サマリー

八代伸彦氏:八代でございます。私から2022年12月期第2四半期の決算について概要をご説明します。

サマリーです。第2四半期の決算は、前年同期比で売上高が60.9パーセント増の490億2,800万円、経常利益が44.2パーセント増の42億1,300万円となるなど、大幅な増収増益となりました。

通期の収支見込は上期決算と比べて外部環境の大きな変動は見込んでおらず、2021年決算との比較で売上高は46.5パーセント増の968億円、経常利益は53.7パーセント増の68億円となる見通しです。

2022年第2四半期決算【売上高】

2022年第2四半期決算の売上高は、主に販売価格の上昇でガス事業の売上高が増加したことなどにより、前年同期と比べて60.9パーセント増、185億5,300万円増の490億2,800万円となりました。

金額ではガス事業の売上高の増加が主な理由となっていますが、増加率で見ますと、ガス事業で前年同期比66パーセント、ヨウ素事業で前年同期比28パーセント、その他で前年同期比37パーセントと各事業ともに大きく伸びています。なお、各事業の売上高増加の要因については後ほど詳しくご説明します。

2022年第2四半期決算【営業利益・経常利益】

営業利益・経常利益です。第2四半期の営業利益は、主にヨウ素販売価格が上昇したことにより44.7パーセント増、12億1,000万円増の39億円となりました。経常利益については、営業外収益が増加したことなどから44.2パーセント増、12億9,200万円増の42億1,300万円となりました。

2022年第2四半期決算【四半期純利益】

四半期純利益です。親会社株主に帰属する四半期純利益は、下期に見込んでいた固定資産の撤去費用が前倒しで発生するなど特別損失の増加はあったものの、経常利益の増加などにより32.4パーセント増、6億3,300万円増の25億8,600万円となりました。

【参考】グループガス事業ネットワークについて

ガス事業の収支のご説明に入る前に、当社グループのガス事業のネットワークについて概略を簡単にご説明します。当社グループのガス事業は大きく分けて千葉県産天然ガスを主体とした「県産ガスのネットワーク」と、気化したLNGを他社から購入し、ガス導管を通じて供給販売する「LNGネットワーク」の2つがあります。

スライドの図の上半分に示した千葉県産天然ガス主体のネットワークは、主に子会社の関東天然瓦斯開発が生産した県産の天然ガスを中心として、このほか県内の同業他社の県産天然ガスと、県産ガスと成分が似通ったボイルオフガスを、都市ガス用として卸販売しています。

子会社の大多喜ガスやその他の都市ガス事業者に卸販売したものは、工業用・民生用などとして使用されています。大多喜ガスでは、関東天然瓦斯開発などから購入した天然ガスを家庭用・工業用などの都市ガスとしてお客さまに供給しています。

冬場の需要期には、石油化学メーカーから化学製品を製造する際に発生するオフガスを購入し、その他の天然ガスなどと合わせて供給しています。

スライドの図の下半分に示したLNGネットワークは、大多喜ガスが東京電力と東京ガスから導管を通じてLNGを購入し、主に発電用や大口工業用都市ガスとしてお客さまに供給・販売しています。これら2大ネットワーク以外では、小規模ですが大多喜ガスが外部からLPガスを仕入れ、主に一般家庭向けに販売しています。

【参考】グループガス事業ネットワークについて

ガス事業の県産ガスネットワークとLNGネットワークの特徴について、簡単にご説明します。千葉県産の天然ガスは家庭用など主に一般のお客さま向けが中心で、全体のお客さま件数の99.9パーセント以上とほとんどを占めています。一方、販売量については全体の約3割となっています。

LNGネットワークについては、全体のお客さま件数の0.1パーセント未満と非常に少数ですが、発電用・大口工業用が中心となるため、販売量としては全体の約7割を占めています。

2022年第2四半期決算【ガス事業:販売量】

ガス事業の販売量について、県産ガスネットワークとLNGネットワークに分けてご説明します。県産ガスネットワークは暖冬だった2021年と比較すると、特に2月、3月の冬場の気温が低めに推移したため、販売量は2.5パーセント増となりました。

LNGネットワークについても、昨年から今年にかけて冬場の電力不足などにより発電用途向けが大幅に増加したことから、前年同期比9.2パーセント増となりました。この結果、販売量全体では前年同期比7.2パーセント増の5億7,200万立方メートルとなっています。

2022年第2四半期決算【ガス事業:売上高】

ガス事業の売上高です。先ほどお伝えした販売量の増加に加え、輸入エネルギーであるLNG-CIF価格が高騰していることに伴い、主に発電用途向けや大口工業用向けのガス販売価格が上昇したため、売上高は大幅に増加しています。

