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一坪隆紀氏(以下、一坪):みなさま、おはようございます。ただいまご紹介にあずかりました、一坪でございます。さっそく第2四半期決算の説明を始めます。今回も新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う対応ということで、ライブ配信の形式になります。よろしくお願いいたします。

初めに1番のコーポレートブランドの刷新と3番の中長期方針についてご紹介し、その後業績のご説明に入ります。

コーポレートブランドの刷新

コーポレートブランドの刷新ということで、BtoBの企業として、黒子であるモリトの認知度を上げるために、ブランド力を向上させることはマストだと考えています。環境や時代の変化にスピーディーに対応できる組織力を構築するため、今年6月にモリトグループ最大の事業会社である、モリトジャパンをアパレル関連事業とプロダクト関連事業、輸送関連事業の各事業別の3社へ分割しました。あらゆる変化に対応しながら、各市場のニーズに沿った会社運営を実施していきます。

合わせて、コーポレートブランドを刷新しました。今後、モリトが大きく変化していくことを社内外に表明し、社員一人ひとりが自分の働くモリトグループとはどのような会社なのか、グループ全体で同じ方向を向いて、より強固な体制で事業活動に取り組むことを目的とし、このタイミングで実施しました。

コーポレートブランドの刷新 ー タグライン新設

私たちの姿勢やサービス、商品などを表現する言葉として、「あたりまえに、新しさ。」とタグラインを新設しました。一見あたりまえに思われるモリトのパーツは、常に使いやすさを追求して、目的に合った新しい商品の開発や提案をあたりまえに続けていき、「あたりまえに、『新しさ』をプラスする」企業としての姿勢も表現しています。

コーポレートブランドの刷新 ー コーポレートロゴリニューアル

先ほどお伝えしたタグラインから着想を得た、新たなコーポレートロゴをスライドに記載しています。新しいロゴは黒色を基調としており、「M」の文字は新しさに触れたときの、ドキッとする電気が流れるようなイメージのデザインになっています。その他のアルファベットは、文字の下部をカットしています。モリトのバイプレーヤーとしての一面とともに、地平線から昇る日の出の力強さをイメージした表現となっています。

今後、ブランド力や認知度向上のために、タグラインとコーポレートロゴを活用したPR活動に一層注力していきたいと思っています。

スライド6ページから10ページまでは、参考までに当社の会社概要をまとめています。お時間のあるときにご覧ください。

グローバルニッチトップを目指した過去の取り組み

中長期の方針についてご説明します。モリトグループは、これまでグローバルニッチトップを目指して、さまざまな取り組みを実施してきました。ハトメやホック、靴紐、マジックテープなどアパレル向けの小さなパーツから始まり、種類を増やしていくだけでなく、パーツの機能を活かしアパレル以外のシューケアや健康関連商品、自動車の内装部品など、さまざまな業界へ参入してきました。

さらに、OEM・ODM製品の取り扱いや製造も行うようになり、アパレル関連事業やプロダクト関連事業、輸送関連事業の3つを柱に事業領域を拡大してきました。特に近年では、アパレル関連事業とプロダクト関連事業において、BtoCビジネスへの参入や、安心、安全、環境、健康をキーワードとした高付加価値商品の強化などの取り組みを実施してきました。

輸送関連事業においても、カーマットのメタルエンブレムや新幹線の座席前のネットポケットなどの小さなパーツだけでなく、車内のアームレストやトランクボードなども取り扱うようになり、海外での販売も拡大してきました。

グローバルニッチトップを目指した過去の取り組み

今日に至るまでには、スライドに記載している3つの項目も実施してきました。グローバルネットワーク構築においては、販売・調達先の拡大に加え、自社製造拠点をアジアとアメリカに設置しています。また、M&Aも積極的に実施しており、事業およびシナジーの拡大などの効果を得ています。

また、グローバル品質保証体制を構築し、世界のどの地域でも安心・安全に商品を提供できる体制を整え、自社物流拠点の設立や持株会社体制への移行など組織改革を行い、収益力を強化しました。

