【QAあり】交換できるくん、ECで住宅設備機器を販売し「チェンジ領域」をフォロー 中計では売上200億円突破を目指す
アジェンダ
栗原将氏(以下、栗原):株式会社交換できるくんの栗原です。本日は大変お忙しい中、貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。本日は会社説明会ということで、今日初めて当社を知るという方も多くいらっしゃると思いますので、なるべく当社を知っていただく機会にしたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。それでは、さっそく始めます。
スライドは本日のアジェンダです。最後に質疑応答をさせていただきますが、事前に多数のご質問をいただいており、その点については、あらかじめ資料の最後のほうのページに、本日のWebセミナー向けのご回答ということで一部回答をご用意させていただいています。もしお時間があれば、ご一読いただければと思います。
株価推移
会社概要についてご説明します。まず、株価についてです。今回は個人投資家のみなさまに向けた説明会ということで、こちらが一番重要かと思います。当社は、2020年12月に上場させていただいて以降、グロース指数のトレンドをなかなか突き抜けられていない状況です。当社としても、この状況をなんとかしていきたいという強い思いを持って経営にあたっています。
したがって、このような機会を通じて当社のことを知っていただき、みなさまにより投資していただけるよう、努めていきたいと思っています。
株主優待制度
当社は現状はまだ投資フェーズということで、よくご質問いただく配当についてはまだ実施していません。一方で、株主優待はここ数年で充実させてきました。
優待内容としては、当社の「交換できるくん」というサービスをご利用いただける優待券を、株主さまに配布しています。こちらは100株以上からになります。例えば、1,000株以上保有の株主さまについては、10万円相当のご利用券を発行させていただいています。
こちらはポイント引換券となっており、有効期間は3年間です。例えば1,000株お持ちの場合は、毎年優待券を使わなくてもポイントに交換していただきながら、実際にご自宅で、あるいはご親族でご利用いただけます。
ある程度、年月がたった家をお持ちの投資家の方々であれば、住宅設備に関してはほぼ優待で済むのではないかというぐらいのポイントとなっています。ですので、そのような方に関しては、非常にメリットに感じていただけるのではないかと思っています。
当然ながら、持ち家ではなく賃貸の方や、家を建てたばかりで設備の交換の需要がないといった方も多数いらっしゃいます。また、当社のエリア外の地域にお住まいの投資家の方も多数いらっしゃいます。したがって、そのような方向けにはQUOカードに引き換えることができるオプションも用意しています。
業績推移と中期3カ年連結業績計画
今回の年度決算で、初めて中期計画を開示させていただきました。現状では、当社は売上高で100億円規模の企業であり、今後3年間で売上高を倍増させるプランを立てています。
当社が一番重視している利益についてご説明します。主にテレビCMなど、当社の認知度を上げるためのブランディング投資を積極的に行っている都合上、利益を抑えているのが現状です。今後、中期経営計画の売上高200億円を突破し、さらにその先を目指していく中で、高収益化を進めていきたいと思っています。
私もいろいろな企業さんを見てきた中で、やはり売上100億円ぐらいで息切れしては元も子もないということで、その先を目指すことが大切だと考えました。まず、売上高200億円という規模を突破すると、次に売上高500億円が見えてきます。500億円を突破すれば、次に売上高1,000億円が見えてきます。
売上高が100億円台で終わってしまう原因は、やはり経営体制といった部分や知名度など、いろいろな要素があります。どうしても今、この瞬間で売上とともに利益を追おうとすると、その先への成長投資はなかなかできなくなります。したがって、それを乗り越えていくためにはある程度、組織をしっかり作っていく必要があると考えています。
そのためには、一時的に組織が大きくなるので、例えば優秀なスタッフを揃えて体制を作っていくという意味での人件費がかかることで、一時的に収益が出にくいタイミングが来るかと思います。しかし、当社の場合はそれを見越して、その先を見据えて投資しています。現在はそのタイミングのフェーズになっているとご理解いただければと思います。
会社概要
ここからは、当社がどのような事業を行っているのか、またどのようなサービスを提供しているのかという部分をご説明します。
会社概要
経営理念は「『出会えてよかった!』のために」です。当社が取り扱っている住宅設備あるいは建築不動産回りのサービスは、なかなかお客さまに喜ばれていないというのが現状です。
今日、視聴していただいている方の中にも、過去にこのような住宅回りのサービスをご利用されて、「あまり満足がいかなかった」「不満がある」「だまされたのではないか」という思いをされた方もいらっしゃるかと思いますが、このような声が非常に多い業界です。
そのような中で、働いている従業員にとっても、なかなか労働環境が整備されていませんでした。休めなかったり、有給休暇が取れないといった部分があり、なかなか良い人材が集まりにくいというギャップがありました。
当社はそれを解決し、お客さまにはせっかく高い買い物をしていただくのですから、「本当に頼んで良かった」とハッピーになってもらうことを第一としています。従業員に関しても「この仕事をして良かった」「お客さまに喜んでいただけて良かった」と思ってもらえるような環境を整えていきます。
