2019年12月期2Q連結決算概要

服部聡昌氏:JPMCグループの決算説明会として、第2四半期の連結決算の概要をご報告いたします。

2019年第2四半期の概況としては、管理戸数が順調に増加して7万9,057戸となり、前期比では3,972戸増加いたしました。足元に関しては、当初の目標をクリアしている状況で、非常に順調でございます。

入居率に関しては、91.8パーセントと引き続き高水準で推移しており、こちらも順調でございます。ストック収益の成長が全体の業績の牽引をしていますので、第2四半期としては上場以来、8期連続で増収となっております。

株主還元についてご報告いたします。この上期に関しましては、5月から自己株式の取得を開始して、6月14日に終了しましたが、こちらは5億9,900万円で予定どおり終了しています。2019年度中間配当に関しては、公表予想どおり17円50銭で配当を決定しています。

2019年12月期2Q連結決算概要 連結決算ハイライト

連結決算ハイライトになります。売上高に関しては、2019年度第2四半期は213億400万円です。営業利益は11億9,200万円、経常利益は11億9,500万円、親会社株主に帰属する当期純利益は8億2,300万円で、1株当たり四半期純利益は45円63銭でございます。(スライドの)右に通期計画に対する進捗率を載せていますが、この上期に関してはおおむね問題ないと認識しています。

2019年12月期2Q連結決算概要 連結キャッシュフロー

連結キャッシュフローについてご報告いたします。2019年度第2四半期は、営業キャッシュフローは4億500万円の収入、投資キャッシュフローは1,900万円の支出、財務キャッシュフローは10億9,500万円の支出と、それぞれなっています。

現金および現金同等物の増加に関しては7億900万円の減少でございます。これは先ほど申したように、自己株式の取得に5億9,900万円を使用していますので、こちらが効いています。

2019年12月期2Q連結決算概要 連結売上高

連結売上高の内訳についてご報告いたします。2019年度第2四半期の不動産収入については201億300万円でございます。不動産付帯事業収入については9億3,800万円で、内訳としては、滞納保証が1億9,900万円、家財保険の保険事業が5億6,300万円、JPMCヒカリが1億7,500万円となっており、前年と比べると付帯も増収しています。

(スライドの)右で赤く括っている部分はストック収入と認識しており、フローは前年よりやや減収していますが、当初考えていたとおりの結果でございます。

2019年12月期2Q 連結決算概要 主要指標の状況

期末管理戸数は、冒頭ご報告いたしましたように、7万9,057戸でございます。管理戸数純増は3,972戸となっており、平均入居率は91.8パーセントとなりました。

不動産付帯事業収入の新規滞納保証件数は4,373件で、新規保険の契約件数は2万890件でございます。こちらに関しましても、年間目標に対しての進捗は、想定した以上に順調でございます。

以上、私から報告させていただきました。

企業価値向上 3つのキーワード

武藤英明氏:当社の会社の事業の概要等についてご説明したいと思います。今回はお話しする内容をできるだけ絞り、わかりやすくしたいと思います。

非常に生意気な物言いですが、当社は1人あたりの収益性がいい会社を目指しています。今でも1人あたりの売上高は、不動産業界の17万社中ベスト10に入っています。また、東証1部2,157社中、1人あたりの経常利益は99位と、100位以内に入っています。

そういう意味で、効率のいい会社でありますので、今までの17年間で、純粋なライバル会社の出現を待つことなく、事業が安定的に推進できております。これをさらに推進すべく、PropTechの最先端を先取りして活用した、リーディングカンパニーになっていこうと(考えております)。AI等を活用して、効率を上げていくこと、大きいマーケットにいますので、せっかく作ったシステムをマーケットに売り出すことを考えています。

昨年来、かぼちゃの馬車さんに端を発し、レオパレスさんや大和ハウス工業さんの建築偽装問題、各銀行さんのいろんな不正融資の問題など出ました。体感でもやはり、地主・オーナーさまにとってプレハブメーカーさんに対する不信感は、かつてないぐらい高まっています。

