2026年9月期第3四半期決算説明(個人投資家向けIRセミナー)
サイバー・バズ、SMM事業のトップライン成長に加え、新領域・新規プロダクトを提供する企業へ転換を図る
会社概要

髙村彰典氏(以下、髙村):株式会社サイバー・バズ代表取締役社長の髙村です。本日は当社のIRセミナーにご参加いただき、誠にありがとうございます。私から会社説明、成長戦略、決算説明についてお話ししたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
初めに、会社概要についてご説明します。当社は2006年4月に設立され、従業員数は約200名です。事業内容としては、SNSを活用したソーシャルメディアのマーケティング事業、ライブ配信プラットフォーム事業、その他HR事業や投資事業などを展開しています。
Our Mission / Our Value

髙村:我々のミッションとして、「コミュニケーションを価値に変え、世の中を変える。」を大きなテーマに掲げ、会社の事業展開を行っています。
インターネットコミュニケーションの変遷と当社の事業展開

髙村:特に、我々が主軸としているインターネット市場ですが、インターネットのコミュニケーションは大きく変化しています。当社設立当初、コミュニケーションはブログを活用したかたちで行われ、個人のメディア化が進んでいきました。
そこからスマートフォンの普及に伴い、2010年頃からは現在の「X」「Instagram」、さらには「Facebook」といったSNSが本格的に普及したことにより、個人が発信する力がさらに大きくなり、インフルエンサーを活用した広告市場が拡大してきたという背景があります。
また、2018年以降、インフルエンサーの影響力は非常に大きくなりました。特に「YouTuber」は非常に人気のある職業として、話題にもなりました。
2020年代に入ると、コロナ禍にさまざまなサービスのオンライン化が進み、現在もなおエンターテインメント分野、特に推し活を含めたファン経済圏が拡大しています。
昨今、特にこの1年で、AIの普及が急速に進んでいます。AIを活用したコンテンツ生成や業務効率化を進めることが求められる時代へと移行しており、当社はこうした時代の変遷に合わせて、この流れにしっかり対応しながら事業を成長させてきました。
事業内容

髙村:当社の事業内容についてご説明します。当社のお客さまは、広告費をお持ちの広告主や、広告主の予算を預かる広告代理店がメインとなります。
特にソーシャルメディアの広告事業では、広告主からの依頼を受け、当社がソーシャルメディアのプランニングを行い、それを消費者にしっかりと届けます。新商品や新サービスを消費者に届けることが、当社のメイン事業です。
また、ライブ配信プラットフォーム事業に関しては、アーティストと1on1のオンライントークができる事業をM&Aにより子会社化しています。「WithLIVE」の事業では、主にレーベルなどが顧客となります。レーベルやタレントのイベントを含め、1on1でそれを消費者とつなぐ事業です。
その他の事業については、人材事業などを展開しています。
ソーシャルメディアマーケティング事業

髙村:ソーシャルメディアマーケティングは、現在の当社の主力事業です。この事業においては、ナショナルクライアントを中心に広告主から広告予算をお預かりしています。
広告主から、SNSを活用したマーケティング課題や、ソーシャルメディアを使って展開していきたい内容をいただき、それをもとにインフルエンサーサービスやSNSのアカウント運用事業を展開しています。また、「Instagram」「LINE」「TikTok」といったSNS公式アカウントの運用も手掛けています。
こうしたかたちで、広告企画から制作までを一気通貫で請け負い、SNSを通じて生活者に届けることが、ソーシャルメディアマーケティング事業の主な役割です。
自社運営のTikTokメディア

