Agenda

陣隆浩氏:株主のみなさま、こんにちは。マーキュリー代表取締役CEOの陣です。当社の2025年2月期通期決算説明会をご視聴いただき、誠にありがとうございます。さっそくご説明を始めます。

本日のアジェンダです。事業概要、2025年2月期通期業績、2026年2月期の事業戦略及び業績見通し、今後の成長戦略の順にご説明します。

VISION

事業概要についてご説明します。当社はビジョンに「Big Data×Techonologyで不動産の未来は私たちが動かす」を掲げています。設立から30年以上にわたり収集・蓄積してきた分譲マンションのデータを活用し、不動産マーケティングプラットフォーマーとして、不動産業界を支援していきます。

事業概要

当社の主力事業は、プラットフォーム事業とデジタルマーケティング事業です。売上構成比70パーセントのプラットフォーム事業は、主力商品である不動産の市場調査・分析システムの「サマリーシリーズ」や、仲介業者向け営業支援サービスの「データダウンロードサービス」といった不動産マーケティングシステムを提供しており、大手企業中心の顧客基盤と高い継続率を保持しています。

売上構成比27パーセントのデジタルマーケティング事業は、マンション販売における集客をWebマーケティングで支援しています。

売上構成比3パーセントのその他事業は、ビッグデータやテクノロジーを活用した新規サービスの創出を行っています。

不動産マーケティングプラットフォーム「Realnet」の概要

不動産マーケティングプラットフォーム「Realnet」をご紹介します。「Realnet」は、当社が保有している不動産ビッグデータと最新のテクノロジーを融合した不動産マーケティングプラットフォームです。新築マンション領域、中古マンション領域、それぞれの業態に合わせたサービスを提供しています。

新築マンション領域においては、不動産ビッグデータの閲覧や、多彩な集計グラフや帳票を出力できる市場調査・分析システムを、新築マンション事業者向けに提供しています。

中古マンション領域においては、不動産ビッグデータを活用した営業支援サービスを提供しています。こちらは不動産仲介業者向けのサービスです。

当社の不動産ビッグデータ

不動産ビッグデータについてご説明します。当社のデータの強みは、質と量です。当社は、データの基となる図面集や価格表を、事業主との直接的な関係構築により取得しています。これらのデータ素材は、サービス開始当初より、実際にモデルルームへ足を運び、販売担当者との対面の上、収集しています。

また、データ素材はマンションが新築で販売されている期間でしか収集できないため、これを30年以上続けてきた当社は高い参入障壁を築いています。

当社がデータに関してこだわっている点は3つあります。1つ目は網羅性です。当初は公的な届け出情報からデータを取得しているため、計画の変更などを除けば、ほぼ100パーセント捕捉できています。高い物件捕捉率と情報収集率が強みです。

2つ目は即時性です。情報取得からお客さまに反映されるまでのスピードにこだわっており、情報取得後、翌営業日の運用を継続しています。

3つ目は正確性です。データ開発部という専門の部署を持っており、データ入力・校正などの制作ラインを社内に組織化することで、クロスチェックの実施、正確性を担保した運用オペレーション体制を構築しており、徹底した品質管理を行っています。

決算サマリー

業績についてご説明します。決算サマリーです。プラットフォーム事業の中古マンション領域において、大型のショット収益の計上に伴い、売上高・利益ともに大きく増加しました。

売上高は過去最高の17億6,300万円で、前年比プラス23パーセントとなりました。営業利益は1億7,000万円で、前年比プラス199パーセントと大きく増加しました。

業績の概況

業績の概況です。大型のショット収益の計上に伴い、売上高及び利益が前年比で大きく増加しています。第3四半期終了時点での売上高及び利益が、当初予想を大きく上回ったことから、2025年1月に業績予想を上方修正しました。

売上高は前年比プラス23パーセント、営業利益は前年比プラス199パーセントとなりました。

増益による投資の概況

増益による投資の概況についてご説明します。第3四半期に受注した大型のショット収益の計上により、主に、事業の成長や競争力強化のための事業投資、従業員の生産効率向上のための設備投資、職場環境改善などを積極的に実施しました。

業績動向

業績動向です。売上高は前年比プラス23パーセントで、過去最高を更新しました。経常利益は前年比プラス182パーセントと、大きく増加しています。

ソフトウエアの減価償却費の推移(見込み含む)

ソフトウエアの減価償却費の推移です。こちらは見込みを含んでいます。

SaaSプロダクトにおけるユーザビリティの向上のための追加機能開発を継続しており、資産計上しているソフトウエアの償却費用が、2023年2月期以降に大きく増加しました。2025年2月期まで同水準で推移し、2026年2月期以降に大幅に減少する見通しです。