実際に我々の受託の数を支えているうちの新築の割合が、去年に比べて倍増しています。それだけ、当社のパートナー企業である工務店やゼネコンさんに、新築のアパート・賃貸マンションの受注が行っていると類推できると思います。このチャンスを活かして、さらにトップラインを上げていこうというのが2番目です。これは今期を含む、2022年までの4年間にわたる中期計画の眼目でございます。

昨年の途中までは、比較的融資環境もよく、我々もJPMCアセットマネジメントというグループ会社を中心に、売買仲介あるいは所有物件の売却といった不労収入をかなり上げていました。

安定的な成長(を遂げている)ということで、当社のよい部分を株主のみなさまに享受いただくためには……トレードは今のところ不動産業に規定されていますが、いわゆる仲介業の不動産とは決別して資産運用業に特化し、バランスシートを使わない会社を志していこうということで、事業を進めていく方針でございます。

日本の賃貸住宅マーケットをPropTechで改革する

今、実数としてマーケットには約2,281万戸もの賃貸があります。住宅全体の約37.5パーセントが賃貸住宅で、集金家賃だけで15兆円という非常に大きなマーケットでございます。しかも消費税がかけられていない、特殊なマーケットでもあります。現在、我々はこの中計の途中でも、おそらく約10万戸を運用しております。

我々のパートナーには、不動産会社700社、建設会社600社、介護会社100社がいまして、彼らの運用戸数を入れますと約100万戸に達し、実は一番大きく有名な(プレハブメーカーと)ほぼ同じ数でございます。影響力があるグループを持っているということが言えると思います。後ほど詳しく説明しますが、積極的なAI投資で、今までにない業務効率を目指したシステムを作っていこうと(思います)。

1つはAIコールセンターです。賃貸住宅を運営していると、絶対にクレームが来ます。水道が出ない、ガスが止まった、ガス漏れしているようだ、隣の声がうるさい、上がうるさい、鍵をなくしたなど、9割近くはパターンが決まっています。決まっている9割ぐらいのパターンを、音声認識のAIを活用してコールセンター化すれば、我々の会社だけでなく、我々の業界全体にものすごくインパクトがあると思います。

介護業界・建設業界の次ぐらいに、我々の業界は非常に人が取りにくい業界ですが、これから労働力をたくさん確保して運営していくなかで、これをマーケットに開放して省力化ができれば、我々としてもかなりの商売になると思います。

残念ながら査定はうちのノウハウのため売ることはできませんが、今、パソコンと人間と半々で行っている査定を、AIを導入することによって業務効率を上げようということです。AIによる入居の審査については売っていってもいいかなと思います。契約書の自動作成は、RPAになります。

JPMCヒカリは、入居者側に使っていただくブロードバンドで、ファイバーゲートさんのような会社を下請けに、我々が営業して数を増やしていくことになります。まずは我々のサブリース管理の物件で進めていき、そのノウハウを使って、パートナーさんの100万戸に対して開放していこうと考えています。

もちろんレートは変えていかなければいけないのでしょうが、一般マーケットに対しても(同じです)。例えば、夜中の緊急対応はこの不動産にはできない、じゃあ1件あたりいくらでうちのコールセンターがお引き受けしましょう、というふうになります。サブスクリプション的なビジネスが我々の中心ですから、こういった累積ビジネスを中心に展開しようと思っています。

PropTech活用による業務効率化

具体的な試算ですが、ロボットが契約書なんか作成してくれたら、(時間的コストを)30分の1に削減できます。AIによる自動査定であれば、人間が1週間かかっているところを、90分の1で査定が可能です。

チャレンジャブルですので、この中計中には完成しないと思いますが、思い切ったAI投資をして、(メルセデス・ベンツが提供している)「ハイ、メルセデス」からもっと進歩した音声認識を作り、それを活用したコールセンターを、業界に先駆けて作っていこうと思います。入居審査と賃料査定はこの中計中に完成予定ですが、音声認識はもう少しお時間をいただかないと、おそらく完成に近づかないと思います。

