はじめに

石村富隆氏:代表執行役社長の石村です。本日はお忙しい中、決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。2025年12月期第2四半期決算について私からご説明します。それではさっそく始めます。

「はじめに」というスライドを御覧ください。業績は、強みである店頭FXが引き続き好調を維持し、全体の収益をけん引しました。営業利益及び最終利益は、上半期として過去最高を更新しました。

事業においては、FXの主要なKPIであるユニーク取引人数が着実に伸長しています。また、暗号資産事業ではストックサービスを強化しており、これは引き続き継続しています。

株主還元については、2025年12月期から強化を図っており、目標配当性向を65パーセント以上と設定しています。2025年12月期第2四半期の配当は、四半期として過去最高となる1株当たり20.43円としています。

Q2’25(1-6月)|決算サマリー(前年同期比)

1月から6月までの決算サマリーです。前年同期と比較し、営業利益・最終利益ともに上半期として過去最高を更新しました。

Q2’25(1-6月)|セグメント別の状況(前年同期比)

セグメント別の状況です。スライドは前年同期比のデータとなります。内容としては、収益の80パーセント強を証券・FX事業で確保し、暗号資産事業が12.9パーセント、その他が約5パーセントという結果です。全体では268億9,300万円となっています。証券・FX事業については、営業収益が前年同期比で0.3パーセント増加し、営業利益は前年同期比で144.6パーセント増加しています。暗号資産事業は、営業収益が前年同期比で1.5パーセント増加した一方で、営業利益は前年同期比で7.1パーセント減少しています。

Q2’25(1-6月)|営業利益増減(前年同期比)

営業利益の増減(前年同期比)についてです。スライドに記載のとおり、好調なFXの増収がCFD収益やタイ証券事業撤退に伴う金融収益の減少をカバーし、大幅な増益を達成しています。

タイ証券事業|約定弁済契約に基づく債権残高の状況

タイ証券事業に関して、約定弁済契約に基づく債権残高の状況をお伝えします。今期から決算説明会で提示している内容のアップデートです。約定弁済契約に基づく債権残高は、返済により2025年1月時点の約110億円から現在約83億円に減少しています。

引き続き、約定弁済契約に基づいて債務者に支払いを求めていく方針に変わりはありません。

株主還元|配当

スライドは株主還元の配当について、1株当たり配当金の推移を示しています。今期より連結配当性向を65パーセント以上と定めており、今第2四半期の実績は1株当たり配当金が20.43円と、過去最高額となりました。

Q2’25(4-6月)|マーケット環境

マーケット環境についてお話しします。アメリカの関税政策の影響を受けて、株式市場や外国為替市場でボラティリティが上昇している状況です。詳細はスライドをご覧ください。

四半期業績推移|営業収益(セグメント別/商品別)

四半期の業績推移について、まずは営業収益です。前年同期比で4.9パーセント増加しており、好調なFXの収益が大きく増加しています。一方で、タイ証券事業撤退に伴う金融収益の減少が見られますが、これをカバーして前年同期比で増加しています。

四半期業績推移|営業利益

営業利益についてです。前年同期比で837.7パーセント増加し、四半期ベースの営業利益は55億円を超えています。増加率が大きく見えますが、前年同期にはタイにおける貸倒引当金繰入額45億円を計上したため、その影響が今回の結果に反映されているのが現状です。

四半期業績推移|販売費及び一般管理費

販管費及び一般管理費についてです。前年同期比で36.0パーセントの減少となりました。先ほどもご説明したように、前年同期は貸倒引当金繰入額が含まれており、それを控除すると全体的には75億円前後で推移しています。

第3四半期については約77億円となる見通しで、ほぼ同じような水準で推移すると予想しています。

持続的成長に向けて

事業に関する説明に移ります。まず「持続的成長に向けて」というテーマに対しては、テクノロジー活用の余地が大きく、成長性の高い分野に積極的に投資していくという方針に変更はありません。

また、当社ではNo.1プラットフォームの創出を通じて持続的成長を目指しています。その中で、事業ポートフォリオの多角化を図り、GMOクリック証券、GMO外貨、GMOコインといった主力事業の収益を最大化し、そこで得られた収益を新たな分野へ投資するという循環を構築していく考えです。