これらを両面で追求し、その結果として業績向上を目指し、社会をより良くしていくことを理念として掲げています。
会社沿革
当社の歴史は意外と長く、1998年11月に私が設立しました。2001年にWebサイトを開設する前は、主に水道の修理や住宅のリフォームを、私自身が現場に出て行っていたところから始まっています。
Webサイトを開設した当時は、まだ「Amazon」さんはほとんど知られていませんでしたが、いわゆる「楽天市場」さんや「Yahoo! オークション」さんなどといった日本のWebサービスがはしりの時期でした。そのようなものを見ながらすごくITの力を感じ、当社もそのようなことをやってみたいということで、Webに関しては自社で私自身が開設してみたというのが始まりです。
ただ当時は、Webサイトでショッピングをすること自体が初めてだというお客さまがほぼ100パーセントという時代でした。ただでさえまだインターネットが怪しいと言われているような時代に、さらに怪しい業界である住宅設備を取り扱い、人を上げる工事をインターネットで販売しているということで、なかなか信用してもらえませんでした。そのような状況下でずっと続けてきました。
当初は、住宅リフォームや商品だけの物販などを並列して行っていました。2013年以降は、住宅設備の工事付きの通販のみに一本化しました。これが将来に向けて我々がやるべきことだという判断のもと、それにコミットしようということで経営リソースを全部そこに集約し、今に至っています。
今、ようやくコロナ禍も収束しつつあり、これからは、東証に上場してから取り組みたいと思っていたことができるフェーズになってきていると感じています。
当社の中核である「交換できるくん」サービスをオーガニック以上に伸ばしていくことは当然ですが、プラスアルファとして、シナジーが非常に見込める周辺事業を取り込みながら、その先を見据えて高収益化に取り組んでいくことが、まさに今、ようやくできるような状況になりました。
上場後はコロナ禍ということもあり、なかなか商品が入ってこないなど、いろいろな苦労がありました。しかしながら、今は地下にあったマグマがようやく動き出したという手応えを感じながら、中期経営計画を含め、見通しを持って取り組んでいるタイミングになります。
まさに中長期で投資していただく分には、本当にちょうど良いタイミングではないかということで、本日はこのような機会をいただきました。ぜひ、ご検討いただければと思います。
CMのご紹介
当社は、テレビCMを流しています。ご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが、知らない方も多くいらっしゃると思います。30秒程度になりますので、一度ご視聴いただければと思います。
(動画流れる)
住宅設備機器の交換をネットで注文!
先ほどご覧いただいたテレビCMにもありましたが、当社の中核事業である「交換できるくん」についてご紹介したいと思います。
当社は、スライドの写真にありますように、ビルトイン型の住宅設備機器をメインで取り扱っています。例えば、ビルトイン食洗機、ビルトインガスコンロ、ビルトインIHクッキングヒーター、あるいはトイレ単体の取替工事、最近では天井エアコンや壁掛エアコンも取り扱っています。
当社は、住宅リフォーム業にカテゴライズされることがありますが、スライドを見ていただけるとわかるように、実際はキッチンを丸ごとリフォームしたり、家を丸ごとリフォームするといったことは行っていません。ビルトイン機器に特化して事業を行っています。
市場規模
一方で、「市場が小さいのではないか?」「単価が小さくなって大変だね」というお声もあるかと思います。実は、リフォーム市場は全体で7兆3,000億円あると言われており、その中でも住宅設備機器は2兆8,000億円と最大市場となっています。
この2兆8,000億円の中にはどのようなプレイヤーがいるのかをご説明します。スライド右上の水色の枠内に記載のトイレ、蛇口、洗面台に関しては、従来ですと水道屋さんやホームセンターさん、地域のリフォーム屋さんといった業者に依頼される方が多いのではないかと思います。
スライドのオレンジ色の枠内に記載のガスコンロ、レンジフード、給湯器に関しては、ふだんお世話になっているガス屋さんなど、ガス系の会社さんに依頼されるのではないかというイメージです。
スライド右下の黄色の枠内に記載の食洗機、IHヒーター、浴室乾燥機に関しては、従来は町の電気屋さんに依頼されていたかと思います。しかし、今は特に都心では電気屋さんになじみがない方が多くいらっしゃると思いますので、家電量販店に行くなどして、いろいろ探されると思います。
このように、いろいろな業者さんが住宅設備機器を取り扱っており、特に決まったところに依頼するというわけではないのです。このような中で、2兆8,000億円の市場を形成しています。
リフォーム市場の広大な市場機会
現在、住宅設備機器市場は大きくリフォーム市場と新築市場に分かれます。新築市場に関しては、市場自体が縮小傾向にあります。なかなか新しい土地で家が建たないという状況はこの先も変わらない見通しです。その反面、ストック市場ということで、既存の住宅における需要の成長が見込まれています。
スライドにはリフォーム市場における政府の目標数値を記載しています。以前は15兆円などといった記載がありましたが、だんだん下がってきています。なかなかそこまで思いどおりには進んでいないというのが実情ですが、補助金を出すなどの施策を行いながら、この市場を盛り上げていこうといった動きが世の中の背景としてあります。
リフォーム市場の広大な市場機会
