2021年3月期第1四半期業績①

菊地耕一氏:それでは、2021年3月期第1四半期の業績についてご報告します。スライド1をご覧ください。はじめに、対前年同期比の決算サマリです。売上高は、前期比4パーセント増の644億円となりました。国内は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた、土産用商品の売上減少が大きく影響しました。既存事業、すなわち買収したポテトかいつかを除く既存国内事業では、減収となりました。

一方、海外は中華圏Eコマースの拡大や北米のWarnock社が貢献し、増収となりました。営業利益は、前期比1.6パーセント増の66億円となりました。国内はスナック事業の売上減少の影響で減益、海外は事業拡大により増益となりました。また今回、新型コロナウイルス感染拡大の影響により生じた土産用商品の処分。

また、直営店休業期間の費用などを特別損失に振り替え、特別損失として2億円計上しました。その結果、当期純利益は前期比4.6パーセント減の41億円となりました。

2021年3月期第1四半期 新型コロナウイルスの影響

スライド2をご覧ください。ここでは、当第1四半期における新型コロナウイルスの影響についてご説明します。左側のグラフですが、こちらは営業利益への影響額を前年比較で示しています。

まず国内においては、利益率の高い土産用商品の売上減少した影響が大きく、また、スナックは巣ごもり需要で低価格帯や大袋などの商品に需要が集中した結果、供給の調整を余儀なくされました。この調整については、この後の国内事業のところで詳細を説明します。

一方シリアルに関しては、2020年3月期の第4四半期以降、高い需要が継続しました。また、経費の抑制あるいは「じゃがポックル」のEコマースが販売など、対コロナのリカバリー策も一部プラスに貢献しました。海外ですが、海外の営業利益は前年比でプラスとなりました。

こちらは中華圏Eコマースでのシリアルあるいはスナックの売上が増加し、それに加えて、インドネシアでは販促費の抑制により、プラスとなっています。

2021年3月期第1四半期業績②

スライド3をご覧ください。対計画でのサマリをご説明します。売上高は13億円の計画未達となりました。土産用商品の減少は、計画に織り込んだ想定通りで推移しましたが、逆に、供給調整を行なった国内の一般チャネルのスナックが計画を下回りました。営業利益は海外事業が計画を上回り、プラス6億円の計画上振れとなりました。

2021年3月期第1四半期業績 国内事業①

スライド4をご覧ください。国内事業の業績について、説明します。国内売上高は0.1パーセント減の515億円となりました。需要が強かったシリアルと、新たに子会社となったポテトかいつかが売上貢献しましたが、土産用商品を含む国内スナックの減収が影響しました。国内営業利益は8.7.パーセント減の56億円。営業利益率は1ポイント悪化の10.9パーセントとなりました。

2021年3月期第1四半期業績 国内事業②

スライド5をご覧ください。国内事業について、詳しく説明したいと思います。スナックについては、今期は新型コロナウイルスの拡大によって外出自粛要請等が行なわれた影響で、全体としては、やはり家庭での消費に向く商品。低価格帯商品、あるいは大袋といったところに消費者の需要がシフトしました。

このような中で、ポテトチップスは消費動向の急変への対応が難しく、一時的に一時商品を休売する等の供給調整を実施し、その影響で、前期比で減収となりました。また「じゃがりこ」は、カップ型スナックとして、もともと外出先あるいはオフィスでの消費が多いため、販売低調という結果になりました。

一方で、比較的生産キャパシティに余裕があった「サッポロポテト」あるいはポップコーン等のスナックは、好調に推移しました。土産用商品は、コロナの影響がなければ、通常では年間で130億円程度の売上が見込めますが、インバウンドあるいは国内旅いま者の減少により、大幅に減収となりました。

特に北海道のお土産としての「じゃがポックル」は、真ん中のグラフに示してありますとおり、前年比でいうとマイナス80パーセントあるいは90パーセントという状態で推移しています。シリアルについては、特に定番品や糖質オフ等を中心に好調が継続しました。

そのような中で、コロナウイルスの影響で「フルグラ」の輸入原材料のひとつです、ココナッツの調達が不足したことに対応しまして、定番品を一時休売して、ココナッツ使用量を従来品の約5分の1に抑えた「フルグラあっさりテイスト」というものを緊急発売しました。

一方で、携帯できるシリアルとして、3月から順次全国に発売開始した「カルビッツフルグラ」ですが、こちらは発売したタイミングがコロナ禍での消費動向と合わず、スタートとしては低調な結果となりました。最後にポテトかいつかですが、こちらは4月から子会社となりました。

さつまいもの卸売・加工販売が主たる事業ですが、特に焼き芋に適した“ねっとり系”のさつまいもの販売が伸長しています。

2021年3月期第1四半期業績 海外事業①

スライド6をご覧ください。続いて、海外事業の業績について説明します。海外売上高は24パーセント増の129億円となりました。営業利益は、6億4,000万円増益の9億5,000万円。重点4地域のすべてで増益となりました。営業利益率は、4.3ポイント上昇して7.3パーセントとなりました。

2021年3月期第1四半期業績 海外事業②

スライド7をご覧ください。海外の重点4地域を中心に、概況について説明します。まず北米ですが、Warnock社ではストアブランドの受注が好調に推移しました。既存事業のCalbee North Americaにおきましては、新型コロナウイルスの影響の中、小容量かつ野菜売り場中心というところの「Harvest Snaps」は、販売機会の拡大というのがなかなか難しく、需要が低迷しました。一方で、エスニック売り場向けの売上は、アイテムの追加も貢献して、売上が伸長しています。

営業利益については、「Harvest Snaps」の販促費の抑制と、Warnock社がのれん償却後でもプラスに転じたことにより、増益となりました。

続きまして中華圏ですが、中華圏はシリアルはEコマースの販売が引き続き好調で、加えて大型セールスイベント“618”での販促を実施したことで、売上を大きく伸ばしています。また、スナックもEコマースで「じゃがポックル」「Jagabee」などの販売が拡大しました。

2021年3月期第1四半期業績 海外事業③

スライド8をご覧ください。英国ではSeabrookブランドのポテトチップスの中でも、グラム単価の比較的低い、マルチパックが好調でした。

これもやはりコロナの影響だというふうに考えていますが、売上が16パーセント伸びた一方で、利益面ではやはり、マルチパックの構成比が上昇したことにより原価率が悪化して、営業利益の増益は7パーセントに留まりました。

インドネシアですが、インドネシアでは、輸入原材料の馬鈴しょの調達遅延等が発生しました。一時的にポテトチップスの生産高が減少した影響で減収となりましたが、利益面ではやはり販促費の抑制というところで、損益は改善されています。

それから、その他地域では特にオーストラリアで売上利益が拡大しました。オーストラリアは「Harvest Snaps」として販売していまして、ニュージーランドへの販売が拡大。あるいは、前期投入した「Jagabee」も好調に推移しました。

2021年3月期第1四半期 営業利益

スライド9をご覧ください。最後に、営業利益の増減要因について説明します。今期から国内と海外を分けて、さらに国内について要素別に区分して表示しています。まず国内ですが、スライド2でご説明したとおり、新型コロナウイルスの影響が約7億円ございます。

それがやはり大きなドライバーとなって、国内全体では5億3,000万円の減益となりました。海外は中華圏Eコマースおよび欧州オーストラリアでの増収効果、それから北米とインドネシアでの販促費抑制が増益に寄与しました。私からの説明は以上になります。どうもありがとうございました。