髙村:当社は広告事業を展開しており、基本的には自社でプロダクトを開発し、それを広告主に提供することを主軸にしています。特に最近伸びているのは「TikTok」であり、当社は自社で運営しているTikTokメディアの「to buy」というメディアも運営しています。
さらに、講談社のViVi事業部と提携し、『ViVi』の妹メディアとして「TikTok」にて次世代メディアを運営しています。
なかなかわかりづらい部分がありますので、「to buy」については、当社のメディアがどのようなものであるかをご覧いただければと思います。
(動画流れる)
ただ今ご覧いただきましたのが、当社のTikTokメディアです。最新のトレンド情報やコスメ情報などを「TikTok」を活用しながら配信し、それをユーザーに閲覧していただきます。その中で広告主の商品を紹介していくという自社サービスの一例としてご紹介しました。
ライブ配信プラットフォーム事業

髙村:当社には株式会社WithLIVEという子会社があります。WithLIVEはスマートフォンのアプリ上で、ファンとアーティストが1対1でコミュニケーションできるライブ配信プラットフォームのサービスを提供しています。
また、1on1のトークに加え、オンラインくじやアーティストのCDや写真集のリリースイベントの運営なども当社で行っています。近年の推し活ブームにより、こちらのサービスもその波に乗っており、売上は堅調に伸びている状況です。
以上、当社の事業について簡単にご説明しました。
3 つの成長ドライバー

髙村:続きまして、今後どのように会社および事業を成長させていくかについてお話ししたいと思います。
今後の成長に向けて、当社では大きく3つの方針を考えています。1つ目は、現在当社の主力であるソーシャルメディア広告事業(以下、SMM事業)です。この市場は依然として右肩上がりで成長を続けており、その成長をしっかり捉えながら、SMM事業の売上を引き続き伸ばしていきたいと考えています。
2つ目の方針です。当社は収益性の向上を強く意識しており、広告主に提供するサービスは可能な限り自社のサービスや自社プロダクトとして開発し、それを提供していきたいと考えています。現在、10ライン程度の新規事業開発を進めているところです。
3つ目の方針です。AIの進化が非常に速い昨今、AIとデータの活用をいかに実現していくかが、これからの至上命題だと考えています。
また、WithLIVEのM&Aは非常にうまくいきました。こちらは確定事項ではありませんが、今後もシナジーを生み出す企業とのM&Aについては、引き続き積極的にアンテナを張り進めていきたいと考えています。
広告業界の構造変化

髙村:マーケットは現在、大きく変化が進んでいます。スライド右下をご覧いただくと、ソーシャルメディアのマーケティング市場についてのデータが記載されています。
現在、インターネット広告費はおよそ4兆円弱と言われていますが、その中でソーシャルメディアマーケティングの市場は約1兆7,000億円と、2兆円に迫る規模まで拡大しています。このように当社が主力としているこの市場は、引き続き右肩上がりの成長を示しています。
また、インフルエンサーマーケティング市場においても、規模が1,500億円から1,600億円と拡大しており、こちらも右肩上がりの成長が期待されています。このように、当社にとって多くのチャンスがあると考えています。
左側のマーケットの変化をご覧いただければと思います。インターネット広告費の増加は当然のことですが、従来の広告からSNSでユーザーが広告を閲覧したり、口コミ情報を通じて情報を得たりするかたちへとシフトしている現状があると考えています。
また、Cookie規制や検索広告に関しても、AIの登場によって大きく変化してくるのではないかと考えています。
AIによる業務構造の変化に関して、広告運用や制作に関しては、AIがかなりの部分をサポートすると考えています。そのため、労働集約型モデルにはいずれ限界がくる可能性があると認識し、これを1つの課題として捉えています。
また、インフルエンサーデータやSNS広告データといった当社独自のデータをAIと掛け合わせることで、競争優位性を確立する必要があると考えています。
収益性と再現性の高いビジネスモデルへ