それに伴い、住宅設備機器の市場も今後伸びていくと考えられます。丸ごとリフォームしたいという需要よりも、当社が取り扱っているような専門分野の機器を取り替えたいという需要のほうがより伸びていくだろうと思っています。したがって、当社は一番そこの伸びを享受できる環境に身を置いていると思っています。
EC市場の規模拡大
当社はECで住宅設備機器を販売し、施工まできっちり最後まで行うといったビジネス構造です。ECとは、インターネット上で買い物をしていただくということですが、そもそもECで住宅設備機器を買うという発想がありませんでした。
お客さまが住宅設備機器について調べていたら当社のサイトが出てきて、「どんな会社なんだろう?」「こんなことは本当にできるのかしら?」と疑問を感じるというところと当社はずっと対峙してきたのですが、一変したのはコロナ禍になってからです。
従来であれば、トイレの交換をしたいとなると、業者さんに来てもらって見積りもしてもらうという一連の流れになるところを、当社は見積りに行かず、Web上でお見積りをするというスタンスです。コロナ禍前はお客さまのところに来て見積りをするというのが世の中の常識でしたが、コロナ禍になり、逆に来ないのが良いと一気に時代の流れが変わりました。
しかしながら、住宅設備機器をインターネットで買うということはまだまだ非常にレアなケースで、イメージがわかない方が大半です。ですので、スライド資料ではECが9.38パーセントとありますが、住宅設備機器をインターネットで買う方の比率はもっと小さい比率となっています。
2兆8,000億円ある市場の中で、当社が取り扱っているECというのはまだまだ本当に微々たるもので、それをもとに100億円を形成しています。なおかつ、当社は今ここに至るまでに、この20年以上の間にノウハウをため込んでいます。ですので、ここから来る時代の流れに1歩も2歩もリードした状態で突入していくといった状況です。
ギャップが存在し、マーケットが未確立
当社がなぜ住宅設備機器を販売しているかについてご説明します。「お客さまのニーズ・不安」をスライドの左側に記載させていただきました。現在、大がかりな工事はせずに住宅設備機器の単品だけを交換したいというニーズが結構あります。
従来であれば、キッチンは流し台で、ブロックで組み合わせるようなかたちでしたので、ガスコンロやレンジフードを換えたいとなった時に、この際丸ごとシステムキッチンにリフォームするといったことがしやすかったのです。私も当時は現場でリフォーム作業をしていました。
しかし、最近はシステムキッチンが普及したことでほとんどの住宅に設置されています。一方、住宅設備機器は家電製品に近いものなので、簡単に取り替えはできないのですが、やはり劣化していきますし、新しいものも出てきてどんどん便利になっていきます。したがって、住宅設備機器だけを交換したいというニーズが出てくるのです。
一方で、スライドの右側に「業者のホンネ」を記載していますが、例えば食器洗い機のみを交換する場合、当社では工事費も入れて15万円ほどになります。
しかし、リフォーム屋さんからすると、営業マンが飛んでいって見積りをして、やっと注文をいただき、それから職人さんの段取りをして、工事の日に立ち会って、さらに集金もしてとなると、15万円ではどうやっても利益が出ません。したがって、できる限りやりたくないものなのです。
意外と食洗機というのは複雑で、行って修理できるようなものでもなく、それなりのノウハウと知識も必要になります。そのような中で、それだけ動くのであれば、できればもう少し単価の大きいシステムキッチンの丸ごとリフォームを手がけたいということになります。
また、そのような工事のご依頼を受けて見積りに行った際に、お客さまに「今、キャンペーン中なので、システムキッチンを丸ごとリフォームしませんか?」というセールストークにならざるを得ないというのが現状です。
今の時代はお客さまもインターネットで調べて情報をしっかりとキャッチアップされていますので、交換したい機器だけを納得のいく価格で高品質の工事をしてほしいのになぜ業者はやってくれないのかというギャップが非常にあります。
その結果、業者としては赤字になるということで価格が複雑になります。商品はメーカー品なので希望小売価格があり、割引率がいくらということも決まっています。
その反面、取り付け工事には今のものを取り外して配管を調整し、再び機器を設置して廃棄物を処理するという作業があり、このような部分は一般のお客さまはわかりにくいです。したがって、このような部分でなんとか利益を調整して、お客さまに提示せざるを得ません。これは悪いということではないのですが、そうなってしまうのです。
それが今の時代では、お客さまからすると「この工事は本当に必要なのか?」「工事費が高くないか?」「ぼったくられているのではないか?」と思ってしまう原因となっています。本来の意図しないところで利益を取ろうとしているため、その結果、そこにまた大きなギャップができてしまいます。
その結果、お客さまからすると住宅設備機器の単品を頼みたいだけなのにどこに頼んでよいのかわからなくなったり、まともな業者がいないのではないかと思ったりすることになります。業者側からすると、できればそのような小さい工事はせずに大きな工事をしたいけれど、小さい工事から受けていかないと、大きな工事はなかなかすぐに取れない状況になっているのが現状です。
そのような状況から、消極的な業者と積極的なお客さまとの間に大きなギャップが生じています。それが業界の信用に関わってきており、現状、このような世の中の雰囲気になっていると私は感じています。
リフォーム業界
今の話を少しまとめます。スライドに記載のとおり、リフォーム業界は広いです。例えば、スライド一番左に記載の「大規模リフォーム」と「一般リフォーム」は、一般的にみなさまがイメージされるリフォーム会社さんです。
