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株式会社エフ・コード9211

東証グロース

サービス業

目次

司会者:本日はお忙しい中、株式会社エフ・コードの個人投資家向けオンライン会社説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

本日のアジェンダです。まず決算ハイライトとして第2四半期決算全体の要点をご説明した上で、会社概要およびビジネスモデルについてお話しします。

次に直近の第2四半期業績および業績予想の進捗について要点をお伝えします。その後、M&A投資についてもご説明し、最後に中期経営計画について、通期決算発表時にご説明した内容を再度振り返るかたちになりますが、あらためてお話しします。

2025年12月期 第2四半期 決算ハイライト

工藤勉氏(以下、工藤):株式会社エフ・コード代表取締役社長の工藤勉です。よろしくお願いします。

決算ハイライトについてご説明します。

スライドに記載のとおり、売上高は半期で52億1,200万円の前年同期比約2.6倍、営業利益は11億7,700万円で前年同期比約2.0倍と好調に進捗しています。

前四半期である今年第1四半期に続いて、過去最高の四半期売上高・営業利益を達成しました。

営業キャッシュフローの増加を背景に、事業およびM&A投資の加速と借り入れ調達力の確保に引き続き注力しています。ポイントとしては、詳細は後述しますが、事業面ではグループ各社が堅実にオーガニック成長およびホールディングス主導によるクロスセルを実現することによって着実に売上を積み上げています。

トピックとしては、近年、非常に流行し、人口に膾炙するようになったAI検索にコンテンツを最適化するための「AI対応Webサイト支援サービス」をリリースしました。また、当社グループにはインターネット広告運用に関する書籍を出していた有名な著者が在籍しており、彼を主軸としたマーケター育成講座のリリースにも取り組んでいます。

また、M&Aについてですが、今四半期ではデジタルスキルのオンラインスクール事業のデイトラ社、インフルエンサーのビジネス支援事業・キャリアスクール事業のReal us社、そして動画編集のオンラインスクール事業を運営するブイスト社の計3社をM&Aし、グループに加えました。

財務面では、事業投資およびM&A投資の余力を確保するために、第2四半期決算の開示日時点で当期累計50億円以上の融資を受けています。営業キャッシュフローも引き続き増加しており、銀行からのさまざまな融資もいただくことで、財務的な余力を確保しながら半期を終えることができたと考えています。

会社概要

司会者:続いて、会社概要およびビジネスモデルについてお願いします。

工藤:あらためまして株式会社エフ・コードです。本社は神楽坂にあります。現在、グループ全体で15社、役員・従業員は約850名在籍しており、創業して20期目に入っています。

ミッション

「マーケティングテクノロジーで世界を豊かに」という企業ミッションを掲げています。

当社事業領域

当社グループは、いわゆるマーケティング領域とAI・Technology領域の事業を展開し、それぞれクライアント企業や顧客企業のデジタル改革を支援する会社です。

グループとしての事業活動方針

グループは15社で構成されているとお伝えしましたが、その事業活動方針について補足説明します。まず、構成する企業はM&Aなどを通じてご参画いただいた会社で、ほとんどの創業者や経営陣に引き続き残っていただいています。基本的には、それぞれの会社の良さをそのまま活かす、「連邦制の運営」を大前提としています。

一方で、それだけでは単なる「1+1」の足し算に終わってしまうため、「統合の推進」に取り組み、掛け算の効果をしっかりと生み出すことを併せて実現しています。スライド右側に詳細を記載しています。

具体例として、共同営業や共同事業、コストメリットを生み出すための共同購買や機能統合など、グループ15社のスケールメリットを活用しています。これにより、売上の成長はもちろんのこと、コスト意識を高めながらコスト効率を向上させ、利益成長を実現していきます。

こうした取り組みを通じて、コングロマリットプレミアムの創出を目指し、グループ運営を行っています。

スクール事業新たに3社参画、グループシナジー拡大

具体的な例として、第2四半期に、消費者にデジタルスキルを教えることで収益を得るという事業モデルの企業が新たに3社、スクール関連事業に参画しました。デイトラ社、Real us社、ブイスト社です。

もともとはSAKIYOMI社、BUZZ社、Ciel Zero社がスクール事業を展開しており、現在、グループ累計で約5万人の受講者にデジタルスキルを提供しています。

これらのデジタルスキル系スクール事業者が集まることで、講座コンテンツの向上やマーケティングナレッジの共有が進むだけでなく、ITやデジタル人材が不足する現代において、生徒にデジタルスキルを伝える役割を果たしています。

このスキル習得により、卒業生は転職、副業、フリーランスとしての働き方など、多様なキャリアニーズを叶えることが可能となります。

こうした取り組みにより、結果的にグループ全体のリソースも増大し、グループシナジーを生み出すことが理想です。例えば、スクール修了後の仕事の紹介や共有などを通じて、さらなる価値を提供していきたいと考えています。