髙村:このようなAIを活用した新しい革命が起きるタイミングでは、早期に参入することが市場を獲得する上で非常に重要であると考えています。これを踏まえ、我々は現状の案件や人に依存する広告モデル、代理店型モデルから、事業構造を大きく変革していこうと考えています。
これまでも自社でプロダクトを開発してきましたが、今後はさらに自社メディアや自社で開発したツールを活用し、高収益モデルへの転換を図りながら、大幅に舵を切って事業を展開していきたいと考えています。
スライド左下に示しているのは、すでに当社が提供しているインフルエンサーサービスです。一般のインフルエンサーからタレントのインフルエンサー、さらには動画を活用するインフルエンサーまでをネットワーク化し、自社サービスとして広告主へ提案しています。
下部中央は現在非常に伸びている「TikTok」についてです。ショート動画は若い世代を含め、動画を観るユーザーが特に増加傾向にあります。縦型動画をはじめとして、「to buy」「MYPE」やその他のサービス、10代向けのものを含め、TikTokメディアを自社で開発していきます。
最後にツールについてです。独自のデータを活用し、SNSアカウント運用管理ツールやAIを使った薬事チェック機能を提供しています。また、AIを活用して、どのインフルエンサーがどのタイミングで動画を投稿すると効果的かを分析し、ツールを通じてしっかりと提案を行えるように取り組んでいます。
テクノロジーと戦略投資

髙村:特にAIとデータ活用に関しては、当社ではAI事業本部をすでに設置しており、全社で30パーセントの業務削減を目指しています。基本的には月7,000時間以上の削減を目標として、オペレーションの効率化やクリエイティブ制作を含め、AIを活用した効率化を図り、生産性をさらに向上させる取り組みを進めていきたいと考えています。
M&Aと戦略投資についてもしっかり進めていますが、M&Aに関しては必ずしも良い案件があるとは言い切れません。当社とシナジーのある企業や事業提携が可能な部分を日々注意深く見極めながら、展開を進めていきたいと考えています。
目指す姿

髙村:我々がこれからどのように成長していくかという点については、SMM事業は引き続き市場が成長していきますので、これを継続成長させていきます。一方で、非連続的な成長を図るためには、新たなプロダクトを作り続け、それを提供できる会社へと転換していくことに力を入れ、今後取り組んでいきます。
エグゼクティブサマリー|2026年9月期2Q累計

髙村:続きまして、第2四半期累計までの決算についてお話しします。第2四半期までの業績は、売上高が41億5,100万円で、前年同期比約19パーセント増となりました。営業利益は3億9,400万円で、前年同期比で大幅増加しており、増収増益の結果となっています。
特に、主力であるSMM事業とライブ配信プラットフォーム事業がともに2桁成長を達成したことは、非常に良い成果です。
また、各利益項目や受注も非常に堅調に推移していることから、5月に通期業績の上方修正を行いました。また、明後日から効力を発揮する株式分割を発表しています。
エグゼクティブサマリー|2026年9月期2Q累計

髙村:売上高は41億5,000万円、営業利益は3億9,400万円、当期純利益は2億6,300万円と、第2四半期累計で非常に堅調に推移しています。
2026年9月期2Q(10〜3月)業績ハイライト

髙村:先ほどお話ししたとおり、昨年と比較して粗利率がやや向上している部分があり、売上総利益も大幅に増加しています。
2026年9月期2Q(10〜3月)業績ハイライト

髙村:今年度は、戦略投資予算として1億5,000万円を確保しており、これを既存事業、新規事業、M&Aを含めた投資に充てていく予定です。現状、第2四半期までの進捗は約35パーセントにとどまっていますが、下半期においても投資を進め、来年度以降さらに成長を加速させるための基盤を築いていければと考えています。
2026年9月期通期 連結業績予想の修正(上方修正)に関するお知らせ

髙村:連結業績予想の修正についてです。当初は売上高77億円、営業利益3億円と予想を立てていましたが、今回の修正により、売上高82億円、営業利益5億2,000万円、当期純利益3億6,800万円と予想を上方修正しました。
株式分割に関するお知らせ

