2025年3月期 連結決算ポイント

五十嵐祥剛氏(以下、五十嵐):株式会社アートネイチャー、代表取締役会長兼社長の五十嵐です。2025年3月期決算の概況についてご説明します。

はじめに、2025年3月期の連結決算ポイントです。2025年3月期は前期比で増収減益となりましたが、修正後の計画比で売上高・営業利益ともに概ね達成することができました。

売上高の内訳は、その他部門は前期比減収となりましたが、メンズ部門およびレディース部門は前期比増収となりました。

上期・通期業績推移(連結)

上期および通期の業績推移です。

スライドのグラフは、当期を含めた過去10期分の売上高と営業利益の推移を示したものです。当期については、利益面では減益となりましたが、売上面では上場来最高を更新しています。

中期経営計画「アートネイチャー Advance プラン」概要

ここからは中期経営計画の進捗についてご説明します。スライドは中期経営計画「アートネイチャー Advance プラン」の概要です。

今回の中期経営計画では、売上高500億円を目指すとともに、経常利益率、ROEともに、2桁に乗せることを掲げていましたが、直近の決算状況を踏まえ、最終年度の計画を見直しました。

最終年度の計画については、後ほどご説明します。

中期経営計画主要テーマの進捗

中期経営計画の進捗についてです。今期は中期経営計画「アートネイチャー Advance プラン」の2年目でした。「価値創造」「サステナビリティ推進」「市場との対話」という3つの主要テーマとそれらの進捗状況について、ポイントを絞ってご説明していきます。

価値創造①(男性向け事業 振り返り)

主要テーマの1点目である「価値創造」からご説明します。男性向け事業においては、新規販売の苦戦が続いていますが、第2四半期から前年比でプラスに転換した結果、売上高全体で前年を上回ることができました。

復調の要因の1つに、営業職の販売スキルが向上したことが挙げられます。商談時にお客さまニーズに合致した高付加価値商品を提案し、提供できています。

この結果、成約率や単価は上昇しましたが、商談数が伸びていません。今後、いかに商談数を増やしていくかが課題です。薄毛の悩みを持つ潜在層などに向けた訴求を、これまで以上に工夫していく必要があると認識しています。

価値創造②(女性向け事業 振り返り)

女性向け事業においては、新規販売が伸び悩んでいます。

伸び悩みの要因として、ヒット商品が出せなかったことや、新たな顧客接点の機会創出に向けた施策が、不振であったことが挙げられます。

ただし、2月以降の新規販売においては、少し回復の兆しが見えています。これは昨年10月に発売したオーダーメイドウィッグの新商品「ジャスミー」が好調であったためです。この勢いを維持すべく、新たな顧客接点の機会創出に向けた施策にも、引き続き挑戦していきます。

価値創造③(女性向け既製品事業 振り返り)

女性向け既製品事業においては、新規販売・リピート販売ともに堅調です。

要因は大きく2つあると考えています。1つは、出店先である商業施設の販促に合わせた対応が効を奏したこと、もう1つは、10月発売の既製品ウィッグ「レフィアグレース」がヒットしたことです。

その結果、スライド左下のグラフのように、コロナ禍以降、ジュリア・オージェは順調に売上を伸ばしています。今後のさらなる売上拡大につなげていくためにも、女性向け事業間の連携を強化し、既製品ウィッグユーザーからオーダーメイドウィッグユーザーへのアップセルにも挑戦していきます。

サステナビリティ推進

サステナビリティ推進についてです。サステナビリティ推進の1つである、DXの取り組みについてご紹介します。

当社は労働集約型の事業ですので、持続的な企業価値向上に向けては、生産性や効率性の向上が重要になります。例えば、最新技術の活用、システム投資による効率化、職場環境の整備により、1人当たりの売上などの労働生産性の向上や事業効率性の向上が重要になります。

現在は、スライド下段に記載したようなさまざまなDX施策を展開中です。さらなる改良を施して、お客さま満足度のさらなる向上につなげていきます。

市場との対話

市場との対話に関してです。当社は、2023年10月にスタンダード市場へ移行し、1年以上経過しています。その当初に掲げた改善計画については、継続して取り組んでいます。