さらに、働き方改革や財務、IT、法務など、専門知識を有する人材の確保などを実施し、管理体制も強化してきました。

中長期方針 モリトが目指す姿

「小さなパーツで世界を変え続けて、グローバルニッチトップ企業を目指す」が、モリトが目指すべき姿になります。すでに発表している第8次中期経営計画の遂行を足掛かりとして、事業戦略とコーポレート戦略をそれぞれ実施していきます。

第 8 次中期経営計画

第8次中期経営計画の定量目標は、売上高が500億円、営業利益が25億円で、こちらを前倒しで達成すべく努めていきます。

2022 年 11 月期 2Q ハイライト

2022年11月期上期の業績のハイライトをご説明します。昨年に続き、半導体不足により自動車工場で生産が減少しています。主力商品のハトメやホックなどの原材料である、銅などを中心とした金属の価格や海上運送費の高騰、海上運送の遅れなど、コア事業にとっては厳しい外部環境でした。

一方で、流行や時期に左右されないメディカルウェアや作業服、スポーツ、アウトドア関連商品が好調に推移し、新型コロナウイルスの影響を受けていたカジュアルウェア関連の事業も回復しつつあるなど、アパレル関連事業を中心に伸長しました。

運送費などの経費の見直しも継続して実施したことで、上期累計の売上高、営業利益、経常利益は、半期の開示開始以来、最高記録を更新しました。

2022 年 11 月期 2Q 通期業績サマリー

スライドに記載しているのが、業績サマリーです。

2022 年 11 月期 2Q 売上高

売上高は約232億円と、前年同期比約20億円の増加で、9パーセントほどアップしています。

2022 年 11 月期 2Q 売上総利益

売上総利益についてです。売上高の増加や利益率の改善により、前年同期比約6億円の増加となりました。付加価値商品の販売への注力や、価格交渉などの対応を行った結果、利益率が改善しました。

2022 年 11 月期 2Q 営業利益

営業利益については、経費は約3億円増加したものの、経費率は減少しました。自社倉庫への移管による運送費の削減などが功を奏し、営業利益は前年同期比で44.1パーセント増加し、営業利益率も1.1パーセント増加しました。

2022 年 11 月期 2Q 経常利益

経常利益は、営業利益の増加に伴い前年同期比37.8パーセントの増加となりました。

2022 年 11 月期 2Q 当期純利益

当期純利益は、前年同期比で約65パーセント増加の8億7,900万円となりました。以上が、損益計算書の概要となります。

2022 年 11 月期 2Q 連結貸借対照表

貸借対照表とキャッシュ・フロー計算書の内容は、スライドをご覧ください。

2022 年 11 月期 2Q 地域別売上高(地域別詳細)

事業の概要についてご説明します。地域別の売上高は、日本、アジア、欧米それぞれが増加しました。

2022 年 11 月期 2Q 地域別売上高(日本)

日本市場では、経済活動が回復の兆しを見せました。アパレル関連事業、プロダクト関連事業、輸送関連事業それぞれで売上高が増加しました。特にアパレル関連事業は、先ほどお伝えしたとおり、作業服やメディカルウェア、カジュアルウェア、ヨガウェア用の付属品、フィッシング、キャンピング用具やスポーツ、アウトドア関連の付属品の売上高が増加しました。

プロダクト関連事業においては一部、上海でのロックダウンの影響で仕入れや出荷の遅れが出ましたが、医療機器関連商品、スノーボード・サーフィンの関連商品の売上高が増加しました。

輸送関連事業においては、日系自動車メーカーのマイナーモデルチェンジに向けた自動車内装部品の需要があり、半導体不足の影響を受けつつも売上高は増加しました。

2022年11月期2Q 地域別売上高(アジア)

アジア市場では、中国の自動車メーカーの工場移転に伴う生産調整の影響を受け、自動車内装部品の売上高が減少しました。

一方で、ヨーロッパでの作業服向け付属品、またベトナムでの日系スポーツメーカーのスポーツシューズ向け付属品の売上高が増加しました。結果、アジア全体の売上高としては、昨年度から若干の増加となっています。

2022年11月期2Q 地域別売上高(欧米)

北米市場およびイギリス市場を中心に、自動車メーカーの減産により、日系自動車メーカー向け自動車内装部品の売上高は減少しました。一方で、作業服、カジュアルウェア向けの付属品の売上高が増加しました。結果として、欧米全体では売上高が増加しました。