髙村:新たな投資家のみなさまに参入していただきたいという部分と、株式流動性を向上させたいという部分があります。また、中長期的な投資家のみなさまに株を保有いただき、安定的な株価形成をしっかりと考えていく必要があると認識しています。
その一環として、先ほどお話ししましたとおり、6月末をもって1株を2株にする株式分割を行いました。7月1日からこの効力が発生する予定です。
株主優待制度の導入に関するお知らせ ※2025年11月12日発表済

髙村:新たに株主優待制度を導入することについても、すでにお知らせしています。基準日は9月末日で、当社の株主名簿に記載または記録された当社株式を100株以上保有する株主さまを対象に、デジタルギフトコードによる優待を行う予定です。
売上高・営業利益 推移

髙村:四半期ごとの売上高と営業利益の推移です。2026年9月期第2四半期の売上高は、過去最高となる21億4,500万円を記録しました。営業利益については、第1四半期は非常に調子が良く、第2四半期も堅調に伸長しました。
この第2四半期では、売上高が過去最高を記録し、営業利益も増収トレンドを維持しています。
2Q累計(10〜3月)セグメント別売上高サマリー

髙村:第2四半期累計のセグメント別売上高サマリーです。主力のSMM事業は、売上高が38億6,200万円で、前年比約20パーセント増という結果となりました。インフルエンサーサービス、SNS広告、自社プロダクトはいずれも第1四半期、第2四半期ともに非常に好調でした。
ライブ配信プラットフォーム事業に関しては、売上高が前年比17.6パーセント増と、この半期も非常に堅調だったと言えます。一方、その他事業は微減となりました。
営業利益の増減分析

髙村:営業利益の増減分析です。今回AIを導入したことにより業務効率の改善をかなり進めることができました。販管費についてもコストコントロールをしっかりと実施しており、大きなコスト増は発生していません。そのため、第1四半期および第2四半期は非常に安定した営業利益を出せたと考えています。
ただ、今後の第3四半期および第4四半期については、新卒社員が当社に入社してくることや、4月から6月にかけて比較的投資が多い時期であるため、多少のコスト増を見込んでいます。
貸借対照表 増減分析

髙村:貸借対照表です。自己資本比率は25.1パーセントと大きく改善しました。また、純資産についても約42パーセント増という結果となっています。
キャッシュフロー計算書 増減分析