市場との対話という面では、個人投資家向けオンラインイベントの定期開催や、他社主催のIRイベントへの参加など、積極的なIR活動を展開しています。

引き続き、市場との対話を重視し、これらの活動を継続していきます。

2026年3月期 通期連結業績計画

2026年3月期通期計画についてご説明します。2025年3月期は増収減益でしたが、2026年3月期は、男性向け・女性向けなど、それぞれの事業を着実に伸ばしていくとともに、各事業の収益構造を改善させることで、増収増益を目指していきます。

売上については、男性向け・女性向けともに新規販売活動に注力し、特に女性向け事業の新規売上を伸ばしていきます。

また、営業利益については、物価高の影響によるコスト増に加え、人員補充や処遇改善を進めながら、広告費を中心とした諸費用の効率的使用を推進します。なお、この詳細は、後ほど本多よりご説明します。

計数目標

中期経営計画における主な経営指標についてです。過去2年間は、新規販売に苦戦しましたが、2026年3月期は、男性向け事業、女性向け事業ともに、良い兆しが見え始めています。この修正計画を確実に達成し、次の中期経営計画につなげていきます。

株主還元

株主還元についてです。当社は、スライドに記載した配当方針に基づき、2026年3月期の配当は、中間配当14円、期末配当14円、通期で28円とします。

2025年3月期 連結損益計算書の概要

本多敏男氏(以下、本多):上席執行役員経営企画部長の本多です。当期決算の計数面を中心にご説明します。

スライドは2025年3月期連結損益計算書の概要です。当期の売上高は、前期比1.1パーセント増の433億4,000万円となり、概ね修正計画どおりに着地しました。

売上原価は146億4,600万円で前期比3.6パーセント増となりました。内訳としては商品の仕入れコスト上昇や在庫評価損の影響があります。商品原価率は前期比で0.5ポイント悪化しています。

また、サービス品質向上と人材確保のために、スタイリストの処遇改善を行った結果、スタイリスト人件費率も0.3ポイント上昇しました。

一方で、販売費および一般管理費は265億1,200万円で、前期比で1.7パーセント増となり、販管費率は、販促費と管理費の両方の増加により、0.4ポイント上昇しています。

これらの結果、連結営業利益は21億8,100万円となり、前期比で17.8パーセントの減益となりました。

なお、当期の設備投資の内訳としては、新店舗の開設や情報システムの刷新、新工場の建設が主要な項目となっています。

商品・サービス別売上高(単体/男女計)

商品・サービス別の売上高です。全体の動向としては、既存顧客の追加購入、いわゆるリピート購入、および既製品ウィッグの「ジュリア・オージェ」は増収でしたが、初回契約である新規の売上が引き続き苦戦を強いられ、前年を下回る結果となりました。

商品別に見ると、主力のオーダーメイドウィッグでは、新規が前期比で5億6,200万円減と大きく落ち込んだ影響で、合計としても減収となっています。

商品・サービス別売上高(単体/男性)

男性向け事業の商品・サービス別売上高です。スライドの最下段にある「全商品・サービス」の欄に記載のとおり、新規・リピートとも増収となりました。特に、新規は3年ぶりの増加に転じています。

商品別に見ると、オーダーメイドウィッグの新規は減少しましたが、増毛商品のプロモーションが奏功し、増毛関連商品の新規が前期比24.5パーセント増と大きく伸びました。

この結果、男性向け新規全体で前期を上回ることができました。リピートも引き続き堅調に推移しており、男性事業全体では増収で着地しています。

商品・サービス別売上高(単体/女性)

女性向け事業の商品・サービス別売上高です。全商品・サービスの新規が前期比で13.4パーセント減と低迷したものの、リピートおよびジュリア・オージェが増収となりました。

この結果、女性向け事業全体では増収で着地しています。商品別に見ると、オーダーメイドウィッグにおいては、リピートは買い替え需要を捉え増収でしたが、新規の不振が響いたため、前期比で減収となりました。

一方、ジュリア・オージェについては、商業施設の集客が回復基調にあることに加え、効果的な新店舗の開設、プロモーション戦略や販売体制の強化が奏功し、前期比7.3パーセント増と、好調に推移しています。