2022年11月期2Q 地域別 売上構成

スライドの円グラフは、前期と当期の地域別の売上構成を比較したものです。当期は日本が69パーセントになっていますが、これは日本からアジア・欧米への直接の売上高を含んでいます。市場別では日本が約50パーセント、アジア・欧米がそれぞれ約25パーセントとご理解ください。

2022年11月期2Q 地域別×事業別 売上構成

こちらは地域別と事業別の売上構成です。輸送関連事業が減少しましたが、一方でプロダクト関連事業およびアパレル関連事業が増加しています。

通期計画の見直しについて

それに伴い、通期計画の見直しを行いました。売上高が460億円、営業利益が20億円、経常利益が21億円、純利益が15億5,000万円としました。

環境配慮型の商品開発等の取り組み

事業のトピックスです。まず、環境配慮型商品の開発についてです。

廃漁網からリサイクルされた素材を使用したボタンなどのパーツや生地を展開しており、それらの採用も増加してきました。直近では子ども向けのスクールリュックや、コクヨ株式会社が限定販売しているペンケース等に生地が採用されています。

新たな資材・商品の開発にも注力しており、10月に行われる東京ビッグサイトの展示会「サステナブルファッション EXPO」に大規模出店を予定しています。

環境配慮型の商品開発等の取り組み

先ほどは海の環境を守る取り組みでしたが、森を守る新たな取り組みも紹介します。2022年度より混抄紙の取扱いを開始しました。これはモリトグループのマテックス社で開発したもので、「ASUKAMI」というブランド名で取り扱っています。

原料はアパレル関係の取引先で生産時に大量に発生するはぎれや残布、これらを回収して、服に付ける下札や紙袋等にアップサイクルを行っています。天然素材や使用済みの紙だけでなく、化学繊維の活用も可能なことが強みです。廃棄物をより無駄なく活用できるということで、大手アパレルメーカーにも採用されており、今後も重点事業として強化していきたいと思っています。

モリト×スポーツの取り組み

モリトとスポーツの取り組みについてです。スケートボーダーとしてYouTubeチャンネルなどでも活躍している岩澤史文さんの、ネパールにスケートパークを作って子どもたちに笑顔と夢を持ってもらいたいという思いをサポートし、モリトグループのマニューバーライン社から現地の子どもたちにスケートボードやシューズを提供し、微力ながら社会貢献を継続しています。

次に、広報を目的として、一般社団法人東京ヴェルディクラブに所属する、東京ヴェルディ女子ホッケーチームと今年度よりコーポレートパートナー契約を締結しました。今後はモリトの行う環境配慮型の商品開発等の取り組みに、東京ヴェルディ女子ホッケーチームにも参加してもらい、廃漁網の素材を使用したホッケーのスティックケースやボールケース、ユニフォームなどを展開する予定です。

野球では、今年の7月に千葉ロッテマリーンズのオフィシャルスポンサーとなりました。本拠地であるZOZOマリンスタジアムの一塁側・三塁側のベンチ、ダグアウトに広告を出しています。モリトと同じMのマークを使う千葉ロッテマリーンズのスタジアムに広告を出すことで、これまで当社をまったく知らなかった方々にも認知いただき、我々のビジネスを広げるきっかけになればと考えています。

利益配分に関する基本方針

株主還元策についてです。当社が公表している、利益配分に関する3つの基本方針に変更はありません。継続的配当の実現、配当性向50パーセント以上を基準とし、DOE1.5パーセントを維持し、これらの基本方針のもとに年間配当金を決定しています。

期末配当予想の修正

この度の業績予想の修正に照らし合わせ、期末配当予想を修正しました。2022年度の中間配当は13.5円、期末配当予想については年初発表の予想から2円増配の15.5円となります。これにより年間配当予想は昨年から3円増配の、1株あたり29.0円を予定しています。

今後も事業の成長と株主還元がよりよいかたちで両立できるよう、事業活動に邁進していきます。

以上、簡単ではありますが、ご説明とさせていただきます。ありがとうございました。

質疑応答:メディカルウェアの需要について

司会者:「メディカルウェアとはどのようなものでしょうか? また、その需要に新型コロナによる特需は含まれていますか? もし含まれているなら、今後どのように推移すると考えていますか?」という質問です。