パートナーネットワークの活用

業務効率をよくする源になっているのが、全国に1,407社、建設600社、不動産700社、介護会社100社という大きなネットワークになります。我々本体は200人しか社員いませんが、これが我々にとって、非常にありがたいインフラになっています。

ブランドロゴ

これはご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、バッジの由来です。

今まではプレハブメーカーさん中心の業界でした。今でも新築着工の75.1パーセントは、5大プレハブメーカーさんの受注です。しかし、メーカー不信がこれほど高まった今、我々あるいは中堅中小の工務店さんにとって、千載一遇の、チャンスだと思います。

我々も当然、商売で成功したいですが、パートナーの建設会社・不動産会社・介護会社さんにもしっかりお仕事が行き、オーナーさまにとっても相続税対策だけでなく、きっちり利回りが出る、資産運用できる物件にしていきたいと考えています。

そのためには、きちんとマーケットに合い、入居者に選んでいただける物件を提供していくことが肝要です。これを変わらず創業以来一貫して、我々のバッジに練り込んで事業展開をしています。

市場規模

繰り返しになりますが、マーケットは非常に大きな業界です。住宅全体の37.6パーセントは賃貸で、主なプレイヤーは今までプレハブメーカーさんしかいない業界です。我々は運営のみやっている、運営主体の企業です。

将来の人口数変化①

わざわざみなさんに説明するまでもありませんが、2050年には日本の人口は1億人を切ります。ただし、分譲マンション・一戸建てと違い、我々のマーケットはまだ恵まれているマーケットです。

将来の人口数変化②

人口は大きく減っていきますが、世帯数は大きく伸びまして、2000年の4,678万世帯から2030年には5,348万世帯となります。実は、今まで我々が作っていたデータをアップデートすると、さらに世帯数が増えていますが、とくに単身者が、734万世帯増えています。

お1人暮らしの人は、お家をお買いになりません。賃貸です。2人の家族は229万世帯増えています。お子さんの数が確定してない若いカップルや、お子さんが巣立っていかれたお年を召されたご夫婦は、現段階で間取り決定して家を買えるかと言うと、なかなか買えません。もう1回お家を買うかと言ったら、買いません。もしどうしてもお仕事上の都合で転居しなければいけない場合は、いったん家をリロケートして、そして賃貸になります。

というふうに、賃貸層だけは1,000万世帯近く増えています。分譲マンション・一戸建ての業界とはまったく違い、まだまだやりようだと思います。ただし、増えていくのは40歳・50歳・60歳以上の単身者や、いわゆる高齢者など、けっこうシニアの方です。ですので、今までどおり1Kワンルームを供給していけばいい、という業界ではなくなってきております。確実に、1LDKや高齢者向け賃貸が中心のマーケットになっていきます。

賃貸住宅市場の現況

それでも未だに昔ながらの2x4や、軽量鉄骨2階建てのアパートが、新築着工の4分の3を占めています。ですので、これを変えていくこと、あるいはここのパイを奪うことが、我々にとっての使命でもあり商売になるということです。

建てる論理の終末が到来

7月5日に当社は、1,400社のパートナーさんの社長を集めて大会を開催しました。これは毎年、うちの事業所がある札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡で行っています。

今年は、東京の日比谷の帝国ホテルで開催して、レオパレスのオーナー会の会長に、討論会に来ていただき、大東建託の元支店長で、労組の委員長にも来てもらいました。メーカーの闊歩をこれ以上許していると、賃貸マーケットは正常化しないと思います。これを変えていきたいのです。

