2025年3月期 第2四半期 業績サマリー
河野映彦氏(以下、河野):アップガレージグループ代表取締役社長の河野です。2025年3月期第2四半期決算について、上期のハイライトからご説明します。
まずは業績サマリーです。当社事業は、お店を運営しているリユース業態と、新品の商品を卸している流通卸売業態の2つが主軸になっています。
リユース業態に関しては、物価が上昇したこともありますが、コロナ禍以降は非常に好調で、それを引き継ぐようなかたちで今期も順調に推移しています。販売、特に買取の調子が良く、お客さまの意向としても、これまでは新品で値段が高いものが選ばれましたが、現在は「中古でも良い」という方が増えてきた実感を持っています。
流通卸売業態に関しては、新規の取引先が増えたことによって積み増しができています。ただし、冬タイヤは9月ぐらいから卸が始まるのですが、今年の9月はまだ暑かったこともあり、想定よりも少し遅れています。
2025年3月期 第2四半期 業績サマリー
業績に関しては、売上高は前期比15.4パーセント増の63億9,500万円、営業利益は前期比21.6パーセント増の3億1,900万円、純利益は前期比36.7パーセント増の2億4,100万円で着地しました。
15.4パーセントの増収、21.6パーセントの営業増益と、好調に推移していますが、計画予算に比べると営業利益が少し足りていません。調子は良かったものの、当初は9月に新品のスタッドレスタイヤを卸すことによって利益を積み増す予定が、下期にずれてしまった分、マイナスになっています。
一方、出店も好調に推移しています。海外においては、4月、アメリカのロサンゼルスにアップガレージUSAの1号店「UP GARAGE Garden Grove」をオープンしました。
2025年3月期 第2四半期 連結業績
連結業績の詳細です。ここで見ていただきたいのは、営業利益率が上がっているところです。
「ネクスリンク」の流通卸がかなり増えてきており、売上が伸びて利益率も上がっているというのが、今期ご注目いただきたいことです。
売上高・営業利益 四半期推移
我々にとって上期は準備の期間であり、下期の第3四半期・第4四半期が繁忙期になります。スタッドレスタイヤの販売もありますし、お客さまの動向としても冬商戦、いろいろなものを買いたいという意欲が12月に増えますので、12月、特に第3四半期がボリュームゾーンになっています。
第1四半期・第2四半期に関しては、前期よりも非常に好調に推移しています。
2025年3月期 通期業績予想進捗(上期進捗率)
通期では、前期と比べて非常に良いかたちで進捗しています。各店舗で注力してきた「お客さまにしっかりとプラスワン販売をしよう」という取り組みが売上増につながったこと、流通企画の部分で新規のお客さまを獲得できていること、さらに、既存の取引先さまからの売上を多くいただけるようになってきていることで伸びています。
2025年3月期 第2四半期 連結主要販管費
販管費です。今年度は25周年イベントのための費用もかかっています。そのようなものをこなしながらも、販管費率はしっかりと下がっており、うまくコントロールできていると思っています。
業態別売上分類一覧
売上構成です。リユース業態である「アップガレージ」の店舗が売上の約60パーセントです。流通卸売業態が約40パーセントとなっています。
売上総利益率では、リユース業態が約60パーセント、流通卸売業態が約10パーセントとなっています。
リユース業態 売上高
リユース業態についての詳細です。フランチャイズ(FC)関連の売上が少し落ちています。前期はFC出店に伴う大型の什器の販売や設備関連工事がありましたが、今期はそれがなかったためマイナスになっています。
しかし、業績の体制にはあまり影響がないと思っています。
リユース業態 チェーン合計(直営・FC)四半期推移
チェーン合計の売上についてです。リユース業態については、世の中に「中古でも良い」「中古が良い」という状況が広がっており、我々もその流れに乗って、年々しっかりと伸ばすことができています。
リユース業態 売上分類 - 店舗売上
