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ギークス株式会社7060

東証スタンダード

サービス業

第114回個人投資家向けIRセミナー

曽根原稔人氏(以下、曽根原):ギークス株式会社代表取締役CEOの曽根原です。本日はよろしくお願いします。

私から会社概要と事業の内容についてご説明した後、取締役CFOの佐久間から現状のギークスの業績の状況、上場後の状況、足元の状況についてご説明します。よろしくお願いします。

会社概要

曽根原:会社概要です。弊社の設立は2007年8月23日です。2025年3月期ベースでの売上規模は、グループ全体で約250億円です。

事業内容については、国内のIT人材事業、海外のIT人材事業、Seed Tech事業の3つをギークス本体とグループ含めて4社で展開しています。

連結従業員数は、2025年6月末時点で297名です。グループ全体では、東京以外に北海道、大阪、広島、福岡、名古屋、神戸に拠点があります。海外拠点はオーストラリア、フィリピンに展開しています。

ギークスとは…

曽根原:ギークスという会社をわかりやすく覚えていただくためのキーワードは、「日本のIT人材不足を解決する会社」であるとご理解いただければと思います。ITフリーランスや、個人で独立して働く方々を支援するというコンセプトの事業です。

このような方を支援することで、彼らの持っているスキル・技術をシェアリングします。各企業がIT分野における人材不足を課題としていますが、技術シェアリングをすることでそういった課題解決をしていこうというコンセプトを持っています。

現在は日本のIT人材以外にも、外国人IT人材活用の提案や、リスキリングというかたちでデジタル人材やIT人材をゼロから育成するソリューションを持っています。

このようにさまざまなソリューションを組み合わせ、グループ全体で日本企業のIT人材不足を解決する会社です。

市場環境

曽根原:展開する事業の市場規模についてご説明します。

スライド右側にある、デジタル人材市場のグラフをご覧ください。こちらはIT人材の派遣や紹介事業、ダイレクトマーケティング、当社が展開しているフリーランスの分野を含めたマーケットです。

2025年には、1兆5,000億円以上のマーケットになると予想されています。2024年から9.1パーセント伸びているように、継続して伸びている市場です。

この市場のうち、ITフリーランス市場については中央のグラフをご覧ください。当社が上場した2019年から2024年までの間にCAGR19.7パーセントと非常に伸びており、市場規模は4,325億円となります。

現在、当社はITフリーランス市場をメイン事業としていますが、ここからデジタル人材市場まで幅を広げ、最近では人材を雇用して派遣する、または育成するといった事業展開も行っています。

非常に伸びしろのあるマーケットであり、成長市場の中で事業を展開しているとご理解いただければと思います。

国内IT人材

曽根原:各事業についてご説明します。国内のIT人材事業では、「geechs job」というブランドを2007年の創業期から展開しています。

実際に日本のIT人材マーケットは、2000年以降にインターネットというマーケットが伸び、新しい産業が成長してきました。そしてプログラマーやSEというキーワードが出てきて、IT人材が必要になるとともに、関連する職種も増えた時代となりました。

2000年前半には、他の職種も同様ですが、IT人材の紹介事業というマーケットが大きく成長していきました。特に新しい産業においては、終身雇用よりも転職してキャリアを伸ばして成長していくという時代に突入したタイミングでした。

ここで「特に、IT人材において手に職を持った人々は独立していくだろう」と見込んだのが、当社のIT人材事業です。

最近では、フリーランスになる方が非常に増えています。安倍内閣時の働き方改革や、コロナ禍にリモートワークが推進されたことで、ITフリーランスは年々増えている状態です。現状、当社のデータベースには、2万3,000人を超える方が登録しています。

一方、昨今ではAIなどさまざまなキーワードが飛び交っていますが、日本にはまだIT人材不足を課題とする会社が多くあります。主にインターネット産業やシステム開発部門の会社で、「IT人材が足りない」というニーズが多くあるのです。