LNG-CIFの適用価格は前年同期と比較すると平均約2倍と大きく上昇しているため、LNGネットワークガスの価格上昇に大きく影響しています。売上高増加の理由のほとんどがLNG-CIF価格の上昇によるものとなっています。

2022年第2四半期決算【ヨウ素事業:販売量】

ヨウ素事業の販売量についてご説明します。ヨウ素およびヨウ素化合物の販売量は、国内向けで前年同期比9トン増、4.3パーセントほど伸びていますが、輸出では前年同期比8パーセント減となっています。

スライドに記載していますが、輸出では2021年上期に2020年末のコンテナ不足に伴う在庫分を出荷したことなどから、前期の販売量が通常よりも多かった反動により、今年は8パーセントほどの減少となりました。

この結果、前年同期と比べて全体では46トン減、5.2パーセント減となりましたが、こちらは先ほどお伝えした特殊な要因による減少であり、全体の数量である840トン自体は決して少ない数字ではありません。

2022年第2四半期決算【ヨウ素事業:売上高】

続いて売上高についてです。販売量は減少しましたが、好調な国際市況によりヨウ素の輸出建値は上昇しました。さらに前年同期と比較すると為替レートも円安に推移したため、約7.9億円増の35億円となっています。また、ヨウ素の輸出建値ですが、ここ数年では最も高い水準で、さらに円安の影響もあり、円建てでの販売価格は高値圏にあります。

2022年第2四半期決算【その他:売上高】

その他の売上高ですが、まず建設事業は、子会社の地熱井の掘削を手掛けるWELMAの売上高増加などにより、売上高は前年同期と比べて36パーセントほど増加しています。

器具販売事業では、収益認識会計基準の適用に伴い、売上高は4パーセントほど減少しました。他の事業では小売電力販売のお客さま件数が増加したため、電力事業の販売量は前年同期比で1.6倍ほどになっています。このため電力事業の売上高は約2.3倍と大きく伸び、その他全体では7.9億円増、36.8パーセント増の29億円となりました。

2022年第2四半期決算【営業利益】

第2四半期の営業利益についてです。ガス事業については販売量の増加に伴い、購入数量が増加し、ガスの仕入れ価格も上昇したことなどから、売上高が大きく伸びたものの、営業利益は前年同期比6,500万円増にとどまりました。

ガスの仕入れ価格のほか、原材料費、例えばLPGの価格やガス製造等に使用する電気代も上昇したことから売上高の増加ほど利益は伸びていません。

次にヨウ素事業についてですが、販売数量の減少はあるものの、輸出建値の上昇と円安の影響により、販売価格は大きく伸びています。このような背景から前年同期と比べて10億円ほどの増益となりました。

その他については、建設工事売上や電力事業売上の増加に加え、工事については前年同期よりも利益率が高かったことなどから2億2,600万円の増加となりました。結果として、営業利益は12億円増加の39億1,400万円となっています。

2022年第2四半期決算【経常利益】

次に経常利益ですが、営業利益の増加に加えて、受取配当金などの営業外収益の増加により、経常利益は前年同期と比べて12億円増の42億1,300万円となりました。

2022年第2四半期決算【四半期純利益】

続いて四半期純利益については、下期に見込んでいた固定資産の撤去費用が前倒しで発生するなど特別損失は増加したものの、経常利益も大きく増加したことから、当期純利益についても、前年同期と比べて32.4パーセント増、6.3億円増の25億円となりました。

2022年第2四半期決算【貸借対照表】

次に貸借対照表についてです。2021年12月末との比較ですが、総資産はほぼ前期並みの998億円ほどです。流動資産について、季節要因、ガスの需要期である12月末と需要期ではない6月末との差により、売掛金が大きく変動します。そのような背景からガス売掛金が減少、流動資産も減少し、結果として17億円減の約350億円となっています。

固定資産については、関係会社への長期貸付金が増加したことから25億円増の647億円、流動負債は売掛金と同様に、ガス買掛金が季節要因等によって大きく減少していることから、10億円減少の約98億円です。このほか、固定負債が1.5億円増の63億円、純資産は利益増加に伴い、利益剰余金が増加したことから16億円増加して837億円となっています。

2022年収支見込【8/12通期収支見込値修正】

ここからは、通期の収支見込について概要をお話しします。まず全体としてですが、主に輸入エネルギーであるLNG-CIF価格値上がりの影響により、ガス販売価格が上昇しています。

また、好調な市況を背景としたヨウ素の輸出建値の上昇、為替も円安に推移していることから、売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益ともに第2四半期決算同様、大幅に増加しています。

2022年収支見込【売上高】

売上高ですが、主にガス販売価格の上昇により、ガスの売上高が増加したことなどから、前期と比べて約307億円増、46.5パーセント増の968億円を見込んでいます。こちらも第2四半期同様、金額では圧倒的にガス事業の増加が大きいのですが、増加率で見るとヨウ素事業・その他もそれぞれ大きく伸びています。

