【QAあり】Laboro.AI、カスタムAIソリューション事業は4Qで過去最高水準の売上を達成 通期では前年比+25%と高成長
2025年9月期通期の総括

椎橋徹夫氏(以下、椎橋):みなさま、本日はお集まりいただき誠にありがとうございます。株式会社Laboro.AI代表取締役CEOの椎橋徹夫です。それでは、2025年9月期通期の決算についてご説明します。よろしくお願いします。
初めに全体の総括です。当社は2025年9月期第3四半期より、グループ会社として株式会社CAGLAを迎え入れました。そのため、今期の通期業績は連結ベースでのご報告となっています。
まず、2025年9月期の通期連結業績の総括についてです。売上高は19億円、売上総利益は12億7,200万円、営業利益は1億9,100万円、当期純利益は1億4,600万円で着地しました。
事業全体は順調に拡大しましたが、8月に開示した連結売上予想に対してはわずかに下回る結果となりました。要因は、後ほど触れるカスタムAIソリューション事業において、いくつかのプロジェクトで進行計画に変更があり、計上タイミングが2026年9月期第1四半期にずれ込んだためです。
一方、当期純利益は予想を上回る結果となりました。これは、関係会社であるX-AI.Laboの株式売却に伴い、純利益が予想を上回るかたちで増加したことによるものです。この件については、すでに別途開示済みです。
次に、各事業の進捗です。カスタムAIソリューション事業の売上高は18億9,200万円となり、前年比25パーセント成長しました。営業利益は2億5,000万円で、前年比37パーセントの成長となっています。
システム開発事業についてです。こちらはCAGLA社に該当する事業ですが、売上高は1,200万円、営業利益は5,900万円の赤字となっています。今期は検収を迎える案件が少なかったため、もともとの想定どおり、売上高への貢献は限定的な結果となっています。
また、営業利益が5,900万円の赤字となった要因は、一時的な費用として子会社取得関連費用が計上されていること、さらにのれんの償却などが影響しているためです。
2025年9月期通期の業績を踏まえ、2026年9月期通期の連結業績予想について説明します。スライド最下部に記載しているとおり、売上高は24億8,600万円、売上総利益は16億300万円、営業利益は2億9,400万円、当期純利益は2億100万円を予想しています。
連結ベースで売上高を31パーセント成長させることを目指し、2026年9月期を進めていきたいと考えています。それでは、それぞれの詳細についてご報告します。
Laboro.AIのミッション

まず、通期の業績についてです。あらためて、当社はミッションとして「すべての産業の新たな姿をつくる。」「テクノロジーとビジネスを、つなぐ。」を掲げています。
2025年9月期 通期損益計算書

通期での進捗として、損益計算書の数字について説明します。冒頭の総括でも触れたとおり、売上高は連結で19億円となりました。こちらは、8月に開示した予想の19億3,400万円を少し下回る結果となっています。
その要因として、カスタムAIソリューション事業の一部プロジェクトにおける進行計画の変更が挙げられます。それに伴い、計上のタイミングが少しずれるかたちとなりました。
次に、当期純利益についてです。8月の開示では1億1,400万円と予想していましたが、1億4,600万円と上回る着地となりました。
こちらについても先ほど触れましたが、次のページに記載のとおり、関係会社の株式売却益を計上したことで、当期純利益が予想を上回る結果となりました。
(参考)合弁契約解消とそれに伴う特別利益計上

当期純利益に関する説明です。グロービング株式会社との合弁会社を解消し、グロービング社本体と新たに業務提携を締結することで、本体同士の提携へとステップを進めました。これに伴って特別利益を計上したことが、先ほどの数字に反映されている結果となっています。
コスト構造

コスト構造についてです。スライド右側の2024年9月期と比較して大きな変化はなく、引き続き人件費と研修採用費が全体の半分を超えるコストとなっています。
当社では引き続き、人が価値の源泉であるという考えのもと、これらの費用投資に重点を置いています。
貸借対照表サマリー