いろいろなリフォーム屋さんがあり、チラシやWeb、ホームページなどで比較しながら、システムキッチンやユニットバスのリフォームを行うかたちになります。
リフォーム屋さんは一般的に、最低でも50万円ぐらいの単価を目指しています。最近では、家電量販店さんも結構取り扱っていますので、ある程度イメージがつきやすいと思います。良い業者さんを探すのは難しいかもしれませんが、それでもだいたいイメージとして、どういったところを探していけばよいかというのは、なんとなく想像がつく領域だと思います。
一方、スライド一番右に記載の修理領域は当社の祖業ですが、「水道修理に駆けつけます」という広告は、みなさまもよくご覧になったことがあると思います。
こちらは、現場に行きその場で修理して、金額を交渉するという事業です。この事業は正直、私もいろいろな課題があると思っており、これで良いと思っているわけではありません。とはいえ、どこかに修理を頼もうと思った時に、お客さまからすると良い業者を探して頼むというイメージはつくと思います。
一方で、ビルトイン食洗機はキッチンの中に組み込まれていますので、「家電屋さんに行っても売っていない」「これだけを家を建てたハウスメーカーに頼むべきなのかな」「近所のリフォーム屋さんに電話をしたけど返信がない」といった状況になるお客さまが多く、どこに頼んでいいかわからないという方が大半を占めています。結果的に、どこに頼むかというイメージがわきません。
これはつまり、マーケットリーダーが存在していないことを意味しています。これは、この20年で比較的新しくできてきたリフォーム業界の中の一領域と捉えており、当社が作っていると考えています。
従来は、修理領域の方やリフォーム領域の方が住宅設備を交換していましたが、それではうまくいかないのです。住宅設備機器の交換というのは本当に専門知識が必要で、毎年機器も新しくなっており、家電製品のように非常に高度化しています。
そのような中で、ふだん一般のリフォームでキッチンを丸ごと交換している業者や、修理領域で水道の修理をしている業者が、お客さまが求めるレベルにキャッチアップして、なおかつ低コストで高品質で提供していくのは難しいです。
ビルトイン食洗機、ガスコンロ、レンジフード、トイレといったものでお客さまを開拓していき、そこから一般リフォームや大規模リフォームにつなげるためのフックとして住宅設備機器が利用されています。しかし、現状では業者とお客さまの間に大きなギャップが生じています。
事業ドメイン
私たちは以上のようなギャップの生じる領域を「チェンジ領域」と名づけ、5万円から50万円、平均すると15万円程度の単価の工事を取り扱っています。
この領域は、リフォーム領域からすると積極的に取り扱いたくないのですが、ツールとして使われています。また、修理領域からすると、現場に行って修理して金額を決めて、その場で終わらせたいけれど、細かな見積り金額を出して、機器まで提案することも「やる」と言って、お客さまの選択の余地なく交換してしまっています。
したがって、こういった「チェンジ領域」をしっかりと認知し、お客さまが満足できるサービスを提供できるように愚直に取り組んでいきたいと考えています。
そして、市場が大きいというのがみそです。決して、小さいことをこの大きな市場でしたいということではありません。小さいように見せかけて、市場が一番大きいので、大規模工事をしているどの企業さんよりも売上も利益もはるかに上に行けると考えています。これを実現させるのは至難の業ですが、当社はそれを実現してきました。
Web完結型の見積りで交換工事のDX
当社はWebで見積りを提供しています。Webサイトは、6万ページを超える情報量を持った情報サイトとなっています。そこでお客さまが、家電を選ぶように、いろいろな機器を見ながら商品を選んでいただけます。機能を比較したり、当社が公開しているページの説明や動画の情報を見ていただくことができます。また、どこよりも深掘りした詳しい情報が載っていますので、いろいろと楽しく見ていただけます。
しかしながら、「この商品が良い」となった場合、家電とは違って、その商品がお客さまの住宅に取り付けられるのかわからないという問題があります。その部分が、この業界が発展しない大きな原因でしたが、当社は20数年前からネットでこの問題を克服してきました。
お客さまに当社のWeb専用フォームから所定の事項を記載していただき、現在使用している機器の写真を撮って送っていただければ、それだけを元に正確なお見積りをお出しできます。しかもそれはお約束価格ですので、それ以上は1円も上乗せされないという、安価でシンプルなお見積りをお出しできます。
営業マンがそそのかしてということではなく、お客さまがいろいろな商品を比較検討されて、その見積りを見て十分ご納得いただいてから、Webを通じてご依頼していただくというかたちになっています。そこで終わりであればいわゆるIT企業なのですが、当社はそこから、自社に所属するスタッフや当社のパートナーがしっかり工事まで行い、その品質を担保しています。
なにかあれば、当社のアフターサービス部隊がいつでも駆けつけます。さらに、すべての手がけた工事や商品に対して10年間の保証を無償で提供しています。これは、当社が20数年間アフターサービスやお客さまサポートを行ってきた中で得た知見に基づいて、自信を持って提供しているパッケージとなっています。
ワンストップ住設オーダーを実現
以上のように、当社は住宅設備機器のみを扱っており、通常のリフォーム屋さんなどとは全く違うプロセスで事業に取り組んでいます。従来型のビジネスフローはスライド上部のグレーのフローのように、家電量販店さんを含めたすべてのリフォーム屋さんは最初にチラシを大量に配布したり、マッチングサイトに登録したりします。
