第2四半期連結決算ハイライト
原山直樹氏:SMN株式会社代表取締役社長の原山です。本日は、2025年3月期の第2四半期決算についてご説明します。まずは、今期決算の概要から始めます。
こちらのスライドは決算のハイライトです。今期は売上高が55億9,000万円、営業利益がマイナス1億2,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益がマイナス5,000万円となりました。今期から本格展開を開始したデジタルハウスエージェンシーが想定を上回る立ち上がりを見せ、増収増益に寄与したことがポイントとして挙げられます。
DSPの業績においても、これまで取り組んできた営業力強化や商品力強化の各施策が功を奏し、回復基調に転じています。
各事業領域のうち、デジタルソリューションに属するルビー・グループ株式会社の全株式を譲渡し、特別利益を1億5,000万円計上しました。
中長期戦略で掲げる構造改革の1つである「事業ポートフォリオの再定義」が順調に進捗しています。また、特別利益の計上に伴い、親会社株主に帰属する当期純利益について通期連結業績予想を上方修正しました。こちらは後ほどご説明します。
これらの要因により、今期は売上高、各段階利益とも前年比で大幅な増収増益を達成しました。
連結決算概要
業績予想に対する進捗状況としては、スライドのとおりです。第2四半期末時点で売上高の進捗率が50パーセントを上回っており、順調に推移していると考えています。
事業別売上高
事業別売上高の概況についてご説明します。今期では、アドテクノロジーの大幅な増収により、連結売上高が前年比で大きく伸長しています。
アドテクノロジーの大幅な増収は、今期から本格展開を開始したデジタルハウスエージェンシーが想定を上回る立ち上がりを見せ、大きく増収へ貢献していることに加え、DSPにおいても各種競争力の強化施策が功を奏し、業績が回復基調に転じていることが主な要因となっています。
連結営業利益の増減分析
営業利益の増減要因についてご説明します。2024年3月期末に実施した、のれん減損に伴う償却費の減少により1億1,900万円の増益、先述のアドテクノロジーの増収により1億1,800万円の増益となりました。
一方で、ルビー・グループにおいて一部取り扱いブランドの解約や減収などの影響により、5,600万円の減益となりました。なお、ルビー・グループについては、9月末に実行しました全株式譲渡により連結子会社から除外されましたので、今後の当社業績への影響は限定的となる見通しです。
これらの結果、今期の営業利益は前年比で2億4,800万円の増益となるマイナス1億2,800万円となりました。
売上高・営業利益・親会社株主に帰属する当期純利益の推移
今期の業績をグラフで示したものがこちらになります。デジタルハウスエージェンシーの立ち上がり、およびDSPの回復によるアドテクノロジーの増収に伴い、営業利益ならびに親会社株主に帰属する当期純利益が伸長しており、当社の収益性が改善されてきていることがおわかりいただけるかと思います。
中長期戦略の全体像(再掲)
今後の成長に向けた中長期戦略の進捗状況の概要についてご説明します。当社は、2024年4月末に中長期戦略方針を発表しました。こちらのスライドは、その時に発表した中長期戦略の全体像です。
中長期戦略の全体像(再掲)
本日は、構造改革と成長戦略に関する方針である「3つの構造改革の推進による成長性と収益性の向上」および「ソニーグループ連携の更なる深化と新規事業創造」の2つの進捗状況についてご説明します。
①「3つの構造改革の推進による成長性と収益性の向上」の進捗
まず、「3つの構造改革の推進による成長性と収益性の向上」についてご説明します。
当社は、スライド左側に示している3つの構造改革を進めています。
「中核事業改革による収益力の回復・向上」としては、継続的に続けてきた営業力強化や商品力強化のための各施策が功を奏し、アドテクノロジー事業に属するDSPの業績が回復基調へ転じています。
「事業ポートフォリオの再定義」については、EC支援事業を展開するルビー・グループ株式会社の株式譲渡を9月30日に完了しました。
「収益構造改革」に関しては、オフィスの集約による賃料の削減や、システムインフラコストの最適化を推進しました。
成長基盤および収益基盤固めに向けた3つの構造改革が、順調に進捗していると考えています。
アドテクノロジー事業(DSP)の競争力強化
3つの構造改革のうち、「中核事業改革による収益力の回復・向上」の進捗についてご説明します。