次に、貸借対照表です。先ほど特別利益の項目でも触れましたが、関係会社であるX-AI.Laboの株式売却に伴い、固定資産が減少し、流動資産が増加するという変化がありました。それによって、余力を確保した財務基盤を構築している状態です。
「カスタムAIソリューション事業」とは

それでは、事業の進捗と今後の成長戦略について、セグメントごとにご報告します。まずはカスタムAIソリューション事業について、あらためてご説明します。
当社ではオーダーメイドでAIソリューションを開発し、それらを顧客企業のビジネスの中心となるコア業務に導入して、ビジネス変革を支援することを柱の事業としています。
カスタムAIソリューション事業における注力領域

カスタムAIソリューション事業の2025年9月期の進捗および進展を振り返ると、大きく2つ、定性的な進展が見えてきていると捉えています。また、今後の戦略については、振り返りを基に考えをさらに発展させています。
まず、振り返りの1つ目として、スライド左側に示したとおり、当社は生成AIと最適化に関して、カスタムAIを幅広い領域で対応することでご支援してきました。その中で、技術的な当社の強みが明確に軸として確立されてきたことが、2025年9月期の1年間を振り返る上での重要なポイントであると言えると思っています。
生成AIと最適化のうち、生成AIについては、世の中全般で非常に速いスピードで進化している分野です。このような生成AIを活用したカスタムソリューションを展開していくことが、当社の非常に強いポイントとして浮かび上がってきました。
同時に、最適化は生成AIとは少し異なる技術的な分野ですが、当社は従来、最適化関連の取り組みに注力してきました。例えば、製造業における生産計画の最適化や設計工程の最適化といった取り組みが、現在、非常に増加しています。
こちらについて、当社の認識では、AI業界や他社と比較しても当社の優位性が明確になっている分野だと考えています。したがって、これら2つの技術をさらに深め、強化し、前面に押し出した事業展開を進めていくことが、1つ目の振り返りとなります。
2つ目の振り返りは、横軸に関する取り組みです。当社では「カスタムAI」というかたちで、企業に合わせたカスタムソリューションの提供を価値の中心に据えています。
その中で、従前から「バリューマイニング」という考え方で、新しいAIの活用方法を模索してきました。これは当社としても、また世の中としても先行例があまりない新たな価値提供の探索であり、フルカスタムでソリューションを提供する形態です。
一方、「バリューディストリビューション」という考え方では、これまでのさまざまな取り組みを通じて見えてきた型を活用し、生産性を高めつつ迅速に価値を提供することを目指しています。
このように、AIによる価値の深化を推進する中で、「バリューマイニング」から「バリューディストリビューション」へ活動を広げていくことをテーマに掲げ、取り組んできました。その結果、良いかたちで進展を遂げ、次のステージに入ったと考えています。
これら2つの振り返りを踏まえ、2026年9月期以降、当社のカスタムAIソリューション事業において提供するサービスや価値のラインナップを複数に広げ、ポートフォリオとして多様なラインナップで顧客企業に価値を提供するかたちへと事業展開を発展させていく構想です。
まずは、2つのサービスが軸になると考えています。1つ目は、スライド左側の緑色で示されている「AIソリューションデザイン(AI-SD)」というサービスを展開していきます。
これは従来行っているカスタムAIソリューションの中核部分であり、まだ世の中に先行例の少ない分野でのソリューションをデザイン・設計し、構築・展開する内容となっています。
さらに、バリューディストリビューションが進展した先のサービスとして、「エージェントトランスフォーメーション(AGT-X)サービス」を新たに立ち上げ、成長領域として注力します。
「エージェントトランスフォーメーションサービス」は、従来のカスタムAIにおけるバリューマイニングの要素を拡張し、セミカスタムの要素を強化したものです。企業をトランスフォームする基盤となる、技術的な型や基盤を活用し、顧客企業に合わせてセミカスタムのソリューションを提供する内容となっています。
セミカスタムの取り組みの中で、従前のAIソリューションデザイン事業よりもさらに踏み込み、顧客企業の組織やビジネスプロセスをトランスフォームし、変革をご支援する領域をさらに強化していきます。
また、今後の投資候補や探索領域としては、生成AIにおけるセミカスタムから、さらにプロダクトへと形態を進化させる提供を計画しています。具体的には、「未来リサーチ」という試験的なプロダクトを立ち上げ、現在チャレンジを進めています。
さらに、最適化の領域におけるセミカスタムサービスの開発探索や、生成AI・最適化以外の新たな領域の探索も行いながら、次の領域への取り組みを検討しています。このように全体的なポートフォリオの考え方を見直し、進化させていくことを目指しています。
これらを支える基盤として、研究開発活動にもさらに注力し、これまで以上に力を入れて進めていくことが、今後構想している方向性です。
当社における各領域の位置づけ

