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神埜雄一氏(以下、神埜):株式会社セプテーニ・ホールディングス代表取締役グループ社長執行役員の神埜です。2025年12月期第2四半期の決算についてご説明します。
本日のアジェンダはスライドのとおりです。まず、2025年12月期上半期、第2四半期累計の連結決算概要についてお話しします。次に、第2四半期単体の連結決算をご説明した後、各セグメントの業況をお伝えします。最後に、第2四半期終了時点での今期業績予想に対する進捗状況についてご説明します。
エグゼクティブサマリ
今回の決算のエグゼクティブサマリです。ポイントは2025年度第2四半期累計実績と、今期下期の見通しの2点です。
1点目の第2四半期累計決算の概略として、収益は前期比8.7パーセント増、Non-GAAP営業利益も前期比16.8パーセント増となり、増収増益で着地しました。通期業績予想に対しても、収益およびNon-GAAP営業利益の進捗率はいずれも50パーセントを超えており、順調に推移しています。
加えて、前期に発生した子会社株式の一部譲渡に伴う株式売却関連益計上による一過性要因を除いた継続事業からの中間利益も、前期比で増益となっています。
2点目の2025年度下期の見通しについてです。現時点での下期ならびに通期の見通しは、オーガニックおよび電通グループとの協業において、既存案件の拡大と新規案件の獲得が進んでおり、下期も堅調な推移が見込まれています。業績予想達成に向けて順調な手応えが得られています。
業績予想達成に向け、中期テーマに掲げる「フォーカス&シナジー」を軸に、トップラインの成長を実現し、通期での増収増益を目指していきます。
FY2025/2Q累計(1-6月)ハイライト
2025年度第2四半期累計期間の連結決算についてのレビューです。まず、第2四半期累計における連結決算のハイライトです。
冒頭でお伝えしたとおり、上半期の収益は約152億円で、前期比プラス8.7パーセントの増収、Non-GAAP営業利益は約20億7,000万円で前期比プラス16.8パーセントの増益となり、増収増益で上半期を終えることができました。
また、通期の業績予想に対する進捗状況も、収益およびNon-GAAP営業利益ともに50パーセントを超え、順調な進捗を示しています。さらに、対売上高収益率の改善に向けた取り組みも徐々に成果が出ており、この改善により、今期上半期では収益成長率が売上高成長率を上回る成長を達成しました。その結果、Non-GAAP営業利益も二桁増益を実現しています。
FY2025/2Q累計(1-6月)ハイライト(セグメント別)
第2四半期累計でのセグメントごとの決算ハイライトです。マーケティング・コミュニケーション事業は増収増益となり、計画に対しても順調に推移しています。
ダイレクトビジネス事業はオフライン案件を中心に拡大し、大きく増収増益を達成しました。
データ・ソリューション事業は一部案件の終了により減収となったものの、Non-GAAP営業利益は増益で着地しました。
FY2025/2Q累計(1-6月)連結P/L
第2四半期累計の連結P/Lです。先ほどのハイライトで収益と営業利益についてご説明したため、ここでは営業利益以下の科目をご説明します。
前期は、コミスマ株式会社の一部株式譲渡に伴う売却関連益により、非継続事業からの当期利益として22億円を計上していました。今期上半期における親会社の所有者に帰属する中間利益は18億5,600万円となり、前期比で約5割の減少となっていますが、コミスマ株式会社の株式売却などの一時要因を除いた継続事業からの中間利益は18億5,200万円で、前期比4パーセント増となりました。
FY2025/2Q累計(1-6月)連結業績推移
第2四半期累計における連結業績推移についてです。販管費の増加を抑えつつ、各事業の成長により売上高、収益を拡大することができました。Non-GAAP営業利益は前期比16.8パーセント増と、二桁の増益で着地しました。また、Non-GAAP営業利益率も前期比で1.0ポイント改善しています。
FY2025/2Q(4-6月)連結 P/L
ここからは、4月から6月の第2四半期連結決算概要についてご説明します。スライドは第2四半期単体での連結P/Lです。
マーケティング・コミュニケーション事業では、一部の顧客の取引減少の影響により、売上高は前期比マイナス3.6パーセントと若干減少しました。しかし、前期からの取り組みによって対売上高収益率を改善した結果、収益は約70億円となり、前期比プラス4.5パーセントの増収で着地しました。
ダイレクトビジネス事業やデータ・ソリューション事業を中心に増益を達成し、グループ全体では、Non-GAAP営業利益も前期比で増益を確保しました。
連結業績四半期推移(非継続事業組替え後)