これらは非常に高い手数料がかかるのですが、こうして見込み客を買います。例えば大型のショールームがある家電量販店さんですと、そのために物、人、土地に設備投資して、施工を考えているお客さまをまず引き込みます。
そこから営業マンが「すぐに参上します」と言ってお見積りに行き、そこで交渉して、お客さまによって価格が変わりますが、そこで受注を取り付けます。受注が取れたら、次は職人さんはじめいろいろな業者さんの段取りをします。そして、完工したら工事代金を集金するという流れで行っています。
一方、スライドの下部のフローにあるとおり、当社は住宅設備機器のみをサイト集客1本で取り扱っています。まず、当社Webサイトを見ていただいたお客さまにとりあえず無料でWeb見積りをしていただきます。そこから先は、しつこい営業もなにもしません。
見積りの価格は、基本的にはどの方に対しても同じ価格を提示します。そして、お客さまのお宅にこの商品は確実に取り付けられるということと、10年間無償で保証もさせていただくということを提示すると、直近では55パーセントから60パーセントの方にはそのまま発注していただけます。しかも、Web上で24時間365日、クレジットカードなどで決済していただけます。
注文が決まると、当社に情報が流れてきます。当社は200人超の職人集団を抱えており、誰がいつどこへ行けるか、商品はどの商品センターにあるか、どこにいつまでに持っていけるのか、それらはすべて社内で管理できてきているため、即座に訪問日を調整できます。注文が決まったものの、工事が出来ないということはありません。
最短でのご希望もあれば、土日が良いなど、さまざまなお客さまがいらっしゃいますが、それらのニーズに合わせて、すべてを当社の人間がやり取りします。当日は職人さんが商品を持って現地に伺って、施工まで行います。このような非常にシンプルなフローのもとに、年間5万件超の工事を行っています。
当社事業の強み
このように当社にはいくつもの強みがあり、それらをさらにパワーにして、見積りを受ければ受けるほど、工事をすればするほど、アフターサービスをすればするほど規模が拡大していくというサイクルを確立しています。
①にあるとおり、お客さまは最初にWebサイトから入ってきます。そこからお客さまから見積り依頼をいただき、正確な見積りを無料でお返しし、施工まで行います。必ず非常に満足していただけます。
その後、なにかあった時にはお客さまをがっかりさせないカスタマーサクセスのための部隊がしっかり対応しており、故障しても10年間無償で保証するため、大変喜んでいただいています。
その結果、お客さまのレピュテーションや施工事例、お客さまの声を「交換できるくん」のWebサイト上のデータベースにどんどん上げていきます。そうすることで、それがまたパワーとなり、集客力がさらに高まっていきます。この部分は一気通貫でプラスのスパイラルが働いており、サービスがどんどん大きくなっていく仕組みがすでに確立されている状況です。
住宅設備に特化したメガサイトを運営
このようなかたちで、Webサイトは情報量、PV閲覧数ともに伸びています。
出張見積り無し!見積りはネット完結!
見積りは無料で可能なのかというと、現状で当社は月5,000件ほどの工事を行っており、工事ができないということはほぼなく、あっても数件程度かと思います。なぜかと言うと、当社は20数年間にわたり、何十万件というお客さまに対して、オフィスで対応したアドバイザーや施工の品質についてアンケートを取り続け、それを元にサービスを改善し続けてきたからです。
その結果、当社は施工できないものはない、もしくは施工できないものは事前にわかるという段階にまで到達しています。それは、現場も持っているからこそできることなのです。例えばケースによって工事を進める中である事象が起こる確率が何パーセントかということが事前にわかります。その上で対応できる職人さんをアサインし、対応する予備の部材を持って行き、施工まで問題なく完遂できます。
これは現場と一体になって初めて担保されるノウハウであり、そこに対して当社は自信を持っています。
施工はスケジュール管理で生産性向上
もともと当社は、全員が正社員の職人さんで組織していました。しかし、この先の時代の流れとスケールアップさせていくことを考え、現在はパートナー制度に変えています。「一般の職人さんをどうやって集めているのですか?」「今、職人さんを集めるのは大変ではないですか?」という声も多数いただきますが、そのようなことはありません。
スライド右側にあるように、当社はトイレ交換を毎月何千件も受注しており、それを得意とする職人さんをアサインしているため、1日3件ほどの工事を組むことが可能です。彼らはトイレ交換に特化した部材を持参します。しかも毎日同じ工事を行うため、どんどん品質とスピードも向上することを追求しながら、効率化を図っています。
そのため、1件あたりの工事の作業費はさほど大きくなくても、しっかりと丁寧に仕上げ、十分に生活していける報酬を得られる仕組みを構築しています。
一方、一般のリフォーム業者が見よう見まねで参入してくる場合、スライド左側のようになります。さまざまな段取りをしようと思うと、例えば月曜日はトイレを交換、火曜日は洗面台交換を行うだけで手いっぱいです。
さらに「火曜日からお風呂のリフォームに入り、3日間で仕上げてほしい」というようなご依頼が多く、これ自体はまったく問題ありません。しかし、金曜日はトイレ交換が1件のみになってしまったため、これだけお願いするという流れになります。
すると、職人さんからは金曜日のトイレ交換の賃金はいくらもらえるのかという話になります。仮に日当3万円であれば半日工事となるため、リフォーム屋さんは1万5,000円としますが、職人さんからすればその後は仕事ができないため、3万円もらえないと困るという状況になるわけです。
