2018年12月期第2四半期決算説明会

若林弘之氏(以下、若林):ただいまご紹介いただきました、若林でございます。本日は、よろしくお願いいたします。お忙しい中、スペースの(2018年12月期)第2四半期決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。

さっそく、(2018年)8月8日に発表させていただきました、第2四半期決算のご説明をさせていただきたいと思います。本日は、ご覧いただいております4つの項目について、順にご説明をさせていただきます。

同業他社 売上高推移

それではまず初めに、事業環境の概要についてご説明をさせていただきたいと思います。

ご覧いただいているスライドは、同業他社……上場していますディスプレイ業の4社の、ここ5年間の決算推移です。5年目(2018年度)は予測でございます。ディスプレイ業界における4社の売上推移につきましては、上位2社は堅調に売上を伸ばしていますが、3番目のスペースおよび4番目の船場さまは、商業施設関連の受注をメインにしていますので、近年の出店の減少から、足踏み状態が続いているところでございます。

SC出店状況

続きまして、当社のメイン顧客でございますSCの出店状況につきまして、ご説明をさせていただきます。

こちらのスライドは、日本ショッピングセンター協会が公開している情報でございます。2018年度の上期につきましては17件で、近年に比べましても非常に少ない出店数でございました。

ここでご注目いただきたいのは、上期につきましては、一昨年(2016年度)の31件から(2017年度の)25件、(2018年度の)17件と減っていますが、下期につきましては、ここ3年で変わらぬ数字が、今年も見込まれているということでございます。

SC 当社設計・施工状況①

次に、当社の設計・施工状況です。(2017年度の)第2四半期における売上高の64.1パーセントがSC関連で、その他の部分が35.9パーセント。この比率は(2018年度も)変わっていませんが、どちら(の売上高)も今回におきましては減少しています。

SC 当社設計・施工状況②

SC関連の売上高について、新築と既設店舗の概況を、こちらに表示してございます。ご覧のように、新築の出店が非常に減少しています。新築に関する売上高が(2017年度の)35億6,800万円から(2018年度は)20億6,200万円と、15億600万円減少しているのが、今度の上期で非常に苦戦している状況でございます。

業績推移

続きまして、第2四半期期間累計の業績推移でございます。

売上高は、2014年度以降横ばいで推移していましたが、当期は減収という結果になっています。

利益につきましては、近年売上原価が増加傾向でございましたが、昨年(2017年度)より原価の8割を占める外注費削減を徹底したことから、2017年度・2018年度は利益が若干向上している状況でございます。

1株当たり四半期純利益は、ご覧いただいているとおりでございます。

続きまして、決算の詳細につきまして、三品よりお話をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

損益計算書

三品和久氏:それでは、損益計算書の主要な項目について、ご説明いたします。

売上高は、ご覧いただければわかると思いますが、前年同期比12.7パーセント減の225億4,800万円という結果になりました。売上原価につきましては195億9,100万円となり、それを引きますと、売上総利益といたしましては、前年同期比10.5パーセント減の29億5,700万円という結果になりました。

その次に、販売費及び一般管理費につきましては、前年同期比5.7パーセント減の12億900万円という結果になっています。

この結果、売上総利益から販売管理費を引いた営業利益は17億4,800万円で、前年同期比では13.6パーセントの減となっています。

経常利益につきましては、営業損益はほとんどありませんので、こちらも前年同期比13.3パーセント減の17億4,800万円という結果になっています。

税引前四半期純利益につきましては、特別損益にも主だったものがありませんので、こちらも前年同期比13.3パーセント減の17億4,800万円になりました。

四半期純利益につきましては、法人税等が5億6,600万円ありますので、それを差し引きいたしますと、前年同期比14.0パーセント減の11億8,200万円という結果になっています。

外注費推移

続きまして、今ご覧いただいているグラフは、売上原価の約8割ぐらいを占めている外注費の推移を表しています。棒グラフは外注費の額でありまして、折れ線グラフは売上に対する外注費率を表しています。