セグメント別の連結業績四半期推移です。2024年12月期についてはセグメント変更後の四半期ごとの実績を遡及修正していますが、2023年12月期の実績は連結として記載しています。
マーケティング・コミュニケーション事業では一部顧客の取引減少による影響がありましたが、ダイレクトビジネス事業の貢献により前期比で増収、増益を確保しました。
連結 税引前当期利益 四半期推移(非継続事業組替え後)
税引前当期利益までの分解と持分法投資損益の累計推移です。株式会社電通デジタルを中心とする持分法投資利益は1億5,500万円で、季節性に沿った堅調な推移となっています。
電通グループとの業務提携の進捗
電通グループとの業務提携の進捗についてご説明します。グラフには、電通グループとの協業を通じて生まれた売上額の総額を示しています。濃い青色部分は四半期取引額が1億円以上の顧客からの売上合計を、薄い青色部分は四半期取引額が1億円未満の顧客からの売上合計をそれぞれ表しています。オレンジ色の折れ線グラフは、四半期の取引額が1億円以上の顧客数を四半期ごとに示しています。
この四半期の1億円以上の取引顧客数は前期比で7社増加し、提携売上高も前期比18.6パーセント増の約88億6,000万円となり、順調に拡大しています。
連結従業員数推移
連結従業員数の推移です。この4月にはグループ全体で81名の新入社員が入社しました。今期はV字回復の実現に向け、生産性向上を優先課題の1つとしています。業績に応じてコントロールしやすい中途採用を中心に、業績推移の進捗を見つつ採用人数を調整しながら、生産性の向上に努めていきます。
マーケティング・コミュニケーション事業 業績概況
ここからは、セグメント別の事業概況をご説明します。まずはマーケティング・コミュニケーション事業についてです。この四半期は一部大手顧客の取引減少の影響を受けたものの、オーガニックおよび電通グループとの協業により新規顧客の獲得が進み、収益は約48億円、前期比1.4パーセント増と増収を確保しました。
マーケティング・コミュニケーション事業 四半期業績推移
マーケティング・コミュニケーション事業の四半期業績推移です。今期よりセグメントを変更しているため、変更後のセグメント実績を直近6四半期分記載しています。
この四半期では増収を確保したものの、新卒入社を中心とした費用の増加により、一時的に減益となりました。ただし、第3四半期ではさらなる新規案件の獲得拡大や既存案件の拡大により、増収増益を見込んでおり、モメンタムとしては順調に推移しています。
マーケティング・コミュニケーション事業 トピックス
マーケティング・コミュニケーション事業のトピックスです。2025年6月末より「TikTok」内で商品の購入・販売が可能となる「TikTok Shop」の日本での展開が開始され、当社も「TikTok Shop」出店サービスの提供を開始しています。この出店サービスは、現在、さまざまなお客さまから引き合いをいただいています。今回は「TikTok」領域における当社のこれまでの取り組みを簡単にご紹介します。
当社内での専門チームの立ち上げは2018年から進めており、その後、プラットフォームのアワードで複数の受賞をいただいています。また、販売実績も順調に拡大しており、今期は上半期実績のみで昨年、一昨年の3四半期分の実績に迫る勢いで急速に成長しています。
引き続き、「TikTok」をはじめとするコマースマーケティング支援の体制強化を進めていきます。
マーケティング・コミュニケーション事業 生成AIの活用
マーケティング・コミュニケーション事業における生成AIの活用についてご紹介します。直近では、当社グループのクリエイティブ制作を担うSepteni Ad Creative株式会社において、縦型動画のバーチャルプロダクションと各種AIソリューションを組み合わせることで、広告効果の高い縦型動画制作のオペレーション改革に注力しています。
具体的には、撮影前や撮影中における広告効果の予測や、生成AIを活用した背景素材の作成およびストックによる撮影工程の効率化や時間短縮に加え、広告効果が高く、かつ大量のクリエイティブ制作を行う体制を構築しています。
今回は一例として、クリエイティブ制作におけるAI活用の事例をご紹介しました。今後もお客さまへの提供価値向上を目指し、マーケティング支援の各プロセスにおけるAI活用に取り組んでいきます。
ダイレクトビジネス事業 業績概況
ここからは、ダイレクトビジネス事業についてご説明します。まず、ダイレクトビジネス事業の業績概況です。この四半期の収益は約16億1,000万円となり、前期比39.2パーセント増と大幅な増収を達成しました。
また、Non-GAAP営業利益は約3億3,000万円で、前期比32.4パーセント増と大幅な増益となり、セグメント全体として増収増益の結果を残しました。
