目次
吉村修一氏(以下、吉村):ダイナミックマッププラットフォーム株式会社、代表取締役社長CEOの吉村です。本日はお忙しいところ、当社の2025年3月期決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
本日の流れはスライドのとおりです。はじめに会社概要と事業概要、事業進捗についてご説明し、2025年3月期通期の決算実績、2026年3月期の通期業績予想、最後にパイプラインのアップデートについてご説明します。
会社概要
会社概要です。設立は2016年6月で、現在は日本、北米、欧州、韓国、中東で事業を展開しています。日本政府主導により、国内主要自動車会社等が出資し、当社が設立されました。その後、北米の同業他社を完全買収し、グローバル展開を進めています。
このような背景により、自動運転や社会のデジタル化に関わるビジネスを進める上で、自動車会社や関係省庁との強固な関係は、当社の事業推進に有利に働いているポイントです。
数字でみるダイナミックマッププラットフォーム
当社の特徴を1枚のスライドにまとめました。2025年3月期の連結売上高は74億円、年平均の成長率は52パーセント、自動運転/先進運転支援システムのマーケットは2030年までで年平均37パーセントでの拡大が見込まれています。
スライド下段には、各地域における3Dデータの整備距離を記載しています。
ハイライト
ハイライトとして、4点ご説明します。1点目に、当社はダイナミックマップという高精度な位置情報基盤をグローバルに構築するディープテック型のスタートアップです。
今後、グローバルで飛躍的な拡大が見込まれる自動運転のマーケットとデジタルマップのマーケットにおいて、先進技術をベースに先行して事業を展開してきました。
2点目に、日系大手の自動車メーカー10社やGeneral Motors Company、日本国政府等の、重要な顧客基盤を持ち、高い売上成長性が実現可能です。
当社がもともと大手企業の技術を結集するかたちで設立されたことと、その後に北米の最大手の企業を買収したことが経緯となっています。我々は、拡大するグローバルマーケットの恩恵を一手に享受できる立場にあります。
3点目に、競合比でも圧倒的なデータ量を保有し、世界初の自動運転レベル2プラス・レベル3の実現に寄与した高い技術力による競争優位性です。
当社の従業員はグローバルでおよそ220名おり、7割がエンジニアで構成されています。日本とアメリカのエンジニアがそれぞれの技術を持ち寄り、開発を継続しています。
4点目に、当社のビジネスモデルは、フロー型のプロジェクトビジネスと、ストック型のライセンスビジネスの2本柱となっています。
プロジェクト型ビジネスを通じて事業基盤が整いましたので、以降は収益性の高いライセンス型ビジネスにより、全社として高収益体質が実現可能となります。
Modeling The Earth
当社のビジネスを一言で表すと「Modeling The Earth」です。日本語で言うと、「地球のデジタル化」に取り組んでいます。現実世界をデジタル空間に複製し、デジタル社会のインフラとなる高精度な3次元データを提供するプラットフォーマーを目指しています。
このプラットフォームとさまざまな情報を結びつけることにより、分析、制御、予測を可能にし、社会課題の解決に資するイノベーションを実現しています。
高精度3次元データをグローバルに構築(150万kmのHDマップを整備済)
当社が保有するデータについてご説明します。先行投資の結果として、大手自動車メーカー各社の要求を充足しながら、かつ圧倒的なカバレッジを有する高精度な3次元データをグローバルに構築しています。
地域別では、北米で120万キロメートル、欧州で25万5,000キロメートル、日本国内においても3万3,000キロメートル、韓国で2万キロメートルです。
合計で150万キロメートルに及ぶ整備済データは、量産車に搭載される自動運転、ならびに先進運転支援システム向けの利用にとどまらず、世界各国における産業のデジタル化、社会課題の解決に貢献する大きなポテンシャルを有します。
業界横断的な社会へのインパクト
ここからは事業についてご説明します。スライドの図では、我々が提供する高精度な3次元データが活用される領域、ならびに業界を示しています。さまざまな産業においてゲームチェンジャーとなりうるキーテクノロジーだと考えています。
従来、取り組んできた業界や領域を越え、今般発表したソニーグループとの複合現実技術(MR)を活用したエンターテインメント領域での取り組みや、三井不動産との物流センター内の自動化といった社会全体のデジタル化に利用することが可能となっています。
データ活用領域の拡大に向けた具体的な進捗については、後ほどご説明します。
自動車向けHDマップ-自動運転/先進運転支援システムにおけるHDマップの役割
我々が取り扱っているプロダクトについてご説明します。各プロダクトの紹介動画を、当社ホームページ上に掲載しています。スライドの右上に2次元コードをつけていますので、お時間がある時にご覧ください。
自動車向けHDマップは、さまざまな道路の情報を高精度に3次元化して表したデータとなっています。いわば機械の動作を制御するための制御データであり、自動運転やADAS(先進運転支援システム)の車両にとって重要な役割を果たしています。