BSの状況

バランスシートの状況です。流動資産は、預金残高が2億3,700万円増加し、6億8,300万円になりました。流動負債は、未払税金など1億1,800万円を計上したことにより増加しました。

事業ごとの売上高

事業ごとの売上高です。プラットフォーム事業は前年比プラス32パーセント、デジタルマーケティング事業は前年比プラス16パーセントで、両事業ともに増加しました。その他については、前年比マイナス40パーセントと減少しました。

プラットフォーム事業の売上構成

プラットフォーム事業の売上構成です。新築マンション領域はライセンス追加によるARRの増加に伴い、前年比プラス4パーセント伸長しました。

中古マンション領域は、大型のショット収益の計上及び「データダウンロードサービス」が好調なことから、前年比プラス494パーセントと大きく成長しました。

プラットフォーム事業(新築マンション領域)の業績

新築マンション領域の業績です。平均顧客単価はライセンス追加により順調に上昇しており、前年比でプラス2.5パーセントとなっています。

顧客数は横ばいで推移しています。すでに大きくシェアを獲得している現状から考えると、今後もこの傾向は続く見込みです。

プラットフォーム事業(新築マンション領域)のARRと解約率

新築マンション領域のARRと解約率です。ARRは前年比プラス4パーセントと、安定成長を継続しています。解約率は0.23パーセントで、引き続き低い水準を維持しています。

なお、ARRはプラットフォーム事業におけるサブスクの年間売上高を指しています。

プラットフォーム事業(中古マンション領域)の業績

中古マンション領域の業績です。大型のショット収益の計上に加えて、「マンションデータダウンロードサービス」が増収となったことから、売上高は前年比プラス494パーセントとなりました。

なお、大型のショット収益を除いた売上高も、前年比プラス31パーセントと増加しています。

デジタルマーケティング事業の売上高

デジタルマーケティング事業の売上高です。リスティング広告及び重点サービスとして営業を推進しているCGM広告の実績により、デジタルマーケティング事業全体で前年比プラス16パーセントの増収となりました。

デジタルマーケティング事業 売上推移とCGM広告掲載物件数推移

デジタルマーケティング事業の売上推移とCGM広告の掲載物件数の推移です。2023年10月にリリースしたCGM広告は、掲載物件数が順調に増加しています。

また、リスティング広告も好調を維持しており、デジタルマーケティング事業全体の増収増益に貢献しています。

その他の業績

その他の業績です。システム開発受託が前年比マイナス56パーセントとなった影響が大きく、その他全体で前年比マイナス23パーセントの減収となりました。

2025年2月期主要ビジネスアップデート

主要なビジネスアップデートについてご説明します。

1つ目は、不動産データベースの強化を実施しました。中でも、賃貸関連のデータベースを強化し、186万棟、1億6,000万件の募集データの構築が完了しました。本データを活用することで、既存プロダクトのサービス拡充と新規サービスの創出を目指します。

2つ目は、「現在価値API」をリリースしました。マンションの新築時価格、中古価格、騰落率を基にして算出した現時点における推計価格の算出ロジックを開発しました。APIを通して提供できるようになったことから、自社サービスだけでなく他社サービスへの連携も可能となるため、今後の増収が期待できます。

今期の事業戦略

ここからは、2026年2月期事業戦略及び業績見通しについてご説明します。

まずは、今期の事業戦略です。今期はSaaSプロダクトの拡張と「CGM広告」の拡販に注力します。

プラットフォーム事業については、利用アカウント数の多い既存会員に向けて従量課金サービスをビルトインすることで、ARPU(アープ)の伸長を目指します。また、先ほどのビジネスアップデートでもご説明したとおり、賃貸系データベースの強化を実施しました。これにより、既存プロダクトのサービス拡充と新規サービスの創出に向けて積極的に取り組んでいきます。

デジタルマーケティング事業については、今期も引き続き、CGMサイトの広告販売を強化し、利益成長を推進していきます。特に、販売物件数を多く抱える大手デベロッパーへの支援を強化することで、掲載物件数の増加を目指します。

プラットフォーム事業の事業戦略 ビジネスモデルと収益構造

プラットフォーム事業のビジネスモデルと収益構造についてご説明します。当社のサービスドメインは、新築マンションデベロッパーを対象とする新築マンション領域と、仲介業者を主な対象とする中古マンション領域の2つを軸としています。

新築マンション領域に関しては今期、ライセンス追加によるARRの獲得や、リカーリング商材の利用促進に注力することで、ARPUの向上を目指します。

中古マンション領域に関しても、新築マンション領域同様、リカーリング商材の利用促進を行うことで、収益向上を目指します。また、前期に強化した賃貸系データベースを活用し、新規コンテンツの追加などによるサービス拡張を推進します。

