2018年10月期 第2四半期連結業績
卯辰伸人氏:2018年10月期第2四半期の決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
それではお手元の資料に沿って、2018年10月期第2四半期の連結業績結果につきまして、簡単にご説明させていただきます。
まずはじめに、今回の決算のポイントでございます。連結売上高につきましては、昨年の2017年10月期第2四半期連結業績を上回りまして、7期連続の増収かつ、同期間といたしましては過去最高の数字となりました。また、利益面につきましても、それぞれ前年実績を上回っておりまして、過去最高の結果となっております。
この上半期の事業環境といたしましては、公共投資の下支えに加えまして、比較的堅調であった企業の設備投資、あるいは首都圏・大都市圏における再開発事業、また、東京オリンピック関連工事などを中心に、穏やかではありますが徐々に増加して、建設需要は底堅く推移したと見ております。
結果、当期の連結売上高は、前年同期比7.8パーセント増加の853億4,900万円となりました。また、利益面につきましても、営業利益は前年同期比10パーセント増加の109億9,400万円。経常利益につきましては、同じく8.9パーセント増加の111億5,500万円。親会社株主に帰属する四半期純利益につきましても、同じく4.1パーセント増加の67億3,500万円となっております。
セグメント別実績
次に、セグメント別の実績について申し上げますと、主力事業であります建設関連事業の売上高が、前年同期比6.5パーセント増加の767億8,200万円でございます。
その他の事業の売上高も、同じく20.5パーセント増加の85億6,700万円と、それぞれ増加しております。
地域別建機レンタル売上高推移 第2四半期連結
続いて、第2四半期連結ベースの地域別建機レンタル売上高の推移は、ご覧のとおりでございます。
北海道地区について言えば、公共工事の好調に加えまして、新幹線延伸工事や災害復旧工事、さらには新エネルギー関連工事等もございまして、13.7パーセント増加しております。
東北地区について見ますと、例えば秋田の火力発電土木工事、また、ピークは過ぎているものの復興需要が継続している岩手県の沿岸部、それから福島の中間貯蔵施設関連工事、除染土壌の掘り起こし・収集・運搬工事等によりまして、減少幅は5.7パーセントにとどまっております。
次に、大型プロジェクト工事のある首都圏とその近郊へこれまで出店をしてきていますので、その効果も徐々に出てきておりまして、関東甲信越地区は9.1パーセント増加。西日本地区につきましても、8.2パーセントの増加でありました。
さらに、豪雨災害や熊本の復興あるいは福岡の再開発工事など、子会社を含めたグループを挙げた対応によりまして、九州沖縄地区も12.2パーセントと、大幅に増加しているところでございます。
建設関連事業 地域別レンタル売上高占有率
続いて、建設関連事業の地域別レンタル売上高の構成比を前年同期と比較してみますと、ご覧のとおりになっております。
先ほど申し上げました、売上が堅調に推移した北海道地区では、1.5パーセント増加の19パーセント。関東甲信越地区は22.1パーセント、九州沖縄地区は14.9パーセントと、ともに約1パーセントずつの増加となっております。
貸借対照表 資産の部
続いて、資産・負債および純資産の状況でございます。
当第2四半期の連結会計期間末の総資産は、2,429億6,800万円となりまして、前連結会計年度末から比べますと、154億2,300万円の増加となっております。
貸借対照表 負債・純資産の部
続いて、負債合計につきましては、1,452億6,600万円となっておりまして、これも前連結会計年度末から95億1,000万円の増加となっております。
純資産合計は977億100万円となりまして、これも前連結会計年度末から59億1,200万円の増加となっております。
それぞれの前連結会計年度末からの増減内容につきましては、ご覧のとおりとなっております。
キャッシュ・フロー
次に、キャッシュ・フロー計算書についてご説明申し上げます。当第2四半期の連続累計期間における、各キャッシュ・フローの状況を申し上げます。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比5.8パーセント減少しまして、営業活動の結果得られた資金は、227億1,600万円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の支出金額の14億900万円に対しまして、投資活動の結果、支出金額は45億6,200万円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の支出金額の156億2,700万円に対しまして、財務活動の結果、資金は132億5,000万円となりました。
主要指数比較 EBITDA+ (連結)
続きまして、こちらは当社で最重要指標としておりますEBITDA+の推移と、各項目の実績数値でございます。
とくに従来は、レンタル用資産をはじめとする新規設備投資につきましては、このEBITDA+を重要な指標として取り扱ってきております。
ここ数年の設備投資額は、約300億円台をこのように維持しております。今後も、資産の入れ替え等による機械の新規購入に加えまして、成長戦略的な追加投資を考慮しますと、この300億円台と同じぐらいの水準で推移するものと考えております。
四半期決算推移