2022年収支見込【営業利益・経常利益】

次に営業利益と経常利益ですが、営業利益は、主にヨウ素の販売価格が上昇したことにより22億円増、57.4パーセント増の62億円となっています。経常利益については、営業外収益が増加する見込みから23億円増、53.7パーセント増の68億円となる見込みです。

2022年収支見込【当期純利益】

親会社株主に帰属する当期純利益については、特別利益の減少はあるものの、経常利益が大きく増加することから約12億円増、44.1パーセント増加の41億円となる見通しです。

2022年収支見込【ガス事業:販売量】

次にガス事業の販売量についてです。こちらも県産ガスネットワークとLNGネットワークに分けて説明します。

まず県産ガスネットワークですが、暖冬の昨年と比較すると、年初が比較的寒い冬となったため、第2四半期では販売量が増えました。下期を見てみますと、2021年の下期は例年よりも気温は低めに推移していました。また、2022年の下期は過去平均よりも若干高めと予測したため、下期の販売量では減少を見込んでいます。このようなことから、年間通期見込みでは販売量はほぼ前期並み、プラス0.4パーセントにとどまっています。

また、LNGネットワークについても、2021年から2022年にかけて気温が低く推移した影響による電力不足から、発電用途向けが大きく増加しました。そうした理由から 前期の下半期における使用量は大きく増加しましたが、今年はそれほどの増加を見込んでいないことから、年間では若干の増加で0.8パーセント程度になる見込みです。

ガス販売量全体では0.7パーセント増加し、10億6,300万立方メートルとなる見通しです。

2022年収支見込【ガス事業:売上高】

次にガス事業の売上高についてです。通期で見ると販売量はそれほど増えていませんが、輸入エネルギーであるLNG-CIF価格は前期の年間平均と当期を比較すると2倍弱となっています。

これに伴い、発電用途向けや大口工業用向けのガス販売価格は上昇を見込むため、売上高は大幅に増加する見込みです。売上高増加は、LNG-CIF価格の上昇が大きく影響しています。

2022年収支見込【ヨウ素事業:販売量】

続いてヨウ素事業におけるヨウ素とヨウ素化合物の販売量についてですが、国内向けは販売量32トン、7.6パーセント伸ばす見込みです。輸出については、第2四半期決算でお伝えした理由から減少を見込んでいます。

この結果、前期に比べて20トン、1.2パーセントほどの減少となる見通しですが、先ほどお伝えした前期からの繰り越しといった特殊な要因を除けば、年間販売量は決して少ない数量ではないと考えています。

2022年収支見込【ヨウ素事業:売上高】

続いてヨウ素事業の売上高ですが、販売量は減少を見込んでいるものの、好調な国際市況、また海外におけるサプライチェーンの混乱が続くことなどから、前期と比較してヨウ素の輸出建値が上昇する見込みです。

さらに為替レートも前期と比べると円安に推移する見込みのため、約26億円増、47.8パーセント増の約82億円を見込んでいます。年間でも、ヨウ素の輸出建値はここ数年で最も高い水準で、円安の影響もあり、足元では円建ての販売価格が非常に高値圏となっています。

2022年収支見込【その他:売上高】

次に、その他の売上高です。建設事業はほぼ前期並みとなっています。器具販売事業は、収益認識会計基準適用の影響がありますが、若干の増加を見込んでいます。他では、第2四半期の説明と同様、小売電力販売がお客さま件数の増加に伴う販売量の増加を見込むことから、全体では約10億円増、17.3パーセント増の68億円の売上高を見込んでいます。

2022年収支見込【営業利益】

次に、営業利益についてです。ガス事業においては、ガス販売量の増加に伴い購入数量も増加したことでガスの仕入価格も上昇を見込むことや、下期も引き続きLPG価格が前期と比べて高止まりしていること、さらにガスの生産・販売等に使用する電気代も上昇を見込むことから、売上原価が増加する見通しとなっています。

一方、ヨウ素事業では、販売数量の減少はあるものの、輸出建値の上昇・円安の影響により販売価格の大幅な上昇を見込んでいます。したがって、ガス事業とヨウ素事業を合わせますと、26億6,000万円の増加となる見通しです。

その他については、電力事業が売上増加により利益増加を見込むものの、建設および器具販売事業が減少を見込むことから、全体では2,900万円の減少を見込んでいます。

スライド記載の連結調整額のグラフ上で大きくマイナスとなっている部分は、一般管理費、全社費用です。当期は前期よりも地熱調査開発費が多く発生する見通しのため、増加となっています。この結果、利益への影響はマイナスとなり、営業利益については差し引きすると22億円増、57.4パーセント増の62億円となる見通しです。