一坪:メディカルウェアについては、患者用とドクター用、ナース用があります。ドクター用、ナース用では主にステンレスのホックが使われており、殺菌や高圧洗浄で変色しないことがポイントです。また、患者用においては着たままMRIなどができるよう、樹脂のホックが使われています。

部品としては心電図用のパッドがあります。心電図の機械本体から、日本ではゴムで吸盤のように付けるのですが、その代わりに少し粘着力のあるパッドを取り付けていきます。そのパッドの凸部に真鍮の付属部がついており、そこに心電図の機械から接続するというものです。こちらは使い捨てであり、また通電性がよくなるような仕上げをしていることから、シーズンを問わず需要があります。

コロナ特需に関してお話しすると、一昨年から昨年にかけては特にアメリカ市場で、需要がありました。現在は少し落ち着いていますが、底堅い需要は引き続きあるものと見ています。

質疑応答:自動車向け製品の採用状況と売上高の展望について

司会者:「自動車向け製品について、採用状況と、下半期や来期の売上高の展望についてはどのようにお考えでしょうか?」というご質問です。

自動車向け製品についてですが、まずこちらは、日系の自動車メーカーがオフィシャルに出しているステートメントと、実際に受注して出荷しているTier1以下の現状には当然ズレというものがあります。

半導体のほうも、今年いっぱいや来年中という期間ではなかなか厳しいものがあると思います。また、コロナ禍により作業者が思うように集まらないという状況もあります。特に、アメリカでは自動車の販売会社に行っても車がないというような現状もあります。生産をどれだけ進めていけるかの見通しは、そのような条件からの今後の予測ということになるため、現時点ではなかなか見通しを立てることは難しいです。

ただし、当社では加飾部品のような内装品については、自動車の動力がエンジンや電気、ハイブリッドなどと姿や形が変わったとしても、需要は必ずあるため、これも底堅い事業であると思っています。

質疑応答:半期決算内容開示を開始した時期について

司会者:「御社が半期決算内容開示を開始したのはいつからでしょうか? ご教示ください」というご質問です。

一坪:2001年ですので、20数年前になります。

質疑応答:原料高への対応策について

司会者:「原料高への対応策として、何かお考えはありますか?」というご質問です。

一坪:今流れている商品のうち、基本的に日本製のものについてはまだ状況はよいと見ています。日本製であれば、機能性の部分で付加価値を高めることになってくるため、できるだけそのようなかたちで販売できれば理想的だと考えています。

ただし、やはり地産地消も含め、海外から仕入れてくるものについても、これは仕入れ先に対してもお客さまに対しても、135円から140円の間で価格交渉を進めています。1回だけでは終わらないため、結構難易度の高いお話なのですが、日々努力をしています。

質疑応答:アパレル業界の事業環境の変遷について

司会者:「今回上方修正され、計画が上振れしていますが、アパレル業界の事業環境について、半年前や1年前と比べてどのように感じているか、お考えを教えてください」というご質問です。

一坪:カジュアルウェア系、ファッション系の付属品の業績については、2019年度と比べると去年や一昨年はずいぶん落ち込みました。これはみなさまが外出を控えていることもあり、ファッショナブルなウェアを購買したいという需要が減少していたためです。今年度はこの需要が少し高まりだし、間違いなく業況は上向いてきていると思っています。

一方で、ファッションに関係のない、たとえばベビーウェアや作業服、それから先ほどお話ししたメディカル系のものについては、需要は底堅く、今後さらにもっと増えてくると思っています。

質疑応答:史上最高の業績との比較について

司会者:「史上最高の業績時との状況比較のご教示をお願いします」というご質問です。

一坪:史上最高の業績が出せたのは1991年(平成3年)です。この時は売上が478億円、営業利益が22億円で、これが最高だったと記憶しています。

その時と大きく変わってきていることは、当時はほとんどが日本市場での売上だったということです。日本から諸外国への売上も当然ありましたが、海外拠点との連結がそれほどなかった時代です。

