当社の戦略と理念
橋本義賢氏(以下、橋本):橋本でございます。今日はよろしくお願いいたします。途中、新日本プロレスの部分に関してはメイがお話ししますので、そこはバトンタッチして、キャッチボールしながら進めさせていただきます。
まず、上場後初の決算説明会ということで、まだ当社をご理解いただけていない方がいらっしゃる可能性もあるかと思いまして、簡単に会社について説明します。
当社の戦略と理念については、「IPディベロッパー」を掲げています。「IP」は「Intellectual Property」の略で、この業界においては作品、キャラクター、選手そのものを指しています。
また事業は大きく2つあり、エンターテイメント事業とスポーツ事業に分かれています。エンターテイメントと言っている部分は、いわゆるアニメやゲームといった事業が中心となっています。
当社の強みは、このようなアニメ、ゲームを「ゼロイチ」で、IPを作るところからできることで、アニメ(メディア)、ゲーム(MOG)、音楽、マーチャンダイズ(MD)、カードゲーム(TCG)の5つの部門をインハウスで、ワンストップで回していけるところが強みだと考えています。なお、スライドに記載している複数の子会社を持ち、それぞれが専門子会社となります。
またスポーツ事業は、「新日本プロレス」と「KNOCK OUT」というキックボクシングの事業を展開しています。
エンターテイメント事業 自社IPの展開例
IPディベロッパー戦略を簡単に説明します。『BanG Dream!』というものが当社のナンバーワンのタイトルですので、こちらを例にご説明します。まず、スライドの左上のキャラクターがアニメーションキャラクターです。そして、その下の写真が実際の声優さんです。このキャラクターの声を担当している声優さんが実際にバンド活動を行うところが、このプロジェクトのスタートとなりました。
そのバンド活動からIPを立ち上げていきまして、スライドの右側のように当社内で各事業を展開します。まずは、音楽部門としてライブ活動を中心にスタートしまして、その後アニメ化してゲーム化しました。
さらに、途中でMD部門がグッズ販売などを行います。そして、メディア部門のなかでアニメやプロモーションを行っていくといったかたちで、各事業がワンストップで行っています。またスライドの右側の青い部分が、TVCM、SNS、交通広告などです。このように、事業と事業の間をタイムリーにプロモーションでつないでいき、各事業が年間を通して何かを行っているという状況です。
今の時代は、数多くのIPが立ち上がります。アニメで300作品、ゲームであれば1,000作品を超えるものが年間で立ち上がってきますが、そのようななか、いかにして年間を通して話題を切らさないかということで、(スライドの上にも書いてありますが)それができることがヒットを生み出すビジネスモデルであると考えています。これがIPディベロッパー戦略です。
エンターテイメント事業 他社IPの展開例
一方で、自社IPだけではなく、他社IPを利用したビジネスも行っています。これは経営のポートフォリオという観点から安定経営ができると考えています。
例えばカードゲームの事業についてですが、『ヴァイスシュヴァルツ』は創業来11年にも渡って行っている事業です。今まで100を超えるIP……アニメやゲームなどのキャラクターを使ってカード化しています。また、当社はそのキャラクターカードで遊べるプラットフォームを提供しています。
スライドにも書いていますが、例えば『ジョジョの奇妙な冒険』『戦姫絶唱シンフォギア』『カードキャプターさくら』『クレヨンしんちゃん』『進撃の巨人』、さらに『スター・ウォーズ』などもありますが、この『ヴァイスシュヴァルツ』というカードゲームのプラットフォーム上で、例えば『ジョジョの奇妙な冒険』と『クレヨンしんちゃん』で対戦ができるというゲームになります。
こちらが国内外で35億円ほどの売上になっているのですが、このような事業を進めることで多くのIPホルダーさまとビジネスを展開させていただいています。その関係で、例えばスポンサードも当社が提供したり、ロイヤリティもお支払いします。あるいは出資で関わったりといったことで、コンテンツホルダーさまとの信頼関係を築くことができています。
これにより、例えば「カードだけではなく、実はモバイルゲームでも御社のIPで作りたい」「キャラクターグッズ、MDでも御社のIPで作りたい」と相談すると快諾いただけることが多くあります。このように、他社IPでのビジネスでバランスを取ったビジネスポートフォリオになっているとお伝えしたいと思います。
スポーツ事業
新日本プロレスについてですが、2012年に合流しました。選手というIPはすばらしいものですが、(当時は)売上が10億円程度で低迷しており、当社が合流した後は、例えば山手線でラッピング(トレイン)を展開したり、選手にテレビに出演してもらったり、Twitterを始めてもらったりと、リングの外でのプロモーションを熱心に展開しました。その結果、観客動員は過去6年で3倍、売上は5倍以上と、文字どおりV字回復できました。