続いて、四半期ごとの売上高と営業利益の推移でございます。
当社は建設関連のために、建設需要の動向に影響を受けやすい傾向にございます。その結果、売上のトレンドといたしましては、第4四半期……私どもで言えば8~10月から、第1四半期の11~1月にかけてピークになります。一方で、第2四半期の2月から4月および、建設需要が端境期となる第3四半期5月から7月は減少する、このような季節的特性がございます。
国内建設投資
続きまして、建機レンタル業界の概況やトレンドを交えまして、2018年10月期の業績予想について、簡単にご説明申し上げます。
まず、国内の建設投資についてですが、ここ数年51兆円前後の推移でございましたが、2017年・2018年は、約54兆円となっております。
2020年の東京五輪開催に向けて、首都圏では交通網の整理を中心として、社会資本の整備が進むことが見込まれております。国内の建設投資は、今後も一定の水準で推移することが予想されております。
建機レンタル業界の概況
建機レンタル業界の規模別の占有率については、ご覧のとおりになっております。こちらは正規の比較ではございませんが、最近の各社の単体比較データでは、広域大手業者が約34パーセント、準大手中堅業者が約26パーセント、地場業者が約40パーセントと、このような占有率になっております。
現在も準大手中堅業者の中には、広域大手の子会社が数社含まれております。建設費用が一部の大手・大都市に集中するなど、地域間格差も多くなっておりまして、地方都市を本拠地とする企業が経営の効率化のために、大手の傘下に加わるといったケースも散見されてきております。
このように今後も、営業エリア拡大を目指す大手企業と、大手企業からの支援あるいは資本力増強などを必要と考える中堅中小企業との間で、M&A等の増加によりまして、大手企業のシェアがさらに拡大していくことが予想されるところでございます。
当社の地域別シェア
続いて、当社の地域別シェアについてご説明申し上げます。
これらも先ほどと同じように、正確な数字による比較ではありませんが、レンタル市場を国土交通省の「建設総合統計」の出来高ベースを元に一律2.5パーセントということで算出して、それに当社の2017年10月末の建設関連の地域別売上高と比較したものでございます。
ご覧のとおり当社のシェアは、北海道が37.6パーセント、東北が25.7パーセント、関東甲信越・西日本がそれぞれ約5パーセント、九州沖縄が12.6パーセントとなっております。
2018年10月期 連結累計期間業績予想
2018年10月期の見通しでございます。
建設需要が、首都圏や大都市圏では、比較的底堅く推移することが見込まれております。ただ一方で、地方部におきましては、災害復興工事がそれぞれ終焉に向かっていることや、これからの公共事業の出店状況について、規模あるいは時期的に、今一つ不透明感さがあります。
このため、下期の業績進捗につきましてはやや慎重に見ざるを得なく、通期の業績予想につきましては、期初予想を据え置いている状況にございます。
しかしながら、今後の建設機械のレンタル需要は、国土強靭化計画に向けた社会インフラ関連工事あるいは防災減災工事など、相応のレベルで推移すると予測されているところでございます。
配当政策
最後になりますが、当社の配当政策について、ご説明させていただきます。
2018年10月期の配当につきましては、中間配当を5円増配して20円。期末配当の35円と合わせまして、1株当たりの年間配当を55円とさせていただく予定でございます。
また内部留保金につきましては、従来どおりレンタル用資産等の設備投資の源泉として資本の充実に充てていきたいと、このように考えております。
なお一方では、資本政策を機動的に行えるよう、自己株式の買い入れの体制も備えております。
以上、私からのご説明を終わらせていただきます。今後の展開につきましては、先ほどご案内したとおり、私どもの社長の金本からご説明させていただきます。ご清聴ありがとうございました。
BULL55
金本哲男氏:ただいまご紹介いただきました、社長の金本でございます。本日はお忙しい中、ご参集賜りまして誠にありがとうございます。
今まで業績の見通し等は、卯辰からいろいろ説明させていただいたとおりでございますが、これらを踏まえて私からは、当社グループの今までの成果であるとか、今後の展開について簡単にご説明をさせていただきたいと思います。
国内営業基盤の拡充①
3つの施策を我々は掲げているわけですが、そのうちの1つ目の国内営業基盤の拡充の進捗について、申し上げたいと思います。
こちらは、現在予定されていると言われている、日本国内の大型プロジェクトでございます。もちろん、これ以外にもいろいろあるとは思いますが、今後も総じて言いますと、建設機械のレンタル需要は底堅く推移をするということが見込まれております。
しかしながら一方では、地方と都市圏との需要格差でありますとか、この(スライドの地図の)ようにプロジェクトのあるエリアとないエリアというような、いわゆる二極分離がさらに進んでいくというリスクも、抱えているということであります。
そういうことですので、我々は、需要のあるエリアでは確実に取り込むというか、受注確度を高める作業をしていかなければ乗り遅れるだろうという危機感を持っておりまして、引き続きこうした各種の大型プロジェクトへも、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
これらを確実なものとするためには、国内営業網を着実に広げる必要性がある。具体的に言うと、拠点の増加が必要だということであります。