先ほども触れたとおり、1つ目のAIソリューションデザインサービスは当社のコア領域であり、現在の収益の柱となっていきます。また、知見を継続的に蓄積しながら、中核的な基盤として非常に重要な領域であり、引き続き注力して取り組んでいきます。
2つ目のエージェントトランスフォーメーションは成長領域に位置づけています。こちらは現在、市場で非常に強いニーズがあり、需要が拡大しているため、この需要を確実に捉え、対応していきます。その中で、中期的にはAIソリューションデザイン事業と同規模、あるいはそれを超える規模まで成長させる、新しい成長の柱として位置づけています。
3つ目は、プロダクト(未来リサーチ)です。先ほど少し触れましたが、プロダクトタイプのサービスについても、探索・投資の領域として引き続き検証を進めていきます。ここでは実験を含めた検証を行い、複線的な視点で事業展開を進めていく方針です。
注力領域を踏まえた組織体制の拡充の方針

サービスラインナップを2つに整理することに対応し、新たにエージェントトランスフォーメーションを推進するチームとして、「AXプロデューサー」と呼ばれる、エージェントトランスフォーメーションをプロデュースするプロフェッショナルチームの構築を進めていきます。
従前のソリューションデザイナは、当社独自のプロフェッショナルチームとして、AIに関して非常に高度な知見を持ちながら、ビジネスにも精通しているチームでした。
それに対してAXプロデューサーは、AI、特に生成AIやエージェントに関する基本的な知見を備えつつ、その上でお客さまの変革を推進することを重視したプロフェッショナルチームとして取り組んでいきます。
これは採用加速の観点でも、ソリューションデザイナはテクノロジーやAIに対する知見が非常に深い人材を揃える必要があり、チームの拡大において苦戦していました。
そこで、ソリューションデザイナだけでなく、テクノロジーの要素を緩和しつつ、顧客の変革に重点を置いた新しいチームを立ち上げることで、組織を拡大するスピードを上げるという狙いが、この新チーム立ち上げの背景にあります。
売上高/営業利益の四半期推移

売上高と営業利益の四半期推移についてです。第4四半期のカスタムAIソリューション事業の売上高は5億2,200万円となり、過去最高水準で着地しました。営業利益についても、第3四半期は一時的に赤字となりましたが、第4四半期には黒字に戻っています。
2025年9月期 第4四半期/通期損益計算書

第4四半期および通期の損益計算書についてご説明します。
四半期別では、第4四半期が前年同期比21パーセントの成長を記録し、過去最高となりました。こちらを含め、2025年9月期通期の売上高は前年比25パーセントの成長、営業利益は37パーセントの成長で着地しています。
営業利益率は13パーセントと、前年とほぼ同水準ながら、わずかに前期の利益率を上回る結果となりました。
顧客ポートフォリオ(1/4):業界別顧客構成(通期累計)

顧客ポートフォリオです。四半期ごとに報告していますが、前回から大きな変動はありません。
研究開発型産業や産業の川上部分にあたる製造業系分野と、川下にあたる社会基盤や生活者産業が半分ずつというかたちで、引き続きバランスの取れたポートフォリオとなっています。
顧客ポートフォリオ(2/4):売上規模別の構成