スライドの右上に書いていますが、「くすぶるIPも再燃させる」ということです。IPディベロッパー戦略は、このプロレスだけではないのですが、くすぶっている他社のIPをお借りしてこのように再生、あるいは成長させることができる。それがこのIPディベロッパーだと考えています。
2019年7月期本決算サマリ
それでは、決算の概況をお伝えします。売上高は320億円ほどとなり、前年比11パーセントほどの増加となっています。経常利益は約30億円で、ほぼ据え置きではありますが増益を確保しました。
中身になりますが、エンターテイメント事業に関しては、売上、利益ともに10パーセントを超える2桁成長となりました。とくにこの期は、音楽部門とMD部門が大きく成長しまして、60パーセント近く増加するかたちで成長できました。
スポーツ事業は、売上が55億円で9.6パーセントの増加となりました。ただし、利益は20パーセントほど減となりました。未来に向けた海外および映像ビジネスを成長させていくための投資を行った結果、このようなかたちで決算を迎えることになりました。
要約損益計算書(連結)
損益計算書の概略です。先ほどご説明しましたが、ここでお話ししておくべきこととして、今期の広告宣伝費はほぼ据え置きで、前期からあまり伸ばしませんでした。また、当初予定として出していた着地予想は(売上高が)313億円、利益が27億円でしたが、これに対して上振れた部分は、やはり音楽事業とMD事業が想定以上に好調に推移したからです。
そして、トータルの利益率は昨年度に比べてやや下げていますが、こちらに関しては先ほどお伝えしたスポーツ事業の投資が影響した結果です。
売上高構成(連結)
もう少し詳しくセグメントで見ていきます。先ほどから申し上げていますが、青いグラフの音楽事業が伸びてきています。また緑のグラフのMD事業も伸びてきているということで、スライドの右側の図で見ていただくと、音楽事業とMD事業が伸びたことをお示しできるかと思います。一方で、カードゲームに関してはやや下げた年となりました。
2019年7月期IPランキング
IPの会社ということで、IPランキングを載せています。6位に『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』というタイトルが新たにランクインしました。こちらのランキングは、当社の売上ベースで10億円以上のIPになります。
スライドの右側には、それぞれのタイトルがどのくらいの時期に立ち上がり、何年継続しているかという図になります。当社のビジネスは、いったんスタートしますと継続的にビジネスを展開していくことができる、運用型のビジネスです。カードゲームもモバイルゲームも運用型のビジネスです。
スライドにあるとおり、『ヴァイスシュヴァルツ』は11年、『カードファイト!! ヴァンガード』は8年、「新日本プロレス」は47年の歴史のある会社ですが、当社グループに入ってからは7年です。
このように、スタートしたタイトルはすべて継続していくのだとご確認いただければと思います。また今年、過去最高売上となったタイトルには、右側に星印を付けていますが、7つのうち5つが過去最高売上となりました。
エンターテイメント事業トピックス TCG部門
セグメント別のトピックスをお伝えします。まずはTCG部門ですが、これはカードゲーム部門です。『カードファイト!! ヴァンガード』『フューチャーカード バディファイト』に関しては、残念ながら昨年度を割ることになりました。しかし『ヴァイスシュヴァルツ』は、11年の歴史のなかで最高売上となりました。
一方、海外のカードゲーム事業はどうかと言いますと、年々売上が伸びてきています。とくに、昨年度から顕著な傾向が現れてきました。
カードゲームは、スライドの左側にありますように(海外でも)大会を開いており、この大会の参加人数が実に(前大会比で)148パーセントと、非常に伸びている状況です。また売上に関しては、(参加人数と同様に)一挙に1.5倍とまではいかないのですが、着実に伸びている状況です。
そして、TCG部門の海外売上高は、全体に対して26パーセントでございます。ちなみに、スライドの写真はニューヨークで開催した「Bushiroad Spring Fest 2019」という大会の様子です。
エンターテイメント事業トピックス MOG部門
モバイルゲーム(MOG)の部門です。結果的に売上高は74億円ほどで着地して、昨年度から据え置きといった状況です。昨年度に関しては、今期リリース予定のタイトルを仕込む年になったということです。
ただし中身を見ていきますと、『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』に関しては、App Storeのセールスランキングで1位になりました。また、国内ユーザーも1,000万人を突破といったニュースもあります。それから『少女☆歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE-』と『名探偵コナン』のゲームも配信開始しています。そして、『BanG Dream!』と『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』のゲームでの共同のオフラインイベントも行いました。
