自己紹介

五十棲丈二氏(以下、五十棲):株式会社FUJIの会社説明を始めます。まず、簡単に自己紹介です。代表取締役社長の五十棲です。新卒で制御系のエンジニアとして入社しました。

その後、スライドに記載のとおり、シリコンバレーでスタートアップ投資やオープンイノベーション、他社との協業などを経験する中で、スピード感を持って経営することが必要だと痛感し、2023年から現職を担当しています。

目次

五十棲:本日はFUJIの紹介、事業の紹介、中間期の決算状況、中期経営計画、経営指標と株主還元の順番でお話しします。

企業理念

五十棲:まずは企業理念です。コーポレートメッセージに「innovative spirit」と掲げています。我々はイノベーションを起こし、新たなものを生み出します。人々の心豊かな暮らしのためになるようなものを生み出していくことを、パーパスに掲げて取り組んでいます。

会社概要

五十棲:会社概要は記載のとおりです。「6134」という証券コードを、ぜひ覚えてください。みなさまに関心を持っていただければと思います。

数字でわかる FUJI

五十棲:FUJIを数字で表してみました。創業66年目になる会社であり、規模や業績等はスライドに示したとおりです。

スライド左列の真ん中をご覧ください。海外売上比率は90パーセント近くあります。グローバルに事業を行っている会社だとご理解ください。

国内外拠点

五十棲:グローバル体制として、全世界に子会社を含め、代理店・サポート拠点を構えています。スライドに示したのは主要な拠点です。中でも注目いただきたいのはインドです。インドは現在、非常に活況な市場ですが、我々は25年間ビジネスをしており、2019年にはグループ会社であるフジ インディア コーポレイション プライベートリミテッドも設立しています。このように、全世界で、ホットな市場に対応できるような体制で事業を運営しています。

沿革

五十棲:弊社は工作機械から事業をスタートしました。自動車が伸びるという世の中の流れに沿って、品質の安定した自動生産、量産を行う機械からのスタートです。その後、電子機器が増えていく時代の流れに合わせて、現在の電子部品実装ロボットにつながる事業を開始しました。

その後、パソコンなどの電子部品、電子基板が増え、スマートフォン(以下、スマホ)や携帯電話などが伸びてきた中で、「モジュール型高速多機能装着機 NXT」をリリースしました。こちらは今もなお、12万台以上を出荷する機械として、世界でベストセラーとなっています。

近年では、物流課題解決に向けた、スマートロッカーでの物流自動化支援、高齢化社会に向けた介護ロボットなども開発し、世の中の変化に応じて必要となるオートメーション、製品、事業を生み出している会社だとご理解ください。

事業概要

五十棲:現在、祖業のマシンツール事業(工作機械事業)の売上は10パーセント未満になっています。売上の大半はロボットソリューション事業、つまり電子部品実装ロボットやダイボンダといったロボット製品が90パーセントを占めています。

innovative spirt

五十棲:「innovative spirit」を掲げている中で、技術的な優位性において、我々は買った物を集めて構成するような機械では他社と差が出せません。そこで、リニアモーターや画像処理カメラなどの自社開発、特にカメラにおいてはCMOSの開発からすべてを自社で行っています。

このように世界のトップを走る製品作りに取り組むとともに、特許を出願し、独自性の維持に努めています。その結果、スライドに記載のとおり多くの賞を受賞しています。

半導体チェーンにおけるFUJIのかかわり

五十棲:半導体チェーンにおいて、我々がどの工程に製品やサービスを提供しているかについて、お話しします。

まず半導体製造工程では、後工程のウエハのダイボンディングを行う機械です。チップ化された後の表面実装工程では、はんだの印刷機と電子部品を並べる実装ロボットです。自動運転やVR、遠隔医療など、今後の人々の豊かな暮らしに役立つような市場へ、我々の製品を提供しています。

電子部品実装ロボット(マウンター)とは?

五十棲:電子部品実装ロボット(以下、マウンター)についてご説明します。FUJIのマウンターでは、スライド右下にあるように、胡麻粒より小さい「0.25ミリ×0.125ミリ」の極小の電子部品を、1秒間に16個の速さ、15ミクロン以内の高精度で基板に実装することができます。

左下にスマホを分解した写真があります。我々はスマホに使用されるような小型部品の実装を非常に得意としており、世界のスマホの約2台に1台は、我々のマウンターによって製造されています。

実際のマウンターの動き

五十棲:マウンターの動きを動画でご説明します。手前に電子部品を供給するフィーダーと呼ばれる装置があります。フィーダーから取った細かい電子部品を、超高速に基板上に実装していきます。人では行えないような工程です。

FUJIの強み

五十棲:FUJIの強みについてです。先ほど述べたような通信(スマホ)だけでなくコンピューター、サーバー、車載、産業機械などさまざまな分野で製品を提供し、地域的にもヨーロッパ、アジア、米国など、世界各地へ出荷しています。

さらに、マウンター全体の市場は、電子機器の高機能化や自動車のエレクトロニクス化に伴い現在の約3,000億円から、2030年には5,000億円にまで伸びる見通しです。それに向け、我々はシェアの維持・拡大を行っていく計画です。

半導体製造装置(ダイボンダ)とは?