既存店売上高、直営店客単価をスライドに示しています。既存店も業績を上げており、前期比104パーセントとしっかりと成長させることができています。
客単価に関しても、インフレという状況に加え、プラスワン販売の実施、タイヤ安心保証などのサービス付帯によって単価を上げることができています。
リユース業態 売上分類 - 店舗KPI
客単価を継続的に上げることで、直営店の売上総利益率を上げていこうと考えています。
リユース業態 売上分類 - フランチャイズ関連
FC店に関しても、既存店は前期比106.3パーセントと非常に好調に推移しています。FCの新規出店は3店舗にとどまりましたが、通期では計画どおりの出店予定です。
流通卸売業態 売上高
流通卸売業態については、「タイヤ流通センター」は前期は暖冬とメーカーの値上げにより苦戦しましたが、今期は順調に回復しています。
「ネクスリンク」は新規開拓を進めつつ、既存のお客さまとの関係を深掘りすることで、業績をしっかりと伸ばすことができています。今後も継続して伸ばしていけると考えています。
流通卸売業態 売上分類
「タイヤ流通センター」の新規出店は6店舗となっています。
流通卸売業態 売上分類
流通卸売業態も、第3四半期・第4四半期がボリュームゾーンになりますので、ここからしっかりと伸ばしていきます。
新規出店(直営店)
直近の取り組みとしては、「アップガレージ」の出店、そして自転車業態「アップガレージサイクルズ」の出店を継続して行っています。スライドは直営店のご紹介です。
新規出店(FC店) 24
FC店はこのようになっています。
公式アップガレージアプリ
当社で作っている公式アプリを活用し、One to Oneマーケティングを強化しています。
アプリは、特に買取につながっています。現物のやり取りがなくても、お客さまがお持ちの商品をアプリに登録いただくと、それを査定することができるので、これまで以上に買取に持ってきていただきやすい仕組みをお客さまに提供できるようになりました。
順次アップデートしていきながら、お客さまにとってより利便性の高いアプリにしていきたいと思っています。
創業25周年記念イベント
25周年記念としては、中古釣具販売のチェーン店・タックルベリーさまとのコラボイベントを開催しており、店頭で使えるクーポン配布を行いました。また、未来のお客さまに向けた体験イベントとして、アップガレージの現場で着ているつなぎを子ども用に作り、我々の本社でそれを着てもらい、リユースを実際に体験していただくような取り組みも実施しました。
キャッシュレス化の推進
キャッシュレス化の推進です。今までもいろいろなかたちでキャッシュレス化を行ってきました。お客さまによってはローンを組みたいという方もいらっしゃいますので、6回まで手数料なしで分割でお支払いいただける「アトカラ」という決済サービスも提供しています。
FCオーナー様向け北米研修
スライドは、アメリカ1号店をオープンしたという内容です。現在、2号店のオープンに向けて準備しています。
サスティナビリティ基本方針に基づく取り組み~ 環境保全
今年1月1日に起きた震災、令和6年能登半島地震を受けて、我々にもなにか被災者の方々のお役に立てることはないかと考え、毎週、能登に社員を4名ほど派遣してボランティア活動を行っています。
また、10月には、当社の直営店メンバーの大半が金沢に研修というかたちで赴き、実際どのようなことが起こっているかを視察しました。
サスティナビリティ基本方針に基づく取り組み~ 地域貢献活動
こちらは社内イベントの1つですが、「子どもアドベンチャーカレッジ2024」に参加しました。
サスティナビリティ基本方針に基づく取り組み~女性活躍推進
当社のスタッフは約95パーセントが男性ですが、少しずつ女性のスタッフも増えており、女性の管理職も出てきています。女性の活躍をさらに促進していきたいということで「全国ウーマンミーティング」を開催しました。
全国の「アップガレージ」で働いている女性の方々に集まっていただき、意見交換、そして我々経営チームにも提言していただく会議を設けました。これは今年が初めての取り組みです。
個人投資家様向けIR説明会の実施
個人投資家さま向けのIR説明会を継続して行っています。今月もありますし、12月、2月も準備しています。