当社の顧客データベースには、現在3,810社の顧客企業がいます。そこでフリーランス人材と企業のマッチングを行っているのが、当社のビジネスです。

次に、私たちの介在価値についてお話しします。フリーランスの方は個人で仕事をしており、それぞれが持っているスキルに合った仕事を行いますが、企業でいうセールス機能を持っていません。一方、私どもはフリーランスの方を企業に売り込むというセールス機能を持っています。

また、取引を開始するとさまざまな契約事項が発生します。これは、いわゆるバックオフィスの機能です。注文書や見積書、またはメインの契約書やリーガルのチェックという煩雑な業務があります。

フリーランスのみなさまからすると、当社を介して仕事を受けることで、このような業務をアウトソーシングできるというメリットがあります。

そして、大きなポイントとして、個人で仕事をする場合の自身の市場価値や今後のキャリアを考える際に、当社のスタッフがキャリアアドバイザーとなってアドバイスをしています。今後はどのような分野を学べば、より報酬の高い案件にマッチングできるかというアドバイスをしており、このような部分が私どもの介在価値になっています。

同時に、個人で働いていると、福利厚生など、一般的に雇用されている場合に受けられる仕事以外のサポートがありません。そこを、当社が支援しています。

例えばフリーランスの方の確定申告のサポートや、住宅ローン時の提携企業や銀行を紹介することで受けられる割引、人間ドックのサービスなどです。彼らとのエンゲージメントを強め、ビジネスにつなげています。

一方で企業にとっては、IT人材がなかなかいない、採用できないという中で、自分たちが作りたいプロダクト・サービスに対して必要なタイミングや期間に、必要な技術力を活用できるといった意味でコストコントロールも非常にしやすいことから、当社のサービスを活用いただいています。

オーダーがあれば、早くて当日から1週間以内にはマッチするフリーランスの方をご紹介できるため、非常にスピーディです。このように、急なタイミングでの人材不足にも対応できるようなサービスを企業へ提供しています。以上が、メインのIT人材ビジネスです。

スライド右側には「ALIVE」と記載がありますが、こちらはM&Aを行った会社であり、フリーランスではなく社員IT人材が在籍する会社です。

こちらでは、特にエンタープライズ企業と非常に長い期間にわたってプロジェクトに従事することに取り組んでおり、社員IT人材の派遣・委託・受託開発を行っています。

このM&Aは、フリーランス以外のマーケットを広げていくための1つの突破口として行いました。アライヴのような会社を持つことによって、国内IT人材事業の中で、フリーランスと当社が雇用する社員とのハイブリッドなチーム提案を行い、今後の提案力をアップしていきたいと考えています。

以上が、日本国内で行っているIT人材サービスの全体像です。

Seed Tech

曽根原:Seed Tech事業では、大きく2つのサービスを展開しています。

1つは、外国人エンジニアの活用です。一般的にオフショア開発と言われますが、その他にニアショア開発という、地方にいる日本人のIT人材を活用するラボ型の開発支援を行っています。

例えば当社はフィリピンをオフショア開発拠点としていますが、ここで人材を採用し、チームを作っていくハードルは高いです。

そこで、私どもが採用からチームの育成・マネジメントまで担い、企業の開発サポートを行う展開を通じて、日本のフリーランスではなく中長期的なラボ開発というかたちでの外国人人材の活用、または日本人のニアショア活用の提案を行っています。

もう1つは「ソダテク」という、IT・DX・AIを活用できる人材を育てるサービスです。オンラインのSaaS型サービスとしてBtoC、BtoBにも提供しており、社内でもこのツールを活用して人材育成に取り組んでいます。

また、フィリピンの開発ラボの拠点を活かし、オフラインで英語とIT・デジタルを学ぶ留学スクールの運営も行っています。ここでは長くても半年、短いと1ヶ月で英語とIT分野を学びます。