最近では生成AIの発展に伴って、AIの学習や推論に用いる「Data for AI(AIのためのデータ)」として、その用途が拡大しています。
3Dデータビジネス-Viewer
我々が蓄積した高精度の3次元データを活用し、幅広い産業に対して、Viewer機能やGuidance機能を有したプロダクトを提供しています。
本スライドはViewerについてご紹介しています。高精度3次元データを、いつでもどこからでも閲覧可能にするサービスで、「3Dmapspocket」という商品名で提供しています。
具体的なユースケースとしては、損害保険会社による事故調査が挙げられます。デジタル空間内で事前に計測や現場の把握を行うことにより、事故調査全体の作業を圧縮するという効果があり、損害保険各社で利用が始まっています。
3Dデータビジネス-Guidance
Guidanceについてです。高精度3次元データをタブレットに搭載し、測位端末と組み合わせることで、高精度なGuidanceが実現可能になるというプロダクトです。
具体的なユースケースとしては、「除雪支援システム」が挙げられます。雪に埋もれたガードレールやマンホールなどの道路構造物を可視化することにより、担い手不足を解決し、作業の安全性向上に寄与しています。北海道や東北エリアを中心に、多くの自治体でご利用いただいているサービスです。
3Dデータビジネス-国家プロジェクト
日本政府との強い関係性に裏づけされた、3Dデータビジネスの国家プロジェクトについてご説明します。
我々グループが保有する高精度な3次元データ、ならびに関連技術、各種知見を提供することで、社会課題解決に向けた取り組みに貢献しています。
当社にとっては、自己投資を抑制しながら、新たなライセンス商品開発に取り組むことができる研究開発・商品開発の機会でもあります。
各種データ連携を通じたダイナミックマッププラットフォーム構築
我々が提供する高精度3次元データは、さまざまな動的情報を紐付けるためのデータ基盤となります。静的な情報と動的な情報を統合したものが、いわゆるダイナミックマップと呼ばれているものです。
我々は、公道における静的なデータ取得からスタートし、さまざまな動的データの収集・システム化を進めるとともに、公道以外の特定エリアへの展開、ならびに動的データを統合するアプリケーションの開発・導入を進め、ダイナミックマップの構築に取り組んでいます。
ダイナミックマップは、今後の産業のデジタル化・効率化を支える共通基盤の役割を果たすことができると考えています。
ビジネストピック
ダイナミックマッププラットフォームの構築に向けた具体的な取り組みについて、2つのトピックをご紹介します。
1つ目は、エンターテインメント領域でのソニーグループとの、MR技術を活用した車内エンターテインメント向けコンテンツ開発のための共同実証です。ソニーグループが開発している「MR Cruise」は、MR技術により車内から見える景色をエンターテインメント空間に変え、移動自体を楽しめるようにするサービスです。
今回の共同実証では、我々が有している高精度な3次元データを活用し、「MR Cruise」用のコンテンツ作成のためのロケーションの情報基盤を作成します。その運用可能性を検証するという内容です。
2つ目として、今般、ダイナミックマップを活用したレベル4自動運転トラックを活用した物流自動化の実現に向け、三井不動産と連携合意を新たに発表しました。レベル4自動運転トラックを活用した物流センター内の自動化を目的とし、サービスの検討ならびに実装を目指しています。
各種情報を連携させるダイナミックマップ情報連携システムを当社が構築し、物流センターに到着したレベル4自動運転トラックが指定されたバースに向かうための情報提供や、物流センター内にいる事業者とのシステム連携等が可能となり、物流の自動化の実現に寄与するという内容です。
このほか、我々が受託している内閣府の課題解決プログラム「BRIDGE(ブリッジ)」の研究開発事業では、空港や港湾等の公共エリアにおける自動運転の社会実装に向け、次世代ダイナミックマップの開発にも取り組んでいます。
ビジネスモデル全体像(プロジェクトとライセンスの2本柱)
当社のビジネスモデルは、プロジェクト型ビジネスとライセンス型ビジネスの2つに分類できます。
プロジェクト型は、スライド左に記載のとおり、安定した粗利率を獲得しながらデータやソフトウェアの整備を進めるもので、我々の事業基盤の構築の役割を担っています。
ライセンス型は、スライド右に記載のとおり、プロジェクト型で整備したデータならびにソフトウェアをライセンスアウトすることにより、コストを増やさずに収益増加が可能であり、高い収益性が実現できます。
例えば、自動車会社向けでご説明すると、プロジェクト型で特定の顧客から受注し、粗利を得ながらHDマップを整備します。そこで整備したデータを他の自動車会社向けにライセンス型で提供することにより、高い利益率を実現することが可能です。
さらに、道路の変化に合わせデータの更新も必要となるため、累積的に売上が伸びていくビジネスモデルとなっています。
将来の収益イメージ
将来の収益イメージです。プロジェクト型ビジネスは、マップ更新案件、および国家プロジェクトなどから、安定した収益獲得が期待できます。