メディア活動
各種メディアにも取り上げていただいています。
株価推移(上場〜2024年11月8日)
株価の推移です。中期経営計画発表以降順調に上昇していましたが、近時はやや下がってきています。
1. 中長期に目指す姿=企業像
今年発表した中期経営計画について少し触れます。
我々は中古カー用品・バイク用品、そして自転車本体を扱っている会社です。サステナビリティなどいろいろな言葉が使われている中で、中古が当たり前の世の中になっていくのではないかとは思っています。
マンションや車はすでに中古が当たり前になっていますが、残念ながら、我々が扱っているタイヤやホイール、それ以外のカー用品・バイク用品は、まだまだ当たり前にはなっていません。
しかしそれが「あたりまえ」の世の中になれば、本当に良い世界になると思っており、我々はそれを実現していきたいと考えています。
そして「UP GARAGE」という看板を、日本国内だけではなくて、世界に出していけるような会社になっていくことを目指しています。
祖業は車から始まって、バイク、自転車と、車輪の分野にはどんどん広げていけるチャンスがあるのではないかと思っています。そこで「自動車・バイクのパーツからMobility Partsへ」という企業像を新たに掲げました。
そして、循環型社会におけるMobility Partsの中核的サービスプロバイダーになっていこうと考えています。
2. 中期経営計画の位置づけ
前期は売上125億円、営業利益10億円弱の規模ですが、2035年から2040年には、営業利益100億円、時価総額1,000億円の会社になっていこうと考えています。
その際には、国内・海外比率を5対5まで変えていきます。今は国内が98パーセント、海外は2パーセントほどという状況ですが、それを5対5まで持っていきます。
また、今は商品販売が非常に多いのですが、商品販売とサービス比率も5対5まで変えていこうと思っています。そのための成長の礎作りを、5年で行います。2029年までにしっかりと基盤を築いて、そこから一気に飛躍していこうと考えています。
3. 新企業理念
そのような中で、25周年を迎えたということもあり、企業理念も変更しています。ブランドスローガンとして「Good Mobility, Happy Life」を掲げ、お客さまに対しても、社会に対しても、従業員に対しても、ブランドスローガンの考え方を提供していく会社でありたいと考えて発表しました。
4. マテリアリティ
いろいろな社会課題がありますが、事業を通じてそれらを1つずつ改善していくことで、目標を実現していきたいと思っています。
5. 当社の競争優位性
当社の競争優位性です。国内の店舗展開をさらに加速させながら、海外にも展開していきます。我々の「直営店運営のノウハウ、そしてFC店に提供したサービス」をカスタマイズするかたちで、他の車業界やバイク業界の会社に販売し、使っていただいています。
また、我々の特徴として、システムエンジニアが社内に40名ほどいるのが大きな強みになっています。そこをさらに強化していきながら、今持っているシステム、開発力、蓄積してきたデータを活用して、いろいろなチャンスをうかがっていきたいと考えています。
7. 将来の企業像と実現手法
2035年から2040年に、時価総額1,000億円、営業利益100億円を達成するために、3つの施策を重要な柱として考えています。すなわちマーケットの拡大、循環モデルの拡張・効率化、人的資本の強化を行うことで、目標を実現していきます。
8. 実現のための3本柱 ①マーケットの拡大(1)
そのために、アメリカの出店と自転車業態の拡大に取り組みます。こちらもお客さまに非常に喜ばれており、業績は非常に伸びてきていますので、さらに出店を拡大していきたいと思っています。
8. 実現のための3本柱 ①マーケットの拡大(2)
取扱サービスの拡充です。車・バイクに始まり、車輪のあるものに関しては我々のビジネスチャンスだと思っていますので、そこに対する中古・リユースで考えていきたいと思っています。
また、昨年の暖冬の中でも、我々の利益を支えてくれたスタッドレスタイヤのレンタルサービスを含め、いろいろなサービスをお客さまに提供していきたいと考えています。