そこで職人さんとリフォーム屋さんとの間にギャップが生じてしまい、職人さんもそのような単体の工事はしたくないということでなかなか集まらなくなってしまいます。このような課題を、当社は克服しています。
多能工化による生産性向上
さらに、当社は多能工化ということを行っています。例えばトイレ交換しかできなかった人に、電気工事や大工工事、内装工事を教えています。当社の工事では、トイレの交換だけでなく、それに併せて床材や壁紙を張り替える工事があり、50万円程度の施工費になります。
また、現場へ行き、トイレを外してみると床のベニヤが腐っていることがあり、床の交換も併せて必要になる場合があります。当社はもともとパッケージとしてのノウハウがあるため、お客さまに追加請求が発生することなく、それも含めて仕上げられます。
多能工化を行うことで、これらの施工に1人で対応できるようになります。たった1日で1人で、ベニヤを張り替え、床を張り替え、配管をアジャストし、クロスを張り替え、器具を取り付け、電気もつなぎ、見違える新築空間にできるということです。
同様の施工を普通のリフォーム屋さんが行う場合は、朝に設備屋さん、次に電気屋さんを入れ、大工さんにはそこまで待機してもらい、夕方には内装屋さんや設備屋さんが入るなど、さまざまな人がトイレという1つの空間に出入りしてガチャガチャするため、品質は下がり、工期は伸び、単価も高くなるため、工事を組むことが大変になってきます。その結果、職人さんがトイレ単体の工事はしたくないという状況になります。
もちろん、お風呂やキッチンなどの水回りをすべてリフォームする中でトイレ工事も行うケースであれば、問題はありません。その場合は職人さんがそろっているため段取りがしやすいのですが、単体工事の場合は困ってしまいます。
一方、当社はこれらを1人で行っています。朝9時に訪問して午後4時から5時にはきっちりと終えられます。1人で施工するのは不安なのではなく、むしろ1人で毎日同じ工事をやり続け、さまざまな商品や現場の状況を知っているプロフェッショナルだからこそ、品質も爆上がりします。
そのような中で、職人さんは例えば1日3件のトイレ交換に行かなくても、1日1件で同じ、もしくはそれ以上の報酬を得ることができます。
また、職人さんのキャリアプランとしても、多能工になりたいというニーズがあります。手先が器用な人に限られるため、できない人もいますが、できない人には先ほどのようなかたちでどんどん現場へ行っていただき、多能工になりたいという人には当社が研修を通じてすべてを仕上げられるように教育しています。
多能工として活躍できる職人さんは月100万円程度の手取りになるため、生活もしっかりと安定します。価格交渉やお客さまとの段取りはすべて当社が担うため、施工に集中して、お客さまを喜ばせてくれれば良いというシステムとなっています。
このような環境を構築したことで、職人さんは単に経済的に安定するだけでなく、当社と一緒に働くことで安心感が生まれ、さらに紹介によって優秀な職人さんがどんどん集まってくる仕組みを形成しています。
IT×住宅設備機器の単品交換市場の参入障壁
以上のように当社にはさまざまな仕組みが存在していますが、他社さんが同じようなことをしようとして当社の丸写しのようなサイトも非常に多いのですが、実際は簡単なことではありません。
まず、Web媒体をここまで構築するには非常に時間がかかります。毎年商品が変わり、リニューアルを繰り返す中、お客さまのニーズも変化していきます。その中で、営業マンが説明するわけではないので、正確な情報を完璧に発信し続けなければなりません。
それを維持しつつ、さらに現在進行形で当社はWebの力を高めています。見積りを依頼されたお客さまに対し、正確な見積りを返せなければ、不安な中でせっかくネットで頼んだのに失敗だったと思われてしまい、お客さまを非常にがっかりさせてしまいます。
これは絶対にあってはならないことですが、他社さんが見よう見まねで行おうとすると非常に高い確率で発生します。住宅設備は市場も大きいため、なんとなく同じようなことをやってみようと参入したはいいものの、品質を維持できず、辞めてしまいます。
さらに、当社のように職人さんを動かし、組織していくことはほぼ不可能に近く、持続できない状況になります。当社はそのような他社には真似のできないビジネスモデルを持っています。
ユニークなポジションを確立
スライドの図に示したように、当社は業界の中でも非常にユニークな独自のポジションに位置しています。水道屋ともリフォーム屋とも、いわゆるマッチングサイトのようなWebサービスとも違う、住宅設備工事を高品質で安く早く提供できるポジションを確立している状況となっています。
コスト優位性
コストについては、当社はサービスを圧倒的に安く提供できますが、安売りしているわけではなく、コスト構造や収益構造を変えています。通常の住宅設備を取り扱っているプレーヤーと何が違うかというと、先ほどお伝えしたように商品原価は企業ごとにさまざまな言い方があるため、変わらないと仮定したとしても、当社は職人さんを効率化させて動いているために生産性が非常に高まっています。
さらに多能工で施工することで、お客さまにとっては非常に安価となり、職人さんにとってはしっかり稼げる仕組みを構築しています。
また、営業担当は社内で対応しているプロフェッショナルです。通常は営業は1日3件回るので手いっぱいですが、当社は社内で10件から30件対応できるため、生産性が非常に高いです。
さらに広告コストについても、ここ20数年以上はSEOやWebサイトの力によって、コストをかけずにいわゆるマッチングサイトやポータルサイトなどを自社で運営しています。