ポストプレハブメーカー

プレハブメーカーさんは、建てる以外は商売になりません。建てることが唯一です。そこで、建てさせるために「サブリースで安心です」「こういうサブリースです」(と言って回ります)。残念ながら我々は、サブリースで検索しますと上に出てきますので、株価的にはかなりアゲインストなのですが、実は去年から、事業に関しては非常にフォローが増えています。

ポストプレハブメーカー②

建てる論理ではもううまくいかないことを、オーナーさん・地主さんもよくわかってきました。我々はやっぱり、建てていません。建築利益はゼロです。運用して、オーナーさんに利益を差し上げて、その一部を成功報酬でいただいています。Win-Winの関係です。

我々は、こうしたプレハブメーカーさんに代わる新しい業態、いわゆるポストプレハブメーカーなんだということを丁寧にマーケットに対して、あるいは株式市場に対してもっと説明し、もっと訴えていきたいと思います。

プレハブメーカーとの違い①

プレハブメーカーさんはイニシャルコストで儲かります。後で地主・オーナーが儲かろうと儲かるまいと、彼らには直接関係ありません。その点僕らは、地主・オーナーさんが儲かっていかないと、僕らの収益も上がりません、一蓮托生でございます。これはオーナーさまにとって、非常に心強いと存じます。

プレハブメーカーとの違い②

家賃の設定が違います。(プレハブメーカーが)賃料改定を繰り返す噂は、みなさんもお耳にされていると思いますが、最初の設定が高く、市場に合っていないのです。なぜかと言いますと、建築費から逆算された、マーケットにそぐわない賃料設定がされているからです。

我々はまず、マーケットに即した賃料をはじき出し、利回りの出る新築が提案できるなら提案します。できないならしません。また、現状の賃貸住宅を再生も実施しますが、プレハブメーカーさんはやりません。それは新築を受注しないと儲からないからです。

でも、今あるストックは活用できるはずです。スーパーリフォームはその典型です。おかげさまで、一昨年にはスーパーリフォームは経済産業省からも表彰を受けました。

プレハブメーカーのサブリースの問題点

その証拠に、彼らのサブリースは、保証賃料はしっかり払ってくれますが、どこの誰からいくら家賃をもらって、どのぐらいの入居率なのかは公表しません。決められた家賃を2年間払い、2年後の賃料改定の時期が来たら改定しますが、中身は教えたくないため教えてくれません。

なぜかと言いますと、計画しようとすると、「あれ? この賃貸住宅の計画には無理があったんじゃないか?」とオーナーさんに思われてしまいます。キャリーオーバーして儲けすぎじゃないかと思われますし、儲けがわかってしまいますので、公表されません。ここはブラックボックスです。

僕らは全部、明朗会計です。どこの誰からいくら家賃をもらってどのぐらいか、きちんと明示しています。

ポストプレハブメーカー③

17年間同じ話をしてきましたが、僕らがしっかり目利きして、新築でもちゃんと利回りが出る物件なら、コンストラクションパートナーと話し合って、しっかりしたオートロックのマンション、あるいはデザイナーズアパートといったものを提案します。

難しいなら、2等立地であれば、高齢者向けの賃貸住宅にしましょう。それもどのみち儲からないなら止めましょう。あるいは、無理に建て替えなくても、今の付帯を活かして再生できるならリフォームしていきましょう。

こういう提案をしたうえで、当社が家賃を保証して、地元の不動産屋と二人三脚で入居率アップ……一般賃貸91.8パーセント、全体で見ると50.3パーセントとなる8万戸を満室にします。さらには介護会社と組んで、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)も90.3パーセントと、これだけ高入居率を出しているところはないと思います。しっかり運用します。

単に金融的に家賃を保証するだけではありません。きちんと運用して、オーナーさまに収益を叩き出します。我々は資産運用のプロフェッショナルとして、この業界で成功していきたいと目論んでいます。そのためには、パートナーさんとのタッグが非常に大事です。

JPMCパートナー

もちろんパートナーさんが増えていけば、我々にとっても収益が上がり、チャンスも増えます。しかし、今の局面はどちらかと言うと、現状のパートナーさんにしっかり稼働率を上げていって、たくさん案件を取っていただくという、パートナーを増やすより、パートナー1社あたりの件数を増やすことに努力している(ところです)。

いずれまた増やす機会もあるかもしれませんが、現状としては戸数を追っていくために、どちらかと言うと加盟店やパートナーの数を増やすよりは、物件数を増やしていく局面だと考えています。

景気後退はチャンス!