当社は、オフラインのイベントを積極的に行っている会社なのですが、この「ガルスタ祭」という名前で開催したものに関しては、3万1,000人ほどが来場ということで盛り上がってきています。なお、こちらの部門の海外売上比率は14パーセントになります。
エンターテイメント事業トピックス 音楽部門
音楽部門です。こちらは『BanG Dream!』の好調さが結果に出た年で、スライドのように大きく売上を伸ばし、(前年比で)60パーセントほど伸長して、32億円程度で着地となりました。またトピックスとしましては、『BanG Dream!』関連のCDが100万枚を突破しました。
そして、6タイトル同時リリースにもチャレンジしたところ、その6タイトルすべてがオリコンTOP10に入るといったこともありました。この音楽部門の集客人数は、昨年度においては約19万人です。
エンターテイメント事業トピックス MD部門
MD部門も大きく伸ばしました。結果として(売上は前年比で)60パーセントほど伸ばして、45億円くらいの着地となっています。まだこの事業を立ち上げて3年しか経っていないのですが、このように伸ばしてきているということで、流通などのビジネスモデルがしっかりと立ち上がった年かと思います。
「商品開発と流通」において、この流通とは、自社のイベント物販、ライブ物販はもちろんなのですが、一般のキャラクターグッズの流通、ゲームセンターのプライズの流通、街中のガチャポンの流通において、通年でしっかりと商品を供給できたところが大きく寄与した結果、このようなかたちとなりました。
また、初めてアニメイトさまと組んで「アニメイトワールドフェア」を開催しました。アニメイトさまは、全世界125店舗のうち6店舗が海外店舗となっていますが、このような全世界フェアは、実はアニメイトさまにとっても初めてだということでした。「なぜ、当社のタイトルだとそれができるのか?」といったところは、少し秘密があります。
通常のアニメ会社さまは、そのアニメの権利を「アメリカはA社」「アジアはB社」「中国はC社」「ヨーロッパはD社」といったかたちで、だいたい権利をオールライツで売るケースが多いのですが、当社においてはワールドワイドなビジネスを当社ができるため、MDの権利は留保しています。その結果、「ワールドワイドフェアをやる」といったときに、当社の権利で実行できるといったところがあります。
こうしたことができるのも、また当社の1つの特徴かなと思います。その結果、全世界の120万人の『BanG Dream!』ファンにグッズを買っていただけました。また、この部門は他社IPの利用も積極的に行っており、『Re:ゼロから始める異世界生活』や『名探偵コナン』などの商品も好調に推移した年でした。
では、スポーツ事業に移りますので、メイからお話をいたします。
スポーツ事業トピックス
ハロルド・ジョージ・メイ氏(以下、メイ):新日本プロレスのメイです、よろしくお願いいたします。
今日、説明会にお越しの投資家のみなさまのなかには、「プロレスが大好きだ」という投資家の方もいるかもしれませんし、「プロレスって、まだやってたっけ?」と思われる投資家の方もいるかもしれません。実は、新日本プロレスはおかげさまで非常に好調が続いています。
ありがたいことに、我々がブシロードに買収されてから6年間で、売上が5倍以上伸びており、2018年7月期には、それまでの(新日本プロレスの)47年の歴史のなかで過去最高売上、過去最高利益を達成しました。そして2019年7月期にはこの記録をさらに更新して、売上に関してはスライドに表示してあるように、さらに10.7パーセントほど記録を伸ばし、54億1,600万円まで上げることができました。
このように、非常に完成された1年だったのですが、そのなかでもいろいろなことがありました。一番のハイライトは、スライドの写真にありますように、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行った大会です。
我々の主な戦略は、配信サービスおよびテレビ放映権(の獲得)により、世界に向けてどんどん発信していくことです。この後に戦略のところで説明しますが、そうは言いながらも、やはり現地のファンに我々の興行を見せて、ブランドをサポートしてもらうことも非常に大事です。
どこまで当社のブランドが興行として現地に通用するのかという腕試しみたいなところで、プロレスの聖地と言われているマディソン・スクエア・ガーデンで、今年の4月に開催させていただきました。
(会場の)1万6,000席が、なんと16分で完売したという報道もあるように、我々のブランドが海外、とくにアメリカ市場においても通用することが自信になり、それをバネに、今年は日本の156大会に加えて、オーストラリアでも大会を開催したり、また8月31日にはロンドン大会も開催させていただきました。
そうして、どんどん海外のファンを増やしていき、真のグローバルブランドとして、日本から輸出できるスポーツコンテンツとなることをこれからも目指していきたいと思います。ありがとうございました。
2020年7月期業績予想
