事業概要

高岡伸夫氏:株式会社タカショー代表取締役社長の高岡です。本日は、2025年1月期期末決算についてご説明します。

事業概要です。売上高構成比は、プロ・マーケットが70パーセントを超えました。ホーム・マーケットが20パーセント、海外・マーケットが10パーセントとなり、年々、マーケットの大きいプロ市場が伸びていくのではないかと思っています。

2025年1月期期末 決算サマリー

2025年1月期期末決算の概要です。コロナ禍における海外での在庫調整、また、在庫を減らすための値引き販売等を実施したため、思った以上に売上は伸びたものの、利益は上がりませんでした。

ホーム・マーケットは、同じく新型コロナウイルスの反動で売上が非常に厳しい状況となりました。経常利益はなんとか黒字になりましたが、営業利益と当期純利益は大きくマイナスとなりました。

当期純利益については、子会社のタカショーデジテック等、黒字会社の税負担が3億7,300万円に増加し、最終的に厳しい数字となりました。

セグメント売上高&増減要因分析

セグメント別売上高です。プロ・マーケット事業は、住宅戸数が減っている厳しい状況の中でも、前期比102.6パーセントと伸長しました。特に、非住宅分野の公共・商業施設がインバウンドも含めて130パーセント、タカショーデジテックのライティング事業の成長が124パーセントと、非常に大きい市場の中で伸びています。

一方ホーム・マーケット事業は、天候不順などさまざまな要素が揃い、前期比89.7パーセントとなりました。しかし、次期はこの反動で伸びると見ています。

海外・マーケット事業については、コロナ禍で1年に2回の上方修正を行ったことがあるように非常に力を入れています。

セグメントのトピック(プロ&ホーム)

セグメント別のトピックスです。非住宅分野が前期比130パーセント、タカショーデジテックも124パーセントと伸びています。

残念ながら、ホームは前期比90パーセントとダウンしました。今後の新商品と新規顧客を含めてしっかり伸ばしていきたいと考えています。ただし、その中でもECが伸びました。まだこれからではありますが、順調に進んでいます。

セグメントのトピック(海外)

海外は、売上はまだ少ないものの、底を打って前年比143パーセントと大きく回復しました。課題となっていた在庫量は、ピーク時の約半分まで減少しました。その後もさらに減少を続け、補充をしなければいけないほどにまでなってきました。

後ほどご説明しますが、中国からの輸入品全体における、アメリカでの関税措置の問題があり、我々の抱える在庫には税金がかからないことから、非常に引き合い条件が出てきています。

2026年1月期 業績予想

業績予想です。売上高の実績は198億9,000万円、予想は217億3,600万円、前期実績比では109.3パーセントです。経常利益の予想は4億500万円、営業利益の予想は3億800万円と増加します。当期純利益の予想は1億2,200万円、配当金は5円を予定しています。

売上高予想 増減要因分析

売上高予想増減要因の分析です。プロ・マーケットは株式会社GLD-LAB.のDX技術を介在させてリアルとネットを連携させながら進めています。

ホーム・マーケット事業では、新商品を含めて大量に販売されます。商談も順調に進んでいるため、伸びるのではないかと考えています。海外については、顧客が非常に増えてきている点も含め、上昇を見込んでいます。

今後の成長戦略

事業展開です。従来のビジネスモデルは、ものを作って販売するという製造会社でしたが、コロナ禍でDXが台頭してきました。それ以前から、我々はカタログなども自社でデジタル化していたため、そこから一挙に事業部を展開し、子会社の株式会社GLD-LAB.を設立しました。

このように、事前にイメージを作り、完成したイメージをもとにリアルな商品を作るハイブリッド型ビジネスとしてスタートしました。昨今は急激にソフト工場の効果が現れてきています。

販売政策

プロユースについてです。プロユースには5つの販売政策があります。

コントラクト分野

1つ目は非住宅コントラクト分野です。コントラクト分野は、みなさまがご存じのとおり非常に注力している分野です。中でも、アウトドア領域においては、景観も含め、デッキ、パーゴラなどのファニチャーを、インバウンドで拡大するホテル、飲食、施設等の非住宅市場へ展開を進めています。