IT/デジタル人材不足に対する当社グループによるアプローチ

少し触れましたが、いわゆるIT/デジタル人材不足が日本国内で深刻化する中、労働人口が減少し、デジタル人材も不足していることから、採用や育成の難易度が高まっています。このような状況において、当社グループでは、5、6社で実行しているスクール事業を通じてデジタル人材を育成することを目指しています。

もう1つは、当グループ内には生成AI関連のソフトウェアやツール、研修などを提供している企業も存在します。これにより、デジタル人材を育成するという側面とAIソリューションを普及させることで、人手を必要としないようにするという側面の双方から日本のIT人材不足にアプローチしていきたいと考えています。

マーケター育成講座リリース決定

我々の祖業はマーケティングSaaSおよびマーケティング領域の事業であり、上場後にこれらを拡大してきました。この分野では、日本国内でデジタルマーケターが非常に不足している状況です。

「業界の教科書」とまで自社では言い切れないものの、業界内で広く流通している非常に有名なインターネット広告運用に関する本の著者である、CRAFT社の代表取締役が当グループに在籍しています。

さらに、デジタルスキルについてのスクール用コンテンツを制作し、受講者に提供するノウハウを持つオンラインスクールに特化したグループ会社も当グループに所属しています。

この両者を掛け合わせることで、インターネット広告に特化したマーケター育成講座をリリースすることが決定しました。

これまでは、SNSマーケター、エンジニア、クリエイターなどの育成と、これらの方々への仕事紹介を主に行ってきました。今後は、インターネット広告領域においても同様の取り組みを進めていきたいと考えています。

AI 関連の新規サービスリリース

人材育成の話に加えて、AI対応についてお話しします。昨今、AI検索が非常に流行しています。いわゆる生成AI系のアプリケーションで質問される方がいる一方で、検索エンジンで検索をすると一番上にAI検索の結果が表示されるという状況です。

これまで、いわゆるSEO(検索エンジン最適化)と呼ばれる、Webサイトを検索エンジンに読み込まれやすくして上位に表示させる取り組みが行われてきましたが、それとは別に、AIに読み込まれやすくすることでAI検索結果に自社のコンテンツを表示させることが必須となってきています。

当社グループには、Webサイトの制作や運営を支援するグループ会社がいくつかあります。少し言いにくいですが、「LLMO(Large Language Model Optimization)」というサービスを開始し、AI検索でクライアントのWebサイトが表示されやすくなる仕組みを提供しています。

このサービスは非常に大きな反響をいただいており、今四半期の重要なトピックの1つと考えています。

業績ハイライト|2025年12月期 第2四半期 決算サマリー

司会者:続いて、2025年12月期第2四半期の業績および通期業績予想に対する進捗についてお願いします。

工藤:冒頭で申し上げたとおり、売上は52億1,200万円、営業利益は11億7,700万円で、それぞれ前年同期比約2.6倍と約2.0倍となっており、四半期売上・利益ともに過去最高を更新しました。継続的な高成長を実現していると捉えています。

2025年12月期 通期業績予想|売上収益、営業利益及びEBITDAの推移

我々は2021年末に上場し、上場企業としては2022年期からスタートしました。それから3年半が経過しましたが、2025年の業績予想では売上は約15倍、営業利益は約14倍、EBITDAも約14倍を見込んでいます。

毎年おおよそ2倍、いわゆる倍々で伸びていくペースで成長を続けてきました。

2025年12月期 通期業績予想進捗(第2四半期時点)

通期業績予想に対する進捗です。昨年に対しておおよそ倍に成長するという業績予想に対し、この半期終了時点で売上収益の進捗率は52.1パーセント、営業利益は53.5パーセントとなっています。

下期偏重の収益構造の中で、さまざまな新規事業投資やM&A投資を行いつつ、この上期は好調なスタートを切れたと考えています。

2025年12月期 通期業績予想進捗(第2四半期時点)|事業領域別

通期業績予想進捗についてMarketingセグメントとAI・Technologyセグメントに分けています。収益面では「Marketing領域」が、利益面では「AI・Technology領域」が、それぞれ牽引しています。

各領域について、事業投資を行いながらも、通期予想に対して余裕をもった事業利益を創出できていると考えています。

司会者:今回の第2四半期決算では、引き続き過去最高の四半期売上と利益を達成しましたね? 