橋本:ここから、2020年7月期の業績予想ですが、売上高は360億円、利益は31億円という数字を予想しています。詳細はこの後ご説明します。
2020年7月期 リリース予定の新作MOG
モバイルオンラインゲームで今期中にリリースするものを4つピックアップしています。まずは『ヴァンガード』のモバイル版ですが、これは年内配信予定です。それから『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS』ですが、これは『ラブライブ!』のもう1作目のゲームです。実は昨日(2019年9月17日)からApp StoreとGoogle Playでダウンロードの予約を開始しています。また、公式Twitterのアカウントも順調に(フォロワーが)増えている状況です。
そして『ロストディケイド』は、中国の人気IPを日本向けにローカライズするというもので、ブシロードにとってめずらしいチャレンジですが、今、こちらを準備しています。
また『カードキャプターさくら クリアカード編 ハピネスメモリーズ』も他社IPとなりますが、他社IPを利用したモバイルゲームの1つの例として『ラブライブ!』がありますので、そのように他社IPをうまく利用したものも積極的に展開しています。
2020年7月期 投資予定の新規IP
こちらのスライドは新しいIPで、今育成中のものです。左上が『D4DJ』という新しいIPで、声優さんにDJをやっていただくプロジェクトになっています。ブシロードは「ライブコンテンツカンパニー」であると言い換える人もいらっしゃいますが、(この作品などは)確かにそのとおりです。
そして、『BanG Dream!』もガールズバンドから立ち上がったIPでヒットしました。また新日本プロレスも、実はライブコンテンツです。
ライブから始まったIPがこのようにビジネスになっているということで、ブシロードのお家芸ではないですが、そのような意味では『D4DJ』もライブコンテンツです。
今は、DJイベントをしっかりと積み上げて実施しています。最初は渋谷で500人(の規模)からスタートしましたが、7月には幕張メッセで4,000人(規模)でDJイベントを実施するところまで、ファンベースを拡大中です。
そして『ARGONAVIS』ですが、こちらはナンバーワンタイトル『BanG Dream!』の男性版です。男性の声優バンドを結成しまして、下北沢の小さなところからスタートしました。この『ARGONAVIS』も7月に4,000人規模のライブができるところまで成長しており、ファンベースを拡大中です。
スライドの左下は『Reバース for you』というカードゲームの新作タイトルです。ここ数年、実は日本では新しいカードゲームが立ち上がっておらず、ここ1年、向こう1年、という意味でも(カードゲームの立ち上げは)当社ぐらいだと思います。
その意味で、カードゲーム市場からは期待が高まったのですが、一方で、難しい市場です。なかなか新しいタイトルが立ち上がらない難しい市場に、カードゲームカンパニーとしての威信をかけて投入するタイトルとなりますが、本日(2019年9月18日)の夕方から詳細の発表会を実施予定です。
4つ目が、『アサルトリリィ』というIPで、こちらは『レヴュースタァライト』と同様に舞台からスタートするかたちで、このIPのファンベースの獲得を進めていきます。
これらの4タイトルに関してはまだ仕込み中で、開発投資中といった年になる予定です。一方で、先ほど見ていただいた今年リリース予定のゲームに関しては、しっかりと売上を確保していく予定で考えていますが、利益予想においては保守的に考えています。
ここからのお話は、またメイにお願いしたいと思います。
2020年7月期のスポーツ事業
メイ:先ほどのプレゼンのなかで、「新日本プロレスは非常に好調である」と報告させていただいたのですが、実は日本にはプロレス団体が100団体以上あります。世界に目を向けると、その何倍もあるのです。正確な数字はどこにも記載がないのですが、数百団体から、もしかすると1,000団体を超えるぐらいのプロレス団体があります。
間違いないと言えるのは、そのなかで世界一のプロレス団体はアメリカのWWEであるということで、新日本プロレスは2位になります。我々は、この日本独特のプロレスを世界に輸出できると信じてビジネスを展開しています。
先ほど申し上げたように、現状は年間で156試合ぐらいを実施しており、満員率は約95パーセントです。
他の団体と我々が大きく違うのが、我々のプロレスを見てくれるお客さま層です。「プロレスを見るのは9割以上が男性だ」というイメージを持たれるかもしれませんが、新日本プロレスに関しては4割ぐらいが女性で、しかも非常に若く、20代・30代(が中心です)。そして男性は5割くらいですが、30代・40代(が中心)で、残りの1割ぐらいが12歳以下のお子さまになります。
我々の戦略として、まずは(現状で行っている)156試合の会場を少しずつ、できるだけ大きくしていくことです。例えば、1年で一番大きな試合が1月4日の東京ドーム大会になり、ここで約4万人を動員しているのですが、2020年は東京ドームで2日連続で試合を行います。つまり、「4万人を8万人にする」という計画で、他の地方大会も含めて、どんどん(規模を)上げていくのですが、やはりこれには限度があります。