ライセンス型ビジネス(オートモーティブ)は、売上のパイプラインに裏打ちされた量産ライセンス販売と、アライアンスによる法人ライセンス販売により、堅実な成長が見込まれます。
加えて、3Dデータのライセンス型ビジネス(3Dデータ)は、グローバルかつ多用途に潜在的な成長可能性を有しているため、スライドの図のように成長していきたいと考えています。
2025年3月期 サマリー
2025年3月期通期の決算実績についてご説明します。スライドにサマリーをまとめました。まず全体として、中長期的な成長戦略に沿って、事業ならびに技術開発が進んだ1年となりました。
事業面では、動的データの取得・連携等、データ活用領域を拡大し、物流・空港自動化・エンタメに用途を拡大し、ダイナミックマップの構築に向けて進捗しています。さらに、AI用途でのオートモーティブ法人ライセンス商談が進捗したほか、海外でも3Dデータのビジネスの拡大に取り組んだ1年でした。
技術開発面では、HDマップの整備距離数が世界で150万キロメートルに達し、AI活用によるHDマップの整備、更新のコスト低減、品質向上への取り組みを継続しています。また、国家プロジェクトを通した実証実験など、動的データ連携に向けたシステム基盤とアプリケーションの開発に取り組んでいます。
財務面では、2025年3月に東京証券取引所グロース市場に上場し、公募増資により53億円を調達しました。加えて、金融機関からのコミットメントライン借入枠の契約更新もあり、十分な資金を確保し、成長を支える財務基盤が整いました。
結果として、スライド下段に記載したとおり、2025年3月期の実績は、売上高が業績予想を上回って着地し、利益(調整後EBITDA)も第3四半期・4四半期黒字化で大幅に改善しました。
2025年3月期 連結業績ハイライト
連結業績ハイライトです。当社が重視しているのは売上高、ライセンス売上高、調整後EBITDAの3つですが、いずれも前年比で増加しています。
売上増については、大型プロジェクトの受注によるプロジェクト型売上増加が主な要因です。また、拡大に注力しているライセンス型売上も、9億9,400万円から11億7,100万円と、前年比で約2億円増加し、着実に成長しています。
当社が重視する利益指標である調整後EBITDAも、マイナス22億円からマイナス6億円とプラスに近づき、キャッシュフローも確保できつつあります。
2025年3月期 連結業績 四半期推移・業績予想との比較
売上高と調整後EBITDAの四半期ごとの推移です。累計売上高は、スライド左のグラフのとおりです。当社の売上には季節変動要因があり、年度の後半、特に第4四半期のウエイトが高くなっています。そのため、調整後EBITDAも、第4四半期で大きく改善する構造になっています。
売上高の業績予想対比は、業績予想が70億7,200万円のところ、実績が74億6,500万円と、4億円ほど上振れて、2025年3月期を終えています。こちらは第4四半期にプロジェクト型売上が、想定より増加したことが主な要因となっています。
調整後EBITDAについても、スライド右のグラフのとおり、第3四半期が黒字、第4四半期は約4億円超の黒字を計上したことによって、通期ではマイナス6億円と、売上高同様に当初の想定よりも大幅に改善し着地しました。
2025年3月期 連結業績 貸借対照表の推移
貸借対照表です。上場時公募増資を通じ、53億円を調達しました。これにより、今後の成長を支える十分な資金が確保できたと考えています。2025年3月末時点の現預金残高は84億円でした。
北米におけるHDマップの新規整備に関わる投資が進捗し、ソフトウェア資産を中心に固定資産が増加しています。
2026年3月期 事業環境と取り組み方針
2026年3月期の通期業績予想についてご説明します。まず、2026年3月期の事業環境と取り組み方針です。
事業環境については、スライド左に記載のとおり、3Dデータを用いた産業・社会DXへの期待は依然として高く、中長期的な見通しに変更はありません。特に国や自治体といった政府系のプロジェクトは、安定した需要が引き続き期待されています。
また、当社は国ごとにデータを生成・販売しているため、国をまたいだ取引は限定的で、米国の関税措置による直接的な影響はほとんど受けません。一方で、BtoB企業である当社としては、顧客である自動車会社をはじめ、民間企業の業績悪化、投資・開発計画の遅延や見直しが、当社の売上に与える影響が懸念されます。
そこで、2026年3月期は、スライド右に記載のとおり、高い需要を背景に高精度3次元データの販売拡大、特に高収益型のライセンスビジネスの拡大に注力したいと考えています。ソフトウェア企業、半導体企業、AI企業などから引き合いが増えており、既存の保有データを提供することにより、顧客の課題解決を行っていきます。
さらに、大企業やグローバル企業とのアライアンスも進めていきたいと思っています。これを通じて、技術・サービス開発などを事業基盤の整備に取り組むほか、当社データを利用した顧客企業のサービス開発に一緒に取り組んでいきます。
また、上場後からニュースとして発信してきましたが、今後は上場オファリング後のサイレント期間の制約が終了したため、積極的なIR活動とともに、お伝えしていきたいと考えています。