ご覧いただければわかりますが、近年は外注費が増加傾向にありましたが、昨年(2017年度)ぐらいから外注費の見直しに取り組みまして、外注費率は約1ポイント減少し、今年(2018年度)は157億6,400万円という結果になっています。今後も原価計画を徹底して行い、外注費の削減と利益の確保に努めていきたいと思います。

販売管理費推移

続きまして、ご覧いただいているのは、販売管理費の推移でございます。ご覧いただいています棒グラフは、労務費と経費の販売管理費の合計です。それから折れ線グラフは、売上高に対する販売管理費の比率を表しています。

近年、販売管理費はだいたい5パーセント以下で推移していましたが、最近では上昇傾向になっています。

主な要因といたしましては、中期経営計画にもありましたが、社内体制の整備を行うためにシステム関連の投資を継続して行っていたことと、ブランディングを含めた広告宣伝費の増加があったためです。

市場分野別売上高

それでは続きまして、市場分野別売上高です。

ご覧いただいたとおり、複合商業施設と総合スーパー分野では、既存店の活性化によるリニューアルがあったものの、先ほど(説明が)ありましたように、新規出店の減少が影響したため、売上高は前年同期比10.9パーセント減の40億8,700万円という結果になっております。

次に、食品スーパーとコンビニエンスストアでは、食品スーパーにおきましても大型案件があるにはあったのですが、多少減少したこと。また、コンビニエンスストアにおいては、みなさまもご存じかと思いますが、業界再編によるブランド転換工事が落ち着きを見せてきました。これにより、売上高は前年同期比20.0パーセント減の27億1,600万円という結果になっております。

各種専門店分野では、インテリア・家具専門店やアパレル店舗の出店の抑制が影響いたしまして、売上高は前年同期比17.5パーセント減の105億7,400万円という結果になっております。

飲食店分野では、原材料価格の上昇や、とくに人手不足といったものによるコストの上昇から、出店の抑制が続きまして、前年同期比2.9パーセント減の26億3,300万円という結果になっております。

サービス分野におきましては、こちらも前年(2017年度)からありますように、ホテル関連の受注が堅調に推移しており、その他ブライダル施設や保育施設の案件を取り込みまして、前年同期比10.1パーセント増の25億3,600万円という結果になっております。

受注高・受注残高推移

続きまして、受注高と受注残高の推移でございます。

第2四半期における受注高は、前年同期比で25億300万円減少しまして、252億1,300万円となりました。

ただし、受注残高は、前年同期比で4億6,900万円増加の62億600万円という結果になっております。

貸借対照表

それでは、貸借対照表の主要な項目についてご説明いたします。

当第2四半期の資産合計は、前事業年度比で10億9,600万円増加し、343億5,400万円という結果になりました。その主な要因は流動資産の増加であり、完成工事未収入金が15億5,500万円、現金及び預金が6億1,300万円、未成工事支出金が12億9,600万円増加したことによるものです。

次に負債合計ですが、前事業年度比で4億9,700万円増加し、71億8,300万円という結果になりました。主な要因といたしましては、流動負債である工事未払金が5億3,900万円増加したことによるものです。

続きまして、純資産合計は、前事業年度比で5億9,900万円増加し、271億7,100万円という結果になりました。こちらは主に、利益剰余金が5億2,300万円増加したことによるものです。

キャッシュ・フロー計算書

続きまして、キャッシュ・フロー計算書の主要な項目について、ご説明いたします。

当第2四半期の現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べて6億1,300万円増加し、126億7,100万円という結果になりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、23億800万円の収入となりました。その主な支出の要因といたしましては、棚卸資産が122億9,700万円増加したこと、法人税等の支出が6億700万円あったことによるものです。

それから、主な収入の要因は、売上債権が18億4,900万円減少したことと、税引前四半期純利益の計上が17億4,800万円あったことによるものです。

続きまして、投資活動によるキャッシュ・フローは、9億7,300万円の支出となりました。主な要因といたしましては、有形固定資産の取得により5億7,100万円、関係会社株式の取得により3億300万円を支出したことによるものです。

続きまして、財務活動によるキャッシュ・フローは、7億2,100万円の支出となりました。こちらの主な要因といたしましては、配当金の支払いを6億5,700万円行ったことによるものです。