日本市場の売上は、ものづくりが海外に移行したこともあり減っていきました。反対に海外拠点の売上が大きく増え、今年の予測では売上が460億円と営業利益が20億円となっています。これを過去最高の業績に近づけること、あるいは理想的には今年度で追い越せることができたら最高だと思っています。ただし、あまりにも不安定要素が多すぎて、明確にはお答えできないのが残念なところです。

質疑応答:混抄紙「ASUKAMI」の化学繊維の取り扱いについて

司会者:「混抄紙『ASUKAMI』について、特に化学繊維の取り扱いについて教えてください」というご質問です。

一坪:技術的なことはご説明ができないのですが、服を作っているメーカーで大量に出てくるはぎれなどを用い、また新たに製品として生まれ変わります。化学繊維と一緒に混ぜていくというところが強みになっています。

質疑応答:現地調達ニーズに対する施策について

司会者:「アパレル大手のSPA企業などで現地調達ニーズが高まっていますが、それに対する施策などはありますか?」というご質問です。

一坪:先ほど、製造拠点がアメリカや中国だとお伝えしましたが、ベトナムにも拠点があります。特に地産地消というかたちで現地調達を考えていくと、どうしてもアジアの市場が大事になってきます。

そのため、アジアの当社生産拠点、それから販売拠点を通したもの、例えば中国製やベトナム製といったアジア製のものは当然に対応していきますし、そうでない付加価値商材や機能商材などに関しては日本製のものを同時並行で進めています。

質疑応答:原材料価格の高騰における価格転嫁施策について

司会者:「原材料価格の高騰について、価格転嫁は何パーセント程度できており、今後も価格転嫁できるのでしょうか? また原材料価格の高騰はどのような部材が大きいでしょうか?」というご質問です。

一坪:当社では、原材料においては真鍮材という銅と亜鉛の合金のものが多く使われていますが、約70パーセントに銅が使われ、この銅材には輸入のものも多いわけです。

一時と比べると、今は銅材そのものの価格が急激に落ちてきています。ただ、輸入においても為替が1ドル135円から140円になってくると、なかなか厳しいものがあります。これはお客さまにもご理解いただきながら価格交渉を進めていますし、もっと進めていかないといけないというケースも出てきています。

同時に、事業内容の見直しが大きなポイントになっています。この数年継続している薄利多売のものについて、単発の薄利多売はもう止めていこうと考えています。ただし、大きな事業の中の薄利であるならば、これはこれでコストを見ながら対応しないといけないというところもあります。いずれにせよ、各市場、各業界において当社事業の見直しを検討するにはよいタイミングであると思っています。

質疑応答:急激な円安の影響について

司会者:「急激に円安が進んでいますが、この部分に関しての影響は何かありますか?」というご質問です。

一坪:連結業績は円で算定するため、今回の売上高に関しては20億円ほど増加しており、そのうち6億円から7億円くらいは、為替が影響しています。ただし、営業利益は先ほどからお伝えしているように、付加価値商材の強化、粗利率の向上、当然薄利多売からの撤退という施策もあり、輸出によるプラスの部分と輸入によるマイナスの部分とを相殺すると、営業利益ではそんなに為替による影響は大きくヒットしていないという状況です。

質疑応答:円安進行の為替環境のメリットについて

司会者:「海外販売の拡大の中で、現在の円安進行の為替の環境はメリットが大きいのでしょうか?」というご質問です。

一坪:メリットが大きいか小さいかと言いますと、大きいです。逆に円高になれば、また海外輸出の部分がしんどくなってくるということなのですが、見積もり段階においてはそれなりに対応ができます。

円安が少しでも継続していくことになれば、いわばインボイス発行時と入金時の為替差というものが為替差損益に影響してくるため、そのような面では輸出のほうではメリットは大きいです。ただ輸入が増えてきているため、ほぼ相殺されているというイメージです。

質疑応答:BtoC向け施策について

司会者:「BtoC向けで当面の施策などはありますか?」というご質問です。

一坪:今はそれなりにBtoC向けの施策というものを、ポイントを絞り込んで各事業で進めています。今後については、コロナ禍のこともありますが、どれだけITを使ったeビジネスを進めていけるかが1つの大きなポイントです。

最近ではメタバースなどいろいろなことが言われていますが、まだ当社が参入できていない、BtoC向けビジネスの進め方が今後のキーになってくると思っています。