髙村:キャッシュフロー計算書については、お時間のある際にご覧ください。
以上で私からの説明は終わります。
質疑応答:広告業界における成長戦略と新規事業の展望について
荒井沙織氏(以下、荒井):「通期業績予想を上方修正されていますが、下期を当初計画に準じて見ている背景と、今後さらに上振れを期待できるポイントがありましたら教えてください」というご質問です。
髙村:先ほどもお話ししましたが、第1四半期と第2四半期については、当社のプロダクトが広告主のニーズに的確に応えられたことが要因です。広告予算をしっかりとお預かりでき、例年では年度末予算で特需的に出てくる部分があるのですが、そこも確実に取り込めたと考えています。
一方で、第3四半期と第4四半期の下期に関しては、戦略投資予算に対して着実に投資を進めていきます。我々は来年度も大きな成長を遂げる必要があると考えており、戦略投資を着実に行っていきます。そのため、予算としては多少横ばいになる部分はありますが、当初の予算どおり進捗しているという意味では、非常に堅調であると申し上げられるかと思います。
荒井:今後さらに上振れを期待できるポイントを具体的にうかがえると、イメージが湧くと思われますが、いかがでしょうか?
髙村:当社はこれまで、特にコスメや食品メーカーなどの大手ナショナルクライアントとの取引が多くありました。しかし、直近では不動産業界や金融業界の広告主によるSNSを活用した広告ニーズが大きく増加しています。これは我々にとって非常に追い風となっています。
また、当初お話ししたとおり、現在、新規事業をいくつか進めており、これがしっかり成果を出すことで、さらなる成長が期待できると考えています。
荒井:これまでのクライアントと比較すると、規模は若干小さくなるイメージですが、件数をより多く獲得していくかたちでしょうか?
髙村:企業のSNS広告予算におけるSNSやインフルエンサーにかける割合は、もともと全体の広告費の中で低いものでした。しかし、インフルエンサー施策を行いながら、加えてSNSの予算を当社に任せたいというニーズが増えてきています。その結果、1社あたりの予算は少しずつ増加しています。
これに合わせて、金融業界や不動産業界向けに新たなプロダクトをしっかりと開発することで、さらに成長を後押しできると考えています。
荒井:確かに最近は、不動産や金融系の縦型動画を目にする機会が増えたと、肌感覚でも感じています。
髙村:私自身も見ていて、頻繁に出てくるなと感じています。
荒井:今後は積極的に手掛けていかれるのですね?
髙村:特に動画をどのように活用していくかが非常に重要なポイントだと考えています。
荒井:これまでも御社は自社運営のメディアを運営されており、商品が変わってもその強みは活かせるということですね?
髙村:そうですね。また、それに合わせて商品を開発していくのが当社の強みだと思っています。当社は広告主のニーズに応じてプロダクトを作ることができ、これは一般的な広告会社ではなかなかできない仕組みだと考えています。
例えば、金融向けや不動産向け、または新しい業界向けに合わせてプロダクトを開発するなど、1つの強みとして挙げられると思います。それが、他社と比べた際の大きな強みであると考えています。
質疑応答:AI活用による業務効率化とクリエイティブ生成について
荒井:「SNSマーケティング領域でもAI活用が進む中で、御社では企画立案、クリエイティブ制作、効果測定、インフルエンサーの選定など、どの領域で最も生産性向上の余地があると見ていますか?」というご質問です。
髙村:すべての領域で対応できるのではないかと考えています。当社の取り組みとして、まず業務効率の向上があります。特に制作やレポートの作成では、AIを活用することで業務削減がかなり進んでいます。また、クリエイティブ分野においても、すでにAIによって多くの動画を自動生成できるようになっており、クリエイティブな部分でも対応可能です。
ただし、企画についてはAIの限界がまだあると感じています。素案の作成など、一定の部分についてはAIを活用できる可能性があるものの、完全な実用化には至っていません。しかし、AIの精度が向上するにつれて、複数の企画を考える際に、時間を短縮しながら効率的にアイデアを生成し、さらにそれに付随するクリエイティブ部分も自動で制作できるようになると期待しています。
また、インフルエンサーをプランニングする場面でも、当社が保有するインフルエンサーのデータやSNS広告のデータを統合することで、どのインフルエンサーがどの広告に最適かを自動的にプランニングできる可能性が非常に高いと考えています。