売上規模別についてです。売上高が年間1億円以上の顧客は計4社で、年々全体の分散度合いが上がってきています。これによって収益源が多様化し、一極集中のリスクが低減するかたちで展開が進んでいます。
顧客ポートフォリオ(3/4):上位3社の売上構成比の推移

上位3社の全体に対する売上構成比は29パーセントとなり、年々下がり続けています。このように、狙いどおりの分散構造へと向かっています。
顧客ポートフォリオ(4/4):既存/新規顧客売上成長率

既存および新規顧客の売上成長率についてです。2025年9月期通期の成長における新規顧客の寄与度については111パーセントとなっています。
一方、既存顧客の売上成長率はマイナス3パーセントです。これは、2024年9月期に取引のあった顧客企業からの売上がほぼ同水準で推移したことを意味しています。
このように、既存顧客との取引規模を維持しながら、新たに11社の新規顧客企業との取り組みを加えることで、25パーセントの成長を実現しました。
社員数の推移

社員数の推移です。スライド一番右側に記載した期初計画では全体で107名としていましたが、実績は96名と、約10名不足する結果となりました。ただし、エンジニア人員増加率は35パーセントとなり、期初計画をちょうど達成しています。
一方でソリューションデザイナに関しては、期初からの変動がなく、ヘッドカウントで見ると計画より大きく遅れる結果となりました。
2025年9月期通期の事業進捗(サマリ)

これらを踏まえ、あらためて事業進捗のサマリについてお話しします。まず、安定した収益成長という点では、全体的に良いかたちで進展し、前年比25パーセントの成長を達成したことが1つの成果であると考えています。
一方、8月の開示に対してはやや下回る結果となりました。その背景となった案件のプロジェクト計画における見通し、およびフォーキャストの精度を含め、さらなる改善を進めていきたいと考えています。
新規顧客については、先ほども触れたとおり、年間11社の新たな顧客企業にご参加いただき、良いかたちで取り組みを広げることができました。
また、今期でグループ入りいただいたCAGLA社や、提携を進めたグロービング社との連携が新規顧客の獲得につながり、良い進展が見られていると評価しています。
次に体制についてです。課題として、先ほど触れたとおり、ソリューションデザイナの採用が計画に届かなかった点が挙げられます。一方、足元では少し良いかたちで進展してきている状況もあり、2026年9月期までにしっかり挽回していきたいと考えています。
育成やエンゲージに関しては、1年間を通じて非常に良いかたちで進んだと考えています。特に2024年9月期は早期離職が少し発生した反省がありましたが、現状ではほぼ概ね課題を解決できた状況まで進展したと考えています。
最後に、新しい領域への染み出しについてです。M&Aや新領域に関しては、先ほども触れたとおりグロービング社とは合弁を解消しましたが、それに続いて、本体同士の提携へとステップを進めました。
また、CAGLA社のグループ参入によって、同社との連携がカスタムAIソリューション事業に影響を与え、良い進展があったと考えています。
採用 / 育成: 採用/育成の進捗状況

採用・育成についてです。繰り返しになるため詳細は割愛しますが、ソリューションデザイナの採用において課題が顕在化しました。ただし、後ほど触れますが、足元では少し改善しつつある状況です。
: グロービング株式会社との合弁契約解消

M&Aの取り組みについてです。グロービング株式会社との合弁契約を解消した上で、新たに本体同士の提携に進展しました。
ジョイントベンチャーを構築し、試行錯誤しながら実際に動いてみる中でさまざまな学びがありました。そのような学びを踏まえ、今回の進展に至っています。
主要な事業の進捗(1/3):主要取引先様

その他の主要な事業の進捗および主要な取引先企業について、ポートフォリオに大きな変化はありません。
引き続き、多様な領域、特に研究開発やもの作りの領域、そして生活者や社会に近い分野で展開しています。また、取引の範囲は大手企業を中心に広がっています。
主要な事業の進捗(2/3):主要プレスリリース