営業力の強化施策として、営業組織の改編や営業人財の採用・育成強化をはじめとした、営業組織の強靱化に取り組んでいます。また、営業支援ツールを活用した与件管理、行動管理の徹底により、各個人の行動量の増加に努めています。これにより、商談件数が前期に比べ、67パーセント増加しています。
商品力の強化施策としては、主に3つの施策に取り組んできました。1つ目に共通IDソリューション「IM-UID」の導入により、ユーザーボリュームが多い「iPhone」や「iPad」のデフォルトブラウザである「Safari」への広告配信が可能になり、従来比でリーチ数がおよそ130パーセントと、大きく増加しています。
2つ目に、「TVBridge Ads」では、各種機能のアップデートを実施したことで、配信ボリュームが拡大しました。3つ目に、入札最適化エンジン「VALIS-Trader」の新アルゴリズムにより、広告配信効果の改善に寄与しています。
これらの営業力および商品力の強化施策が功を奏し、広告案件数が前年同四半期比で増加基調に転じました。
ルビー・グループ株式会社の株式譲渡
先に述べたとおり、当社は9月30日に、ラグジュアリーブランド向けEコマースの構築、運営、コンサルティングのサービスを提供している連結子会社ルビー・グループ株式会社の株式について、株式会社イルグルムへの100パーセント譲渡を完了しました。
株式譲渡の詳細については、スライドおよび8月5日に適時開示した「連結子会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ」に掲載のとおりです。当社は同社株式譲渡の完了に伴い、特別利益を1億5,000万円計上しました。
2025年3月期 通期連結業績予想の修正 (2024年10月31日発表)
ルビー・グループ株式会社の株式譲渡による特別利益の計上に伴い、親会社株主に帰属する当期純利益の通期連結業績予想を、4月30日に公表した当期純利益4,000万円から、1億1,000万円の増加となる1億5,000万円へ上方修正します。
②「ソニーグループ連携の更なる深化と新規事業創造」の進捗
「ソニーグループ連携の更なる深化と新規事業創造」についてご説明します。当社は今後の企業価値向上に向けた成長戦略として、スライド左側に表示している3つを標榜しています。
まず、「デジタルハウスエージェンシー」ですが、親会社であるソニーネットワークコミュニケーションズのデジタル広告・マーケティングのインハウス化支援を今期より本格展開しました。
親会社との連携が順調に進み、想定を上回るスピードで成長を続けており、今期の業績にも大きく貢献しています。
次に、「1st Party Ad Platform」については、読売新聞東京本社と進める「YxS Ad Platform」の拡販を推進しました。また、新規事業創造に向け、ソニーグループのR&Dチームとの検討を進めています。
これらの次なる成長領域の確立に向けた各戦略が順調に進捗していると考えています。
デジタルハウスエージェンシーの本格展開
2025年3月期の業績へ大きく貢献しているデジタルハウスエージェンシーの取り組みについてご説明します。
まず、デジタルマーケティングを実施する広告主が直面している課題についてです。現在、広告主は、デジタルマーケティングプロセスの細分化とオペレーションツールの多様化により、アウトソーシングに伴うオペレーションのブラックボックス化、そしてユーザーデータを取得、保持できないことによる戦略の空洞化という課題を抱えています。
これらの課題の解決には、デジタルマーケティングのインハウス化が必要となりますが、インハウス化の難易度は非常に高く、多くの企業で実現に至っていません。親会社であるソニーネットワークコミュニケーションズも、デジタルマーケティングのインハウス化のニーズを有していると考えています。
当社のケイパビリティを活用し、統合的な戦略・プランの立案策定や、調達・運用の包括的担務を行うことで、ソニーネットワークコミュニケーションズのインハウス化を支援する事業がデジタルハウスエージェンシーとなります。
今期より本格展開を開始した本事業は急速に立ち上がっており、当社の新たな中核サービスとして順調に成長しつつあります。
2025年3月期第2四半期累計 まとめ
こちらのスライドは、これまでご説明した内容をまとめたものです。修正後の通期連結業績予想の達成に向け、今後も引き続き、それぞれの改革を推進していきますので、ご支援のほどよろしくお願いします。