工藤:そのとおりです。今回の半期決算では、引き続き過去最高を更新できたことは、とてもうれしく思います。また、グループ各社間において、下期の成果につながるさまざまな方策を発表することができました。そのため下期をとても楽しみに考えていますし、そうした方策が数字として具現化されることを目指し、引き続き努力していきたいと考えています。

当社のM&Aのねらい

M&Aについてご説明します。当社のM&Aのねらいはスライドの4つです。まずは企業価値向上をいかにスピードアップするかということが最大の目的だと考えています。

そのために、当社はデジタル関連のサービスを提供する企業として、顧客企業に対する提供価値の拡大を図っています。

これまでマーケティングSaaSやマーケティングサービスを軸に事業を展開してきましたが、AI・Technology領域にも広げることで、デジタル変革を進める顧客企業をより広範囲にサポートできるようにしています。

加えて、M&Aによって優秀な人材、チームが参画すること、最終的にはグループ経営を通じて、先ほど申し上げた効率化と機能強化を具現化することが、当社のM&Aのねらいです。

当社のM&Aの考え方・対象・強み

基本的には中長期的な企業価値やEPSの増加に資する案件であることが大前提です。売上の継続性、成長性、分散性を考慮しながら、主にデットによる資金調達、具体的には銀行からの借り入れを中心に対応しています。

対象企業は黒字企業や黒字事業に限定されており、当然ながら当社のミッションである「マーケティングテクノロジーで世界を豊かに」に沿った、当社の事業と同種、または類似・近似している領域が対象となります。

ただし、そのような領域は競争が激しいのが実情です。そのため、ソーシングの面では、M&A関連会社との接点や参画した経営陣からの直接紹介などによって、なるべく多くのご縁をいただけるよう努力しています。そして、クロージングを進めるとともに、ファイナンスも確実に裏付けを取るかたちでM&Aを実行しています。

当社のM&Aの考え方・取り組み|ソーシング

我々が検討する案件の数は、2023年上期でおおよそ半期に40件ほどだったものが、約2年を経て、この上期には約200件に達し、おかげさまで非常に順調です。

ご紹介だけでなく、直接お声掛けいただくことや、M&Aアドバイザーの方々からご案内いただくことも増え、検討する案件が大きく増加しています。

ただし数が増えるだけではなく、すばらしい会社と出会い、それが業績に結びつくことが最終的な目的です。そのため、この案件数の増加をゴールとするのではなく、今後は検討基準の引き上げを視野に入れ、検討を推進していきたいと考えています。

直近M&A案件概要 1. 株式会社デイトラ

直近発表した3件について補足説明します。こちらのスライドはデイトラ社です。

直近M&A案件概要 1. 株式会社デイトラ|事業サマリー

基本的には、デジタルスキル教育のオンラインスクールを展開している会社です。フリーランスや副業市場の拡大を背景に、5年間で約3万人以上の受講実績を持つ非常に規模の大きいオンラインスクールの会社です。

直近M&A案件概要 2. 株式会社Real us

Real us社は、インフルエンサーのビジネス支援事業やキャリアスクール事業を展開している会社です。

直近M&A案件概要 2. 株式会社Real us|事業サマリー

インフルエンサーのビジネス支援やキャリアスクールの運営を行い、3年間で1,000人以上のインフルエンサーを支援してきた会社です。

直近M&A案件概要 3. 株式会社ブイスト

こちらのスライドは動画に特化したオンラインスクールを運営するブイスト社です。

直近M&A案件概要 3. 株式会社ブイスト|事業サマリー

動画編集スクールを運営しており、開講から2年半で700名以上が受講しています。また、自社運営のSNSを中心にオーガニックで集客している会社です。

冒頭でも申し上げましたが、これらの3社はオンラインスクール系の事業者です。さらに他にもグループ内に同種の事業を営む会社が存在します。

当社は、生活者にオンラインスキル教育をしっかりと提供しながら、お客さまの、フリーランスとして活躍したい、副業の機会を得たい、あるいは転職を目指したいといった、さまざまな意向にお応えできるよう取り組んでいます。

そして、それが結果的に当社の収益やリソース強化につながるように運営していきたいと考えています。

金融機関からの資金調達状況

第1四半期では3件、第2四半期でも同様に3件のM&Aを発表しています。このように連続的なM&Aを実行していますが、資本コストの低減とM&A投資資金の獲得の両立を目指し、借入余力の確保にも努力しています。

スライドの右側には具体的に、みずほ銀行、りそな銀行、三菱UFJ銀行などの銀行名や貸付金額、条件などを記載しています。各金融機関とのリレーションを強化し、各銀行から温かいご支援をいただき、当期も半期時点で累計50億円以上を調達しました。

黒字でしっかりと回収できるM&A案件に絞ることが金融機関からの信頼にもつながると考えているので、引き続き、成長につながるM&Aを進めると同時に、金融機関からの信頼を得ながら取り組んでいきたいと考えています。