プレスリリースについては、2026年9月期に向けてさらにR&Dに力を入れることをお話ししていましたが、CAGLA社との協働によるR&Dの成果として、国際学会で論文が採択され、さらにコンペで良い成績を残すといった結果を出すことができました。
また、この技術を活用したビジネス展開については、スライド右側に記載している内容となります。具体的には、大広WEDO社との共同プロジェクトを通じて、スライド左側記載の技術を利用した取り組みを進めています。このユニークな技術が、ビジネス面にも反映されるサイクルを生み出せている状況です。
主要な事業の進捗(3/3):その他主要なアクティビティ

その他、引き続き積極的に対外的な情報発信や認知の向上を進めています。
26年9月期以降の成長戦略

ここまでの進捗を踏まえ、今後の成長戦略についてお話しします。
大きな①②③の柱は引き続き変わりませんが、特に柱①については、冒頭でも少し触れたように、最適化技術および生成AIの技術領域に焦点を当て、これらの強みを活用してメリハリのある事業展開を進めていきます。新たにこちらを2026年9月期およびその先に向けて、強く推し進めていきたいと考えています。
26年9月期の取組みの方針

2026年9月期の取組みの方針の詳細について触れていきたいと思います。
まず、事業をポートフォリオ化・複線化する中で、AIソリューションデザインはフルカスタムの領域です。
この領域では、先ほど触れたように、最適化や生成AIの技術的な軸を持つことによって従来のようにクライアント企業のニーズに受身で応えるだけでなく、「この技術でこの事業領域においてこのような価値を生み出せるだろう」という仮説に基づいたプッシュ型での提案を行い、営業展開を強化することを方針として掲げています。
加えて「AGT-X」という新しいサービスを立ち上げ、セミカスタムのかたちで技術を活用しながら、より深く顧客企業の変革を支援・後押ししていきます。さらに、R&Dにおいて技術の軸を確立しながら、一層アクセルを踏んでいく予定です。
また、柱②の体制の強化として、2026年9月期を目標に50名程度の人員拡張を計画しています。この計画は組織拡大として非常にチャレンジングなものですが、きちんとやり遂げ、組織としても一段の成長を目指して注力していきます。
育成およびエンゲージメントについては、2025年9月期に非常に良い進展を見せたと考えていますが、引き続き、充実化と強化を図っていきます。
最後に、柱③であるM&Aや協業、新領域についてです。M&Aアライアンスに関しては、引き続きさまざまな可能性を積極的に模索し、カスタムAIソリューション事業のポートフォリオ化を目指します。複数のラインナップで価値を広く提供できる状態を目指し、この取り組みを進めていきます。
また、新領域については、未来リサーチといったプロダクトタイプのチャレンジにも取り組んでいます。このチャレンジを通じて、新たな第3、第4の事業モデルを検証し、実験・検証を進めていく構想です。
システム開発事業:事業進捗

システム開発事業についてです。システム開発事業の進捗状況については、冒頭の総括でも触れたとおり、全体への数字上の貢献は限定的な部分があるものの、一定想定どおりの結果となっています。
スライド下部にも記載していますが、組織の進捗、PMI、グループ参画後の各種ガバナンス体制の整備に関しては、グループとしての連携や統合の整備が非常に良いかたちで完了しました。
また、エンゲージメントの部分についても先ほど触れましたが、CAGLA社のエンジニアとLaboro.AI本体のエンジニアが連携し、共同で論文を執筆・発表するなど、良い成果を出しています。このように、人材交流や連携も非常に順調にスタートを切ることができています。
26年9月期の取組みの方針