どれだけ試合を行うとしても、選手の休みや移動等々を考えると、やはり150試合から160試合(が限界)で、極端な話、これを2倍にするのは数字的にほぼ不可能です。これだけ人気があるのであれば、チケットが買えない、会場に行けないとしても、動画配信サービスやテレビ放映を通じて収入を得ようというのが基本的な考え方です。
やはり、WWEもこの戦略です。スライドの右側のパイグラフを見ていただくとわかりますが、中央がWWEの売上構成になっており、それを囲むかのように色で表示しているのが、我々の売上構成です。ご覧のように、新日本プロレスは外側の丸い赤枠なのですが、売上の半分くらいが興行、要はチケットです。そして、2割がコンテンツ、つまり動画配信サービスやテレビ放映などで、3割がマーチャンダイジング、つまり帽子やTシャツなどのグッズです。
チケットが買えないほど人気があるのであれば、「お金を出してでも、配信サービスやテレビで見たいであろう」という方針の下、我々は動画配信サービスも展開しています。
現在は、世界で約10万人の会員に月額999円で加入いただいており、約半分が海外にいるファンの方々です。同様に、WWEもそこに力を入れていますので、もっと海外にも通用するような英語コンテンツを増やしたり、もっと外国人に受け入れられるようなコンテンツとして、試合以外のインタビューコンテンツや、(プロレスの)背景を説明するようなビデオを増やしています。これも戦略の1つです。
テレビ放映に関してですが、今は世界10ヶ国でレギュラー放送をしています。アメリカ、カナダ、フランスも含まれていますが、まだ10ヶ国であり、放映していない国がたくさんありますので、そこも増やしていきたいと思っています。
そして忘れてはいけないこととして、人気が高まるとグッズも売れるということで、これからも越境ECには非常に力を入れていきたいと考えています。以上です、ありがとうございました。
橋本:新日本プロレスに関しては、海外での興行も増やすことを計画しており、昨年度に比べて今年度は倍増というイメージで、中期的にはもっともっと伸ばしていくところです。これによって、海外……アメリカが中心ですが、アメリカで興行を展開することにより、アメリカのタイムゾーンにおける映像が撮れるわけです。その映像は、アメリカを中心とする英語圏での価値が高まるということです。
自社配信の部分もあれば、放送局や配信プラットフォームに販売していくところで価値を高めていくことが可能と考えています。
エンターテイメント事業の外部環境
当社のマーケットを確認させていただきたいなと思います。スライドの左上のグラフは日本のアニメライブ市場ですが、「アニソン」と言いまして、アニメソングを歌うライブやアニメのキャラクターを舞台で楽しむ2.5次元ミュージカル等の市場規模が、5年で2.5倍まで広がっています。
これはアニソンをピックアップしましたが、まさにプロレスも同様で、実はイベント市場、ライブ市場は大きく伸びているのです。ブシロードグループは、ライブコンテンツビジネス会社であるという意味でも、ライブを基軸にIPづくりを行って広げていくといった会社です。こちらをあらためて申し上げます。
そして、スライドの右上のグラフがカードゲームですが、日本のカードゲーム市場は800億円から1,000億円の安定市場です。世界のデータがなかったため日本のものを掲載していますが、世界においてもカードゲーム市場は安定しています。当社の推定では、世界市場はおそらく2,500億円から3,000億円くらいと考えています。
このように、デジタルの世の中が広がっていますが、「デジタルになればなるほどアナログが欲しくなる」ということで、コミュニティのようにその場でしか楽しめない、その瞬間にしか楽しめない感動をみなさまと共有するということで、ライブにも通じますが、カードゲームもまったく同じなのです。このように、カードゲームの市場は安定しているということをあらためてご確認ください。
スライドの左下のグラフは、日本アニメ市場の推移ですが、右肩上がりです。グラフの下の赤いところが国内で、ピンクが海外なのですが、赤いところは1兆円あたりで横ばいです。一方のピンクの海外の部分が毎年どんどん伸びている状況で、2017年で国内1兆円、海外1兆円の2兆円マーケットになっています。今後も海外では、日本アニメの市場が伸びていくだろうと考えています。
そしてスライドの右下のグラフは世界のゲーム市場となりますが、グラフの一番下がモバイルゲーム、中央がコンソールゲーム、上がPCゲームです。伸びているのはモバイルゲームで、日本ではモバイルゲーム市場が1兆円あたりで頭打ち感があるかと思いますが、世界においては、モバイルゲームは毎年1兆円を積み上げていくような成長が予想されているマーケットです。
海外市場のさらなる開拓
このような市場環境のなかで、当社は海外事業を強化していきます。すでに英語版、繁体字版、簡体字版、韓国語版のモバイルゲームを配信中です。先ほどご覧いただいたとおり、日本アニメは海外で伸びており、モバイルゲームも海外で伸びていますので、ここにフォーカスします。