国内営業基盤の拡充②
こちらは2014年から、今までこの第2四半期までの国内営業拠点の進捗推移でございます。カナモトの単体としては、23拠点を新設いたしまして、現在192拠点になります。
アライアンスグループにおきましては、ニシケンの買収等によって136拠点が増加いたしまして、グループ全体では473拠点と、確実・着実に営業基盤の拡充を進めているところでございます。
こちらは、ここ1年間の具体的なカナモト単体としての、出店の実績でありますが、空白エリアまたはプロジェクト対応等を含めまして、ここ1年間で約10拠点を新設しています。最も力を入れている首都圏やその近郊、また、都市型建築需要の対応力強化や店舗間の孤立が課題でありました中国・四国エリア、松山・西条への出店も行いました。
国内営業基盤の拡充③
また、(2018年)7月中旬には、カナモトとして初めて、九州地区へ2拠点の同時オープンを予定をしております。
筑後市に、九州総合機材センター。これは1万5,000坪を有し、相対的に機材を関連会社等に供給していくという役割をもっております。また、福岡市内に福岡営業所というものを設立いたしまして、福岡市内の大型建築プロジェクトに対応していこうという願いでございます。
このように、九州の子会社3社とシナジー効果を最大限に発揮させるべく体制を構築し、さらに九州のシェアを上げていきたいと考えております。
国内営業基盤の拡充④
次に、ここ数年間我々が力を入れております、トンネル関連分野でございます。前にもちょっとお話をしたと思いますが、このトンネル周辺機器機材のメーカー及びエンジニアリング会社に、昨年(2017年)さらに出資を増やしまして、環境を強化しているところでございます。
また、これはちょっと具体的な機械になるんですけれども、国内で最大級の電気集塵機であるとか、新幹線の延伸工事の早期化に向けた大型のターンテーブルであるとか、鉱山機械で実績の高い北欧のメーカーの低床のダンプやホイールローダーを日本を初めて採用するなど、商品の差別化を図り現場のニーズに応じたラインナップを、グループ企業と連携して積極的に導入をしております。
国内営業基盤の拡充⑤
こちらは、現在高速道路各社が進めている更新計画です。NEXCOで約3兆円、首都高・阪神高速合わせて約1兆円と、かなりの事業規模となっております。これらの高速道路や橋梁などの大規模更新をはじめ、防災減災に向けた全国各地のインフラ整備に寄与するサービスや、安全で効率的に作業を進めるための技術提供なども当社グループの使命と認識をいたしまして、積極的に対応を強化していきたいと考えております。
国内営業基盤の拡充⑥
また、国土交通省は、建設現場の生産性向上に向けまして、全プロセスにおいて情報化を前提として新基準……いわゆる「i-construction」を、2016年度より導入をしております。当社グループでもその流れに追随すべく、対応できうる重機関連を170台強、システムも300台弱の導入をすでに実施しております。
加えまして、以前に動画を見ていただいたと思いますが、その先のいわゆる無人化施工の推進ということで、遠隔操縦のロボットの開発・導入などを進め、現在具体的な引き合いもチラチラと散見されるようになり、着実に実績を積み上げているというところであります。
このように、将来的な「i-construction」の浸透や、その先のイノベーションを見据えた体制強化と人材教育の取り組みも、加速させてまいりたいと考えております。
海外展開①
施策の2つ目でありますが、海外展開でございます。
ご覧のとおり、当社はすでに海外の6ヶ国に、合弁会社または独自の会社を設立をしております。その中で、昨年(2017年)中国に新たに設立した金本中国投資有限公司というところでありますが、この(2018年)4月から中国のウイグル自治区におきまして、鉱山採掘用の大型の油圧ショベル6台、鉱山用ダンプ40台の貸出を開始いたしました。
これらはマイニング用のレンタルということで、今まで我々も経験はございませんが、中国においても取り扱う業者が限られてお¥いるため、高い収益性を期待しているというところであります。
海外展開②
海外事業につきましては、中長期における成長エンジンと捉え、今後も各国のパートナー企業と連携をし、将来的には海外売上比率をさらに伸ばし、具体的には第1段階として海外売上100億円の大台に乗せたいと、意図をしてるわけであります。
内部オペレーションの最適化
最後に、3つ目でございますが、内部オペレーションの最適化についてご説明を申し上げます。
従来より当社では、業界に先駆けて1985年に全拠点オンラインネットワークというものを構築し、自社システムの開発に積極的に取り組み、社内業務の先進化を図ってまいりました。
それによって、これまで蓄積されたいわゆるビッグデータの活用により、的確な商品ラインナップ、また資産管理や採算管理のリアルタイム化など、業務全般の効率化を目指して、先月に新システムを導入し、稼働したというところであります。これらのシステムについては順次グループ各社にも導入をして、グループでのシステム統合ということも、今計画に入れております。
今後も、中長期計画の目標達成と最高収益の計上を目指したいと思います。また、これらの3つの重点施策を推進していくともに、新システムを基軸としてITを活用した働き方改革や生産性の向上、またガバナンス体制の強化ということで、持続的に成長可能な経営体制の構築に注力してまいりたいと思います。
以上、簡単でございますが、私からの説明を終わらせていただきます。ありがとうございます。