経営・財務面では、上場準備を通じてガバナンス・組織体制が強化されました。中長期的な成長を支える資金調達が完了したことにより、資本政策・財務戦略も進みました。
我々はもとより、2019年に北米の会社を買収し、成長してきた会社です。一方で、上場準備の期間中は、その都合から買収という手段を取れませんでした。上場後である今期からは、M&Aも有効なグロース戦略として、積極的に取り組みたいと考えています。
今期の業績予想は、米国の関税措置の影響により、自動車業界における投資・開発計画の遅延・見直し等の可能性を織り込み、保守的に設定しています。また、想定の為替レートを円高水準に設定したことで、円建て海外売上にマイナスの影響となっています。
2026年3月期 通期業績予想
スライドには、売上高と調整後EBITDAの予想をグラフで示しました。2026年3月期の通期の業績予想については、前のページでご説明した事業環境を踏まえ、十分に保守的な前提を置き、売上高70億円、ライセンス型売上23億円、調整後EBITDAマイナス5億円としています。
売上高全体は保守的な前提であるものの、収益性の観点からも注力しているライセンス型売上は、HDマップ搭載車種の増加や法人ライセンスの拡大により2025年3月期の11億7,100万円から、2026年3月期は23億円と、前期比プラス96パーセントの着実な成長を見込んでいます。
プロジェクト型売上については、データカバレッジ拡大や商品開発といった将来的な収益性に寄与する案件を優先的に受注する方針をとっているため、前年比減収の前提にしていますが、十分な収益性が確保できるのであれば、期中で追加受注をしていく方針です。
以上から、足元の経済環境リスクを十分に織り込み、売上高減少の前提であっても、利益については前期実績より改善する計画です。
2026年3月期 売上増加に向けた主な取り組み
期中で追加受注が期待される、2026年3月期の売上増加に向けた取り組みをスライドにまとめました。
ライセンス型、プロジェクト型のそれぞれに業績予想で示している売上からの積み上げ余地、つまりアップサイドポテンシャルがあり、それらの潜在的な売上増加の実現に向けて取り組んでいきます。
ライセンス型については、PTV GroupやTerrasolid社等の販売パートナーを通じた、グローバルでのシミュレーター用途等でのデータ販売にポテンシャルがあります。また、法人ライセンスにおいては、AIの学習・推論の用途でデータ販売にアップサイドポテンシャルがあります。
プロジェクト型は、国家プロジェクトの規模拡大、協業・提携している民間企業とのプロジェクトの規模拡大による売上増加のポテンシャルがあります。また、特定の自動車メーカーから、新たな国・地域・道路クラスでのHDマップの新規整備受注による売上増加のポテンシャルがあります。
ライセンス型ビジネス(3Dデータ)
パイプラインを4つに分けてアップデートします。前提として、当社の売上はパイプラインにより裏付けられたものであり、成長イメージをご理解いただくため、パイプラインの内訳を列挙するかたちで示しています。
ただし、具体的なお客さまの名前や、数字、将来の見込み等、お客さまの機微な情報に抵触する可能性があり、開示が難しいものもあります。最大限の情報を開示しているという点をご理解ください。
1つ目は、ライセンス型ビジネス(3Dデータ)のアップデートです。我々が保有するグローバル150万キロメートルの広範な整備済データは、大きな成長ポテンシャルになると考えています。
現在、販売パートナー企業とのアライアンスを通じたグローバルでのデータ販売に注力しています。今年1月、交通シミュレーションソフトウェアで多くのユーザーを獲得しているドイツのPTV Groupとの協業を発表しました。
HDマップを活用することで、PTVのユーザーがシミュレーション環境を効率的かつ効果的に構築できるようになりました。このような、当社のデータを搭載するソフトウェア企業とのアライアンスを通じ、拡販を今後、積極的に進めます。
また、今年4月には、フィンランドのTerrasolid社との提携を発表しました。Terrasolid社は、点群処理ソフトウェアを提供するグローバルに有名な企業です。この提携により、彼らのグローバルなユーザー基盤にアプローチしたいと考えています。
加えて、Terrasolid社の技術に、当社の広範な道路網の高精度3次元データを融合することにより、高精度3次元データ活用の可能性を広げていく考えです。
ライセンス型ビジネス(オートモーティブ)
2つ目は、ライセンス型ビジネス(オートモーティブ)のアップデートです。量産車向けのライセンスは、現在グローバルで自動車メーカー6社に供給しています。大半はスライドに掲載している2028年以降も契約済みです。
6社とは後継の車種や追加の車種に向けても協議中であり、パイプラインにはRFQ(Request for Quotation)やRFI(Request for Information)等、一定程度の受注が見込まれるものも含まれています。
また、現在取引のない自動車メーカーとの間でも、次のモデルの搭載に向け商談を進めており、RFQやRFIの得られているものも存在しています。上半期は大手自動車メーカーG社との、北米におけるHDマップ量産車搭載の大型契約締結を見込んでいます。