五十棲:半導体製造装置(以下、ダイボンダ)についてご説明します。グループ会社のファスフォードテクノロジ社の事業です。

ダイボンダの領域は、メモリー、ICなどのロジック、パワー半導体やイメージセンサーなどのその他の3つの分野に分かれます。

ファスフォードテクノロジ社のダイボンダは、非常に薄いダイを高精度に積層する技術とストレスをかけずにダイをピックアップする技術を持っています。メモリー領域においては、世界シェア80パーセントです。

2025年3月期 第2四半期(中間期)決算状況

五十棲:中間期の決算状況についてご説明します。2025年3月期上期の実績は、前年同期比で、ほぼ横ばいとなっています。2025年3月期の通期予想は、8月公表値から変更はありません。

中期経営計画 2026

五十棲:中期経営計画についてご説明します。左側は2024年3月期の実績です。2027年3月期までの3年間で、右側に示す数値まで成長させていきたいと思います。

現在、セミコン事業はロボットソリューション事業に含めていますが、1つの柱にする考えで、計画を進めていきたいと思います。

中期経営計画 2026 基本方針

五十棲:中期経営計画における、3つの基本方針です。1つ目は、既存事業の拡大と収益力強化です。2つ目は、それに続くような次世代ビジネスの創出と事業化です。3つ目は、ESGに基づく事業基盤の向上です。

既存事業の拡大と収益力強化

五十棲:既存事業の拡大と収益力強化です。電子機器の高機能化やEV(電気自動車)・HV(ハイブリッド自動車)問わず自動車のエレクトロニクス化が進む中で、電子基板の需要は増加傾向にあります。

その中でマウンターとダイボンダのニーズも、非常に高まることが予想されますので、事業をグラフのように拡大させる計画です。

既存事業の拡大と収益力強化 〜電子部品実装ロボット(マウンター)〜

五十棲:マウンターの具体的な方向性についてご説明します。

まず、新世代機種「NXTR」「AIMEXR」をリリースしています。こちらは従来比1.5倍の高速化を実現し、スマホや車載のような、超量産市場で効果を発揮します。

さらに、高精度化も実現し「±10ミクロン」のレベルまで、高精度な実装を可能にします。これにより、SiP(System in Package)のような、セミコン領域での用途にも対応できます。

また、「AIMEXR」においては対応基板サイズを拡大しました。1メートル以上の基板にも実装できるため、AIサーバーなどの大型基板にも対応可能です。

我々は、製品の能力を向上させるとともに、中央に示したように、自動化において業界の先頭を走っていると自負しています。深刻な人手不足に対して、機械の能力だけでなくフロア全体を自動化するソリューションも、数多く提供しています。

そして、製品をしっかりと生産できる事業体制として、岡崎工場に新棟を建設しました。生産能力は1.5倍になり、ロボット倉庫や自律走行ロボットを活用し、効率的な生産ができるようになってきています。

既存事業の拡大と収益力強化 ~電子部品実装ロボット(マウンター)~

五十棲:我々がアドバンテージを持つ自動化について、動画でご説明します。従来の機械では、電子基板生産に必要な部品の補給を人が行っていましたが、その作業を自動化します。ロボットが倉庫から部品を出し、ラインへ運び、各機械に補給します。このようなラインはすでに提供を開始しており、お客さまの工場で稼働しています。

既存事業の拡大と収益力強化 ~半導体製造装置(ダイボンダ)~

五十棲:ダイボンダについてです。増加していくメモリー市場でシェア80パーセントを維持していきます。それに加えて、ロジック向けも拡大していきます。すでに今年度からロジック向けの比率が非常に上がっています。

さまざまな市場に対応していくとともに、開発環境の構築のため、R&D棟を建設しました。そこで新たな製品や技術の開発に取り組んでいます。

次世代ビジネスの創出と事業化

五十棲:次世代ビジネスの創出についてです。すでに事業として取り組んでいるのが、移乗サポートロボットとパブリックストッカーシステムの2つです。

左側の移乗サポートロボット「Hug」は、高齢者や障害のある方々の座った体勢から車椅子やトイレなどへの移乗をサポートするロボットです。出荷台数は約4,300台、シェアは約65パーセントです。

右側のパブリックストッカーシステム「Quist」は、店舗や駅、空港、また、企業の受け入れや部品管理において、ロッカーとさまざまなシステムがつながり、IoTロッカーとしてスマートかつ高機能に稼働します。約70パーセントのシェアがあります。