司会者:デイトラ社、Real us社、ブイスト社の3社のM&Aを実行し、引き続きPMIおよびバリューアップの取り組みを実行中ということですね。

2027年12月期目標

工藤:最後に中期経営計画についてお話しします。今年は2025年ですが、2027年12月期の目標として期初に発表した内容を再掲します。売上高は150億円以上、営業利益は50億円以上を目指します。

企業価値は営業利益に基づくものと考えており、営業利益ベースで年間成長率50パーセント以上を継続するという目標を掲げています。

すでに締まっている2024年の実績は、売上高51億円、営業利益14億円でした。これらが毎年150パーセント成長していくと記載した数字に達するということで、設定しています。

DX支援からDX実践、更なる発展へ

当社は上場後から2022年まで、Marketing領域をしっかりと拡大してきました。2023年から2025年にかけては、AI・Technology領域におけるDX領域の伸長に注力している最中です。

さらに、2026年以降には、このデジタルトランスフォーメーションが競争力に直結する実業や、場合によっては海外市場など、さまざまな展開を視野に入れつつ、2027年に先ほどの目標数値を達成できるよう努めていきたいと考えています。

以上が中期経営計画の再掲および補足となります。この計画が実現できるよう、引き続き努力していきます。よろしくお願いします。

質疑応答:LLMOサービスの詳細と反響について

司会者:「LLMOサービスについて詳細を教えてください。反響はいかがでしょうか?」というご質問です。

工藤:現在、みなさまが「Google」などで検索すると、一番上にAIによる検索結果が表示されることがあると思います。この場合、AIはなんらかのWebサイトを参照して回答しているため、自社のコンテンツがそこに表示されるかどうかは非常に重要なポイントです。

そのため、AIのエンジンに最適化したWebサイトを新たに作成する、もしくは既存のWebサイトをその仕様に合わせて修正する作業が必要となります。この作業を提供しているのが、私たちのグループのWeb制作機能を担う会社です。

生成AIに正確かつ網羅的に情報を取得して参照してもらえるように、Webサイトを修正していきます。その結果として、「ChatGPT」などのアプリで生活者が質問した際や、通常の検索画面で検索した際に、当社のクライアントのコンテンツの要約が表示されるように進めていきます。

これにより、情報が正しく参照されることで新たな流入経路を確保し、信頼性の向上やブランド認知の拡大といった効果を実現します。

生成AIなどが登場した時点から、顧客企業より「早くこういうものに対応しないとね」という要望が非常に多く寄せられており、これを受けて本サービスをリリースしました。現在、非常に大きな反響と関心をいただいていると認識しています。

特にWebサイトからのリードに依存しているようなBtoB業界や、消費者がAIに質問することが多い美容業界、不動産業界、旅行業界など、さまざまなお客さまや、まだ当社の顧客にはいないような会社からも、多くのお問い合わせをいただいています。

いきなりサービスの利用を希望される場合もあれば、現状のWebサイト診断レポートを求められる場合もあります。また、このサービスをより多くの方に知っていただくために開催しているお客さま向けセミナーへの反響も非常に高く、申し込みが多数寄せられています。

当社グループの15社は、それぞれ多くの顧客企業のアセットを保有しています。このグループ顧客向けのセミナーを順次実施しながら、かつてSEOが大きく普及したように、「AI対応Webサイト」が当たり前となる世界を目指し、引き続き取り組んでいきたいと考えています。

質疑応答:M&A先に選ばれる理由について

司会者:「それぞれのグループ会社が御社を選ぶ理由は何でしょうか? 各案件でかなり良い条件で買っているように見えるので、その理由を教えてください」というご質問です。

工藤:選んでいただいた理由を自分で話すのは、少し恥ずかしいところもありますが、前提として、しっかりと収益を出している会社を、その利益の5倍程度を目安にM&Aを進めるということが基本方針となっています。

申し上げたとおり、いわゆる事業承継的な、M&A完了後に経営陣やオーナーが抜けてしまうかたちではなく、その会社を引っ張ってきた経営陣やチームごとご参画いただくことが特徴です。

いわゆるM&Aをご検討されている企業が当社を評価してくださるポイントとして、事業シナジーが見込める点が挙げられます。自社の事業をさらに伸ばしていきたいという意欲や能力をお持ちの経営陣に、当社を選んでいただくことが多いです。

エフ・コードグループが保有する顧客アセット、技術、マーケティングの知見、人材などを利活用し、事業シナジーや組織シナジーをしっかりと生み出すことで、自社を成長させたいと考える売り手のみなさまに支持されているのだと思います。

この3年間で10数件、毎年4件から5件というペースでM&Aを行っていますが、グループにご参画いただいた後に、「しっかりと業績が伸びたよ」や「組織的にもハッピーにやっているよ」というような過去の実績や認知、評判が後押ししていると考えています。