荒井:ご質問にあったポイントに関連し、御社ではこうした分野においてAIを積極的に活用し、実装を進めていく方針でしょうか?
髙村:おっしゃるとおりです。AI推進事業部においては、スプレッドシートに我々の業務フローをすべて書き出し、人が行う業務とAIが担う業務をすべてリスト化し、現在AIが可能な業務についてはすべてAIに任せ、その項目を順次消し込んでいくかたちで、人が行う作業と行わない作業を完全に分けています。この取り組みにより、業務効率化を含め、大きな変化が見込まれると考えています。
荒井:非常に徹底して進めている印象ですね。
髙村:かなり徹底的に進めています。
質疑応答:広告費の振り分けとSNS運用におけるトレンドの変化について
荒井:「SNSやインフルエンサーマーケティング市場では、媒体や広告主のニーズが変化し続けていると思います。直近では、広告主からどのような相談や需要が特に増えているでしょうか?」というご質問です。
広告費の振り分けがかなりネットのほうに寄ってきているというお話が先ほどありましたが、相談や需要についても変化があると思います。いかがでしょうか?
髙村:大きなところで言うと、我々の市場では、これまで広告を最も多く投下してきたコスメや日用品業界に加えて、広告費を多く持つ金融や不動産業界が新たに参入しています。そのため、これらの業界からのニーズが高まっていると見てよいのではないかと考えています。
ただ、最近ではインフルエンサーも増えてきているため、どのインフルエンサーをどう活用すればよいのかという相談や、ショートムービーをどのように拡散させ、いかに多くの人に視聴してもらえるかといったニーズは引き続き増加しており、これらに対する予算配分が高くなってきているように感じています。
荒井:見せ方の変化について、直近でなにか大きな変化があれば教えてください。広告主が見せたいかたちというのは、時代の流れとともに変わってきていますか?
髙村:例えば、Instagramなどの企業公式アカウントがありますが、以前はそこまで力を入れず、ユーザーにフォローさせて見せていました。しかし最近では、大量のクリエイティブを作成し、毎日更新してユーザーが飽きないようなコンテンツを制作しています。それらを、SNSを使って配信するケースが非常に増えています。
荒井:ハイクオリティなものを高頻度で配信しているのですか?
髙村:そうですね。一方で、TikTokでは逆に切り抜いた動画をしっかりとまとめ、「これは何だろう」と思わせてアクセスさせるような手法が取られています。TikTokのアルゴリズムにより、アクセスした人に対して広告主のコンテンツがさらに追加で表示される仕組みです。このようなことが可能なアルゴリズムが存在します。このような使い方も増えてきています。
荒井:企業側もSNSの活用方法を積極的に学んでいるため、御社への要望もどんどん複雑化していきそうですね。
髙村:その点はかなり複雑化してきています。ただ、AIを使ってクリエイティブを自動生成できるようになれば、多くの案を作れるようになるため、我々としては時間を節約できる点、つまり時間を買うことができる点が非常に大きなメリットだと考えています。
質疑応答:ライブ配信プラットフォーム事業の成長について
荒井:「ライブ配信プラットフォーム事業も2桁成長とのことですが、今後は売上成長だけでなく、利益貢献もさらに高まるフェーズと考えてよいのでしょうか?」というご質問です。
髙村:ライブ配信プラットフォーム事業については、概ね2桁成長を達成しており、利益率も非常に高い状況です。それを踏まえると、引き続き高い利益貢献が期待できると考えています。
また、昨今の推し活ブームがさらに継続すれば、イベントやライブが多く開催され、CDが多くリリースされるなど、より当社のニーズが高まることで、ライブ配信プラットフォーム事業への貢献度も非常に高まる可能性があると考えています。
荒井:現在、イベント運営まで行うことができれば、かなり収益が大きくなると思いますが、どの程度取り組んでいるのでしょうか?
髙村:当社は、イベントの一部をお手伝いしている立場であり、現時点ではイベント自体を主催することは行っていません。ただ、イベント全体を当社が担う可能性については、今のお話の中で、そのような領域に挑戦するのも、選択肢の1つとして考えられると思いました。
ただその場合、人材不足が課題となり、別の問題が発生する可能性もあります。
荒井:そうなると、かなり多くのリソースを割く必要がありそうです。
髙村:おっしゃるとおりです。
