2020年3月期第2四半期決算概況
鈴木正俊氏:おはようございます。ミライト・ホールディングス社長の鈴木でございます。本日は、2020年3月期の上半期、第2四半期の決算をご説明いたします。本当にお忙しいなか、豊洲まで足をお運びいただきましてありがとうございます。本当に御礼を申し上げたいと思います。
まず決算の概要をご説明いたしますが、いつも説明が長いと言われておりますので、なるべく手短にご説明をしていければと思っております。
では、さっそく説明にまいります。3ページと4ページが1つの概況となっております。(スライドの)左の図を見ていただくと、受注高・売上高が書いております。一言で申し上げると、増収減益でございます。減益と言っても1億円ですので、ほぼ平行の状態ですが、売上高の増収と微減益という状態が、上半期の状況でございます。
ご説明がもれました。(スライドの)右肩に書いてありますが、2019年の3月期はミライト、旧ミライト・テクノロジーズ、ラントロビジョンの3社がミライト・ホールディングスの姿でございました。赤く囲んである2020年3月期は、昨年の下半期から東北のTTK、1月から中国のソルコム、四国の四国通建の3社が加わり、数字的にはそこを含んだかたちになっております。前年と今年の前期比を比べたときは、会社のストラクチャーが少し変わっているというかたちでございます。
年間の売上の想定も、旧グループから売上高でだいたい3割ほど増加するぐらいが統合の姿かなと見ておりますので、昨年と今年を比べたときに、統合した数字がその分含まれているとご覧いただきたいと思います。
受注高は2,226億円、プラス39.4パーセントとなり、4割弱の受注増加でございます。内訳は右側の真ん中に表があり、NTT・マルチキャリア・モバイルといったそれぞれのセグメントをご覧ください。もちろん全体で増加しておりますが、統合した3社が比較的固定通信の工事に強いという部分があり、NTTの分野がプラス304億円という売上で、断トツで全体の増加の半分近くを占めております。
全体ではICT、統合したモバイルマルチキャリアと環境・社会があります。NTT事業ほど大きな幅でもないですが、全セグメントでプラスというのが受注の姿でございます。
売上高は1,829億円となり、プラス426億円、30.4パーセントの増となっております。内訳は右下にそれぞれセグメントについて書いております。NTTから全分野で増加していますが、この分野もやはりNTTの分野が45.7パーセントとなり、統合効果が断トツに大きくなっています。
売上高総利益がプラス195億円となり、昨年から28億円の増となっていますが、売上高総利益率が1.2パーセント下がっております。販管費も減ってはいますが、営業利益は50億円から49億円ということでマイナス1億円となり、ほぼ均衡に近いかたちで上半期が終わっているということでございます。
一番下の繰越工事高は1,846億円となり、前期と比べても370億円増加しており、相変わらず非常に高い水準と理解しております。以上が概況でございます。
売上高の詳細[対前期増減] /営業利益の詳細[対前期増減]
こちらのスライドに内訳が書いてあります。増加は、左の売上高の棒グラフを見ていただくと、NTTの部分に非常に大きな統合効果があり、ICTの部分もがんばっているというかたちでございます。売上高の右側の棒グラフは、1,829億円という第2四半期の実績と、当初にお示しした今年の計画がほぼ1,830億円で、1億円程度の違いでほとんど計画に近い、どんぴしゃのかたちになっております。
営業利益も50億円から49億円の内訳として、売上高の増加影響、総利益の利益率の低下影響、販管費の増加影響などございます。1億円減少しておりますが、当初の計画は42億円とお示ししたと思いますので、計画に比べればプラスの7億円となって進行していると理解しております。
下半期に向かって、結果として非常に下が重い計画になっております。年度当初からそのつもりで進めておりますが、下半期もしっかり取り組んでいき、年間業績を確保していきたいと思っております。
(参考) 2020年3月期第2四半期決算概況(従来グループ)
このスライドは参考です。統合各社も加わった今年の決算と比較しましたが、従来の統合しなかった元の会社はどうだったか、というのを参考にお示しをしたものでございます。これを見ていただくとわかりますが、一言で申し上げれば増収減益ということでございます。
統合がなくても、受注高・売上高とも増加でございますが、左の表のNTTとマルチキャリアのところは、やはり前年と比べてマイナスになっています。ここの部分は特殊要因というよりは、そもそも工事が上半期と下半期でずれてきているところがございまして、下半期のほうにカバーしていけると理解しております。
7. 決算補足資料 (1)業績の推移