このように女性向け事業では、主力のオーダーメイド分野で新規が苦戦したものの、リピートとジュリア・オージェが下支えとなり、全体として前年を上回る売上を確保できました。

2025年3月期 連結経常利益の増減要因

2025年3月期の連結経常利益の増減要因です。

当期の連結経常利益は22億4,900万円となり、前期から4億7,400万円の減益となりました。経常利益のプラス要因は3,000万円、マイナス要因は5億円となっています。

主な要因を項目別にご説明します。まず、売上総利益は、売上原価の上昇による圧迫で減少しています。加えて、物価高の影響に伴う賃借料の増加や、スタイリストをはじめとする人材への処遇改善のための人件費増が利益を押し下げています。さらには、DXに伴うシステム補修費用など、その他の経費も増加しています。

主要商品の月次売上推移(前年同月比)

主要商品の月次売上推移をご説明します。主要商品の月次売上高はスライド右上の表で示したように、男性向けは平均で前年同月比101.7パーセントと、わずかながら前年を上回りました。

一方、女性向けは新規の不振が響き前年同月比96.6パーセントと、前年割れが続いています。この結果、全体ではほぼ横ばいの99.8パーセントとなりました。

月次延べ来店顧客数(前年同月比)

月次の延べ来店顧客数です。

男性向けは依然として厳しく、前年同月比97.8パーセントにとどまりました。女性向けは、新規の苦戦はあるものの、リピート顧客の来店が堅調で、前年同月比100.4パーセントと、前年並みを確保しました。この結果、全体では98.6パーセントと、前年を下回っています。

男性向けの来店客数は前年実績に届かない状況でしたが、男性向け事業では客数減を1人当たりの単価の向上で補うことで増収につなげている状況です。

一方、女性向けの来店客数は前年並みに回復したものの、新規の減少分を埋めきれず、売上は伸び悩みました。男性向け事業の来店客数の向上、そして、女性向け事業の新規顧客の獲得が重要な課題であると認識しています。

2026年3月期 通期連結業績計画

2026年3月期の業績計画についてご説明します。まず、2026年3月期の通期連結業績計画の概要です。今期の連結売上高は、前期比9.9パーセント増の476億2,300万円を見込んでいます。

新領域の事業への進出、および女性向け事業の拡大を成長ドライバーと位置づけ、積極的に増収を図っていきます。

一方で費用面においては、売上高の伸び率以下に全社の費用増加率を抑えることで、営業利益は前期比27.4パーセント増の27億7,800万円を計画し、大幅な増益を目指しています。

商品原価率については、新工場稼働に伴う諸コストや、引き続き想定される円安、物価高の影響を織り込み、前期比1.3ポイントの上昇を見込んでいます。

販管費については、成長投資が必要な領域にはメリハリをつけて資源を投入しますが、全体としては抑制していきます。

設備投資額については、前期とほぼ同水準の28億2,000万円を計画しています。内訳は、店舗設備関連に11億4,400万円、システム関連に6億8,900万円、新工場の建設に5億3,500万円を充当する予定です。

2026年3月期 商品・サービス別売上計画(単体/男女計)

商品・サービス別売上計画についてご説明します。全体方針としては、当社の主力であるオーダーメイドウィッグ事業を堅調に成長させつつ、増毛商品やジュリア・オージェについては、前期比2桁パーセントの成長を目指します。

2026年3月期 商品・サービス別売上計画(単体/男性)

男性向け事業では、既存顧客基盤からの安定収益を維持しつつ、若年層を含む新規顧客の獲得の強化に注力していきます。効果的なプロモーション施策を継続することにより、新規販売のさらなる成長を図ります。一方、アフターサービスの充実により、リピート顧客にも継続利用を促進していきます。

これらの取り組みにより、2026年3月期の男性向け事業の売上高は、前期比3億2,700万円増の234億9,500万円を見込んでいます。なお、商品別では、オーダーメイドウィッグは前期からほぼ横ばいの139億5,100万円、増毛商品は前期比3億2,100万円増の31億2,800万円としています。

2026年3月期 商品・サービス別売上計画(単体/女性)