荒井:現在は、基本的にファンとアーティストが1対1でコミュニケーションを取る場を提供し、その中でオンラインくじなどを通じてイベント運営のサポートを行っているという理解でよいでしょうか?
髙村:はい、そのとおりです。
質疑応答:主要SNSの規約やアルゴリズム変更への対応について
荒井:「InstagramやX、Facebookなどの主要SNSを基盤とされているため、これらのプラットフォームのアルゴリズムが変更されていくごとにギャップアップしていくのか、可能な範囲で開示してほしいです」というご質問です。
髙村:私たちのリスクとして、ご指摘のとおり、プラットフォームの規約がどのように変わるかが非常に重要なポイントだと考えています。主要SNSの規約の変更については、常に迅速に対応しています。
インフルエンサー自体がいなくなることは、まずないと思っていますが、こうしたSNSの規約やアルゴリズムの変更に対して、当社は自社のプロダクトをサービスとして展開しているため、このサービスを活用しながら、日々アルゴリズムの研究を行っています。
荒井:これは今後ずっと続いていくことだと思います。
髙村:そうですね。非常に良い質問をいただきました。
質疑応答:第2四半期の売上高と成長について
荒井:「SMM事業が好調なのは、前年の第2四半期が落ち込んでいた反動という面もあるのかなと思っています。自力で伸びている部分と、前年の反動とではどちらの手応えが大きいと感じていらっしゃいますか?」というご質問です。
髙村:おっしゃるとおり、第2四半期は毎年あまりよくありません。確かに昨年はさらに下がった部分がありました。
しかし、今回の第2四半期では過去最高の売上高を達成しました。もし仮に昨年がそこまで落ち込んでいない前提だとしても、数字では表せませんが、今回はかなり成長していると考えています。
質疑応答:SMM事業の成長見通しと推し活領域の展開について
荒井:「ライブ配信、HR、投資といろいろと取り組まれている中で、1番の勝ち筋はどこにあるとお考えでしょうか? 3年後、どの事業が会社を牽引していく成長ドライバーになるか、現時点でのイメージをお聞かせください」というご質問です。
髙村:M&Aについて、どうしても存在しないことを話してしまう状況は避けたいと考えています。ただ、SMM事業については、マーケットが約110パーセントで成長している中、我々としてはそれ以上の成長を常に目指していきたいと考えています。まだ成長市場であるため、3年後も引き続き120パーセント成長をしっかり継続していきたいと思っています。
WithLIVEについてですが、推し活に関する部分で、現状は1対1のオンライントークが中心になっており、これを1対Nで行う形式や、投げ銭といった機能はまだ導入していません。そのあたりの領域に展開できれば、成長の可能性を大いに秘めているのではないかと思います。
荒井:投げ銭については、さまざまな場面で話題になっていますが、検討の余地はあるという理解でよろしいでしょうか?
髙村:検討の余地はあると思いますが、他社がすでに取り組んでいるため、どこに勝機があるのかという点で非常に難しい部分があります。ただし、可能性自体はまだ十分にあるのではないかと考えています。
質疑応答:自社プロダクト比率の向上と収益性の課題について
荒井:「代理店型モデルから自社メディア・ツールを活用した高収益モデルへ転換する方針とのことですが、現在の自社プロダクト比率や今後どの程度までそれを高めたいか教えてください」というご質問です。
髙村:現在、自社のプロダクト比率は約4割にまで上昇しています。これをさらに高め、収益性をしっかりと向上させることに注力していきたいと考えています。
ただし、広告主からの要望により、SNSの予算として当社にSNS広告をすべてお任せしたいという依頼があるため、広告主からの相談があると、それをすべて受けざるを得ない場合があります。そのため、すべてを自社媒体で賄うことは難しい部分があります。
広告主の予算や、自社プロダクトがどの程度ニーズに応えられるかが、今後の重要なテーマだと考えています。今後、この比率をさらに上げていきたいと考えています。
質疑応答:「to buy」の広告戦略と収益化について
荒井:「『to buy』や『MYPE』など自社運営のTikTokメディアも複数展開されています。これらは広告案件の獲得に効く集客メディアなのか、それとも単体でも収益性の高いメディア事業として育てていく方針なのか、どちらでしょうか?」というご質問です。