2022年収支見込【経常利益】

経常利益についてご説明します。営業利益の増加に加え、受取配当金・受取利息の増加などにより、営業外収益が1億円ほど増加する見通しです。一方、営業外費用は前期並みを見込むことから、経常利益は約23億円増、53.7パーセント増の68億円となる見通しです。

2022年収支見込【当期純利益】

次に、当期純利益についてです。前期の固定資産売却益などの特別利益を当期は見込まないことや、一方で特別損失はほぼ前期並みを見込むことから、経常利益の増加などにより、親会社株主に帰属する当期純利益は約12億円増、44.1パーセント増の41億円となる見通しです。

配当金

2022年の配当金については、決算短信でもお知らせしたとおり、中間配当15円、期末配当15円の年間30円を予定しています。

【補足資料】売上高の推移

34ページ目以降のスライドは、補足資料としてグラフ・数字等を載せていますので、ぜひご覧ください。第2四半期の決算概要と収支見込のご説明は以上となります。

【トピックス】「なのはなパイプライン」運用開始

緑川昭夫氏:私、緑川からは、最近のトピックスをいくつかご紹介します。

まず「なのはなパイプライン」の運用開始についてです。「なのはなパイプライン」とは、私どもと京葉ガスさまとで共同出資をした、なのはなパイプライン株式会社が、2018年から建設を進めてきた高圧のガス導管、高圧のガス幹線です。2022年6月に竣工し運用を開始しています。

スライド左側に記載のとおり、「なのはなパイプライン」の建設目的は、京葉コンビナート市原臨海部での天然ガスの販売インフラ整備です。この地域は私どもの市原市の工業用のお客さまが多いところです。

お客さまからの要望がありながらも能力が足りずお応えできなかったことを踏まえ、共同でパイプラインを引くことになりました。区間はJERA富津LNG基地からJERA姉崎火力発電所までの間の約31キロメートルで、口径は600ミリメートルとなります。

パイプラインを引いてガス導管の能力をアップさせることで、供給力を上げてお客さまのご要望に応えられるようにしようという目的で、建設に至りました。

建設後の運用形態については、スライドに記載のとおり、設備の安定的な運営を実現するため、株式会社JERAさまに、パイプラインのメンテナンス・運営事業を承継していただきます。

これに対して、なのはなパイプライン株式会社は導管設備を保有し設備リースを行うかたちで、投資金額は回収します。私どもは、そのパイプラインを使ってお客さまのご要望に応えられるようになりますので、現在、市原のお客さまに向けて、販売の営業を鋭意行っているところです。

なお口径600ミリメートルの長さ約31キロメートルということで、運用圧力がおそらく日本で最高の圧力、10メガパスカルでの運用を開始しております。

【トピックス】茂原市との「地域脱炭素の実現に 向けた連携に関する協定書」の締結

続いてのトピックをご紹介します。私どもの本社K&Oエナジーが所在する茂原市さまと、今年4月12日に「地域脱炭素の実現に向けた連携に関する協定書」を締結しました。

スライドの写真は私と茂原市の市長です。茂原市はもともと天然ガスの街でしたので、市のご協力も非常に得やすいと考えました。今後は連携を図りながら、市内で広く情報発信し、地域の温暖化防止についての意識醸成を図って、脱炭素の実現に寄与していきたいと考えています。

スライド下部に記載のとおり、連携事項は一般的なことにはなりますが、茂原市民のみなさまに向けて、カーボンニュートラルや省エネルギー化の普及についての助言や、エネルギーの地産地消の推進等です。もちろん茂原市以外の地域の方にも天然ガスは届いていますが、これはまさに、茂原市の地下で採れている天然ガスを供給している大多喜ガスから茂原市に住んでいるお客さまに向けて支援をしていくといった内容です。

補足ですが、私どもの家庭用天然ガスは国産ですので、世界的なエネルギー価格の高騰とは無関係です。そのため、値上げ等の価格転嫁をせずにご家庭でお使いいただいています。

【トピックス】「天然ガスとヨウ素を採るお仕事」 の動画・記事について

もう1点お話しします。学研さまの子ども向けサイト「学研キッズネット」内の、子ども向けの社会科見学をするコーナーで、「天然ガスとヨウ素を採るお仕事」と題し、私どもの事業を動画および記事で取り上げていただきました。

現在、各小学校ですべての子どもにパソコンを支給するというIT事業が進んでいますが、その一環として、「学研キッズネット」さまでは教材として使えるコンテンツを制作しています。

その中で、私どもの事業を紹介していただき、国産の天然ガスとヨウ素について、子ども向けに非常にわかりやすく説明をした動画と記事になっています。この場を借りてご紹介します。

代表的なトピックスは以上です。ありがとうございました。