ダイレクトビジネス事業 四半期業績推移
ダイレクトビジネス事業の四半期業績推移です。前期比および前四半期比で増収増益となりました。制作原価が増加し始めた2024年度第3四半期を底に、Non-GAAP営業利益率も徐々に改善しています。
ダイレクトビジネス事業 トピックス
ダイレクトビジネス事業のトピックスです。D2C事業の強化を目的に、フードテック事業を展開するAuB株式会社と資本業務提携契約を締結し、共同での商品開発推進およびマーケティング強化に取り組んでいます。
今後は、AuB株式会社とともに、マーケティング強化による拡販や、両社のノウハウや知見を掛け合わせた商品やソリューションの開発を行い、シナジー創出の実現を目指していきます。
データ・ソリューション事業 業績概況
ここからは、データ・ソリューション事業についてご説明します。まず、データ・ソリューション事業の業績概況です。新規開発案件の増加により、収益は約8億1,000万円となり、前期比プラス1.5パーセントの増収となりました。
また、粗利率の改善と人員の適正化により、Non-GAAP営業利益は約1億6,000万円となり、前期比プラス64.7パーセントの大幅な増益を実現しました。その結果、セグメント全体としては増収増益となっています。
データ・ソリューション事業 四半期業績推移
データ・ソリューション事業の四半期業績推移です。生産性向上を目的に、海外拠点を中心に人員の適正化を進めた結果、Non-GAAP営業利益率が大きく改善しています。
データ・ソリューション事業 トピックス
データ・ソリューション事業のトピックスです。2025年6月より、当社の開発領域を担う株式会社FLINTERSにおいて、長年にわたる広告運用自動化の知見と技術力を基盤としたディスプレイ広告の運用自動化システム「ADPILOT」の提供を開始しています。
このソリューションは、各企業におけるディスプレイ広告運用の勝ちパターンをルール化し、広告パフォーマンスの最大化と運用業務効率化をサポートすることで、顧客企業のマーケティングDXを支援するものです。
昨今、インターネット広告市場において、大手広告主向けの広告代理市場は引き続き堅調に成長しています。当社グループでは、マーケティング・コミュニケーション事業やダイレクトビジネス事業を通じて、大手広告主に対するマーケティング支援を行っています。
また、インターネット広告市場が成長する中で、SMBの広告市場も堅調に成長しているため、当社の本ソリューションを通じて支援を進めていきたいと考えています。
2025年12月期 通期業績予想(連結・再掲)
業績予想に対する進捗状況についてご説明します。スライドは2025年12月期の通期業績予想を再掲したものです。
今期は収益303億円、Non-GAAP営業利益40億円、親会社の所有者に帰属する当期利益38億円を計画しています。収益性と生産性の向上を実現するため、通期を通してグループ一丸となって増収増益を目指します。
2025年12月期 通期業績予想(セグメント別・再掲)
スライドはセグメント別の業績予想の再掲です。収益面では、マーケティング・コミュニケーション事業、ダイレクトビジネス事業、データ・ソリューション事業ともに増収を計画しています。また、Non-GAAP営業利益面ではコストコントロールを含め、3事業ともに増益を計画し、それぞれの事業推進を実行していきます。
業績予想に対する進捗状況(連結)
業績予想に対する第2四半期終了時点での進捗状況です。今期掲げている増収増益の実現に向けて、上半期終了時点での通期予算の進捗率は50パーセント程度と、順調に推移しています。引き続き、トップラインの創出、収益性の改善、生産性の向上によって、下半期においても利益の積み上げを進めていきます。
業績予想に対する進捗状況(セグメント別)
セグメント別業績予想の進捗状況です。各セグメントとも計画に沿って順調に進捗しています。引き続き、通期業績予想の達成を目指していきます。
以上が、2025年12月期第2四半期の決算説明となります。今期は増収の継続と営業増益転換によるV字回復の実現を目指し、まい進していきます。今後ともセプテーニグループへのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。本日はお忙しい中、誠にありがとうございました。
質疑応答:マーケティング・コミュニケーション事業における一部顧客影響について
質問者:マーケティング・コミュニケーション事業における一部顧客影響について、具体的な説明をお願いします。他社の決算でも似たようなお話がありましたが、これに関連するものなのでしょうか? また、この影響の継続性についても解説いただけると幸いです。
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