以上のことを加味して価格設定すると、通常、同じことをしようと思うと売るだけ赤字になるくらい価格が違います。現在は、宣伝広告も含め、さらに安く販売させてもらっています。
見積りの比較例
当社では、他社の3分の2から半分の価格のお見積りが可能です。ハウスメーカーさんなどの場合は、トイレを交換するだけでも、見積り依頼から見積りが出るまでに1週間、さらに工事担当者が見に来るのに1週間、そこから施工までに2週間かかり、全体で1ヶ月かかります。
当社であれば15万円でできるところ、他社さんでは30万円、40万円かかってしまいます。その上、当社であれば早ければ翌日できる対応に1ヶ月かかり、一方で品質はもちろん変わりません。
これはハウスメーカーが悪いということではなく、そもそも当社とやり方が違うために圧倒的な差が出てしまっています。それでも不安だというお客さまへの対応として、10年保証をつけさせていただいています。
成長イメージ
中核となる「交換できるくん」サービスは、スライドのようなかたちとなっています。
現状はコロナ禍も明け、上場後に取り組みたいと思っていたことがようやく実現できるようになってきました。当社が培ってきたノウハウは、そのまま他の企業さんやハウスメーカーさん、デベロッパーさん、管理会社さんなど、優良な顧客を抱える企業さんとのシナジーが非常に期待できます。
彼らもニーズがあるので住宅設備機器の交換に取り組みたいのですが、忙しいために、とてもできないわけです。さらにノウハウも持っていません。そこで、しっかりとした品質で顧客に喜んでもらえるサービスを安定的に提供する企業があれば、組みたいわけです。
その部分を当社が担うことで、社会全体として建てた会社で工事をしたいというお客さまのニーズに対し、その会社さんを通じて当社がしっかりと施工を行い、シェアを確立していければと思っています。
ここまで多数の現場の話をしましたが、当社は基本的にはITの会社であり、役員もほぼIT企業出身です。ITを掛け合わせることで、特に収益性や利益率の高いビジネスをBtoB中心に並行して行っています。
その他の事業、取り組み
スライドに記載のように、当社はBtoB事業を行っています。左下にあるように、上場後は、メーカー機器の修理サービス会社を買収してグループに入れさせていただきました。
その他の事業、取り組み
最近では「Replaform」の提供を開始しました。現在当社が提供している「交換できるくん」というWebサイトのロゴマークを「うちの会社に変えてやってくれないか」というニーズは、以前からありました。そこで、先ほどお伝えした不動産管理会社さんやハウスメーカーさんなどにそのような取り組みを行っていただけるサービスを、伊藤忠さんと協力して開始しました。
イメージとしては、「ZOZOTOWN」さんのようなものです。「ZOZOTOWN」さんでは、さまざまなアパレルメーカーさんが自社のWebサイトを持っていますが、仕組みを提供しているのは「ZOZOTOWN」さんであり、彼らが配送まで担っています。
当社も同じように、単に入口としてWebサイトを提供するだけでなく、お客さまの対応から施工完了までを含めたすべてを担っています。現在は、こちらも非常に手応えを感じているところです。
その他の事業、取り組み
さらに、「交換技能アカデミー」という学校を作りました。現在、当社はそれほど職人さんの採用に困ってはいませんが、当社の人材育成モデルはなかなか良いものだと自負しています。
現在はAIによって仕事を奪われるなど、若者にとって社会的な不安がある中、このような技術を身につけていれば仕事がなくなることはありません。1人でできて、しっかりとお客さまに喜んでいただける上に、最大のメリットとしては良い報酬を得ることができます。
このような取り組みを業界として行うことにより、業界での地位向上はもちろん、一人前の人材を育てていくことで、当社も将来の職人さんの確保につながるだけでなく、さまざまなチャンスが拓けていくのではないかと考え、積極的に取り組んでいます。現在も、5名ほどが受講している状況です。
その他の事業、取り組み
また、SE会社さんの株式会社アイピーエスさんにグループに入っていただき、開発力を強化しました。
その他の事業、取り組み
直近では、住宅設備機器などの保証事業を行うIMI社にもグループに加わっていただきました。これは当社としても念願であり、実現したかったことです。
将来的には、主に利益の面で非常に大きな役割を示していくと思っています。また、当社も自社で保証サービスを行っているため、非常にシナジーが高く、今後は特に利益面での貢献を目指して対応しています。
事業説明は以上となります。ありがとうございました。
質疑応答:上場した最大の理由について
司会者:「御社が上場された最大の理由は何ですか?」というご質問です。
栗原:一言でお伝えすると、信用力になりますが、当社のビジネスは前例がないことを行ってきたため、はたしてこの会社で物を買っていいのか、この会社で働いていいのかといったこととの戦いでもありました。
そのような環境の中で、どうすればお客さまに安心していただけるのか、信頼・信用していただけるのかを考え続けたことがWebサイトのベースになっており、また、職人さんの人材育成モデルなどの仕組みの設計にもつながっています。
現在は時代の変化とともに、参入してくるプレーヤーも強くなってきています。そのような方々とこれから対峙していくことを見据えた上で、上場はおもしろい要素かと思い、また上場することで一定の信用性が担保されるため、実施しました。