例えば、転職のタイミングでスクールに通い、日本に戻ってきて、デジタル人材またはIT人材として転職するなど、キャリアチェンジのサポートを行っています。このように、ゼロから人材を育成する事業にも挑戦しています。

そして「DX職 -デジショク‐」という新しい取り組みも行っています。

これまで当社は、日本のITプログラマー、SE、コンサルタントといったさまざまな職種のうち、どちらかと言えばプロフェッショナル領域のフリーランスの方をマッチングしていました。

しかし、日本の中小企業のDX化には、プログラミングコードを書く人材ではなく、デジタルがわかる人材が必要なのではないかと考え、デジタル人材を育成しようと考えたのが「DX職 -デジショク‐」です。

当社で未経験の人材を採用し、3ヶ月から6ヶ月ほど研修を行い、デジタル分野のスキルを身につけます。社長が「このようなことを実現したい」と言ったものをどうデジタル化するか、SaaSサービスを使うならどのサービスを使うべきかを社長側の目線に立って選定することのできる、中小企業の社長の右腕になるような、アドバイザーのような人材を育成します。

いわゆるSaaSツールを提供する側ではなく、大企業で言えば情報システム部のような位置づけになるかと思いますが、よりライトなかたちで人材育成をし、企業への派遣をスタートしています。以上が、Seed Tech事業です。

海外IT人材(Launch Group)

曽根原:最後に、オーストラリアで展開している海外IT人材事業についてご説明します。こちらは、2025年3月期の計画では90億円弱の売上規模となる会社です。

オーストラリア国内において主にガバメントやグローバル企業、IT関連ではアクセンチュア株式会社、日本であればトヨタ自動車株式会社といった企業に対し、IT人材の派遣やMSPサービスを行っています。

IT人材派遣では、日本のフリーランス事業と比較的近しいところがあります。オーストラリアではカジュアル雇用と言いますが、ほぼフリーランスのような働き方をする方々を企業に直接マッチングしています。

MSP事業は、企業側の採用窓口を担うようなサービスです。日本には馴染みがありませんが、企業の採用窓口に立ち、当社以外の人材エージェントもクライアントになり、当社の人材または他の人材エージェントからの人材調達を一気に担うようなビジネスです。こちらの売上規模は、1つの案件で非常に大きくなります。

さまざまな企業の人材が、私どもを介さなければその企業の案件を受けられないという状態にあるため、私どもの「VMS」というシステムを導入しながらマネジメントしていきます。ペイロール(給与計算)マネジメントも含めた、すべてのマネジメントを行うサービスです。

オーストラリア経済はこの1年、2年停滞していたところもあり、厳しい状況でしたが、足元ではだいぶ経済環境の改善に伴い企業の採用意欲も回復してきています。現在はオーストラリアのIT人材サービスのパイオニアとして、また、ITに特化するビジネスとして、シドニー・メルボルンを中心に事業を展開しており、海外IT人材事業は、今後伸びていくだろうと考えて提供しているサービスです。将来的にはオーストラリア、フィリピン、日本と、アジアパシフィックの中でのグローバルのマッチング、ボーダレスのマッチングを目指していきたいと考えています。

以上が、事業の説明です。ここからは、上場以降の業績、および先日発表した第1四半期の決算について、佐久間よりご説明します。

上場以降の売上推移

佐久間大輔氏(以下、佐久間):上場以降の売上推移について、取締役CFOの佐久間よりご説明します。

まずは、スライドのグラフをご覧ください。我々は2019年3月に東京証券取引所の当時のマザーズ市場に上場し、2020年には東証一部にステップアップ上場しています。

曽根原から説明があったとおり、2021年1月にオフショア開発等を行っているシードテック株式会社を設立した後、2024年3月期には海外IT人材事業を行っているLaunch社の連結への取り込みを開始しました。

2025年3月期には、国内でIT人材の派遣会社であるALIVE社を1月に買収しました。売上も成長しており、上場後は2025年3月期まで、CAGR(年平均成長率)は18.4パーセントとしっかりと伸びてきています。