次に、スライド下段に記載した法人向けライセンスは、大手の半導体メーカーからRFIを受領し、商談が進捗しています。そちらとは別に第1四半期では、大手の自動車会社グループより、AI学習用データとしての契約の新規受注を予定しているほか、シミュレーション用途でも新規受注を見込んでいます。
法人ライセンスは当社が整備し保有する既存データを販売するため、限界利益が100パーセントに近い、非常に高い利益率が期待できます。
このように、ライセンス型のオートモーティブビジネスの収益は、パイプラインに裏打ちされたものです。現在のパイプラインに基づくと、2025年以降も着実に成長していくと考えています。
プロジェクト型ビジネス(3Dデータ)
3つ目は、プロジェクト型ビジネス(3Dデータ)のアップデートです。2022年以降、官公庁より毎年継続的に案件を受注しており、前期2024年度は20億円を売上計上しています。
現在取り組んでいるプロジェクトは、デジタルライフラインプロジェクトに代表されるとおり、いずれも国の長期的な方針を前提としているため継続される可能性が高く、今後も安定した受注を見込んでいます。今年度は、現時点ですでに経済産業省より「BRIDGE」の「公共エリア向けダイナミックマップの開発」を受託しています。
国家プロジェクトに加えて、第1四半期で発表した三井不動産との物流自動化に向けた実証実験など、民間企業とのプロジェクトも新規引き合いが増えており、こちらも四半期ごとに発表していきたいと考えています。
プロジェクト型ビジネス(オートモーティブ)
4つ目は、プロジェクト型ビジネス(オートモーティブ)のアップデートです。スライドに2024年度までの実績と、2025年以降のパイプラインを示しています。
新規整備は個々のプロジェクトとして示し、更新整備については最下段に全プロジェクトの合計として示しています。これにより、これまですべての整備拡大を、GM等の具体的な顧客から契約受注を伴うかたちで実施してきたことをご確認いただけます。
今後の新規データ整備については、すでに、RFQやRFI等受領しているものがありますが、自動車メーカーとしっかりコミュニケーションを行い、十分な事業性が確認できれば、新規整備にも取り組む方針です。
すでに、日米欧・韓国・中東で展開済みですが、それ以外の国・地域・道路クラスでの相談が来ており、事業性を見ながら受注の是非を検討しているところです。
また、重要なポイントとして、整備済みのHDマップデータについては、今後も継続的にマップ更新が必要となるため、安定的な収益獲得が可能です。HDマップの更新は、レベル2プラス以上のADASに不可欠であることから、今後も高い確度で契約が継続されると見込んでいます。
中長期ビジョン
最後に、当社の中長期ビジョンをあらためて掲載しています。我々は、高精度位置情報の提供を通じて、あらゆる産業における共通基盤を目指すべく、事業に取り組んでいます。当社事業をどうぞご支援くださいますようお願いします。
質疑応答:米国関税措置の影響について
司会者:「米国関税影響について、投資開発計画の遅延・見直し等ですでに顕在化したものはありますか? また、米国関税影響を受けたパイプラインは存在するのでしょうか?」というご質問です。
吉村:アメリカの関税措置については、プレゼンでもご説明でもしたとおり、我々の事業への直接的な影響は想定されません。
一方で、BtoB企業であることから、顧客側に与える影響、特に自動車業界に与える影響は大きいと言えます。自動車メーカー、半導体メーカー、車載の部品・システムメーカーなど、いわゆるサプライヤーにおいて、販売および投資計画、開発計画に見直しの動きがあることは、一般のメディアを通じても聞き及んでいます。
アメリカと各国との交渉が継続している状況であり、関税措置の見通しがなかなかわかりにくく流動的である中で、一部では、今期の業績予想の開示を見送る会社もあると理解しています。各社の対応を見通すのが極めて難しいことは、みなさまもご理解いただけると思います。
商談中の案件パイプラインについては、関税措置の影響を受けて失注や取りやめになったものはありません。
一方で、業績予想については、各社の投資開発計画の遅延・見直し等のリスクを十分に織り込み、保守的に、きちんとアップサイドを狙いながら事業を行う前提で、今回開示しています。
質疑応答:黒字化のタイミングについて
司会者:「黒字化のタイミングについてどのように考えていますか?」というご質問です。
吉村:まず、早期の黒字化はもちろん目指していますし、我々の意識する利益指標として、調整後EBITDAを掲げて開示も行っています。ただし、中長期の計画・見通しについては公表・開示はしていないため、タイミングの明言は控えさせていただきます。
考え方については、16ページのビジネスモデル全体像でご説明したとおり、限界利益率が高いライセンス型の売上を増加させることによって、全社で収益性が向上するビジネスモデルとなっています。
また、17ページの将来の収益イメージでは、今後オートモーティブ向けのライセンス型売上がパイプラインに裏付けされてきちんと増えていきます。