あまり不吉なことは申し上げたくないのですが、景気が悪いとき、うちの会社は非常に戸数が伸びていました。実を言うと、リーマンショックのあたりが一番伸びていました。アベノミクスの三本の矢が見えているときは、受注はあまり伸びていません。

実は、我々の方策は決まっています。オーナーさんのマインドが下がっているときや、景況感が悪いときには、いい条件で借り上げできますから、数を増やせています。景況感がよくなりますと、オーナーさんのマインドは強くなります。悪い条件じゃなければ借り上げができなくなるため、数を伸ばすより1戸あたりの収益、付加価値を上げることに血道を上げてきました。

上場依来、株主さまにお約束した利益を必ず確保してきた理由は、ここにあります。景況感のいいときは付加価値で、悪いときには数で勝負します。今は数で勝負する局面だと踏んで、そういう体制を取り、実際に上半期で約99パーセントの目標を達成しています。年間目標である8万戸を、この8月末で達成している状況です。

ポストプレハブメーカー④

(新規申込戸数は)前年対比で183パーセントになり、83パーセント増加しています。ただ、多いときは月間に1,000戸取っておりました。まだそこまで行っていませんので、十分余地があると思っています。

運用戸数推移(月次)

この戸数に関しては、だいぶ成長曲線に戻ったと思います。

中期経営計画

このペースで行きますと、中計の終了を待たずに、目標の10万戸は超えるものと確信しています。

中期経営計画(高齢者向け賃貸住宅)

実は非常に反響がいいのはサ高住で、正直、成功しています。この伸び率で建てている、作っているところは、うちだけしかありません。早晩、1万戸を達成しようと思っています。

高齢者向け賃貸住宅

なうまくいっている理由はいろいろありますが、1つが不動産に対する融資です。厳しいことはよくご存知だと思いますが、サ高住に対しては一定のご理解があります。ありますが、そうは言っても、昔より厳しいです。一番出してくださるところが住宅金融支援機構さんで、非常に積極的にサ高住へ融資しています。

これはサ高住が足りていないため積極的に融資しなさいというご指導が、おそらくお国からもあろうかと思いますが、非常に協力していただいています。実は、今年の新築案件の7割は、住宅金融支援機構さんの融資で、すごく緊密にご連絡をさせていただいていました。

では、他社は使わないかと言いますと、大変申し上げにくいのですが……もともとがお国の機関のためなかなか融通が効かず、土地を買うときに融資してくれません。普通、民間の金融機関は、着工・中間・竣工で3回に分けて融資してくれますが、10パーセントの最終があります。これだと建設会社さんは困ってしまうのです。

民間の請求と住宅金融支援機構さんの融資はタイミングが合わないため、なかなか使い勝手が悪いです。意外と今、35年固定金利にしては、金利は安いですが、お金の貸し方が分割なので、使い勝手が悪いのです。

そこで、当社のグループ会社で金融子会社のJPMCファイナンスがブリッジします。つなぎローンとして、ここの段階を早めに融資して、民間にタイムラグの時間調整をしています。我々としても5,000万円から6,000万円の融資で、金利が2.5パーセント取れて、期中にお金が返ってくるというのは、非常にありがたいお話でした。キャッシュフローを維持しながら事業も展開できるということで、こういう事業も展開しています。

高齢者向け賃貸住宅②

新築はもちろん、今まで全部やってきました。これから取り組みたいのが(高齢者向け賃貸への再生です)。人口の構成比を見ていきますと、どうしても若者は減ってきますので、社員寮・学生寮は、どこの企業もだいぶ余ってまいります。