また、当然ながら、多様なインセンティブをしっかりと付与している点も評価いただくポイントとして挙げられると思います。

事業意欲が旺盛で、自社の事業を伸ばしたいと考え、またそれを実現できると信じている企業にご参画いただいていますので、会社がしっかりと目標を実現した場合には、適切な経済的インセンティブが実現する仕組みを導入していることも選んでいただく理由であると考えられます。

まだ十分とはいえない部分もあるかもしれませんが、今後も若くて能力が高く、事業意欲のあるベンチャー企業にグループへ加わっていただけるよう、仕組みの整備やグループ全体の経営能力を向上させていきたいと考えています。

質疑応答:金融機関との関係性について

司会者:「直近で複数の借り入れがリリースされているようです。金融機関との関係性は良好だと考えてよいでしょうか?」というご質問です。

工藤:良好だと私自身では思っています。おかげさまで複数の金融機関から、大きな金額のお借り入れを発表することができました。各銀行のみなさまに本当に感謝しています。

大前提として、安定的に収益を上げている優秀なベンチャー企業が対象となり、その貸出金額も適切に掲示されます。その金額は5年程度を目安にしっかり回収されると考えています。このように、当社のこれまでの方針や財務規律について金融機関にご理解・ご納得いただいた結果だと考えています。

その結果として、発表したM&A案件について、すべての金融機関から円滑なお貸し付けをいただいていることは、本当にうれしく思っています。当然ながら、非常に大きな銀行にも大変お世話になっているのは大前提ですが、複数の地域の銀行とも連携が強化されています。

また、みずほ銀行には、当社に関するインタビュー等へのご出演もいただき、非常に手厚いご支援を賜っていると考えています。引き続き、現在お世話になっている銀行と関係を深めるとともに、新たな銀行からもご支援いただけるよう、良い関係を築くために尽力していきたいと考えています。

質疑応答:コスト意識を反映したオフィス運営について

司会者:「キラキラしたオフィスではない気がしますが、その理由は何でしょうか?」というご質問です。

工藤:そうですね、あまりキラキラしたオフィスではないなと思います。

司会者:心地よいオフィスですね。

工藤:「キラキラしたオフィス」をどう捉えるかにもよると思います。本体がおそらく一番そうだと思いますし、グループ各社も非常にコスト意識の高いオフィスになっているかと思います。

大前提として、当社は利益率などをご覧いただければわかるように、実用的で筋肉質、コスト意識の高い、利益を重視した経営を創業以来一貫して行ってきたと考えています。

細かい経済条件を具体的に述べるのは難しいですが、坪単価1万円台前半で借りている東京のオフィスが多数あります。しっかりとリーズナブルな物件を選びつつ、従業員が気持ちよく働けるように、内部環境には適切な投資を行いたいと考えています。

家賃を含む固定費は抑えつつ、その分の資金は事業投資やM&A投資、人材育成、さらには優秀な人材が気持ちよく働けるような人件費への投資に充当するほうが、事業成長につながると考えています。

自社のオフィスが悪いとは思いませんが、今後も派手なオフィスよりも地味でも中身がしっかりしているオフィスを目指し、そのように評価されるような経営を続けていきたいと考えています。

質疑応答:スモールIPOと新規上場基準に関する見解について

司会者:「東証グロース市場改革、上場維持基準見直し(時価総額100億円)についてどのようにお考えですか?」というご質問です。

工藤:当事者、つまり1発行体としての観点ですが、証券取引所や投資家の方の視点に基づいて基準を設け、発行体の成長を促すという意図をしっかりと受け止めるべき立場にあると考えています。

特に、これとほぼ並列するスモールIPOへのご批判についても、真摯に受け止めなければならないと認識しています。当社は40億円未満で上場し、現在では100億円を超えて成長しています。このように、当社はまさにスモールIPOど真ん中の銘柄であり、こうした批判を真摯に受け止める必要があると考えています。

その後の株価成長に関しては、従業員のみなさま、顧客企業のみなさま、そして株主のみなさまのご支援によるところが大きく、大変感謝しています。

一方でさまざまな要因が積み重なった結果といえるため、基準に抵触しないよう努力を続けるという強いプレッシャーをしっかりと受け止めながら進めていかなければならないと考えています。

今後も当社としては努力を続け、スモールIPOであっても企業価値を着実に伸ばせることを示していきたいと思います。

また、新規上場基準が上がっていないという意見もありますが、少なくとも上場維持基準が引き上げられ、新規上場数が減少していることは、マクロ的な観点から観測される事象だと感じています。それに伴い、未上場企業のM&Aという選択肢がすでに広がりを見せており、さらに増加傾向にあると考えています。