台数がどんどん増え、車載の売上・利益が上がっていくことに加えて、データがAIに使われたり、シミュレーターに使われたりするなど、もともと我々が想定しなかったようなケースでのライセンス型オートモーティブの売上も増えています。
そこにオントップで、3Dデータビジネス向けのライセンス型売上として、PTV GroupやTerrasolid社など、我々のさまざまなデータを活用するソフトウェア会社並びに販売店との契約・提携をグローバルに進めています。
これにより、ライセンス型の売上が増えていき、一定水準に達した段階で黒字化すると考えています。
質疑応答:M&Aの考え方と資金調達について
司会者:「グロース戦略としてのM&Aはどのように考えてますか? また、必要な資金の調達についても教えてください」というご質問です。
吉村:M&Aについては積極的に取り組んでいきたいと思っています。もともと我々はM&Aで成長してきた会社であり、不得意ではないと思っていますので、さまざまな可能性を検討しています。
M&Aについては、大きな流れが2つあります。1つ目は、データの取得・整備など、川上側の企業との後方統合によるM&Aです。もう1つは、川下側で我々のデータを統合し、提供するソフトウェア側の領域での前方統合によるM&Aです。あるいは、買収・M&Aではなく、資本参加、資本提携といったかたちも考えられるかと思っています。
5年前は、水平統合的にアメリカの会社を買収したことによってシェアを獲得し、グローバルナンバーワンになりました。次はより付加価値を上げるために、垂直統合に向けたM&Aは積極的に実行したいと思っています。
上場準備の期間中は買収という手段を取れませんでしたが、当社の成長を一層加速させるものとして、これからM&Aに注力していきたいと思っています。事業領域の拡大を通じて、保有するデータ資産の拡充、お金に変えるマネタイズを加速していきたいと思っています。
M&Aに必要な資金の調達については、先般の上場でのファイナンスにより、現在手元資金が潤沢にあることに加えて、必要に応じて借り入れを活用し、当面は増資等のエクイティファイナンスは要さない規模でのM&Aに取り組んでいきたいと考えています。
質疑応答:ライセンス型売上倍増の理由について
司会者:「2026年3月期にライセンス型売上が倍増する計画とのことですが、その理由を教えてください」というご質問です。
吉村:我々は、売上高と調整後EBITDAと並んで、ライセンス型の売上高に目標を定めて活動していますので、倍増に関するご質問は大変ありがたいと思っています。
オートモーティブ向けに台数課金する量産ライセンスと、AI、シミュレーターなどに向けたエンタープライズ向け法人ライセンスの販売増加が、2026年3月期のライセンス型売上増加の要因となっています。したがって、量産ライセンス要因と法人ライセンス要因の両方です。
スライド上段の、自動車メーカー向けの量産ライセンスにおいて、大手自動車メーカーG社とも上期中に契約締結を予定しており、北米での販売が開始されることによる増加もあります。また、下段の大手半導体メーカーや自動車会社グループとの契約を上半期中に締結したいと考えており、このようなことをきちんとクロージングしていきます。
3Dデータビジネスについては、除雪の作業支援や事故調査、インフラの管理なども需要が強いため、これら販売増のミックスで、前年からの増加を見込んでいます。
それぞれのパイプラインを着実に積み上げて、今回の数字をお示ししていますので、しっかりと進めていきたいと思っています。
質疑応答:調整後EBITDAの改善幅が小さい要因について
司会者:「2026年3月期は、限界利益率の高いライセンス型の売上がほぼ倍増するにも関わらず、調整後EBITDAが1億円の改善にとどまるのはなぜでしょうか?」というご質問です。
吉村:これは2026年3月期よりも2025年3月期に要因があります。2025年3月期に計上したプロジェクト型売上の中に、利益率が極めて高い案件が含まれていたことが要因です。
自動車メーカーとの取引で、取引内容の詳細についてはこの場では言及できませんが、お客さまの開発計画に関わるプロジェクト型の売上でした。このように、プロジェクト型売上であっても高い利益率を確保できるものもあります。
当然ライセンス型に注力して伸ばしていきますが、利益率の高いプロジェクト型も獲得して、全体の売上高の向上にも努めていきたいと考えています。
質疑応答:協業企業との取り組みの詳細について
司会者:「ソニーグループや三井不動産との協業について、取り組みの詳細について教えてください」というご質問です。
吉村:ソニーグループとの案件は、今日5月19日8時半に開示しました。ソニーグループは、「MR Cruise」というタクシーのMRシステムの開発を進めています。従来は景色を見るためだけにあった車窓の情報をエンタメ空間に変貌させ、移動自体をより楽しくするシステムです。
自動運転・ADASが普及すると、車の中での時間が暇になり、その時間を活用できるようになります。ソニーグループはここにいち早く目をつけ、MRシステムの開発を進めていました。
ただし、例えば車の中から見える景色をうまく重畳させて、現実世界にデータを融合させようとしても、ぴったり合っていないとあまりおもしろくないですし、情報としての価値は出てきません。