高齢者向け賃貸住宅③

これは一例です。半導体メーカーさんの、東村山にある156戸の独身寮なんですが、非常に立派なものでございます。これは、駅から21分ありまして、一般賃貸に転用できません。そこで、来春竣工ですが、りそな銀行さんのご紹介で、13億円かけてリニューアル・リフォーム・コンバージョンして、都内最大級のサ高住になります。

名前は伏せますが、大手の自動車メーカーさんや化学メーカーさんなど、みなさんがよく知っている会社からも、お話をいただいています。今後、このコンバージョンを使った「ふるさぽルネサンス」も、さらに推進していきたいと思います。

JPMCふるさぽキット

今受注を支えているのは新築で、30戸から75戸です。30戸の場合、効率よく作らないと利回りが合いません。そこで、プラモデルほど簡単ではないですが、2×4の経験のある現場監督と人工を工務店が揃えて、プレカット・仕上げ材・設備を含めたこのキットさえ買えば、理想値で坪単価55万円から65万円、利回りで7パーセントから10パーセントのサ高住を作れるというキットを開始しました。これも、この事業の大幅(な収益)アップに非常に寄与しています。

ストック収入の推移

我々は、ストックの収入は増やしていますし、ストックの収益性も改善しています。ストック事業を中心に、フローに頼らない事業展開をしていこうと(思っています)。

不動産業との差別化

決別と言うとちょっとオーバーですが、差別化を図り、不動産業界とは一線を画した会社にしていきたいと思います。

わかりやすくお話ししたいのですが、前に帝国ホテルでパートナーズ大会を開催したときに、星野リゾートの星野社長にご登壇いただきました。非常におもしろいお話でしで、感銘を受けました。星野さんはご先祖からの旅館のオーナーです。

昔は、ご自分で投資してご自分で経営する、というのは当たり前でした。今はどうかと言うと、実際に自社で所有している物件は数が決まっています。リートやファンドは所有していますが、ご自社で所有しているものはほとんどなく、運営だけ請け負っています。

なぜでしょう? 今はインバウンドが来ているかもしれませんが、ホテル経営は長期で考えたらなかなか難しく、賃貸はもっと難しいからです。2,281万戸あって、22.7パーセントが余っていて、毎年40万戸の供給があります。世帯は増えていくとは言え、マーケットはいずれは減ってきますので、厳しい状況です。

僕らもやはり、昔ながらの自分で持って自分で運営するのではなく、星野リゾートさんのように我々が運営だけ請け負っていく、持たざる経営を目指しています。

不動産というトレードにはありますが、我々自身は不動産屋ではありません。実際に本体での賃貸仲介手数料・売買仲介手数料の売上は、限りなくゼロです。もちろん、JPMCアセットマネジメントは純粋な不動産会社ですので、そこでは売上があります。本体はストックですので不労収入はほぼありません。

なので、ストックを使ったビジネスになります。マンションデベロッパーさんや売買仲介をメインでやっている会社は、どんなに好調でも、年度が変わればカウンターはもう1回ゼロに巻き戻しになります。しかし、我々は1万戸獲得していけば、解約が多少あるとは言え、1万1戸から数をスタートできます。非常に安定しており、景気が不透明な局面こそ、我々にとっては強みを発揮できる業界でございます。

自己資本比率を維持しながら高ROEを実現!

