常に進んでいます。
当社はマルチベンダーを可視化できる唯一の会社に近いため、そのようなパートナーから、分析・解析およびアセスメントサービスで少しずつ予算が取れるようになってきました。
さらに分析・解析を行った上で、当社のプロダクトが主要化されていくこともポイントとなっています。したがって、文教・公共・官公庁マーケットはパートナーと一緒に成長していきたいと考えています。その効果が、第2四半期で徐々にあらわれてきました。
もともと製造業とは、比較的新しい技術を用いてIT投資をしてきた業界です。経済産業省は、スマートファクトリーを推奨しており、製造現場ではDX化が非常に進んでいます。日本の製造業は品質も含めて非常に高い状態にあるため、拡大市場に向けて当社のプロダクトやサービスが活かされる時代となってきています。
このように、当社には追い風が吹いていると思いますので、文教・公共・官公庁・外郭団体や製造業の市場に対し、売上拡大と市場シェアの拡大を進めていきたいと考えています。
自治体向け特設ページ開設
パートナー戦略として、独自で自治体向けの特設ページを開設しています。DX推進に向けて標準化・共通化の対応が必要となるため、自治体にアピールできる場の提供などを進めています。
さらに、そのようなノウハウを積んだ上で「System Answer G3」に反映できるよう、日々ブラッシュアップしています。
JANOG55 Meeting in KYOTO出展
業界における当社のプロダクトやサービスのポジションを上げるため、今年1月に京都で開催された「JANOG55 Meeting in Kyoto」に参加しました。これは、日本最大のネットワーク技術者や運用技術者が集まり、さまざまなエンジニアと交流ができるイベントです。
当社の知見やポジションについての宣伝やネットワーキングを兼ねて、このようなイベントにも出展しています。
CSR活動 NPO法人AlonAlon訪問
CSR活動についてです。昨年もこの場でお話ししましたが、千葉県富津市のNPO法人AlonAlonへの支援活動を行っています。「障がい者に月収10万円を」という思いに、当社も賛同しました。ここでは障がい者の方々が胡蝶蘭の栽培や米の育苗作業などを行っており、当社社員がお手伝いに行っています。
このような活動を通して社員一人ひとりがさまざまな方と交流することで、社会活動に貢献しています。非常にやりがいを持つことができ、仕事以外でもこのような支援を行うべきということで実施しています。
障がい者の方々も含めて笑顔で帰ってくるところを見て、とても心が洗われるような気持ちになりました。私も副社長とともにおうかがいしましたが、今後も社員とともにこの活動を展開していきたいと考えています。
以上で、決算説明と活動報告を終わります。ご清聴ありがとうございました。