上場企業においてもその動きが少しずつ広がっていると感じています。そうした機会が当社に訪れることがあれば、そのチャンスをつかめるよう、しっかりと準備を進めたいと考えています。

質疑応答:上場企業のM&Aについての見解

司会者:「上場企業のM&Aもありますか?」というご質問です。

工藤:結論としては、投資家のみなさまからお預かりした資金を何らかに投資し、企業価値を向上させることが私たちの仕事ですので、それにつながるものであれば、当然ながら選択肢として常に検討すべきものと考えています。

先ほどの質問にも関連しますが、一連のさまざまな改革によって、上場企業が今後M&Aに取り組みやすくなる可能性があると考えています。

また、仮に上場企業を買収する機会が訪れた場合、例えば信用力や資金調達力という面で、そのような企業の多くは非常に優れていると思います。その上で、人材や事業ノウハウにも多くの優れたものがあるかと思います。

これらのメリットが、これまで私たちが行ってきた未上場企業のM&Aとは異なる形で企業価値向上につながるのであれば、ぜひ積極的に検討すべき事項だと考えています。

一方で、投資規模が非常に大きくなるため、当社の財務規律に合致するかどうか、また、それを仮に超える場合でも、数字創出の蓋然性が非常に高いことを立証できるかどうか、慎重に検討していきたいと思います。

このような機会が訪れた際に対応できるよう、しっかりと準備していきたいと考えています。

質疑応答:役員のバックグラウンドと役割について

司会者:「各役員の経歴や役割を教えてください」というご質問です。

工藤:写真を撮り直しましたね。

司会者:そうですね、新しいものになっています。

工藤:爽やか度が少し上がったようですね。当社の役員は、営業事業関連、金融関連、財務関連と、多様なバックグラウンドで構成されています。

荒井については、創業時からの役員です。コンサルティング会社を経て役員に就任し、営業面、CS面、M&A、そしてグループ内のグループ会社の管轄を一手に担っています。

平井については、もともと金融機関から大手広告会社を経て当社に加わった人物です。当社では、さまざまなSaaS事業に携わり、過去には海外事業の事業推進なども手がけてきました。現在は、大手マーケティングカンパニーでの経験を活かし、顧客提案やコンサルティングなどを担っています。

加えて、エフ・コード本体の営業事業推進やアライアンス、さらにはグループ統合視点での推進も受け持っています。

衣笠は大手監査法人出身であり、東証グロース上場企業において経営企画や投資担当としての経験を有しています。上場前から当社のコーポレート部門を一手に担っており、IPOプロジェクトも彼が推進した結果、無事に上場を実現しました。

現在は主に経営管理や財務運営を担当し、経営管理面でのPMIにも対応しています。

各領域でしっかりと強みを発揮しているだけでなく、年齢的にも若く、コーポレートカルチャーとして現場との距離感も近いです。また、役員同士の仲も良好で、フラットな議論を重ねながら、今後もさらなる発展に向けて努力していきたいと考えています。

質疑応答:東証プライム市場への鞍替え検討について

司会者:「株価が伸びてきましたが、東証プライム市場への鞍替えのご予定はありますか?」というご質問です。

工藤:残念ながら、株価が本日少し下がってしまいました。少しずつ株価が伸びてきているのは、投資家や株主のみなさまのご支援のおかげだと感謝しています。

仮に東証プライム市場への鞍替えを検討する場合、釈迦に説法ではありますが、いくつか要件があります。例えば、流通時価総額が100億円や、時価総額全体で250億円、2年間の利益合計が25億円など、さまざまな形式基準があります。

株価や利益水準の上昇により、株価の部分については今後どうなるかわかりませんが、おそらく今期をもってさまざまな形式基準を満たす見込みであると認識しています。

当然ながら、東証プライム市場への上場に際しては一定のコストや手間がかかります。ただし、メリットとしては、審査を通過することでガバナンスの強化が図られる点や、機関投資家の注目を集めやすくなることが挙げられます。また、企業イメージの向上、取引先や金融機関からの信用力向上といった副次的な効果も期待できると認識しています。

これらのコストとそれによって得られるリターンを勘案しながら、適切にその是非や場合によっては時期などについて検討を進めていきたいと考えています。

質疑応答:デジタル関連事業の展望と目標について

司会者:「御社の中長期ビジョンについて教えてください」というご質問です。

工藤:これまでの経緯からお話ししますと、当社はもともとマーケティングSaaS領域の会社として上場しました。その後、SaaSだけでなくマーケティング全般の領域やAI・Technology領域へと事業を広げてきました。

現在、それらの両側面を活かしたグループシナジーを最大限に発揮できるところまで、少しずつ進んでいる状況です。また、先ほどのスクール関連事業の説明でも触れましたが、企業のDX需要や日本全体のデジタル人材不足という社会課題の解決にも取り組みたいと考えています。