商業施設

海外における我々の実際の市場です。

宿泊施設

こちらは、ホテルの天井材にアートボードを採用しただけで非常に景観が改善した事例です。

店舗

店舗の事例です。現在利益が出ている店舗は一斉に改装しています。

ヴィラ

アメリカで今注目されている現場です。

地方創生の力になる

こちらはタカショーデジテックの1つの事例です。地方創生の予算をいただき、確実に利益の上がるプレゼンテーションにより、イルミネーションや光を使ってさまざまな街で我々が始めたドローンショーです。このようなものをうまくミキシングさせながら、中期長期計画のもと進めています。

プロユース より良い庭でのくらしを演出するプロユース商品

販売政策の2つ目は、我々の基本分野である住宅ガーデン&エクステリアです。各分野において、プロユース商品の販売を計画的、順調に進めています。

5th ROOM

こちらは商標登録を行って進めている「5th ROOM」です。家に4つの部屋があったとしたら、壁を抜いて室内と屋外が一体化する部屋を作ろうというものです。特に、ダイニング・キッチンを拡張するものを「5th ROOM」(五番目の部屋)として展開中です。

こちらを、今後のリフォームや新築住宅に導入していきたいと思っています。事前にソフトで空間を作り、了承されればリアルに作っていきます。

室内を“拡張”して5th ROOMを家に取り込む。

当社のソフトウェアを使いながら、なにもないビフォーの状態から、CGや3D技術でアフターを確認できる仕組みです。

本物を超える人工竹・板・木

販売政策の3つ目はマテリアルです。時代は、外回りといえどもすでに湿式建材は非常に厳しい状況です。乾式建材として「エバーバンブー」「エバーアートボード」「エバーアートウッド」の3つを自社で製造し、マテリアル材料の建材販売を積極的に推進しています。

その1つが「エバーバンブー」です。

こちらは自社でAIを活用して制作した動画です。差別化できる商品の特徴や、季節や時間の変化への耐久性などを短い時間で紹介するものです。もちろん、実際の空間とAIをうまく組み合わせています。

高品質/デザイン性の高い建材マテリアル

こちらのスライドは、当社の建材マテリアルで作られている室内です。

屋外で使える化粧建材ボードです

従来の単なる建材ボードではなく、さまざまな分野で化粧建材ボードとして使用される情緒型の化粧建材ボードです。

プロユース 国内工場の強化 工場増設・設備導入

工場増設と設備導入についてです。以前の増資でさまざまな設備を導入し、ようやくリターンが出てきています。一部設備では間に合わなくなってきているため増設を予定しています。

リフォーム・リノベーション

販売政策の4つ目はリフォーム・リノベーションです。これから最も市場が拓ける分野です。スライドのように、ビフォーからアフターへ新しく心地よい空間が出来上がります。

リフォーム・リノベーション

こちらのスライドのように、ビフォーに対して我々が想定できる施工後のイメージをアフターで見せ、リアルの商品を実際に展開させていただくことになります。

ソフト工場 GLD–LAB. Soft-Factory 鳥取開設

販売政策の5つ目はDXソリューションです。子会社のGLD–LAB.は、2021年4月から株式会社としてスタートしました。

ソフト工場 フィリピン、ベトナムと連携しDXツールを展開

GLD–LAB.は鳥取市に本社があり、ベトナムとフィリピンにサテライトオフィスを設置しています。同時に、海南市のタカショー本社とも連携しながら事業を進めています。