当社のように日本アニメをベースとしたモバイルゲームは、海外でまだ伸びるだろうということで強化していきます。
こちらのスライドの地図は、当社がオフィシャルにカードゲームを販売している地域を色で分けていますが、60ヶ国以上で販売しており、20ヶ国以上で公式大会を実施しています。各国のチャンピオンに、年に1回日本にお越しいただいて世界チャンピオンを決めるといった運用型ビジネスを継続しています。
トピックスとしては、中国やマレーシアなどの新興市場のなかでもカードゲーム市場が伸びているといったことです。
将来への展望
当社の将来的なイメージになりますが、スライドの中央の大部分は、IPディベロッパー戦略のサービスで、各事業・各プロモーションを書いています。スライドの左側の「IP」ですが、自社・他社問わず小さいIPを当社のプラットフォームに通すと、右側にあるように、大きく赤く燃え上がるIPに成長するということです。
このように、当社は自社でIPを作るところから、プラットフォームを通して大きく成長させます。
また、他社IPもアライアンスしながら、IPディベロッププラットフォームを通すことによって大きいIPに成長させていきます。この活動を通して当社のビジネスは成長できるものと考えています。また、自社IPだけでなく、他社IPとともに成長できることは、ある意味、レバレッジを効かせることとができるわけで、このプラットフォームでスケールさせていくといったモデルが当社のモデルです。すでにこのかたちができつつありますが、さらにブラッシュアップしていきたいと考えています。
以上です、ありがとうございました。
質疑応答:音楽部門とMD部門が伸長した理由について
質問者1:1点ずつお願いします。前期をとくに部門別で見た場合、音楽とMDの伸び率が非常に大きかったということで、その要因についてご説明いただいたのですが、もう一度お願いします。
前期、リリースしたものがたまたまヒットしたのか、それとも構造的に変わってきて、今後も引き続き伸ばしていける見込みがあるのかといったところを、まずはおうかがいしたいと思います。
橋本:当社のIPディベロッパーモデルとしては、音楽もMDも含めたアニメ、ゲーム、マーチャンダイズ、音楽、TCGの5つでバランスよく売上が上がることを目指しており、今まではカードゲーム中心で進めてきていました。
そこからモバイルゲームが加わり、さらにカードゲームとモバイルを軸足にしながら、音楽とMDが増えてきたということです。ヒットを生み出す事業モデルであるIPディベロッパー戦略は、ゲームだけ強くてもダメ、TCGだけ強くてもダメと考えております。音楽も強い、MDも強いというモデルができて、初めてIPディベロッパー戦略の効き目がもっと上がっていくと考えています。
ですので、意図的に(その2つの)事業の売上を上げることを進めてきました。とくに音楽が伸びたことに関しては、『BanG Dream!』が音楽コンテンツであるといったところが要因でもあるため、結果としてこのように伸びたということではありますが、今後もブシロードはライブコンテンツ会社として、先ほどお話しした『D4DJ』のIPを立ち上げていきますので、さらに音楽の部分を伸ばしていけると考えています。
MDに関しては、他社IPもいただきながらビジネスを構築しています。『BanG Dream!』だけでなく、例えば『名探偵コナン』や『Re:ゼロから始める異世界生活』など、他社IPもお借りしながら展開させていただいておりますので、MDは引き続き伸ばしていけると考えています。
質疑応答:売上の海外比率について
質問者1:2点目は、海外の比率です。モバイルオンラインゲームが14パーセント、トレーディングカードゲームが26パーセントといった数字を出されています。資料のなかにあるのかもしれないのですが、全社で見た場合の比率はどれぐらいになっていて、今後の国内と海外の伸び方はどのように見ておいたらよいでしょうか? そのあたりの今後の推移をどう見たらいいのかということで、教えていただければと思います。
橋本:全体での数字はお示ししていないのですが、前期における海外売上は約40億円台半ばぐらいです。その結果、全体売上に対する海外比率が約15パーセントとなります。
こちらに関してですが、今後は海外も2桁成長を目指して準備を進めています。構成比がどうかについてですが、実は国内も2桁成長を目指していますので、その意味で、構成比は15パーセントから20パーセントの推移が続くものと考えています。
質疑応答:プロレスを海外展開する際の課題について
質問者1:3点目として、プロレスのところでおうかがいしたいのですが、先ほどのお話しでは年間で今期は156試合を予定されていて、興行的な試合数としてはこれが手いっぱいとのことでした。会場をもう少し大きくすることによって、まだ若干ポテンシャルがあるということですが、今後はそれよりもコンテンツ配信などに注力していくというお話をいただいたと思うのですが、会場を大きくすることによって、今の観客動員数のポテンシャルはどれぐらい上げることが可能なのでしょうか?