女性向け事業では、引き続きリピート顧客を確実にフォローし、収益を安定させるとともに、新規販売の回復に向けた施策を強化していきます。具体的には、女性向け事業全体の連携強化と、反響営業以外の新たな販売チャネルの開拓により、新規顧客の獲得を促進し、成長への転換を目指します。

これらの取り組みにより、2026年3月期の女性向け事業の売上高は、前期比21億1,800万円増の194億8,000万円を見込んでいます。

なお、商品別では、オーダーメイドウィッグを前期比6億8,600万円増の88億4,400万円、増毛商品を前期比2億5,300万円増の13億6,300万円とします。ジュリア・オージェは従来の施策に加えて、未出店エリアへの出店などにより、前期比11億円増の58億9,100万円としています。

2026年3月期 連結経常利益計画の増減要因

2026年3月期の連結経常利益計画の増減要因をご説明します。

今期は中期経営計画の最終年度に当たる年でもあり、新領域の事業への進出、および女性向け事業を中心に売上成長を図ります。

コスト面では円安・物価高による仕入れコスト増や人件費上昇の影響を織り込みつつも、費用全体ではメリハリをつけ、抑制に努めていきます。これらの取り組みにより、連結経常利益は前期比5億9,400万円増の28億4,400万円を計画しています。

また、新工場の稼働による生産効率の向上や、DX推進による業務効率化・サービス強化にも引き続き取り組み、構造的な収益力の底上げを図っていきます。

なお、新領域の事業への進出に伴う増収分と同額の経費を織り込み、その増益効果を相殺して計画しています。

当社としては、以上の取り組みにより、増収増益基調への回帰と中期経営計画の目標達成に向けて、全社一丸となって臨む所存です。

以上で、私からのご説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:2025年3月期が増収減益となった要因について

司会者:「2025年3月期は売上高が1.1パーセントの微増でしたが、一方で営業利益は17.8パーセントの減少となりました。この増収減益のギャップをどのように分析していますか?」というご質問です。

五十嵐:上期業績の不振分を取り戻すべく、下期挽回に注力した結果、通期業績では増収に転換できましたが、収益面での改善ができませんでした。

収益面が改善できなかった要因は2つあります。1つ目は、売上高において新規販売の苦戦が長引いていることです。2つ目は、為替変動や物価高の影響に加えて、新規顧客獲得に向けた営業施策の投入などでコストが増加したことです。

質疑応答:利益率の低下とその改善施策について

司会者:「およそ10年前に営業利益率が10パーセントを下回って以降、コロナ禍も挟みながら、長期的には利益率の低下傾向が続いています。この点について、御社はどのように分析していますか? また、収益改善に向けた今後の具体的な施策をあらためてご教示ください」というご質問です。

五十嵐:利益率の低下傾向の継続に関しては、いわゆる隣接業界との競合激化による売上構成の変化や、物価高や人件費増に伴う原価率・販管費率の上昇によるものと思っています。売上構成が変化している要因は、オーダーメイドウィッグよりも既製品ウィッグの伸びが大きいためです。

原価率の上昇は、円安傾向にあることや、フィリピン工場の労務費が増加していることなどが主因です。また、販管費率の上昇は、物価高や人件費増などに伴い、さまざまな費用が上昇していることが主因です。

今後の収益改善に向けた取り組みとしては、原価率の低下については、原材料の変更や生産ラインの作業工程の見直しに加え、販売価格の改定などで、売上原価上昇分の吸収を検討していきます。

また、販管費率の低下については、広告費を中心とした販売費を効率的・効果的に使用していくとともに、システムや各種制度の刷新による業務効率化と労働生産性の向上で実現していきたいと思っています。

質疑応答:2026年3月期の新事業の進捗について

司会者:「2026年3月期の売上計画に新領域の事業獲得が含まれており、これが18億円の増収要因とありますが、その進捗を教えてください」というご質問です。

五十嵐:新領域の案件はさまざま検討していますが、現時点で発表できるものはありません。引き続き、中期経営計画において掲げた方針を変えることなく検討していきたいと思っています。