多少愚痴になります。高いROEと自己資本比率を維持していますが、DERはだいぶリーズナブルでした。非常に忸怩たる思いですが、我々は20パーセントぐらいのROEは常に維持しながら、その時々の環境によって変わってくるでしょうが、自己資本比率は最低30パーセント以上はキープしていきたいと思います。

賃貸業界の近未来【現在】

これから不動産業界・賃貸業界は初めて変わると踏んでいます。今から24年前で、私が32歳のときに、横浜の17平米の神奈川区鶴屋町のマンションの一室で、ネクストという会社を創業しました。今のLIFULLですが、現社長の井上高志さんと2人で50パーセントずつお金を出し、売れるものは全部、女房子ども以外全部売り、中学生のときにお袋に買ってもらったギターまで売り払って資本金を作りまして、この業界に初めて入りました。

以来、いずれはこうなるとは思っていましたが、なかなか変わってきませんでした。物件探しはリクルートさんの「フォレント」じゃなくなって「SUUMO」や「HOME'S」になりました。しかしそこから先の、店に行って不動産屋のロゴマークの入った小さい車に乗せられて物件を見に行って、戻ってきて「お客さま、この物件どうですか」とカウンターで説得を受けて、重要事項説明を受けて契約して、「Done」というフローはそのままです。実は広告以外、うちの業界はまったく何も変わってこなかったんです。

賃貸業界の近未来【未来】

ところがこれからは、大きく変わるのは3つあります。まず、一昨年の10月からSkypeのようなテレビ会議システムを使って重要事項説明していい、会わなくていい、来なくていい、不動産屋行かなくてもいい、というIT重説を、国土交通省は正式にスタートしました。

次に、もう技術的には完成していますが、スマホが鍵に変わります。ピッとタッチしますとオートロックも解除でき、その部屋にも入れます。しかも時間も指定でき、夜中でも構いません。もちろん、内覧できる物件は人も住んでいませんし、物も何も入っていませんから、防犯上の問題もありません。

1時間だけ鍵として機能して、出て行ったことも確認できます。30分だろうが10分だろうが15分だろうが、設定できます。そうすると遠隔で、Googleマップとスマートキーだけで、物件を見に行ってもらうことができます。

契約決済も「DocuSign」や「IMAoS」など、いろんな決済システムが出てきました。法律がまだ追いついていませんが、いずれシグネチャーや印鑑なしで、契約が正式に受理されます。この3つが揃い踏みすると、この業界は大きくガラッと変わります。

さすがに家を買うとき、戸建てやマンションを買うときに、不動産屋に相談しないで自分たちで見に行って決めることはないと思いますが、不動産屋にいちいち行かなくても(よくなりますので)おそらく遠方でなくても、このスマート仲介は主流になると思います。100パーセントではないと思いますが、こちらがマジョリティになると思います。

そうしますと、会ったことも見たこともない不動産屋さんに、1ヶ月分の賃貸仲介手数料を支払いますでしょうか? 僕はこの業界に、ものすごい激震が来ると思います。その点、我々は仲介ゼロ、店舗もゼロです。JPMCエージェンシーという、都内で仲介店舗を4年前から5年前まで展開していましたが、要らないと思ったため廃業しました。

また、決済にはどうしてもクレジットカードが必要なため、VISA・MasterCard・JCB・アメックス・ダイナースの5大ブランドのクレジットカードで、初期費用・家賃を決済できる仕組みにしました。

営業・提案へのリソース投入

我々だけではないと思いますが、人の確保には我々も苦労しています。最近の新人はなかなか定着率が(高くありません)。最近の施策が功を奏して、去年の新卒は1名以外全員残ってくれて、戦力になっていますが、非常に苦労しています。

今後、今までのペースで人を拡大していくのは難しいので、このスライドにあるとおり、人数が1.5倍ぐらいでも営業戦力が倍増以上にできるように、バックヤードを簡略化し、システム化し、AIやRPAをどんどん導入していこうと考えています。

人材育成

営業でも「Salesforce」を活用し、「Teams」やSNSを使うことによって、コミュニケーション頻度がだいぶ上がり、ロスや引き継ぎがうまくいくようになりました。まだまだこれから活用していかなければいけませんが、こういうものも手近なものから始めて、ICTやAIを活用した業務の効率化を推進します。そして、より多くの営業戦力でマーケットに向かっていけるようにしていきたいと思っています。

ご清聴、誠にありがとうございました。