ちなみに、旧のグループでも年間は増収増益になる計画で進めております。上期が増収減益に留まったとご理解いただければと思います。これは従来グループですので、パフォーマンスをご理解いただきたいために参考ということでつけております。
株主還元について
株主還元についてでございます。(グラフ中の)一番右の今期の計画が非常に高くなっておりますが、表では上から3行目になります。1株あたり年間配当金は、中間配当が20円で、期末も20円でいきたいと思っております。計画では40円という昨年と同様の配当額で計画しているところでございます。
今年はすでに終了していますが、自己株式を取得したいということで進めており、中段にありますように、自己株式の取得額が104億円ございます。この結果、配当の総還元性向が95.4パーセントと非常に高くなっております。
連結配当性向は、3分の1の株主のみなさまに還元をするという従来の基準を変わらず堅持したいなと思っておりますが、この機会に自己株買いということで、株主のみなさまに還元ができれば、と思い進めたものでございます。あとで内訳をご説明申し上げたいと思いますが、我々の商務政策として統合した時、若干新株を増加させたということもございます。
やや株希薄化や転換社債もあり、できれば自己株買いによって株を少ししめていく方向をはっきりお示ししたいということもございます。
繰り返しになりますが、配当は従来のものをしっかり守って安定的・継続的な配当をすることと、今期は自己株買いで総還元性向を95パーセントにしたということが、このページのエッセンスでございます。
1. NTT事業の動向①
以下、各事業の動向が出ておりますが、簡単に触れてまいります。こちらはNTT事業の動向で、NTTの東西の投資額が4から5パーセントずつ下がっているという傾向は、まだ見受けられます。
我々の観点からしますと、投資を受けて何かを建設するということと、保守をしていく、設備のメンテナンスをしていくという分野が最近は伸びていくことになり、その総額でNTT事業を営んでいくということになっております。この面の設備改善提案や日常の工夫、保守業務の種類の増加、エリアの広がりなどがあり、非常に堅調だと思っております。
1. NTT事業の動向②
設備の点検の仕方に関して、西日本を中心にエリアラウンド方式というのが始まります。まんべんなく見るというよりは、1つずつ経年を見るために、エリアを限定してしっかり直していくというような方法をとります。
そういう観点で、その検査の方法もICTを活用していく、画像認識を活用していくというような合理化を伴いながら、点検の確実な実施を仕事として完成させていくことを進めています。設備運営業務そのものも、NTTにおいてとくに西日本を中心に、急速にエリアが拡大しており、ネットワークの保守をリモートで行えるような仕事の効率化・確実化も進んでおります。
そうは言いつつ、NTT固定事業は全体とすると、新しいものというより維持していく過程に入っています。このなかでも利益率を改善していく、という我々の努力は必要でございます。そういう意味で、事務所の統廃合も引き続きできるところは実施していき、統合各社のシナジーを発揮して一層の効率化を図っていくことは必須だと思います。それが、右半分に書いております。
ミライトの千葉やミライトテクノロジーズの埼玉など、計画的に着実に事務所統合を進めてまいります。グループ運営の強化で、とくに人材というところで統合シナジーを……1点だけ申し上げれば、この間の千葉の災害で、このグループを形成したおかげで非常に機動的に手配ができました。統合した瞬間に今回の大雨という災害が発生しましたが、初動が非常に早いことは明らかにグループの統合効果であり、連携が進んだと確信しております。
もちろん意識しながら進めましたが、そういう意味で災害時の全国一体性みたいなかたちをを中心に業務の改善に努め、システム関係の統一による効率化も引き続き効果が出るように進めていきたいと思っています。
すべてのことが統合と同時にできたわけではございません。システムもこれから日常業務を回しながら合わせていく必要がありますので、今年で全部済むということにはなりませんが、これからますます効果が出ていくものと思っております。
2. マルチキャリア事業の動向①
マルチキャリアの動向でございます。モバイルキャリアトータルの投資は、これから5Gの関係も出てまいりますが、衰えず堅調だと我々は受け止めております。マルチキャリア事業の売上そのものの統合効果は、NTTの固定事業ほど大きくはございませんが、やはり一定の効果があり、売上の拡大につながってきます。
現在5Gが騒がれておりますが、引き続き4Gの高度化、3.5ギガ・700メガ帯は進んでおり、ここは正直に言って佳境になってきております。さらに、1.7ギガと3.4ギガという新しい周波数に対する仕事がこれに重なってまいりますので、4Gの高度化は、5Gの入り口の段階では、まだ進んでいくと受け止めていただければと思います。