なお、新領域の事業獲得としては、2026年3月期の売上目標に十数億円を計画しています。

質疑応答:トランプ関税の影響およびバングラデシュ工場について

質問者:トランプ政権の関税政策の影響についておうかがいします。2025年にバングラデシュ工場の稼働も控えている中、現時点では生産も含めてどのような影響がありそうでしょうか? また、会社として、今後なにか変更することがあれば、そちらについても教えてください。

本多:現時点では、(米国への輸出等がないため)直接的な影響は受けていない状況です。原価率が低い状況ですので、(関税政策に伴う間接的な影響も限定的なので)輸出入においてそれほど大きな影響はないと考えています。今後なにか大きな出来事があれば検討しますが、現時点では特段対策は検討していません。

バングラデシュ工場についても、BCPの観点や新型コロナウイルスの経験を踏まえ、2ヶ国での生産が必要だという考えのもとで、今回投資を実行しています。タイミング的には円安水準での投資となりましたが、今後も稼働に向けて着々と進めていきたいと考えています。

質疑応答:「HAIRの部屋」について

質問者:DXの取り組みについてです。御社のWebサイトに「HAIRの部屋」というページが設置され、薄毛に悩む潜在顧客へのアプローチを主な目的としてスタートさせたかと思います。その後のお客さまの反応、あるいはこの施策の手応えや課題として残っているところを教えてください。

本多:当社サイトに「HAIRの部屋」という新しいページを立ち上げましたが、導入前と比べて、月間閲覧数が約10倍に増加しており、一定の認知度向上につながったのではないかと考えています。

「髪の悩みは面と向かって相談しにくい」という声を昔からいただいていましたので、我々としては潜在的な顧客層の方々とのコンタクトが取れる仕組みが作れたと考えており、敷居を少し低くすることができたのではないかと思います。

今後は利用者の方々の動向などを分析して、効率的・効果的な広告につなげ、どうしたらお客さまとして取り込めるかを検討しているところです。最終的な実績に結びつけられるよう、取り組んで参ります。

質疑応答:女性向けオーダーメイドウィッグの新規販売が伸びる背景について

質問者:2026年3月期の女性向け事業の売上計画について教えてください。女性向けオーダーメイドウィッグの新規販売は、前期比で8パーセントほど伸びる見通しとなっています。正直なところ、御社は女性向けのオーダーメイドウィッグの新規獲得に苦戦しているように見えます。

そのような中で販路拡大戦略にいろいろ取り組んでいますので、その効果も今期から表れてくるのかと思いますが、8パーセント増という数字は、なんらかの具体的な手応えがあっての算段だと考えています。

このように大きく伸びる計画の根拠となった具体的な施策や、女性向け事業の新たなチャネルとその見通しについてお聞かせください。

本多:ポイントはいかにヒット商品を生み出していくかです。その意味では、先ほど五十嵐がご説明したとおり、直近で出した新商品が大変好調な受注をいただいています。

先日発表した4月の売上高で若干低い数字が出ていたため、ご指摘いただいたものと思います。しかしながら、受注は前年比で100パーセントを超えており、大変好調に推移しています。4月の納品が少し遅れているだけですので、第1四半期あるいは上期中には、挽回していけるのではないかと考えています。

今の時代、ヒット商品を立て続けに出していくのは大変なのですが、我々としては、次の商品も自信を持っております。この商品の良さをお客さまにいかに訴求していくかが、1つのポイントです。

また、新しいチャネルをいかに開拓していくかについても、昨年いろいろなトライアルをしています。例えば、仮設店舗ではありますが、地下通路に面した店舗を構えてみたり、広告手法や販促物の投下の仕方、コマーシャルを打つチャネルを変えてみたりするなど、さまざまな施策を実施しました。その結果を受け、今年は、ある程度手応えのあった施策に集中的に取り組んで行こうと考えています。

質問者:今期の女性向けオーダーメイドウィッグの新規販売の売上計画については、ある程度自信を持って策定した数字と捉えてよろしいのでしょうか?

本多:自信を持って計画を出しております。直近では業績も少しずつ上向いていますので、この流れをつないでいくべく、新規メンバーもがんばっています。我々としてはこの傾向が続くと踏んで、この計画を策定しています。