続きまして、2018年度の通期見通しについてですが、こちらは若林よりご説明させていただきます。ありがとうございました。

通期見通し

若林:それでは、2018年度の通期見通しについて、ご説明をさせていただきます。

2018年度の見通しでございますが、先ほどご説明させていただきましたとおり、下期のショッピングセンターの出店は昨年並みと予測しております。消費者ニーズに合わせた既存ショッピングセンターのリニューアル・改装は、引き続き行うものと予想しております。

また、商業施設以外にも、ホテルなどの新分野におきましても、それなりの受注を見込んでおります。

これらの状況のもと、売上高は470億円、営業利益は33億円、経常利益は32億円、当期純利益は22億円と予測しております。

当期は、外部環境の変化に耐えうる社内体制の整備と強化を、最優先課題として取り組んでおります。安定した利益を確保できる仕組みの部分に注力しております。

なお、1株当たり当期純利益は91.03円、年間配当金は中間25.00円、期末25.00円の50.00円を予測しております。

配当額・当期純利益及び配当性向推移

配当額・当期純利益及び配当性向の推移について、ご説明をさせていただきます。

配当政策といたしましては、安定配当を維持することを基本方針にしておりまして、2018年度は中間25.00円・期末25.00円を合わせて、年間配当は50.00円を予定しております。

配当性向につきましては、50パーセント前後で推移しております。

中期経営計画(経営目標)①

最後に、中期経営計画のご説明をさせていただきます。

2019年度を最終年度とする中期経営計画におきましては、営業利益で40億円、営業利益率で8パーセントという経営目標にしております。

来期は、新規ショッピングセンターや改装につきましても、それなりのものがあると、予想しております。近年、ショッピングセンターの出店減少や小売業界の変化など、当社を取り巻く環境は厳しいものがありますが、2017年度からの3年間において、今後の発展に向けた社内体制の整備を行いまして、環境の変化に耐えうる仕組みづくりを構築するため、売上目標といたしましては昨年並の500億円としておりますが、利益率の向上に努めていくと(いうことです)。

中期経営計画(経営戦略)

こちらが、2017年度~2019年度の中期経営計画の経営戦略になります。

社内体制の整備に向けまして、組織・制度の戦略、価値観・人材・スキルの戦略を経営戦略に入れております。

経営戦略の実行に向けて

2017年度より実施しております、これらの戦略を確実に実行するために、ある指標を取り入れておりますので、それについてご説明させていただきます。

当社を含むあらゆる事業におきましては、経営戦略の立案だけでは経営目標を達成することができません。経営戦略を実行する組織、社員一人ひとりの働きがあってこそ目標達成ができると考え、事業に対する社員一人ひとりの理解を深めるとともに、経営側もまた、社員が何を思っているか、どう考えているかを理解して、事業と社員が同じ方向を向くことで、組織の実行力を高めていきたいと考えております。

組織の実行力を高めるために

人材の流動化が進む昨今、事業開発では、商品市場における労働市場への適応が、企業の至上命題となってきていると考えております。商品市場におきましては、財務情報としてPL/BSの情報がございますが、企業活動の成績を表す物差しでもあります。

しかし、労働市場におきましては、「なんとなくいい組織」や「なんとなくいいチーム」だとか、どれも再現性がなく、組織活動に関する物差しがございませんでした。

ここで、組織の実行力の度合い……つまり、企業と社員の相互理解の度合いを測るための指標が、(非財務情報の)エンゲージメントスコアでございます。

エンゲージメントスコア

このエンゲージメントスコアを把握するために、全社員に対して組織診断サーベイを行っております。

サーベイでは社員のエンゲージメント度合いを測る項目として、16項目を特定して、さらに細分化された項目について、期待値と満足度を測るという内容になっております。

エンゲージメントを高めるPDCAサイクル

エンゲージメントスコアを測るためのサーベイを継続的に実施していくことで、その進捗を把握することが可能になっておりますので、サーベイの結果に一喜一憂せずに真摯に受け止めまして、着実な改善実行をもって、組織の実行力を高めていきたいと思っております。

以上をもちまして、2018年度の第2四半期決算説明会を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。