この伸長のベースには、国内のIT人材がしっかりとオーガニックな成長をしているとともに、M&Aによって非連続的に成長していることが挙げられます。この両輪によって、右肩上がりの売上の成長を実現しています。

一方、2024年3月には上場前から展開していたゲーム事業を売却しました。当該事業の売上は減っていますが、その中でもしっかりと成長している状況です。

上場以降の営業利益推移

佐久間:営業利益の推移です。先ほどお話ししたとおり、G2 Studios社というゲーム事業を2024年3月末に子会社へ譲渡しています。ポートフォリオの整備を実施し、IT人材を中心とした事業展開に経営リソースをしっかりと集中させています。

2022年3月期は、11億円を超える過去最高の営業利益となりました。当時は国内のIT人材事業とゲーム事業ともに、業績・利益がしっかりと伸びていました。新型コロナウイルスの巣ごもり需要はあったものの、スマートフォンのゲームマーケット環境の状況が大きく変わり、ゲームの開発案件が減ってしまった中、経営判断としてG2 Studios社を売却しています。

そのゲーム事業が、2023年3月期および2024年3月期に大きく業績を落としました。赤字の中で売却したことで、2025年3月期には5億円弱の営業利益、2026年3月期は7億円の業績予想を出しています。2027年3月期には2桁億円以上の営業利益を目指して進めており、V字回復傾向となっています。

Ken氏(以下、Ken):ここで1つ質問です。もともとゲーム事業を所有していたということで、そのイメージを持っている方もいらっしゃるかと思います。比較的規模も大きかったために大きな決断だったかと思いますが、社内ではどのような議論があり、最終的にはなぜ決定されたのでしょうか?

佐久間:私からご説明します。先ほどお話ししたとおり、我々としては上場前から複数の事業ポートフォリオを形成し、特定の事業が悪い時でも他の事業で補完するようなポートフォリオ経営を志向し、成長するという考えがありました。

ただ、直近の日本のスマートフォンマーケットについて、電車でゲームをする方が非常に少なくなっていることは、見ていてもわかるかと思います。

開発コストも非常に上がり、ヒットがなかなか出ない中、我々自身はデベロッパーに特化し、企画から開発運営までをスマートフォンのゲームで行っていました。

しかし、開発していたものが途中で止まってしまったり、企画段階でなくなってしまったり、運営もすぐに辞めてしまったりする中で、今後、このマーケットで回復することは難しいのではないかと考えました。

赤字という状況の中、営業利益においても国内IT人材の利益分を大きく食うようになっていたため、このタイミングでゲーム事業を売却するという経営判断を行い、現在に至ります。

我々としては、1丁目1番地であるIT人材事業を中心に需要が堅調なため、ここでしっかり伸ばしていこうという判断となっています。

Ken:ゲーム事業を売却された後、すぐにLaunch社とALIVE社のM&Aがあったかと思います。そこは、戦略的に一気に変えていこうという考えがあったのでしょうか? 

佐久間:我々としては、もともとM&AにおいてもIT人材を中心とした戦略を持っていました。その中で、業績的に厳しいゲーム事業を売却する一方、海外のIT人材事業を買収し、さらに国内の人材派遣の買収を進めていました。

我々の事業戦略上、IT人材不足を解決する会社というかたちで伸ばしていこうと決断しました。

それ以外にも、スポーツマーケティング系のサービスも事業として行っていましたが、こちらは2025年3月末に撤退し、国内・海外のIT人材、そしてシードテック社というIT人材を育成する会社が主力の3事業となっています。

Ken:現在も、事業ポートフォリオの再構築の途上なのではないかと思います。3事業がメインとのことですが、今後はどうしていきたいのでしょうか?