2025年12月期の方針・取り組み

2025年12月期の方針と取り組みです。方針は「強いものをより強くする」で、変更はありません。

FXに関しては、競争優位性を高めるためのサービスの利便性向上や、マーケティング強化による顧客層の拡大を目指しています。

CFDに関しては、証券取引及びFX取引からのクロスセル率のさらなる向上を目指すとともに、商品認知度向上を目的としてマーケティング戦略を見直しています。

暗号資産事業については、ステーキング・貸暗号資産といったストック型商品の強化による収益の安定化を図ります。また、法人向けやVIP向けの大口取引サービスを強化していく方針です。

新規事業については、バーチャルオフィス事業で顧客基盤の拡大を目指し、拠点の拡大や新サービスの提供を計画しています。さらに、医療プラットフォーム事業では立ち上げを加速させ、市場にサービスをしっかりと投入していく考えです。

店頭FX|国内取引高シェアの推移

店頭FXについてです。国内取引高シェアの推移はスライドのとおりで、2025年12月期第2四半期における取引高シェアは21.5パーセントでした。当社では2022年に方針変更を行い、シェアを追求するよりもお客さまを増やし、お客さまの預かりを増やすことを重視する方針へ転換しました。この転換に伴い、一時的にシェアが落ち込む時期がありましたが、現在は施策が徐々に効いてきて、緩やかながらも上昇トレンドに転じてきています。

店頭FX|取引人数(QAU)シェアの推移

スライドは取引人数シェアの推移です。約15パーセントに伸びており、方針転換後には取引人数が着実に伸長していると見ています。

店頭FX|預り証拠金残高の推移

預り証拠金残高は、スライドのグラフのとおり前年同期末比で0.7パーセントの微増ではありますが、安定的に推移しています。最近のマーケットではロスカットが発生し、一時的に残高が毀損するケースが多い状況です。それでもなお、金額は軽微ながら着実に徐々に伸びている点は評価できると考えています。

CFD|売買代金・収益の推移

売買代金及び収益の推移です。スライドのとおり、売買代金は増加しています。収益は前年同期比で2.4パーセント減少していますが、顧客還元としてスプレッド縮小などの施策を行っているため、収益が若干減少している部分もあります。

CFD|預り証拠金残高の推移

CFDの預り証拠金残高の推移はスライドのとおりです。前年同期末比で2.3パーセント減少しており、預り証拠金残高の拡大が課題と考えています。

先ほども述べましたが、商品の認知度向上を図ることに加え、FXのお客さまや株式のお客さまに対してクロスセルを推進することに注力し、預り証拠金残高の拡大に努めたいと考えています。

株式|株式委託手数料・委託手数料率の推移

株式委託手数料及び委託手数料率の推移です。こちらはスライドをご覧ください。

株式|金融収支の推移

金融収支の推移です。前年同期比で50.6パーセントの増加となっています。これは金利の上昇により、お客さまからお預かりしている資産の分別金信託の運用益が大きく伸びたことが要因です。

株式|不正取引への対応

株式の不正取引への対応についてです。昨今、株式の不正取引が社会的にも話題となっています。2025年5月までに確認された不正取引については、特例として原状回復の観点から全額を補償しています。また、2025年12月期第2四半期には特別損失として補償金額3,600万円を計上しました。

段階的にログイン認証を強化し、今後お客さまがこのような事態に巻き込まれないよう、多要素認証を必須化する予定です。

株式|強化施策

株式に関しての強化施策です。GMOクリック証券ではこれまで手数料をいただいていましたが、世の中では他社が手数料をゼロにしている部分も見られます。そこで、当社も株式取引手数料を完全無料とし、投資信託に関しても販売手数料を無料にすることで、お客さまに喜んでいただけるサービスを提供していきたいと考えています。

今年はGMOクリック証券設立20周年にあたり、このタイミングを原点回帰の機会と位置づけています。もともと、我々が目指している「安くて、使いやすいNo.1ネット証券へ」を強く意識し、サービス設計を進めていきたいと考えています。