次世代ビジネスの創出と事業化

五十棲:ロボットにおいても、新規領域に取り組んでいます。

左側のエレクトロニクス3Dプリンター「FPM-Trinity」は、樹脂で土台を作った上に、銀ナノペーストで電子回路を作る機能があり、横に並べたマウンターとも連動して電子部品を実装し、熱プロセスも加えることで、部品実装された電子基板を一晩で製造することができます。

スピーディな開発・試作・量産につながるため、さまざまなメーカーから、新たな電子基板の製造方法として期待されています。

右側は、廃棄物選別ロボット「R-PLUS」です。道路工事など、さまざまな工事現場で出た廃材は主にリサイクルされます。しかし、木やプラスチック、ビニールなどの不純物が混ざるため、現状では人が過酷な環境下で苦労して除去しています。

そこで我々は、AI画像認識で材料を特定して不純物を見つけ、自動的に除去するロボットを開発しました。高い成功率での不純物除去を実現し、すでにお客さまのもとへ納入しています。リサイクルなどの静脈産業において、ロボットによる自動化を実現する製品です。

ESGに基づく事業基盤の向上

五十棲:ESGに基づく事業基盤の向上についてです。

まず、環境への取り組みです。環境省のモデル事業にサプライヤーとともに参加し、バリューチェーン全体でのCO2排出量削減に取り組んでいます。

さらに我々の機械自体も、省エネを実現しており、それらを生産する工場も、再生可能エネルギーを利活用しています。

ESGに基づく事業基盤の向上

五十棲:人的資本経営の推進についてです。企業にとって人材は、非常に重要な資産であるということは言うまでもありません。当社でも、すでにさまざまな取り組みを実施しています。

それぞれのテーマに対して目標値を設定して取り組んでいます。我々は、グローバルなお客さまに対応しているため、グループ全体では約20パーセントが外国籍の従業員です。さらに国内では若手のエンジニアなどを中心に、マルチスキルな人材を育成するべく、海外へ出ていく機会を積極的に提供しており、世界で通用する人材の育成に力を注いでいます。

ESGに基づく事業基盤の向上

五十棲:我々は、社会貢献活動にも取り組んでいます。

社員だけでなくグローバルにエレクトロニクス産業で活躍する人材の育成も支援しています。海外の大学や高等専門学校など、専門性の高い学校に我々の機械を無償提供し、授業や講座を開設しています。ヨーロッパや北米(メキシコ)、南米(ブラジル)などで、すでに我々の機械を使った教育が始まっています。この課程を経た若いエンジニアは即戦力になり、我々の製品の善し悪しをよく理解した人材として、お客さまのもとで活躍しています。

右側の「teracoya THANK」は、本社のある愛知県知立市で運営している、イングリッシュアフタースクールです。ここでは「かがく」を「えいご」で学びます。科学実験やプログラミングの授業をネイティブやバイリンガルのスタッフが英語で授業を行うことで、子どもたちが科学に興味を持つような環境を整えています。

将来弊社に入社いただくかたちで還元されればありがたいですが、そうでなくても世界で活躍する人材になって欲しいという思いで、施設の運営を行っています。

ESGに基づく事業基盤の向上

五十棲:ガバナンスの体制です。当社の取締役は常勤4名に加え、女性を含む社外取締役が3名です。監査役においても、常勤1名に加え、女性を含む社外監査役2名という体制です。しっかりとガバナンスを強化し、不正のない経営を進めています。

ROE ・ PBR の継続的な向上

五十棲:経営指標と株主還元についてです。「資本コストや株価を意識した経営」を行う上では、ROEが重要です。近年は材料費の高騰や部材不足などの要因が重なり、ROEが低下していますが、従来の10パーセント台まで戻すことを意識しています。また、PBRも1.1倍以上を実現できるよう、意識して取り組んでいます。

株主還元

五十棲:株主還元についてです。我々は株主さまへの還元を大切にしており、2025年3月期の配当性向は59.6パーセント、配当金は80円の予定です。

2027年3月期までの3年間は配当金の下限が80円、配当性向が50パーセント以上を基本としています。この両方を満たすことができるよう指標を持って取り組んでいます。

自己株式取得に関するお知らせ

五十棲:自己株式の取得についてです。先期も約100億円の自己株式を取得し、すでに完了しています。

そして、中期経営計画でも発表した今期の自己株式の取得について、2024年8月から100億円規模でスタートしています。10月31日現在で、31パーセントまで取得が完了しており、順調に進捗している状態です。

以上、株式会社FUJIの事業と経営状態について、ご説明しました。

質疑応答:精密機械製造における独自性と強みについて

坂本慎太郎氏(以下、坂本):お話しいただいた内容について、ご質問します。

まず、主力製品のマウンターについてです。映像も見せていただきましたが、この機械は非常に精密で正確な動きが必要かと思います。このような機械の製造における、御社の独自性や強みを教えてください。

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