佐久間:引き続き、国内のIT人材事業はしっかり伸びていくと思っています。ここに「ALIVE」という正社員派遣の事業を買収し、大きく成長させていきます。正社員とフリーランスをハイブリッドで企業に提案したり、Seed Tech事業でデジタル人材を育成して企業に提供したりしていきます。

今までクライアント企業の主体はインターネット系の会社でしたが、そうではない、製造業からサービス業のような、今まで接点がなかった中小企業のDX化も支援します。

そこではデジタル人材を提供するだけでなく、その先にシステム開発案件などが出てきた際、我々自身も開発できるうえに、ITフリーランスを提供していくことも可能であるため、そのあたりの事業シナジーを出しながら、事業規模を大きくしていきたいと思っています。

Ken:2023年3月期に10億円以上の営業利益を目指すというお話でしたが、投資家からすると「下がった業績が急激に戻ってきて、2桁億円へどのように持っていくのか?」「とはいえ数字はついてきている」など、思うところがあります。達成のために重要なポイントなどがあれば、教えてください。

佐久間:今期の営業利益の計画値は7億円としています。国内のIT人材事業は売上・利益ともにしっかりと伸びてきており、今期のセグメント利益も14億円を目指しています。

この事業については先ほど曽根原から話があったように、マーケット全体がしっかりと伸びている中、我々としてはフリーランスとクライアント企業の獲得をしっかりと行っていけば、利益も着実に伸ばせると考えています。

一方で現在、赤字となるような事業はありません。海外のIT事業では第1四半期に少し赤字がありましたが、現在は黒字化を見込んでいます。そのような意味では、黒字に貢献していくところと、足元で伸びてきているSeed Tech事業をしっかりと伸ばしていくところがポイントになります。

もちろん、来期の営業利益2桁億以上という目標達成に向けては、投資のほか、M&Aなども引き続き検討しています。自分たちの事業を効率的に利益率もしっかりと高めていけば、達成を目指していけると思っています。

Key Messages

佐久間:2026年3月期第1四半期の業績についてご説明します。第1四半期の売上高は、前年同期比9.4パーセント増の63億7,000万円です。特に、営業利益は前年同期比127.9パーセント増の1億8,000万円となっています。

この理由としては、国内で主力のIT人材事業がグループの成長を牽引しており、大きく利益に貢献しています。

また、シードテックも、オフショア開発や「ソダテク」という人材育成プラットフォームがエンタープライズ企業のような大企業にも導入されています。計画値を上回る着地となったことで、利益も過去最高となっています。

第1四半期の取り組みとしては、過年度に実施してきた事業ポートフォリオの整理がうまくいったことで、当期からはIT人材事業に特化し、「新生ギークス」としてIT人材を積極的に提供するかたちでスタートしています。

また、シードテックでは中小企業向けのデジタル人材サービスの提供準備も進めており、7月には「DX職 -デジショク‐」をローンチしています。

さらに、7月31日に開示しているとおり、当期利益の上方修正を行っています。こちらについては、過去に発行した役職員向けストックオプションの未行使分の消滅に伴い、特別利益を計上しています。これにより、当期純利益4億円の計画を4億7,000万円に上方修正しています。

2026年3月期1Q:業績ハイライト

佐久間:業績ハイライトです。売上高のほか、特に営業利益、EBITDA、経常利益を前年対比で大きく伸ばしています。

また、今期からは上期計画、下期計画というかたちで数字を出しています。営業利益は、上期計画の3億円に対して第1四半期は1億8,300万円と、順調に推移していることが見ていただけるかと思います。通期についても、7億円の計画に対して進捗率26.3パーセントと順調に推移しています。

2026年3月期1Q:業績ハイライト(売上高・営業利益率)

佐久間:連結売上高の推移です。売上高は前年同期比プラス9.4パーセントと、前年同期の58億2,500万円から5億4,000万円の増収となり、継続的な成長は十分にできています。

特に、営業利益率は前年同期の1.4パーセントから2.9パーセントへ1.5パーセント上昇し、収益性もしっかりと回復しています。

Ken:利益率について質問です。四半期ごとに若干のブレはあると思いますが、最近では利益率も0.5ポイントあたりで比較的改善されています。こちらの具体的な要因について、詳しく教えていただけますか?