株式|新・株式取引手数料の他社比較

スライドは他社との国内株式取引手数料の比較です。さまざまな条件がある中で、当社は非常にシンプルに、条件なしで完全無料を打ち出しています。

また、信用取引の金利についても、当社は最も低水準を実現しています。こうした点をしっかりとアピールしながら、お客さまに喜んでいただけるサービスを目指していきます。

暗号資産|売買代金の推移

ここからは暗号資産についてです。売買代金の推移はスライドのとおりで、前年同期比で4.4パーセント増となっています。

ビットコイン価格が史上最高値を更新して活況であった前四半期比では大きく減少しました。一方、前年同期比ではやや増加している状況です。

暗号資産|口座数と顧客預り資産の推移

口座数と顧客預り資産の推移はスライドのとおりです。口座数は着実に右肩上がりで増加しており、前年同期末比で9万8,000口座増加しています。顧客預り資産も前年同期末比で62.8パーセント増加しています。これはマーケットの暗号資産価格の影響も受けていますが、現時点ではこのような数字になっています。

暗号資産|セグメント収益・利益の推移

セグメント収益・利益の推移です。スライド左側が収益、右側が利益で、暗号資産価格や取引に連動して推移しています。現在、ピークからやや落ち込んでいる状況です。

主な取り組み|証券・FX事業

ここからは、今期の主な取り組みについてご紹介します。証券・FX事業に関しては、「GMOクリック365」ということで、東京金融取引所に上場する取引所CFD「くりっく株365」を業界最低水準の手数料で取り扱いを開始しました。

こちらのサービスの特徴は、低コストに加え、当社の得意分野である利便性の高い新しい取引アプリを提供している点です。

主な取り組み|証券・FX事業

証券・FX事業の取り組みについてです。投資信託の強化を図り、初心者をはじめとする幅広い個人投資家のニーズに応えるため、人気のあるファンドを中心に銘柄を追加しました。

他社とは異なり、何百、何千という規模ではありませんが、厳選した銘柄をお客さまが選びやすく提供することを目指し、今後も取り組んでいきたいと考えています。

主な取り組み|証券・FX事業

国内FX業界で初めて、注文金額を指定してFX取引が可能なサービスを導入しました。これまでのように「10万ドルを買う」「1万5,000ドルを買う」といったかたちの場合、必要な証拠金額が明確ではなく、初めて取引を行う方にはわかりにくいという声が多くありました。

特に、初心者向けにこのようなサービスを展開し、利用者にとって刺さるサービスを提供したいと考えています。

主な取り組み|暗号資産事業

暗号資産事業については、投資助言サービスとのAPI連携を開始しています。これは他社による投資助言サービスを活用したもので、GMOコインでは、暗号資産と外国為替FXの両方でAPI取引を提供しています。

API連携により、プログラムトレーディングに簡単に接続し、お客さまがクリックトレード、つまり自分で考えずプログラムに任せて自動取引できるサービスを提供しています。この仕組みを通じて、お客さまに自動取引を楽しんでいただき、自動取引の普及活動も進めています。

主な取り組み|暗号資産事業

こちらも暗号資産事業に関連する内容で、先ほどストック型商品の強化に向けた取り組みを進めているとお話しましたが、そのストックサービス「つみたて暗号資産」の取り組みです。これまで毎日積立や毎月積立というかたちで提供していましたが、「毎週がいい」というお声もあり、毎週プランを追加しました。このように、お客さまのニーズに応える取り組みを行っています。

主な取り組み|バーチャルオフィス事業

スライドはGMOオフィスサポートが展開するバーチャルオフィス事業の主な取り組みです。全国で現在18ヶ所となり、直近では六本木オフィスの住所提供を開始しました。累計で3万ユーザーを突破しており、顧客基盤は順調に拡大しています。

主な取り組み|NFT事業

スライドはNFT事業の主な取り組みです。地方創生プロジェクトに貢献することを目的とし、NFTの二次流通による収益で、継続的な地域支援を可能にする取り組みを進めています。

スライドの写真は、日本酒の醸造元でのツアーや、NFTチケットの二次流通による収益を地域に寄付するといった取り組みを実現しています。