定量的には、まず先ほど申し上げた中期経営計画の達成を目指しています。一方で、定性的にはこれらのノウハウを活かして、現在支援している顧客企業やクライアントに成果をご提供することを重要視しています。

その先として、当社のデジタル関連のノウハウを活かし、社会的・経済的価値を生み出すような実業領域への進出や、場合によっては国内だけでなく海外でも同様の取り組みができるような機会を模索していきたいと考えています。

最終的な目標は「マーケティング」と「テクノロジー」で世界を豊かにすることです。そのため、BtoBだけでなくBtoCへの展開や、国内だけでなく国外への事業展開も視野に入れながら、短期的にはまず中期経営計画の達成を経営の柱として進めていきます。

質疑応答:エフ・コードおよびグループ全体のカルチャーについて

司会者:「工藤社長から見て、御社はどんな従業員が多いですか? グループ会社で組織文化の違いや類似性があればそれも教えてほしいです」というご質問です。

工藤:当社とグループ全体を見ると、さまざまな毛色の違いがあります。まず当社について申し上げると、当社は2006年創業であり、スタートアップというよりは一定の歴史を積み重ねてきた企業だと考えています。

グループ全体としては、上場後にM&Aを通じてご参画いただいた事業体やメンバーもいる状況です。

カルチャーについては、まず穏やかで良い方が多い会社だと思います。平均年齢は非常に若い会社であるため、挑戦意欲が高い一方で、一定のミドル層などの人材も在籍しており、若くて元気な人材とある程度成熟した方々が共存しています。そのため、多様なバックグラウンドを持つメンバーがそろい、バランスが取れています。また、誠実で真面目な方が多い点も特徴ではないかと考えています。

会社の動きが非常に早いため、新しい領域をスピーディにやるような取り組みにも前向きに対応する方が多いのではないかと思います。

また、グループ各社に目を向けると、それぞれ異なる特色を持っています。営業利益が数億円規模の成長著しいスタートアップ企業、ベンチャー企業にもご参画いただいており、その創業者やマネジメントメンバーが引き続き活躍しているケースも多く見られます。そのため、荒削りながらも事業価値や成果にこだわる人材も多く在籍しています。

最終的にはグループ全体で、成長意欲と顧客志向という共通した要素を持っていると考えています。そのあたりの方向性が近いことは、グループのカルチャーマッチに寄与しているのではないかと思います。

先ほどオフィスについてのご質問でも触れましたが、自分で自社のことを言うのも恐縮ですが、誠実で真面目で穏やかな方が多い会社です。あまりキラキラしている雰囲気ではないかもしれませんが、いかがでしょうか?

司会者:真面目な方が多いですね。

工藤:そうですね、真面目な方が多いと思います。

質疑応答:デジタル人材不足への対応とスキル教育事業の展望について

司会者:「直近の教育スクール事業買収がいくつかありましたが、そのねらいについて教えてほしいです」というご質問です。

工藤:基本的には、スライド9ページにお示しした問題に直結する話ではありますが、そもそもフリーランスや副業人材市場が大きく拡大していることにより、デジタルスキルを学びたいという需要が広がっています。リスキリングという言葉が流行したように、デジタルスキルを習得したいという動きが生活者側で大きく広がっているというのが大前提です。

この拡大している市場において、どのように事業を伸ばしていくのかが大きな課題です。

もう一方では、クライアントサイド、つまり企業側においてデジタル人材やIT人材が不足しているという問題もあります。

両者のニーズに応えることが非常に重要だと考えています。具体的には、お客さまの人材不足に対応するとともに、働き手のみなさまのデジタルスキルを学びたいというニーズをつなげることが重要です。

グループ内では、スクール事業を通じて、エンジニアやSNS、マーケティング、汎用スキルなど、さまざまなデジタル教育の機会を生活者のみなさまに提供しています。

そして、それらを受講完了した後に、お仕事を求める方々に対し、当グループやクライアントのみなさまが機会をご提供することで、人材不足の解消と働き手のニーズを満たし、日本全体のデジタル人材不足の問題を解決していきたいと考えています。

質疑応答:4件のM&Aと業績予想の上方修正の可能性について

司会者:「業績進捗好調かつ直近業績予想に織り込んでいないM&Aも実行されていますが、業績予想を上方修正するタイミングについて教えてほしいです」というご質問です。

工藤:期初業績予想の開示後、合計4件のM&Aを実行しました。具体的にはSmartContact社、今回ご説明したデイトラ社、Real us社、ブイスト社の4社です。これらの年間想定売上や営業利益についてはそれぞれ開示済みです。

今期は途中で取り込んだこともあり、その何分の1かにとどまる見込みですが、寄与月数というものを考慮すると、業績予想の上方修正の改善性が一定程度あるのではないかというご意見は多数いただいています。