2026年3月期1Q:業績ハイライト(EBITDA・営業利益)

佐久間:こちらのスライドで、四半期ごとの営業利益の推移を見ていただけるかと思います。2024年3月期はゲーム事業で赤字となったことが、全体の利益に影響しました。

しかし、ゲーム事業を売却することで、国内のIT人材事業の売上利益がしっかりと積み上がっていくビジネスとなっています。以上が、2025年3月期第1四半期から今に至るまでの状況です。

Ken:足元の第1四半期では、営業利益3パーセント弱まできているかと思います。このトレンドは、徐々に改善する傾向が続くのでしょうか? それとも、場合によってはM&Aもあり、少し落ちる場面もあるのでしょうか? このあたりについて、今後の考え方を教えていただけますか?

佐久間:営業利益率についても、今後改善を進めていきたいと考えています。具体的には、国内のIT人材事業においてAI活用によって業務を効率化することで、大幅に人員数を増やさずとも効率よく改善できると考えています。

また、海外のIT人材の改善が進むことで利益率も徐々に回復し、会社としては5パーセント程度を1つの目途として、中長期的には5パーセントから10パーセントを目指していければと考えています。

Ken:わかりました。続きをお願いします。

佐久間:第1四半期の営業利益については、ゲーム事業を除くと過去最高となっています。前年同期比でも127.9パーセント増、EBITDAベースでも84.2パーセント増と、大幅に増加しています。

この理由としては、事業のポートフォリオのしっかりとした整備によって利益の体質が改善され、収益も安定的になってきているため、着実に伸びてきています。

株主還元

佐久間:最後に、株主還元についてご説明します。配当政策の基本方針としては、上場した2年後あたりから普通配当を実施し、毎期10円の配当を実行しています。

こちらについては、もちろん、事業成長のための長期視点での企業価値向上に向けた成長投資をしっかりと進めていきます。

一方で、株主のみなさまに対する安定的な株主還元にも取り組む考えです。今期は、これまで期末配当のみだったものに対し、中間配当の実施を予定しています。中間配当で1株あたり10円、期末配当で10円と、昨年対比で倍増となる20円の配当を見込んでいます。

また、7月以降には、1億円または20万株を上限とした自己株式の取得を着実に進めています。配当性向および総配当性向についても、十分に上がってきている状況です。今後も、株主還元を実施していきたいと考えています。

Ken:自社株買いを比較的積極的にされているほか、増配のお話もありましたが、このあたりの考え方や還元の方針について、あらためて教えていただいてもよろしいですか? 

佐久間:配当性向の目標値について、以前、中期経営計画を出した際には30パーセント以上が目途であるとお伝えしました。引き続き、30パーセント以上、さらには50パーセントを1つの目途としていきたいと思っています。

ちなみに、増配と自社株買いについて、現在の総配当性向は60パーセント以上となるため、50パーセントは超えると見ています。配当利回りについても、昨日時点の株価では3.1パーセントです。個人投資家および機関投資家の方に、しっかりと還元できればと思っています。

Ken:事業的にもキャッシュを非常に使いますし、おそらくM&Aでも比較的使うかと思いますが、それ以外ではそこまで出ないため、M&Aはもちろん、自社株買いも常に議論には上がっているのでしょうか? 

佐久間:そうですね。マネジメントサイドとしては、その都度しっかりと業績の状況や先行投資のほか、先ほど言った来期以降の成長に向けた投資などの資金バランスを見ています。

一方で、株主還元にもしっかりと向き合って日々議論しているため、自己株式の取得もそのような中で今回決議をしています。

質疑応答:第1四半期好調の要因と継続性の有無、上方修正の可能性について

荒井沙織氏(以下、荒井):「第1四半期が好調の要因は何でしょうか? ここまでのお話とも重なる部分

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