ここが国内で見た時の限界だと思いますので、その限界点は何万人ぐらいとお考えなのかをおうかがいしたいと思います。それから、コンテンツ配信で伸ばしていくとすると、海外が中心になっていくかなとは思うのですが、今後日本のプロレスが海外の市場に受け入れられるためには何が課題になっていくでしょうか? このあたりについて、もう少し教えていただきたいと思います。
メイ:では、私から説明いたします。まず1つ目の会場について、具体的に査定したわけではないのですが、日本の場合、我々が通常実施しているプロレス会場にもいろいろな規模があります。その次の段階まで大きくしようと思うと、「千が万になる(くらい規模が違う)」のです。つまり、2,000人規模の次(の段階まで)を実施しようと思ったら、気を付けないと観客動員が1万人から2万人ぐらいの規模になり、ものすごい大きくなるのです。
例えば、(2020年1月は)4万人のダブルドームで、いきなり2倍の8万人になるわけです。その意味では、いきなりそこまで背伸びをしてしまうと、気を付けないとガラガラ感が出てくるという危なさもあります。
徐々に(拡大して)いくということは、常にチケットが買えない(状況ということで)、それで人気を保っているという戦略でもあるため、徐々には(拡大して)いきます。その意味では、ここ2年から3年では1.3倍から1.4倍ぐらいの動員数は確保できると思います。よって、さきほどお話ししたように、動員数を2倍にするようなことは、日本だけを見ると不可能だと思います。
だからこそ、配信サービスやテレビ放映(が重要になってくるわけ)なのですが、そこでの課題はたくさんあります。その1つは、やはり言葉です。70人のスタッフのうち、45人から50人が日本人であり、全員英語ができるわけではありません。TwitterやYouTubeもスタッフが英語にしないといけないわけですから、まずは英語力は選手にではなく、スタッフ、つまりオフィスに問われるということです。
2つ目が、日本の(プロレスの)見せ方と背景……その試合に至るまでのストーリー性と呼んでいますが、感動(を生む部分)といったものも英語で説明しないといけません。日本人の心に刺さる部分と外国人の心に刺さる部分が若干違うわけです。
だからこそ、コンテンツ作りにおいて、今回は映像班を1年かけて2人から8人に増やしたりもしています。
3つ目は、ローカルヒーローが必要だということです。幸いなことに、我々の場合は選手の多国籍比率がだんだん高くなっています。しかし、その地域ごとのヒーローが必要だということです。例えばオーストラリアであればオーストラリア人のヒーローがいないといけないですし、ヨーロッパであればイギリスやドイツなど、またアメリカであればアメリカ人といったように、やはり(ローカルヒーローがいると)それが非常に響くわけです。そのためにも、選手と長期契約を結ぶというのもキーワードの1つになります。
最後は、やはり売り込みで、我々からテレビ局に対しての営業力を高める必要があります。主に、この4つだと思っています。
質疑応答:今期のセグメントごとの業績について
質問者2:今期の立て付けを教えていただきたいのですが、セグメントで見るとどのような感じかについてお話をいただければうれしいです。また、エンターテイメント事業(の売上高)は2桁成長を目指すと思うのですが、MOGのリリースがかなり牽引するのでしょうか? それとも積み上げになっていますので……例えば『BanG Dream!』は、今期もかなり積み上げられるのでしょうか?
セグメントでどのような感じなのかということで、例えば新日本プロレス(のスポーツ事業)は昨年度は減益ですが、今期は増収増益になるといったように、考え方を少し教えてください。
橋本:まず、セグメントに関しては、エンタメセグメント、スポーツセグメントとも増収増益を予想しています。ただし、増益と言いましても、お示しした数字が保守的な数字ですので「どれだけ(の増益)か?」に関しては、あまりアトラクティブなことは言えないかなと思っています。
実は、新しくリリースするモバイルゲームの4タイトルは、利益ベースではかなり保守的に見ています。新たにリリースするゲームは、ほぼ利益は考えていません。また既存IPは継続的に伸ばしていくところで、売上部分は既存タイトルも伸びる(ことを想定しています)。利益もほぼ既存タイトルで生み出すことを想定しており、新しくリリースゲームは売上のみへの寄与というイメージで、今期の予想を作っています。
質問者2:前回の資料などで、新しいタイトルの開発費を前期に少し計上すると記載されていたと思いますが、開発費はどういうイメージでしょうか?
橋本:当社における開発費は主にアニメです。当社ではIPは最初にライブ活動をしますが、これは単体だと赤字になります。それからアニメをスタートしますが、当初はアニメも赤字です。アニメ制作費は3ヶ月で50パーセント償却しますので、アニメ放送が終わる頃には50パーセントの償却が終わる仕組みになっています。
モバイルゲームは、開発する部分でパブリッシャーさまとパートナーを組むケースもありますので、その場合はパブリッシャーサイドで開発費を持つケースもあります。
今申し上げたのが、初期投資の部分ですが、初期投資は毎年かかってくる想定です。
質疑応答:新規IPの現在の手応えと今後の展開について
質問者2:もう1点、新規IPのところですが、例えば『D4DJ』や『ARGONAVIS』でも、少し手応えがあるようなお話だったと思います。ここがもし大きくなると、音楽とMDで、いわゆる『BanG Dream!』みたいなかたちに持っていきたいと考えているのでしょうか?
橋本:まず『BanG Dream!』の男性版である『ARGONAVIS』ですが、既存の『BanG Dream!』と同じようなビジネスモデルで展開しています。またコンセプトは変わりますが、『D4DJ』も、自社でIPディべロッパーモデルをフルに活用できるタイトルになります。
アニメ(メディア)、ゲーム(MOG)、音楽、マーチャンダイズ(MD)、カードゲーム(TCG)の5つの部門で、それぞれ売上を確保できるタイトルになっています。
質問者2:なかなか言いづらいかもしれないですが、手応えはいかがでしょうか?