プラットフォーム事業の成長イメージ

プラットフォーム事業の成長イメージです。新築マンション領域ではすでに高いシェアを占めているため、顧客数は今後、微増と予想しています。事業をまたいだクロスセルとリカーリングサービスの拡張により、ARPUの上昇を目指します。

中古マンション領域では、新規顧客の開拓及び既存顧客へのリカーリング推進やサービス拡張により、増収を目指します。

デジタルマーケティング事業の事業戦略

デジタルマーケティング事業の事業戦略です。今期も引き続き重点サービスと位置づけている「CGM広告」において、掲載物件数の確保に注力します。

本サービスは、マンションの購買意欲の高いユーザーが集まるCGMサイトを活用することから、反響の質の高さと、送客力が強みとなっています。2025年2月の反響数データを集計したところ、全体の41パーセントのユーザーが来場予約を完了しています。このことからわかるとおり、来場予約数が多いことが特徴です。

本サービスは高収益が見込める商材であるため、掲載物件数を拡大することで、デジタルマーケティング事業はより高収益なビジネスモデルへと転換することが期待されます。

デジタルマーケティング事業の成長イメージ

デジタルマーケティング事業の成長イメージです。成長余力のある「CGM広告」を中心に増収、増益を目指します。

2026年2月期 業績予想

2026年2月期の業績予想についてご説明します。売上高は前年比マイナス9.3パーセントの16億円、営業利益は前年比マイナス35.4パーセントの1億1,000万円の予想です。

売上高及び営業利益が前年比で減収、減益を見込むのは、前期における大型案件の収益の計上により、一時的に業績が押し上げられた反動が影響しています。

売上高の推移

売上高の推移です。前期に受注した大型のショット収益を除くと、前年比プラス6パーセントの見込みです。今期は好調なデジタルマーケティング事業を中心に、業績を伸ばしていく予定です。

当社事業における成長戦略

ここからは、今後の成長戦略についてご説明します。

当社事業における成長戦略です。顧客基盤を活用し、プラットフォーム事業、デジタルマーケティング事業の効率を高めながら、新たな分野へ業容を拡大することを目指します。

実現に向けて4つの戦略的フェーズに分けて計画的に取り組んでいきます。当社は30年以上にわたり不動産会社の支援を続けていることから、盤石な顧客基盤を築いています。第1フェーズ及び第2フェーズでは、その顧客基盤を活用し、既存顧客へのアップセルとクロスセルを推進します。

第3フェーズでは、新規顧客を開拓します。前期に事業投資を実施し、賃貸系データベースを強化しました。この賃貸系データベースを含め、当社が保有している不動産ビッグデータとテクノロジーを掛け合わせた新規プロダクトを創出することで、既存の新築マンション領域、中古マンション領域に次ぐ新規領域を開拓し、業容の拡大を目指します。

第4フェーズでは、GAグループとの連携を強化することで新たなシナジーを創出し、さらなる成長フェーズへと大きく加速させていきます。

プラットフォーム事業の成長戦略

プラットフォーム事業の成長戦略についてご説明します。これまでは主に分譲マンション関連を中心にデータ構築を進めていましたが、前期より新たに賃貸系データベースの整備を本格的に開始しています。

分譲系データベースに加え、賃貸系データベースを自社で保有することで、住宅データベースの網羅性が高まり、データベース全体の価値向上が期待されます。

今回実施した賃貸系データベースの強化により、スライド中央に記載のとおり、5つのサービスシナジーが生まれると考えています。既存のSaaSプロダクト及びデータセグメントによるDMサービスの拡張を見込んでおり、持続的成長に向けた事業領域の拡大を進めていきます。

当社事業の営業戦略

当社事業の営業戦略についてご説明します。営業体制は事業成長の鍵を握る重要な要素だと考えています。今期も引き続き、アカウント営業を中心とした取り組みを強化していきます。

アカウント営業の強みは、顧客との中長期的な関係構築と、適切なタイミングでの価値提供です。顧客の抱える課題を効率的に掘り起こすことで、課題解決に向けた営業力を強化していきます。

当社事業の売上成長イメージ

当社事業の売上成長イメージです。新築マンション領域は安定収益基盤のプラットフォーム事業に加え、今後の成長ドライバーとして期待できるデジタルマーケティング事業の「CGM広告」の拡販を推進することで、売上増加を目指します。

会社概要

以降のスライドは参考資料です。会社概要です。

サービス一覧

サービス一覧です。

免責事項

免責事項です。ご了承いただきますようお願いします。

私からのご説明は以上となります。ご視聴いただきありがとうございました。