以上を踏まえ、2026年9月期の方針について説明します。事業としては、引き続き、CAGLA社の強みであるグラフデータベースに関する知見、UI/UXの設計、フロントデザインの能力を活かしていきます。
これらの強みは、R&Dにおける連携でもテーマとなっていた部分です。当社のカスタムAIソリューション事業における相乗効果を高めるかたちで、この強みを今後もさらに強化していくことが事業方針となっています。
組織面では、引き続き事業発展を進めるためのプロジェクトマネジメントや営業、人材育成、さらにはデザインを担う人材の採用を加速することが、Laboroグループとしての重要な取り組みです。
また、グループ会社として上場企業に求められるガバナンスが重要な課題となります。2025年9月期に一定の整備が進んだこの体制を、今後は適切に運用していくことが求められるため、こちらも進めていきます。
売上高及び営業利益の見通し

最後に、2026年9月期の通期業績の見通しについてご説明します。
スライド一番左に記載した2026年9月期予想に基づき、売上高は24億8,600万円を見込んでいます。こちらは、2025年9月期実績である19億円から31パーセントの成長となります。
営業利益は2億9,400万円を目標として、営業利益率は12パーセントを予定しています。こちらは、2025年9月期実績から改善されるかたちで成長を目指していく方針です。
結果として、営業利益の前年比成長率は54パーセントとなる見込みであり、2026年9月期に向け、着実に事業を進めていきます。
カスタムAIソリューション事業を支える体制構築の見通し

先ほどの内容に伴った人員計画として、カスタムAIソリューション事業を支えるLaboro単体での体制については、2026年9月期末で140名を目指しています。
中でも、エンジニアは最大となる19名の増員を予定しており、約1.5倍増やすことを計画しています。ソリューションデザイナについては、2025年9月期に少し苦戦したものの、あらためて10名増員する予定です。
さらに、新たに立ち上げるAXプロデューサーチームでは、初年度として6名の人員構成を計画しています。また、コーポレートサイドも9名増員し、人員の拡充と強化を図る計画を予定しています。
足元の体制構築に向けた進捗状況の見通し

組織の拡大というテーマで、計画としてはかなり大きなジャンプを目指しているため、少し補足として進捗状況の見通しや足元の状況を共有したいと思います。
まず、最大の課題となっていたソリューションデザイナに関しては、現時点で内定を出して受諾いただいた入社予定者数は、目標に対して半分以上積み上がっている状況です。
そのため、2025年9月の実績に向けてチャレンジングな数字であると思われる可能性もあるかもしれませんが、現時点では非常に現実的な進捗を見せていると言えます。
AXプロデューサーについては、社内異動も含め、通期目標に対してすでに半分程度進捗しています。今後も、着実な目標達成に向けて取り組んでいきたいと考えています。
機械学習エンジニアおよびシステム開発エンジニアについては、2025年9月期の計画どおりに進捗できました。
現在、市場では人材獲得競争が激化していますが、2025年9月期に続いて1.5倍の拡大を目指しています。この非常にチャレンジングな目標に向け、さまざまな施策を講じながら邁進していきます。
以上で、2025年9月期通期連結決算の説明を終了します。ご視聴ありがとうございました。
質疑応答:エージェントトランスフォーメーションの特徴と競争力について

司会者:「成長領域として位置付けられているエージェントトランスフォーメーションについて質問です。
AIエージェントについては、御社を含めて各社さまざま打ち出しを行っていると理解していますが、御社のソリューションサービスにどのような特徴があるのか教えてください」というご質問です。
椎橋:新しく立ち上げたエージェントトランスフォーメーションですが、今年に入って市場でも「エージェント」や「AIエージェント」というキーワードが非常に多く出てきています。
AI関連の各社がエージェント系のツールやソリューションを幅広く展開しており、ほとんどの企業がこの分野に参入してきている状況であると、当社としても見ています。
そのような中で、当社の「AGT-X」の最大の特徴として挙げられるのは、「X」の部分、すなわちトランスフォーメーションの部分です。
AIエージェントを企業内で適切に活用するための技術はもちろん重要ですが、その技術を用いて企業側が変革することが非常に重要だと考えています。
その中で、まずはセミカスタムのアプローチで、AIエージェントの技術を迅速に企業に適合させられる技術基盤を構築することが挙げられます。これは当社が培った「カスタムAI」のノウハウを基に作り上げたものであり、重要なポイントの1つとなります。
次に、新たな「AXプロデューサー」というプロフェッショナルチームについてです。このチームは、AIエージェント技術を深く理解しながら、顧客企業に深く関与し、企業の変革をやり遂げる役割を担います。
企業のトランスフォーメーションを完遂するため、従来培ってきた「カスタムAI」のノウハウを活かした、競争力の源泉となると考えています。
エージェントによるトランスフォーメーションを実行する点が、当社のユニークな価値および競争力の要素になると捉えています。
質疑応答:グロービング社との合弁解消の詳細と今後の連携方針について