橋本:非常によいものと考えています。
質疑応答:新日本プロレスのアピールポイントについて
質問者3:メイさんへの質問です。海外に行くと、新日本プロレスはニッチ過ぎなのか、それとも将来的にはWWEと戦えるぐらいの規模になれるのかということで、新日本プロレスのアピールポイント……海外のファンに対してどういうアピールポイントを考えていますか?
メイ:決してニッチだとは思っていません。まずはスポーツ分野について、僕がよく申し上げているのが、例えば日本では野球が非常に盛んですが、世界に目を向けると野球が盛んな国はせいぜい10ヶ国ぐらいです。そのなかにアメリカが入っているから大きく見えるのかと思うのですが、10ヶ国ぐらいなのです。
また、私はオランダ人なのですが、サッカーが大好きです。そのサッカーでさえ、世界270ヶ国のなかで盛んなのは半分の130ヶ国ぐらいです。
しかし、プロレスは(盛んでない国は)ないぐらい盛んだと言われています。2000年ぐらいの歴史があることに加え、格闘は非常に人間の本能に訴えかけるものだと信じています。
現に当社の動画配信サービスを見ていただくと、今のところアメリカが中心ではあるのですが、いろいろな国の方に見ていただいています。我々のプロレスは万国共通でユニークで、海外に輸出できる日本のスポーツコンテンツと言えば、プロレスぐらいじゃないかと自負しています。
そして2つ目の質問ですが、そのなかでもユニークなのはどのあたりなのかという質問だと思います。1つは、我々のプロレスはスポーツであって、エンターテイメントではないところです。WWEの「E」は「World Wrestling Entertainment」ですので、「エンターテイメントのE」なのです。その試合を見ても、マイクパフォーマンスが多い。しかし、我々は基本的にマイクパフォーマンスはなく、最初から最後まで戦いです。これが1点です。
2つ目は歴史です。(新日本プロレスの)47年の歴史のなかで、とくに日本にしかない1つのユニークさが道場です。今、日本とアメリカに道場があるのですが、さらに海外でも増やしていく計画があります。
身体や技を磨くだけでなく、本当に一から精神を磨く。これはかっこよく言うと「武士道」的な要素はありますが、やはり海外では響きます。
3つ目が、レスラー自身のバラエティです。我々のレスラーは、パワーレスラーもいれば、空中殺法……あまりいい言葉ではないかもしれませんが、リングを飛んだり跳ねたりといった空中殺法ができます。
テクニカルの面で、コミカルまでオールラウンダーで全部できるレスラーがいて、国籍も日本だけでなくヨーロッパ、オーストラリア、アメリカといったように多国籍のレスラーが揃っているのもあります。
もう1つが、先ほどのプレゼンにもありましたように、観客(の層)が全然違います。WWEの数字は持っていませんが、私の目で試合を見る限り9割以上は男性です。ところが我々の場合は4割が女性で、試合によりますが1割がお子さまというのも非常にユニークです。
また、さきほど歴史についてお話ししましたが、ただ単に47年の歴史だけではなく、47年分の試合が残っている、つまりアーカイブがあるわけです。
ここから生まれるさまざまなストーリーやドラマということで、点と点を結んで線になるコンテンツが、毎年年間で400時間分が増える計算です。やはり、コンテンツが違います。
このように、我々にしかないような武器がいろいろあると信じています。
質疑応答:オンラインのカードゲームについて
質問者4:上場時の説明会で、トレーディングカードゲームにおいて、オンラインのゲームが出てきているため、御社もそれに注目し、一部で研究もしているとのお話をいただきました。これについて、状況を説明できるものがあれば教えていただけたらと思います。
橋本:パイプラインのなかでもお示ししたのですが、スライドの左上の『ヴァンガード』のモバイルゲーム版が、すでにβテストも終わりまして、最終的な調整に入っている段階で、年内のリリースを予定しています。
『ヴァンガード』は8年ほど取り組んでいますが、いわゆるアナログの紙のカードです。今、世界でだいたい40数億円のビジネスになっています。8年間にわたって『ヴァンガード』で遊んだけれど、やめた方もいる。そのような方を、もう1回呼び戻す効果もあるかなと考えています。
また、モバイルゲームはいわゆるメディアですから『ヴァンガード』を知らなかった、あるいはカードゲームを知らなかった方に簡単に遊んでいただけます。そして、遊んでみたら「カードゲーム、面白いね」ということで、本格的に紙のカードゲーム(の世界)に入ってみようかということで、新しいお客さまを連れてきてくれる効果があると考えています。
モバイルゲームは年内配信ですが、これに合わせて紙のカードゲームのプラス効果も期待しています。