2. マルチキャリア事業の動向②
(スライドの)左側に、モバイル(5G)の関連動向とモバイルの動向とを記載しております。今年はプレサービスということで、5Gは徐々に進んでいく思いますが、いろんなセルの作り方が4Gとは違う時代がまいります。
あらゆるところにアンテナが立っていくという可能性もございますし、5Gの場合は通信・音声・文字・画像の通信というよりは、産業に連関して広がっていくという色彩も強いので、モバイルの通信会社の方針にもよりますが、エリア拡大も一律にというよりは産業の可能性のあるエリアに進めていくかたちになろうかと思います。
10キロメートルのメッシュに区切ったなかで、5年以内に50パーセント以上の拡大、5年以内に半分のメッシュでは普及をしていく、あるいは2年以内に全国の都道府県のどこかでは必ず5Gが出る、というような行政へのお約束もあるとうかがっておりますので、そのかたちでも工事は進むということになろうかと思います。
利益改善ということで、生産性をどんどん上げていくことも必須のことでございます。業務フローをしっかり効率化させるという取り組みのなかに、「i-Construction」やロボティクスといった効率的な方法論・技術を取り入れて効率化を進めていくことが大きな柱でございます。
もう1つはシナジー効果に向けて、先ほどNTTのところで申し上げましたが、統合して各社とのモバイルの業務を合わせて効率化を図っていくことは、引き続きいろんな分野で進めていきたいと思っています。スライドにシナジーに向けた課題がたくさん書いてあります。書いてある分だけ効率化の可能性が高いと理解していただければありがたいとは思いますが、これが順次進んでいくことになろうと思います。
2. マルチキャリア事業の動向③
少し飛び飛びになりますが、今年のトピックスで、楽天モバイルの仕事が今年から始まっていることと、工事能力を上げるということで6月にトーエイ電気通信という会社を100パーセント子会社化したことがあります。
そちらの面でも機動性を高めていくということで、新しい楽天モバイルのお客様に対して業容を広げていくと同時に、推進側も推進力の強化を進めていっているところだとご理解いただければありがたいと思います。
3. 環境・社会イノベーション事業の動向①
環境・社会イノベーションでございます。ここは非常に底堅いところでございまして、(スライドの)左側の棒グラフを見ていただくとわかりますが、売上高は統合もあって増加しています。売上高の構成図を見ますと今期は少し異常で、電気・空調が急に反転して大きく伸び始めてきたことと、土木の分野、太陽光の完成、といったところがぐっと伸びてきているのが特徴でございます。
3. 環境・社会イノベーション事業の動向②
(スライドの)左のトピックのところに、何度も出てきていますが土木工事の取組みということで紹介しています。
京都の先斗町の、古い重機の入らない、手掘り作業を行わなければいけないところで、昼間は復旧して夜間だけ工事するといった、非常に特殊な工事をいかに効率的に進めていくか神経を使うものでございます。
これをしっかり進めたということで高い評価をいただいており、先斗町の隣の三条通もその延長で工事が広がっていくことになっております。無電柱化がどこまでどう進んでいくかが、まだ完成形の東京都をはじめとしてお話が完成しておりませんが、着実に進んでいくだろうなと理解しております。
一番下に上下水道の本管工事というものを書いております。実は、従来もこの分野は広がるなということで、ミライト・テクノロジーズで片倉建設や神戸市の水道局とのタッグマッチで、いわゆるセンサーでの保守というような、先進的な保守の仕方を進めてきました。
今回、東京都の水道工事を行っている会社である東海工営と、この分野のインフラのリニューアルの機会がきているということがございます。ここから非常に需要の高い分野でございますので、ますます拡充したいということで進めているものでございます。
右側の太陽光の取り組みも、今期は非常に大型のものが実ってきました。ミライト・テクノロジーズもミライトも、それぞれ着手していますが、それが完成工事の段階になりました。
FITが変化をしていきますが、まだ大型の工事は残っている状態でございますし、今年から自家消費型太陽光と言いますか、屋根太陽光の電力会社は今回の規制から買取り義務が外れてまいりますので、どちらかと言いますと、自家消費として太陽光は進めてまいります。我々はここのチャンスを見ながら数年前から進めてきておりますが、そういう時代に入ってきているなということでございます。
道路照明の設備とLED化も、省エネの観点等から着実にしてきているという姿が書いております。
4. ICTソリューション事業の動向①
ICTソリューションでございます。ここも総体として述べておりますが、(スライドの)下の売上高の棒グラフを見ていただくとぱっとわかります。