司会者:「グロービング社との合弁解消について、さまざまな学びがあったと含みを持たせたご説明でしたが、なにか困難な点などがあったのでしょうか?」というご質問です。
椎橋:まず、大きな方向性として、X-AI.Laboというジョイントベンチャーを立ち上げ、これを起点として協働で顧客企業向けプロジェクトを進めました。
具体的には、コンサル部分をX-AI.Laboで行い、「カスタムAI」の開発をLaboro.AIで進めるといった複数の事例が生まれました。その結果、狙いどおりの進展があったと言えます。
その上で、両社の連携、コンサルティングと「カスタムAI」の融合を進める中で、最適なスキームや座組、提供の形態についてはさまざまな学びがありました。
具体的には、ジョイントベンチャーという枠組みについてです。スライド左側にも記載がありますが、この箱を用意することで、寧ろ追加のコストや手間が生じたり、時間が多くかかってしまったりという課題が明らかになりました。
一方で、ジョイントベンチャーを介さずとも、本体同士での連携が可能であることが確認できました。
実際に、このジョイントベンチャーを起点とした取り組みの具体例が具現化されたことで、今後は必ずしもこの枠組みにこだわらず、本体同士で連携を進めたほうが、全体としてより価値を創出できるのではないかという議論がありました。その結果として、現在のかたちに至っているという流れです。
質疑応答:システム開発事業単体での業績寄与のイメージについて

司会者:「システム開発事業単体での業績見通しについて、定性的にでも構いませんので、おうかがいできますか?」というご質問です。
椎橋:定量的な点について、現時点ではセグメントごとの言及はしていません。ただし先ほどお話ししたように、今期に検収を迎えるプロジェクトの関係から、2025年9月期の業績に対しては限定的な寄与となりました。
一方、2026年9月期については、ご説明したような事業進捗の中で、2025年9月期と同水準ではなく、もう一段高い貢献が見えてくることを想定しています。
質疑応答:I&Bコンサルティング社との連携および戦略的取り組みについて
司会者:「別途リリースもあった、伊藤忠商事とBCG(ボストン コンサルティング グループ)の合弁会社である、I&Bコンサルティング社との業務提携に関する具体的な内容について、可能な範囲で教えてください」というご質問です。
椎橋:I&Bコンサルティング社の件については、発表したリリースのとおり、2026年9月期に入ってからの取り組みとしてまさに連携に関する検討を進めている段階であり、具体的な確定事項はまだ決まっていない状況です。
コンセプトとしては、エージェントに関する取り組みが進む中で、コンサルティング事業の支援領域とカスタムAIの領域が、世の中でもより一層シナジーを生むフェーズになっていくだろうと考えています。
その中で、伊藤忠とI&Bコンサルティング社は、伊藤忠、BCG、伊藤忠グループ内のCTC(伊藤忠テクノソリューションズ)など、幅広いケイパビリティのポートフォリオを持っています。
また、当社は全体の戦略として、さまざまな方々とアライアンスを含む連携のエコシステムを構築し、カスタムAIと相性の良いシナジー領域を組み合わせた価値提供を目指しています。そのような中で、AIの文脈において、さまざまな企業や産業の変革に貢献していきたい、また、貢献の幅をさらに広げていきたいと考えています。
したがって、このようなコンセプトのもと、今後は具体的にどのような連携が可能であるかを検討し、適切なタイミングで詳細をみなさまに共有したいと思っています。
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