髙村:「to buy」は非常に多く閲覧される媒体です。そのため、基本的には広告主の広告をしっかりと見てもらうことを目指します。ただし、広告ばかりを配信するとユーザーが離れてしまうため、枠数を制限し、「to buy」自体のコンテンツをまずはユーザーにしっかりと見てもらい、その中で適度に広告を配信するという形式にしています。そのため、在庫が比較的制限される媒体でもあります。
基本的には広告を入れることで「to buy」を収益化させていくことを考えています。ただ、もし単体でなんらかのビジネス展開が可能であれば、検討してみたいと思いました。
荒井:現在は、あくまで広告を入れるための枠組みという位置づけですね。単体で収益を埋められるようになるといいですね。今後さらに成長していけば、広告だけでなく、見ていて楽しいコンテンツの配信も始まる可能性があり、大いに期待が持てる印象です。
髙村:そうですね。今のお話で少し考えさせられました。検討してみます。
質疑応答:広告データ活用における自社の競争優位性について
荒井:「広告運用や制作の自動化が進む中で、独自データ×AIが競争優位性の源泉になるということですが、御社が保有するデータの中で、特に差別化につながるものは何でしょうか?」というご質問です。
髙村:我々は、インフルエンサーがこれまで広告を展開してきたデータを保有しています。このデータとソーシャル上の、例えばビッグデータを活用すれば、Cookieを使用せずに広告ターゲティングが可能になると考えています。
現在、インフルエンサーの広告データを収集し、広告主が求めるユーザーデータを我々が集めることで、非常に強力な武器となると考えています。
質疑応答:M&Aの現状と今後の戦略について
荒井:「WithLIVEの完全子会社化後、安定した売上拡大につながっているとのことですが、今後のM&AではSMM周辺、ライブ配信、ファンビジネス、AI、データ領域のどこを重点的に見ていますか?」というご質問です。
髙村:現在、特に絞り込むことなくM&Aについて検討を進めています。SMM周辺領域で行うことでシナジーが期待される部分もありますが、広告事業への依存が避けられない側面もあります。一方で、WithLIVEの事業は季節的要因や景気の変動に影響を受けづらいという特徴があります。
この点を踏まえ、新たな事業の「3本目の柱」としてのM&Aを模索する可能性も検討しています。この決定については、タイミングと縁が重要であり、現在は広範な検討先を対象に、我々と協業することで成長が見込めるかを見極めつつ、さまざまな意見を聞いている段階です。
質疑応答:中長期的な営業利益率について
荒井:「自社プロダクトやAI活用が進むことで、労働集約型の収益構造から変化していくと思います。中長期的に営業利益率をどの水準まで高められるとお考えでしょうか?」というご質問です。
髙村:最低でも営業利益率10パーセントを目指していきたいと考えています。それ以上達成できればさらにうれしいですが、まずはそこをしっかりと目指して取り組んでいきたいと思っています。ふだんは6パーセントから7パーセントとなることが多いため、まずは10パーセントを目指して取り組むことが重要なポイントだと思っています。
質疑応答:業務削減効果が大きい領域について
荒井:「AI事業本部を設置し、全社で30パーセントの業務削減を目指すとのことですが、削減効果が最も大きいのは、広告運用、レポート作成、クリエイティブ制作、営業活動、このうちどの領域でしょうか?」というご質問です。
髙村:現在、スタートしてから3、4ヶ月が経過していますが、最初に大きく業務削減ができたのはインフルエンサーのアサイン管理です。特に、インフルエンサーを管理するチームでは、レポーティングのスピードが非常に早くなったという点が挙げられます。
一方で、営業部門に関しては、少し時間がかかっています。今後、さらに約4ヶ月をかけて業務効率を一気に改善させ、空いた時間を次の事業の検討や、広告主とのコミュニケーションの時間を増やすなどに充てていきたいと考えています。現状では、クリエイティブ、広告運用、レポートのこの3つの部分において、最も早く業務を削減できています。
髙村氏からのご挨拶
髙村:当社は「コミュニケーションを価値に変え、世の中を変える。」というミッションのもと、そのような会社を目指し、しっかりと取り組んでいきたいと思います。今後も自社プロダクトの創出に注力し、収益性を意識しながら、企業価値を高める付加価値を提供していきたいと考えています。
今後ともぜひ、サイバー・バズを応援していただけると、とてもうれしく思います。どうぞよろしくお願いします。
新着ログ
「サービス業」のログ