従来の700メガでの、いわゆる電波障害の除去という工事がございましたが、それはだいぶ一巡してまいりました。一番下の黄色のところで、ここの工事は減少して、売上のずいぶん下がっている要素は、この放送波の700メガの減が大きく影響しています。
ただ、それを補って多くなっているのが物販です。パソコンや設備機器、器具の販売等々ございますが、通信設備の機械といった物販の部分を非常に幅広く扱うようになってきたことと、LAN・PBX、ソフトの分野なども堅調でございます。非常に多様なものを含んでいる分野でございますが、堅調に進んでいくと思っております。
4. ICTソリューション事業の動向②
なかでもこの(スライドの)右側、毎回出て「いつ完成するの」と言われていますが、今年の5月から大阪第1データセンターがスタートして、現在は順調に運用されております。また、次の時代のネットワーク型、いろんな電源地を結んだ、データセンター間を結んだデータセンター構想に向かって進んでいっております。
左側のトピックのところは、グローバル事業が書いております。ご質問によく、「米中間の貿易問題の影響であるとかアジアの経済の影響であるとか、おたくの会社は影響ないんですか?」というようなことがありますので少し書いてあります。結論から言いますと、ラントロビジョン自身の売上や受注については、それほど影響は大きくありません。
ただ、シンガポール周辺のビジネスは少し緊張感が出てきています。売上がそのまま仕事としてあり、いろんな方が入ってこられて利益率を非常に気にされていく世界ではございますので、我々もそのあたりをよくウォッチングしながら進めていかなければいけないと思っております。
他の分野の開拓や地域の拡大も併せて行いながら、この堅調なものを進めていければと思いますが、一時的な影響はあるかどうかを注意深く見ているというのが現状でございます。
下にWi-Fiがございますが、これはややオリンピックということもあり、ホテルの御三家にも「ee-TaB*(イータブ・プラス)」というのを入れていただいているわけですが、まだまだ需要があるものと思っております。
5. 新たなソリューションの取組み
これはもうまったくの参考でございます。(スライドの)左側のオリンピックは、みなさんにご案内のところと同様でございますが、「オリンピックを契機としたビジネスってどういうものなの」というご質問があるものですから、少し図示してあります。
直接の競技場の工事ももちろんございますが、道路や無電柱化、あるいはいろんな方が来られるということでWi-Fiの工事等の一帯の開発が進みます。それをオリンピックの関連と我々はとらえているのが左の図になります。
右側は「(動くセンサー)ドローン」と書いてあります。これはテクノロジーズ中心でどんどん進めているところですが、一言で申し上げますと、着実に進んできたという評価かと思います。
もちろんドローンスクールの人材育成、テクノポートでのサポートとようなことも事業体制の核として進めておりますが、国土交通省やその配下の地方整備局、あるいはNTTファイナンスさんと組んだドローンをリースする事業というような現実の仕事が発生して、具体化してきております。
また、アライアンスを組もうという会社が多くなって、NTTグループも設備の点検や被災地の調査のようなものが現実的に進んでおりますし、具体的な調査・点検という仕事が地についてきているということでございます。そういう意味で、実需に確実に堅実に乗ってきており、普及期に入っているというご報告をしたいということで載せてあります。
6. ESG関連の取組み
一番最後のスライドは、ESGの取組みを書いてあります。(スライドの)左側はESGの取組み、右側は統合シナジーによる人材基盤の強化でございます。左側は少し細かくなりますのであまり深く説明いたしません。
環境・社会、とくにガバナンスはしっかり進めていこうということで、取締役会の自己評価をしっかりすること、委員会をしっかり運営していくということを着実に進めているところでございます。
右側の統合シナジーは地味に書いてありますが、とても大事なところだと思っております。統合した最大の財産は、やはり有資格者、人員でございます。ここの原動力は、しっかり基盤が広がってきたというところがあり、資格者の増加や人員の増加、あるいは人材の多様化がどうなったかが書いております。
KAIZEN活動と働き方改革も、我々にとってはエンジニアリング業界というのは非常に大事な部分でございますので、そこもしっかり宣言しながら、退路を断って進めていくということで進めているところでございます。説明が長くなりますので、(残りは)ご参考に見ていただければいいと思います。
説明が少し長くなりまして申し訳ございません。私からの説明は以上でございます。ありがとうございました。