9.経営目標数値・中長期成長イメージ(2)
中期成長のイメージとしては、連続性のある成長を続けつつ、M&Aの活用も行いながら、次の10年間の礎を作っていきます。
9.経営目標数値・中長期成長イメージ(3)
早期に営業利益率10パーセントを達成していきたいと考えています。1期目は順調に推移しています。
10.キャッシュ・フローと成長投資、株主還元の配分
株主還元としては、従来から配当性向30パーセントを目途にしてきましたが、今後は40パーセントまで引き上げていきたいと思っています。
中期経営計画の進捗状況 -マーケットの拡大①-
次に、中期経営計画の進捗状況についてご説明します。
重点施策としてのアメリカの出店については、1店舗目が非常に好調に推移しています。特にお客さまからの買取が非常に好調です。
出店以来、アメリカでの販売価格に関していろいろなトライアンドエラーをしながら、適正な価格を見極めている状況です。
それとともに、2店舗目の出店に向けて物件を探しています。早期に物件を見つけて、来期初めにはオープンできるように動いていきたいと思っています。
また、直営店のドミナント出店を相模原市で行っています。非常に好調に推移することがわかったため、ここから一定の人口があるエリアにおいては、ドミナントで出店していこうと考えています。
自転車に関しても出店は非常に好調ですので、どんどん加速していきます。
中期経営計画の進捗状況 -マーケットの拡大②-
チャイルドシート、ベビーカーの取り扱いを開始しており、レンタルもスタートしています。
足元では、法人買取が非常に好調に推移しています。ある法人さまからは、不正防止の観点から「一括して中古パーツを引き受けてくれないか」という話も出ています。このような買取がスタートすると、効率的でまとまった仕入れができると思っています。
中期経営計画の進捗状況 -循環モデル拡張・効率化①-
OMO戦略も進めています。我々のWebサイトなど、ECで購入したものを店頭で受け取れるようなサービス、もしくは他の店で購入された商品の取付サービスを積極的に提供することによって、来店誘導を行っています。こちらはお客さまに非常に喜んでいただき、伸びているところです。
中期経営計画の進捗状況 -循環モデル拡張・効率化②-
データを活用した販促も強化しています。デジタルサイネージを使いながらクーポンを提供したり、売れ筋データをもとに、中古と新品のものを組み合わせて提案し、注文をいただくかたちをとったりしています。
2025年3月期 第2四半期 重点施策 振り返り
今期の出店は、直営5店舗、FC10店舗、サイクルズ5店舗を計画しています。新規出店に関しては上期は、少し遅れているように見えるのですが、下期に出店がずれ込んでいるためです。直営5店舗、FC10店舗で着地できるように動いています。
利益率の向上はしっかりとできました。また、海外への出店もできてきており、こちらは今後、加速できればと思っています。
2025年3月期 業績予想
出店と業績予想です。
2025年3月期 業績予想
いずれも好調に推移していると考えています。
2025年3月期 配当予想
すでに発表したとおり、創業25周年を迎えたため、記念配当として2.5円を配当します。期初の予想は27円で、記念配当を合わせた修正予想は29.5円です。段階的に配当性向を40パーセントまで上げていこうと考えています。
また、同じく創業25周年記念として、創業者である石田の資産管理会社が所有しているアップガレージグループの株を、従業員に贈与します。長年当社に貢献してくれた社員への感謝として提供し、従業員とともに株価を上げていこうという取り組みです。同時に、株式流動性比率の上昇にも寄与します。
質疑応答:上期の業績について
司会者:「上期業績予想に対して売上高は達成、利益は未達です。一方、通期業績予想に対する進捗率としては、前期よりも進捗しています。この結果を踏まえて、社長の上期の業績評価をもう少し詳しくお聞かせください」というご質問です。
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