我々が持っている高精度な3次元地図データを活用することにより、精度の高い位置情報をソニーグループに渡すことができます。そこにソニーグループが有するMRの技術と、彼らが持つコンテンツを組み合わせれば、より没入感の高い、現実世界と仮想空間の融合という、よりエンタメ性の高いMRの体験ができるだろうと両社で考えています。
速いスピードで走行している自動車の中から、現実世界の景色と仮想世界のCGをぴったり合わせたら、みなさまも想像していただけるように、非常におもしろいことができるのではないかと思っています。当社の提供する精度の高い位置情報が高い評価をいただき、今回の発表になりました。
三井不動産の案件は、5月16日にあらためて発表しています。こちらは、レベル4の自動運転トラックを使用した物流センター内の自動化サービスの実装に取り組んでいます。
我々は、政府、経産省、国交省などの指導の下、デジタルライフラインプロジェクトに参画し、高速道路における自動運転トラックの走行実証を新東名高速道路で実施してきました。ただし、物流の完全自動化を実現するとなると、高速道路だけではもちろん足りません。高速道路を降りた後と乗る前で、物流の結節点となる大規模な物流センターがポイントになります。
物流センター内の自動化を進めると考えた時に、さまざまなデータが必要です。具体的には、まず、レベル4の自動運転トラックが物流センターに入ってきたら即走行可能になるような、3次元データを使ったHDマップの整備が必要です。
加えて、自動運転のトラックと、物流センターの運用管理システム(WMS)などが持つ情報をリアルタイムに連携させ、入ってきた車両がどこのブースに行って荷下ろししなければいけないのか、何分間待機しなければいけないのかなど、連携させるためのシステムも必要になってきます。
2025年度中は、三井不動産が所有する完成済みの物流センター内で実証実験を始めます。毎年システムの開発を続け、三井不動産だけでなく、さまざまな物流センター並びに物流会社に広く使ってもらえるようなシステムを提供していきたいと考えています。
ダイナミックマップの構築の一環と考えていただければと思います。
質疑応答:HDマップとAIとの関係性について
司会者:「2025年3月期サマリーで、『AI用途でのオートモーティブ法人ライセンス商談進捗』とありますが、HDマップとAIがどのように関係しているのでしょうか?」というご質問です。
吉村:まず整理したいこととして、私が最近呼んでいる方法で「Data for AI」と「AI for Data」の2つがあります。
「Data for AI」は、「データがどのようにAIに貢献するのか」というもので、AIの学習や推論に必要となる高精度な3次元データとなっています。我々のHDマップに含まれている情報を教師データとして活用することによって、自動運転・ADASの機能向上が期待できます。
また、我々のHDマップには、自動運転(AD)車やADAS車両が、リアルタイムでセンサが取得できる情報以外のものが多く含まれています。例えば、曲率の情報や勾配の情報は、リアルタイムにはセンシングできないものです。
そもそも、オクルージョンと言われるような対象物が遮ってしまうと、それより先はセンシングできないため、AIも判断に使うことができません。データをAIにおける推論に用いることによって、このようなことが効果的・効率的になると期待できます。
一方の「AI for Data」については、我々はグローバルナンバーワンで世界中のデータを生成して提供し、これまで10年かけて低コスト化や品質の維持向上に取り組んできました。最近のAI活用による生成プロセスの効率化にも日夜取り組んでおり、このようなところもきちんとリリース、開示していければと考えています。
いずれにせよ、当社のトップクラスのエンジニアが、社内にとどまらず、社外のAIの会社のエンジニアたちと交わって開発を進めています。このようなところも、今後みなさまにご説明していければと思っています。
質疑応答:HDマップ市場における競合について
司会者:「HDマップ市場における競合は、どのような企業ですか?」というご質問です。
吉村:我々が提供しているものと近いHDマップですと、北米は我々が買収したので競合はいませんが、欧州に2社ほどあります。
ただし、この2社ともカーナビのデータであるSDマップを本業としており、昨今ではSDマップの領域が苦労していることから、HDマップに対してはむしろ消極的で、そちらの投資にはなかなか振り向けてくることができていません。
一方で我々は3次元データに特化した会社ですので、事業の構成やマーケットの成長性を考えると大きな違いがあり、競合とは異なる関係ではないかと思っています。
HDマップのカバレッジ距離においては、この両社よりも圧倒的に我々が多く、優位なポジションを築いています。SDマップと一緒に使われるケースも多いことから、どちらかというとパートナー、補完財になると思っています。したがって、「競合はここだ」と明言することは難しいと考えています。
質疑応答:HDマップと「Google マップ」の違いについて
司会者:「貴社が提供するHDマップと『Google マップ』の違いについて教えてください」というご質問です。