~超高精細CGパース制作~EXVIZ 高精細パース制作

中でも図面制作では、図面の描き方や材料についてわからない方々も多いことから、高精細パース制作ツール「EXVIZ」で当社が図面制作を行っています。

~プラニング検索サイト~パッケージプランサイトの使い方

パッケージプランです。さまざまなプランを事前にデジタルで検索でき、適したパッケージをそのまま導入してリアルにつなぐ仕組みです。

タカショーはリアル空間×デジタルで、庭造りの未来を切り開く。

例えばスライドのような方法があります。

PROEX CONCEPT

今後はリアルとデジタルで、カタログ提案そのものを最新のAI技術で行うタカショーコンセプトが動き出します。

PROEX CONCEPT

従来は2Dでしか見られなかったカタログが、本年から急激に4Dに代わっています。

PROEX CONCEPT

4Dの動画をご覧いただきたいと思います。

こちらの4Dについては、従来2Dで止まっていたものですが、突如として動き出しました。当然AI技術で生成して新しい空間を作っていますので、版権は関係なく、新しいものとしてご覧いただけるものです。これを自社で制作できるようになりました。

大切にしているのは四季です。季節の美しさ、時間、夕方からの光など、なによりも日本の特徴である四季の美しさをしっかりと提案しています。

屋外照明・サイン 成長戦略

一番の成長戦略はタカショーデジテックです。当社の100パーセント子会社としてタカショーデジテックを設立し、急成長しています。

部品についても深圳エリアに新工場を作り、ここで製造した部品を本社に入れ、工場内で組み立てや検品、発送などを行っています。

また、ユニットで価格訴求となるものについては、この新工場から直接海外に展開することも考えています。世界展開も視野に入れ、3年後には売上を2倍にまで持っていくことを計画しています。

屋外照明・サイン 成長戦略

コントラクト向け製品の拡大についてです。麻布台ヒルズ、スカイツリー東京ソラマチでは、すでに何年も当社製品を採用いただいています。また、歌舞伎町タワーの「namco TOKYO」では、すべて当社のサインが使われています。

ホームユース 成長戦略

ホームユースは、足を引っ張るかたちになっていましたが、ファッション業界のように販売を四季から五季に移すことで、シーズナブルを活かして進めていく考えです。アウトドアだけでなく、インドアにも展開していきます。

また、すでにWebの時代となっていますので、EコマースとWebを活用した販売促進でリアルの店舗につないでいく、この2つの施策を積極的に進めています。

ホームユース 成長戦略

商品政策です。1つは、自社商品で五季に合わせたラインナップを拡充していきます。もう1つは、世界的に有名な、最高品質のブランドやメーカーと提携し、日本の専売を得ながらホームユース事業部での販売拡大を進めています。今年で3年目となり、ようやく本格的な年に入ります。

海外 成長戦略

海外では、コロナ禍で新規顧客の開拓を進めました。1つはその中での新商品の展開です。もう1つは、アメリカが圧倒的に大変だったのですが、その中でも大きな22兆円規模のホームデポがようやく販路拡大に入り始めます。

また、エース・ハードウェアの5,000店舗を含め、各大陸に向けて販路を拡大しています。すでに我々の販売会社があることに加え、倉庫をうまく活かしながら進めています。

アメリカ市場が最も大きいことはみなさまもおわかりだと思います。2024年10月には、営業強化のため、ヘッドハンティングでナスダック上場企業の新規ビジネス開発部長に加わっていただきました。アメリカの取り組みをうまく組み合わせながら、大変な勢いでお客さまを獲得しています。

海外 成長戦略

海外におけるプロ市場の展開です。東西アメリカとオーストラリアがありますが、特に需要が高いエリアがアメリカ市場のフロリダ州ロサンゼルスです。日本とは桁違いの規模の住宅が建っていることから、そのようなエリアのアウトサイドでは、アートウッドやアートボード等を中心に採用いただいています。

2026年1月期計画・中長期計画

2026年1月期の計画と中長期計画です。冒頭でお話しした2026年1月期の計画は、売上高217億3,600万円、営業利益3億800万円、経常利益4億500万円、当期純利益1億2,200万円です。

全社一丸となり、改革を進めながら、新しいマーケットと新しい目的に向かって会社もイノベーションを続けています。最初はどうしても投資が優先しますが、やがてそのリターンに入るため、休むことなくデジタル化と新規開拓に努めていきます。

みなさま方においては、当社をしっかり見ていただきながら、ご支援を賜ればと思います。本日はありがとうございました。