一方で、これら4社はグループに加わったばかりです。ブイスト社については、正式には譲渡完了前の段階であり、現時点では4社の業績を極めて保守的に見積もっています。

これらのM&Aがなくても、先ほどご説明したとおり、上期の業績は順調に推移しており、構造的に下期偏重の傾向があります。4社が一定程度寄与することも期待していますが、現段階では極めて保守的な見積もりを行っている状況です。

上方修正の有無やその度合いについては、今後の推移をしっかりと見極めた上で、適宜判断し、必要に応じて発表します。

質疑応答:監査等委員の役割と関与について

司会者:「監査等委員の経歴や役割を教えてください」というご質問です。

工藤:監査等委員のみなさまには、取締役会の一員として当社のガバナンスにしっかりと関与いただくとともに、独立した立場から経営の健全性をチェックしていただいており、非常に重要な役割を担っていただいていると認識しています。

スライドに3名写っていますが、今村氏については、大手監査法人出身の公認会計士・税理士です。上場前から継続的に常勤で関与していただいており、当社の事業体や組織体、当社を取り巻く業界構造についても精通しています。また、会計や税務の分野で多くの知見を発揮していただいています。

雨宮氏については、リクルートグループやアイ・アム&インターワークス(現コンフィデンス・インターワークス)など複数の上場企業やそのグループで代表や役員を歴任してきた、経験豊富な経営者です。当社経営陣の経営面やIR面においてさまざまなアドバイスや支援をいただいており、さらに執行側の動きをしっかりとチェックしていただいています。

加藤氏については、大手監査法人出身の会計士です。大手監査法人でスタートアップ支援やIFRS導入プロジェクトなど、さまざまな経験を積まれてきたことから、当社において、主にコーポレート面、ガバナンス面、マネジメント面でご支援をいただいています。

単なる監査役ではなく監査等委員として、議論の場で建設的なご意見をいただくことで、当社のガバナンスにしっかりと寄与していただいていると考えています。

質疑応答:グループ会社の取引金融機関とその関係について

司会者:「合計で何社の銀行と付き合っているのでしょうか?」というご質問です。

工藤:グループにご参画いただいた会社、つまり私たちから見た場合のグループ会社がもともとお付き合いのある銀行もあります。そのため、本当に細かい取引まで数えると非常に多くなりますが、主に、いわゆる大手のメガバンクや各地銀と幅広くお取引いただいています。現時点では30社以上の金融機関とお取引いただいている状況です。

中には、私たちのサービスを長らくご愛顧いただいている銀行も多数存在します。もともと事業側でお付き合いいただいている関係から、財務側でもお付き合いいただく事例が多数出てきています。

事業面でご支援いただいている銀行も数多くいらっしゃいます。そのため、金融機関のみなさまには、当社のM&Aにおける財務規律、成長戦略、ファイナンスの考え方についてご理解いただいており、非常に良好なご関係を築いています。これまでに手厚いご支援をいただいてきましたし、今後も引き続きご支援いただけるものと考えています。

質疑応答:IR活動の現状と今後の取り組みについて

司会者:「機関投資家、海外投資家との接点は増えましたか?」というご質問です。

工藤:おかげさまで徐々に増えてきていると考えています。上場当初は四半期決算を発表してもミーティングの数はそれほど多くなく、とても寂しい思いをしていました。しかし現在では、複数の役員で分担しなければ対応しきれないほどに増えてきたことを非常にうれしく思っています。

直近では、少しずつですが海外の大きな投資家の方からもお声掛けいただく機会が増えてきており、これもとてもありがたく感じています。ただし、時価総額や定性的な注目度という観点では、まだまだ努力の余地があると認識しています。さらなるご注目をいただけるよう、引き続き努力を続けていきたいと思います。

特に、当社はコーポレートアクションにおいてM&Aを中心に活発に活動している会社です。その意図や成果を個人投資家や機関投資家、さらには海外の投資家のみなさまにもしっかりとお伝えするために、IRの重要性は非常に高いと感じています。そのため、英語でのIR発信にも尽力していますが、まだ発展途上の段階です。

財務部門やIR部門の強化および発信力の向上を進めることで、引き続き投資家のみなさま全体に当社をより多くご認知いただけるように努めていきたいと考えています。

工藤氏からのご挨拶

半期決算発表を迎え、まずは上半期として悪くない結果に着地できたことをうれしく思っています。下期にはさらに良い成果をお届けできるよう、事業面、組織面、財務面、M&Aなどさまざまな施策に注力していきたいと思います。引き続きご注目いただけると幸いです。

本日はご参加いただき、誠にありがとうございます。これからも尽力していきますので、どうぞよろしくお願いします。

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