吉村:こちらもよくいただく質問です。「Google マップ」、特に「ストリートビュー」と何が違うのかと質問を受けますが、「ストリートビュー」は、360度カメラをつけて世界中を走行している、いわゆる写真データ、イメージデータと言われるものです。
一方で、我々が取得しているのは、高精度な3次元データです。センサでいうと、カメラももちろん搭載して、「ストリートビュー」と同じようなものは取得していますが、メインはLiDAR(レーザーレーダー)で取得しているため、3Dデータを取っている点が違いです。
「Google マップ」は、人が道に迷わないように正しい経路を示すためのもので、ここにどのような景色があるのか見るには大変便利です。一方で、我々の3Dマップは、それに加えて、道で認識する必要がある標識、障害物、信号などを、XYZ(緯度・経度・高さ)で、センチメートル単位で正しく3Dデータを理解できることから、機械にとってはよりフレンドリーなデータとなっています。
また、Google自体がHDマップに関心を示したというリリースが、2年以上前に「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー) 2023」で発表されました。将来的にボルボの1つの車種に搭載される可能性があるとの内容でしたが、以降、マーケットの中でGoogleのデータを採用したという話は聞いたことがありません。
以上からGoogleとは市場を棲み分けていると私どもは理解しています。
質疑応答:マップレスでの自動運転について
司会者:「マップレスでの自動運転を実現するアプローチとの関係性について教えてください」というご質問です。
吉村:AIを含めて、マップレスの技術が進展した場合であっても、少なくとも部分的にはHDマップの有するデータは不可欠であると思っています。
マップレスやLiDARレスなどについては、最近はマスコミ等で、わかりやすい論調でメディアが取り上げることはありますが、いろいろな事業者と話していて、3次元データは不可欠だと思うところです。
AIスタートアップ、AI大手などのAI事業者や半導体企業などと技術的なディスカッションを行う機会は増えていますが、具体的には、車線単位の情報、曲率、勾配、センサが届かない部分の先読み情報などが必要なデータとして挙げられています。
一例として、先が見えない急カーブで緩やかに減速し、スムースにステアリングの操作を行うためには、あらかじめカーブの情報を把握する必要があります。その際、HDマップがなく、AIだけでそれを把握するのは不可能です。
AIベースのAD・ADASが発展する中でも、HDマップを代替するものではなく、安全性を担保するために不可欠な情報として、HDマップを読み出していく必要がありますので、補完財的な成長ができるのではないかと思っています。
むしろ、AIが車両制御に使われていくことにより、自動運転・ADASマーケット自体も成長していくと考えられます。それに伴いデータ自体も需要の高まりが想定され、最近そのような会社からの引き合いが強くなっていることは、この証左だと思っています。
また、AD・ADASの議論では、自動車1台の自動運転に焦点が当てられていましたが、将来的には、インフラ、交通システム全体の連携が重要になっていきます。V2X(Vehicle-to-Everything)等、各種データを集約する中では、高い精度を持っているHDマップが共通の位置参照点であるとされることから、基盤データとして必要になってくると言われています。(注:V2Xとは車両とあらゆるモノを通信技術で接続して連携させること)
まとめると、マップレスの技術とはいっても、AD・ADASの機能改善に資するものですので、HDマップが不要になるわけではなく、3Dデータがさまざまなコネクテッド並びにオートノマスという文脈の中で用いられていくと考えています。
質疑応答:新たな国や地域のHDマップ整備について
司会者:「新たな国や地域のHDマップ整備について、具体的にどの国について商談しているのでしょうか?」というご質問です。
吉村:自動車メーカーの製品戦略や開発戦略、競争優位性に関わる機微な情報であるため、具体的な国名で回答できないことはご理解いただければと思っています。
ただし、すでに日米欧・韓国・中東の先進国で、HDマップの整備を概ね完了させています。現在商談中の案件も含めて、今後新たに整備する場合には、十分な事業性を確認しながら進めていきます。
すなわち、先行投資的なコスト負担の発生は想定せずに、収益性を保ちながら進めていきたいと考えています。
質疑応答:売上増加のポテンシャルについて
司会者:「売上増加のポテンシャルについて、実際に上積みされる場合には、どのタイミングで具体的になってくるのでしょうか?」というご質問です。
吉村:売上増加のポテンシャルについては、先ほどスライドでご説明したとおり、さまざまな要素があるため、今期はしっかり取り組んでいきたいと思っています。
例えば、3Dデータビジネスの中の国家プロジェクトで、今後、事業性、収益性が見込まれるのであれば、第3四半期の前あたりで受注確定していくことが想定されます。案件を受注した際には、適宜リリースを出して開示していく方針で進めたいと思っています。
その際、予算並びに事業計画への影響についても適宜精査し、着実に受注を積み上げていければと考えています。