同時に、当社のビジネスは大手企業との相性が非常に良いと私自身も考えており、以前から取り組みたいと思っていました。上場前は中核事業で手いっぱいということもありましたが、上場によってある程度の信用力を担保した上で取り組んだほうが、先方企業にとっても取引しやすいだろうと考え、ここからの可能性を鑑みて上場したというのが、一番の理由です。
質疑応答:社名の由来について
司会者:「『交換できるくん』という社名の由来を教えてください」というご質問です。
栗原:もともとは違う社名でした。私自身、社名をつけることが苦手で、あまり良い思い出がなく、もともとの社名もさほど気に入ってはいませんでした。
ただ、当社のサービスは一度ご利用いただいてから次に頼んでいただくまでに少し期間が空くことがあります。その時に、なんとか思い出していただける名前である必要があると考えました。なんとなく覚えているのではなく、なんとか覚えているということが重要だろうと考えました。
また、インターネットでビジネスを展開しているため、検索エンジンやマーケティングツールなどとの相性が良いことなど、さまざまな要素を加味して検討を行いました。
ただ、現在の社名は私が考えたものではありません。ネーミングのプロに依頼してつけてもらいました。もともとはサービス名を変更するためのネーミング案で、それでも20年経ってからサービス名を変えることには葛藤も非常にありましたが、やってみると評判はとても良く、特に女性の方から「かわいいね」「なんか安心できそう」と言っていただけることが多く、手応えを感じました。
そこで上場のタイミングで、せっかく上場するのであればマーケティングの観点からも、サービス名と合わせたほうが良いと考え、社名も「交換できるくん」にそろえることにしたのが経緯です。
質疑応答:顧客からのクレーム対応について
司会者:「御社のビジネスモデルでは顧客からのクレームが多いのではないかと思うのですが、どのように対応していますか?」というご質問です。
栗原:これは同業者さんからもよくいただくご質問ですが、クレームは多くありません。なにがクレームにつながるのかを長年研究してきたため、今はほぼありません。
それでも稀にクレームがあった場合には、当社はアフターメンテナンスを行う部門を自社で持っていますので、その部門の社員が素早く、必ずお客さまが納得できるところまで対応します。その結果をすべてデータベース化し、関係各所や、私も含めた役員が毎月1回会議を実施し、すべてのクレームに目を通します。
例えば月間5,000件の工事を行う中で、稀なケースのクレームでも、2件のクレームが発生したとしたら、この2件をどのようにすればゼロにできるかといった議論をしていきます。
この取り組みを繰り返し続けてきた結果、現在、クレーム自体はほぼありません。あったとしても、必ずしっかりと対応しています。
質疑応答:ビジネスモデルのヒントについて
司会者:「御社のビジネスモデルも含め、各施策がユーザーのニーズにマッチしていて、今後も拡大していくことになるかと思います。どこからヒントを得たのですか?」というご質問です。
栗原:当社は水道等の修理が祖業であり、当時はまだインターネットがあまり普及していない時代でしたが、私はたまたまホームページを自分で作っていたため、そのような分野に精通していました。その中で、ビジネスとしてやってみたらどうだろうかと思い、取り組んでみたところ、お客さまに喜んでいただけました。
ただし、お客さまからは「このようなところが不安だった」「職人さんが外注だと不安だ」「アフターメンテナンスがないと不安だ」「サイトの書き方が誤解を招く」などのさまざまなお声がありました。
そのため、不安で仕方がないお客さまにもご納得いただき、気持ちよく注文いただけるようにするための施策を常に考え、積み重ね続けてきた結果、今のビジネスモデルができたのではないかと思います。
質疑応答:広告宣伝で期待される業績効果の見通しについて
司会者:「広告宣伝で期待される業績効果について、見通しをお聞かせください」というご質問です。
栗原:広告宣伝には2つあります。1つはターゲット広告、もう1つはブランディング広告と位置づけています。ターゲット広告は、検索エンジンなどを活用して効率よくお客さまに来ていただくための施策です。
一方でブランディング広告は、「交換できるくん」というサービスをご存知の方がこのセミナーにどのくらいいらっしゃるかはわかりませんが、まだまだご存知であったり、知らなかったりさまざまな状況かと思います。
広告宣伝を実施したからといって、すぐに売上が爆上がりするわけでは決してありません。しかし、さまざまな企業さんを研究すると、ある一定の知名度を突破した企業は売上獲得や成約率等の面でさまざまな要素の効率が良く、効果が爆上がりしていきます。
そこまで到達するのは非常に大変で、途中でやめてしまう企業も多いことも研究でわかっています。現在は利益を使って掘っていますが、この先売上高200億円を突破し、500億円からその先を見据えると、現状取り組みたい施策だと考えています。
現在は、テレビが見られない時代になってきており、私自身もあまり見ません。ただ、そのような中でも依然としてテレビはブランディング広告の媒体として権威を持っています。これが通用する時代がいつまで続くかはわかりませんが、さまざまな大手プレーヤーの参入が進んでいる中で、タイミングとの戦いもあります。
当社の置かれた環境、あるいは外部環境など、最適な時期に気持ちよく広告投下できるタイミングはなかなかないため、さまざまなリスクと選択肢と機会の中から、今だと判断して投資を行っています。
この結果に関しては、ある日突然効果が上がってくるものでもあります。まだ今は苦しい時期ではありますが、しっかりとやり切り、次のステージに持っていくことを目的に取り組んでいます。
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